ホモエロ小説の書き方講座

講座内容レジュメ

 

2020年度○○市市民講座

文芸創作部門3

 

ホモエロ小説の書き方講座

 

日時:2020年3月2日(月)

   13時~16時 講義

日時:2020年3月9日(月)

   13時~16時 小説作成

会場:○○市南区民センター

   第2会議室

講師:三太

 

 

1、講師紹介

 

三太:1966年生まれ。独身。ゲイ。20年ほど前よりネット上にてホモエロ小説のサイトを公開。現在はサイトにてアダルト小説の公開、noteでのアダルト以外の文章を記している。

novels三太す https://novelssantas.jimdofree.com/

三太のnote https://note.com/santas1966

三太のTwitter https://twitter.com/novelssantas

 

 

2、三太の小説の書き方(講師よりの原文ママ)

 

 ネットではアダルト小説の書き方についてたくさんの作家さんが独自の作法を記しておられます。今日は私、三太が書き続けているホモエロ小説について、三太なりの作法をお伝えしていこうと思っています。

 自分の場合は登場人物像よりもその人物が置かれている状況に興奮してしまう性質なので、まずは根本のネタを据えることから始めてます。それは、祭り、合唱団、消防団、ED治療とか、そのくらいのざっくりしたテーマみたいなものです。まずはそういう「自分に取ってエロそうなシチュエーション」を頭の中でこねくり回し、その段階でだいたいのストーリーを練っておきます。ここまでは頭の中の作業。

 次に決めたテーマが祭りであれば、祭りの主体者や地域の様子、ハレの日以外のケの日の様子や村の人口、年齢構成、職業構成、互いの呼び合い方などを設定として書き出します。

 同時に思いついたエピソードを順番を無視して書き綴りながら、全体の構成を考えていきます。

 いよいよ小説にしていきますが、これは自分の場合は上記の設定作成と同時に進めていくことも多いです。

 乗ってるときには一日で原稿用紙50枚とか書いてしまいますが、元来は遅筆で、だいたい一つの作品を書き出してから推敲を一段落となるまで年をまたぐことが多いです。七日籠もりなどは最初に一定の形にしてから旧サイトで公開するまで10年以上、Singlesexualの時代シリーズもここ10年ぐらいで書き散らしたものをまとめながら更新しているような状態です。

 

 

3、三太の小説作成技法

 

 ●テーマを何か考える

 

 部活、職場、旅行、祭り、神事、サークル、体育会、登山、エログッズ、ハッテン場、スポーツなど、とにかく一つに絞る

 

 ●設定を書き出してみる

 

 登場人物の年齢、職業、体格、性格、一人称 テーマがエログッズであれば形状や機能など ハッテン場であれば場所の特徴、間取り、料金、設えなど

 思いついた会話内容や描写の一部など、まとまらなくてもよいので、とにかく書きためておく→文章化する次のステップの元となる

 

 ●具体的に書き出してみる

 

①会話文から始める

 相手から話しかけさせ、主人公は後から答える側にしておく

 先輩、先生、課長、部長等の呼びかけを会話内に入れるとそれだけで関係性が伝わる

 相手からの会話文の中に、色事に絡ませたいモノやコトを一つでいいので入れる(マッサージ、エロビデオ、オナホール、精力剤、祭り、儀式、サウナ、練習試合、発展場、ジム、居酒屋、相撲、ラグビー、部活、など何でもよし)

 

②主人公に自己紹介させる

 俺は・・・文。部活や仕事内容、年齢、身長体重は筆力あれば書かずに雰囲気で伝えたり、あっさり数値で書いたり。

 

③最初の会話の場面説明

 ①の会話をどこでしているかの説明

 ①の会話を誰としているかの説明

 

④色事場面の1

 主人公と誰かのエロシーン

 相手は最初の会話相手でもよし、まったく違う相手でもよし

 ことの終わりまで書いてもよし、射精シーンまで行かずに途中で終わらせておいてもよし(終わってない場合は⑥で続きから書く)

 このとき必ず「どこで」「誰と」やってるかは書いておく

 

⑤説明文その1

 ④の場面になぜなったか

 ④の相手とどう知り合ったか 

 このときに①の会話文の中に入れたモノやコトを絡ませる

 ①~④が短くてもしっかり書けてれば、ここが長くなっても大丈夫

 逆に全体をボリュームアップしたいときはここを長めにする

 ほっこり系にしたければ、ここに日常系の描写を入れる(学校や仕事場の様子、休みの日のデート、食事、温泉や風呂など)

 

⑥色事場面の2

 ④でいったんコトが終わっていれば、別の場所、別の時間でもよし

 終わってなければ④の続きから書く

 ④の途中からなら体位と責め方を変える(最初が尺八→正常位だったら、こちらは後背位→正常位など)

 ④と違う場面であれば相手の感じ方を④より強くなるよう描写する

 ここではどちらかもしくは2人とも射精させる

 

⑦説明文その2

 ⑤と同じく場所と相手の説明(④の途中からなら省略可)

 ④と別の場所、時間であれば、④のときと違う主人公の感情を描写する

 

⑧全体をまとめる

 ⑥を終えた感想を主人公の内心として書く

 ⑥で色事の相手とのこれからの関係を主人公の内心もしくはセリフとして書く

 

 

 ●推敲の仕方

 

 推敲とは一度形にした文章を読みやすく、分かりