雄志社大学柔道部

副主将の受難

その7

 

せんずり円陣

 

「で、今日は今日でまとまったけど、どうする、この後? せっかく3年が全員集まったんだ。下のもん呼んでしゃぶらせて、みなで1発出すか? それとも久しぶりにせんずり大会でもするか? ん?」

 

 真面目な話にはケリが付いたと言わんばかりに、ムードメーカーの斉藤がおどけた様子で仕切り出す。

 

「どうせなら俺達だけで、1年の頃やらされた『せんずり円陣』でもやってみないか。全員で輪になって、右隣の奴のチンポ扱く奴。真ん中にじゃんけんで負けた奴一人置いて、みんなの汁飲ませられたよな」

 

 斉藤が言う『せんずり円陣』。

 互いの左手で隣の肩を抱いて円陣を組み、右手で右側の男の逸物を扱いてイかせる形の集団遊びだ。

 雄志社大学ほどの伝統ある柔道部に入るそれぞれは幼少時から何らかの部やサークル、団体に属していたものがほとんどであり、同性同士の性的な行為にはさほど嫌悪感が無い連中が集まっているのだろう。

 どうやら性的ないじめにも思えるそれらの行為にすら、人の手による射精の快感をすでに知ったもの同士のスキンシップに近い受け止め方をされていたらしい。

 そのままだと円の中央に向けて打ち出される精液を、口で受け止める役も必要となるようだ。

 幾人かのタイミングが重なれば中央の飲み役は忙しくなるのだろうが、そのあたりは隣同士の阿吽の呼吸でコントロールするものなのか。

 

「おおー、懐かしいな。あれ、山下先輩が好きでよくやらせられたよな」

「イくときのケツのヒクつき見るのが好きって言ってて、へーって思ってたけど、アレはアレで上からやらせられるよりいいだろって温情だったのかもな」

「言われてみればそうだけど、ヤってる側とすると、同期の奴に飲ませる、飲ませられるってのも最初はびっくりしたよなあ」

「まあ、俺らの学年の団結を表すって意味でも、いいんじゃないか」

 

 今回の斉藤の提案も嫌がる素振りを見せるものもおらず、異性の恋人がいる野村でさえも、昔を懐かしみながらの乗り気さえ見せていた。

 

「そうとなると、真ん中は誰がやる? 昔みたいにじゃんけんで決めるか?」

 

 逸物をしゃぶり、雄汁を飲むことにすでに抵抗は無い部員達だが、単純に『真ん中担当はけっこう慌ただしい』『久しぶりに同学年同士でのやり合いに微妙な恥ずかしさを感じている』ぐらいの気持ちなのだろう。

 斉藤の言葉もそこまで深刻そうな様子では無い。

 

「その、俺にやらせてくれないか、真ん中……」

 

 古賀がおずおず、といった体で申し出る。

 これにはお調子者の斉藤も驚いたようだ。

 

「え? いや、いいけどさ。主将のお前がやるってのもなんだか……」

「皆には世話になってるしな。それに久しぶりにみんなの飲みたいとか、ちょっと思ってさ。俺達、3年に上がってからは、やっと味にも慣れてきた雄汁、飲むことほとんど無くなったろう?」

「はは、実を言うと俺もみんなの飲んでみたかったんだがな。じゃあ、古賀でいいかな、真ん中は?」

「意義なーし!」

 

 全員が一斉に答える。先ほどとは重みは違うのだろうが、どこかウキウキとした男達の大声だ。

 

「じゃ、みんな全部脱いじまって、円陣組もうぜ。俊彦は御要望通り、真ん中でしゃがんで待機だ」

 

 部屋着にしていたシャツやケツ割れを脱ぎ捨て、次々と素っ裸になる3回生達。

 60キロ級の野村から、130キロを越す斉藤まで、9名の逞しい肉体が並ぶ。身長体重はそれぞれだが、いずれも鍛えられた筋肉とそれをむっちりと覆う脂肪、柔道着にこすれてぷっくりと膨れ上がった乳首、粗く厚みのある道着の摩擦にも耐えるふてぶてしい逸物を持った軍団だ。

 

「しごく前からみんなもう、おっ勃ってるな」

 

 円陣の中央で膝立ちになり、周囲を見回す古賀の台詞だが、その本人の股間もすでに滾りきっていることは言うまでも無い。

 目の前に並ぶ肉棒の味を想像してか、舌なめずりするかのような唇の動きが扇情的だ。

 

「俊彦には久しぶりにしゃぶってもらうけど、下手くそにはなってねえよな」

 

 こちらもスケベそうに笑いながら吉田が尋ねる。

 

「俺だって去年までは『早ヌキの古賀』って先輩達に呼ばれてたんだ。お前こそ、しゃぶった瞬間にイッちまうとか、もったいないことすんなよ」

「お前の口、久しぶりに楽しませてもらうぜ。今日はまだヌイてねえんでたっぷり出るはずだから、俺の雄汁、堪能してくれ」

「はは、お前のだけでなく、全員分飲ませてもらうんだ。みんな勝手にイったりすんなよな」

 

 古賀もまた、どこか吹っ切れたような様子で皆に檄を飛ばす。

 内柴の件でとにかくも一定の方針が固まったことでホッとしているのだろう。

 それにしても昨年の時点で何度か団体戦のメンバーにも選ばれていた古賀ではあったが、吉田や斉藤の話からは、部の伝統としてそのあたりのことは関係なく、上の学年の性処理に『使われて』もいたようだ。

 学年の上下や正選手と控え選手との関係が絶対的なものである明友大学の同部の内部規律と比較しても、そのあたりがこちら雄志社大学が『大らか』『緩い』と言われるゆえんなのだろう。

 

「よーし、みんな体勢整ったな。じゃ、始めるか。俊彦が飲みやすいよう、扱いてる奴イかせるときは、お互いコントロールしようぜ」

 

 やはり斉藤の声かけで男達がそのゴツい右手で、一斉に隣の部員の逸物を握りしめる。

 毎日の打ち込み練習で胴着に擦れた手のひらが、荒々しいまでの上下の扱きとともに極上の快感を猛々しくも勃ち上がった肉棒へ与えるのだ。

 

「おっ、おっ、おっ、気持ちいいぜっ!」

「うわ、もちっと緩めてくれっ! こんなん、すぐにイッちまうっ!」

「おおおお、亀頭責めっ、キクぜっ! 先走りでぬめって、すげえ気持ちいいっ! お前、こんなテク持ってたんか?!」

「へへっ、いいだろっ、これっ! 下の奴に教えてやらせても、すげえ気持ちいいんだぜ……」

「あっ、あああっ、いいぞっ、いいっ!! このままやられたらっ、俺っ、もう、もう、イっちまうっ!! もっとだっ、もっと感じさせてくれっ!」

 

 試合前の強化練習のときなどはあまりの疲労に泥のように寝てしまうものも多いが、普段であれば一日に数回の射精など普通にこなす部員達だ。

 体力と筋力、十分な食事と運動に支えられた精力もまた、強靱なものを誇っている。

 

「あっ、あっ、チンポっ、チンポ気持ちいいっ! 人の手でしごかれるとっ、たまらんっ、たまらんっ!!」

「もっとっ、もっと扱いてくれっ!! 俺のチンポ、ぐちゃぐちゃにしてくれっ!!」

「うああああっ、ダメだっ! 俺っ、もう、イくぞっ! 俊彦っ、俺のチンポっ、しゃぶって、しゃぶってくれっ!!!」

「おうっ、やっぱ斉藤が一番かっ! みんなっ、順番ずらしてイケよっ!! そうしないと、俊彦にしゃぶってもらえねえぞっ!!」

 

 普段であればそれぞれの部屋での1人遊びや呼び出した後輩による手コキやしゃぶらせることで性処理を済ませているのだが、久しぶりに同学年が集まっての行為に興奮したのだろう。

 始めて5分もしないうちに、ギリギリだと判断する者が出始める。

 性豪でならしている斉藤司がその巨体を揺らしながら、巨大な睾丸を張り付かせ、もはや一触即発の体を示していた。

 

「俺の口に出せっ、斉藤っ! 俺がっ、俺が全部飲んでやるっ!!」

 

 古賀もまた、隣の部員のゴツい手で扱かれている斉藤のペットボトルほどもある肉棒へとむしゃぶりつく。

 先走りでじゅるじゅるとぬめる亀頭をなんとか口にし、太竿のシゴキ上げは隣から伸びた肉厚の手に任せるようだ。

 

「おおっ、俊彦の口っ、たまんねえっ! もっとっ、もっとっ、しゃぶってくれっ!!」

 

 2回生の鈴木敬三こそ部内一番の巨根だったが、最重量を誇る斉藤の子どもの腕ほどもあろうかというそれとの差は、実に全長で数ミリという僅差だ。

 斉藤の重い腰の動きになんとか食らいつこうとする古賀ではあるが、その喉を塞ぐ逸物の1/3ほども口中に収められてはいない。

 それでも2年間鍛えられた喉奥の締め付けと裏筋を責め立てる舌の動きは、斉藤のそれを一気に限界へと引き上げた。

 

「うあっ、出すぞっ、俊彦っ! 俺っ、お前の口にっ、出すぞっ! 飲めっ、全部飲んでくれっ!!」

 

 巨大な亀頭に口を塞がれた古賀が声に出しての返事が出来るはずも無い。

 これまで上の学年から仕込まれたのは、片手で玉を揉みあげながら、もう片方の手のひらで射精の予感に震えるぶっとい尻を、2度叩くこと。

 パンパンという尻肉への刺激に、ついに斉藤のかろうじて保たれていた雄汁ダムが、決壊した。

 

「ううっ、出るっ、出るっ! 俊彦の口にっ、汁がっ、俺の汁が出るぅーーーー!!」

 

 ブシュブシュと、音を立てそうな勢いで喉奥に打ち付けられる粘液を、古賀が必死の勢いで飲み干していく。

 一瞬でも嚥下の作業が遅れれば、およそ窒息の恐れすらあるほどの量が吐出されていく。

 それを飲み込む古賀の表情は斉藤の先端から噴出する液体の「量」と「勢い」にはなんとか対応しつつ、その「味」には満足している様が見て取れた。

 

「俺の汁、全部飲んでくれたんだな、俊彦……」

「お前の雄汁、久しぶりなんで零さねえように必死だったよ。一滴でも漏らすともったいないからな」

 

「お、おい! 話してないで、俺のしゃぶってくれっ! もう堪えきれねえっ!!」

 

 一瞬、古賀と斉藤の間に流れたしんみりした時間を切り裂くように、野村の声が響く。

 寮内での下級生を使った性処理もほとんどやっていない野村に取っては、久しぶりの集団せんずりと目の前で見る斉藤の盛大な射精が強烈な興奮剤となったのだろう。

 振り向いてにじり寄る古賀が、野村の固く反り上がった肉棒を深く咥えた。

 

「あっ、あっ、俊彦っ! 俺っ、イくっ、イくぞっ、イくっーー!!」

 

 雄志社柔道部員にしては珍しく彼女がいる野村ではあったが、毎日の練習と主務として部員全体を管理する激務の中、ほとんど逢瀬もままならないのだろう。

 古賀が飲み込むその雄汁は、巨漢の斉藤のそれとも遜色ないほどの量を湛えていたのだ。

 

「次は俺だっ! いいか? 俊彦、いいかっ!」

「なんだっ、次は俺って思ってたのにっ! おい、しごくの止めろっ! このままじゃ、そのまま出ちまうっ!!」

「早くしろっ! おいっ、イったらすぐに交代しろっ!!」

 

 そこからはもう、連続だった。

 隣から伸びるシゴキ上げる手の動きと自らの射精欲のバランスをなんとか取りながら、残り6人の雄達が、次々と主将である古賀の口を「使って」いく。

 そこには同学年同士での盛り合いへの興奮とともに、幹部である主将たる男の口を、堂々と「使える」喜びもまたあるようだった。

 

「俊彦の尺八、すげえよかったぜ。まあ、その、俺もちょっと激しくやり過ぎちまったけど……」

「謝るなよ、吉田。お前もだろうけど俺達みんな、春までの2年間で誰かに激しく『使われる』ってのも、感じるカラダにさせられちまってるだろ?」

「あ、ああ……、まあ、それはそうだよな……。つってもお前、そういうところは主将になっても、全然変わんねえなあ……」

 

 8人のむくつけき男達の中、最後に古賀の喉に雄汁をぶちまけたのは、団体戦レギュラーの吉田だった。

 どこか照れたような吉田の態度に、飲み干した汁の匂いが身体の内側から上がってくることすら楽しんでいるような古賀の風情だ。

 

「俊彦、お前はどうやってイきたいんだ。俺がしゃぶろうか? それか何人かで責めて、全身感じながらぶっ放すか?」

 

 せんずり円陣の最初から場を仕切っていた斉藤が、最後に残った古賀の吐精にも気を遣ってくる。

 先走りをトロトロと垂れ流しながら、ガチガチに勃起したままの古賀の肉棒を見つめる皆の視線も熱い。

 

「あ、それなんだがな、俺はいいよ……」

「ええっ?! お前だって、どうせ何回か抜かないと、おさまんないだろう?」

 

 古賀の意外な返事に驚く3回生達。

 

「まあ、その、シバがやられてること考えると、俺もちょっとあいつがイくまで、我慢しようかなって思ってな。さんざんに焦らされて射精禁止されるツラさ、ちょっとぐらいあいつの気持ちになれる奴がいないと可哀想だろ?」

「だからといってシバの奴が楽になるわけでも無いんだぞ」

「気は心って奴だよ」

「お前がそう言うんなら、俺達がどうこう言う話でも無いが……。つらいだろ、お前だって」

「まずはあと2週間の辛抱だ。先が見えてる分、ありがたいとでも思うさ」

「お前のことだから、高藤の奴とか、この後に呼ぶ気も無いんだろうな……。キツくなったら俺に言え。2分でイかせてやる」

「おいおい、俊彦を独り占めすんなよ。そんときゃ俺達全員でかかって、何発でもイかせてやっからよお」

 

 荒っぽくはあるが、同級のよしみとはそうしたものなのだろうか。

 バンバンと古賀の肩を叩く男達の股間は、いまだに滾り勃っている。

 

「はは、明友との合同鍛錬、終わってからの打ち上げで、シバと一緒に盛大に打ち上げるか。そんときはみんなや下の連中に頼むとするかな」

「おう、楽しみにしとけ。俺達3回生の本気、見せてやるからよ」

 

 部員達は下着を身に着ける手間すら惜しいのか、屹立した逸物を隠すことすら無くそれぞれの部屋へと帰っていく。

 せんずりで、あるいは下の学年のものを呼び出して、最低でもあと数発は軽く出さないと収まりが付かないものも多いはずだ。

 

 最後に部屋に残った古賀が、先走りに光る自分の股間を数回シゴキ上げる。

 ビクビクと上下に鎌首を振り立てるその嘶きに、話しかけるように呟いた。

 

「シバがイくときには一緒にイくぞ。そのときは嫌って言うほど出すから、しばらくは我慢してくれよな」

 

 古賀の赤黒くも膨れ上がった亀頭は張り裂けそうなほどに膨張したまま、その先端からは止めどもなく透明な汁が流れ落ちていた。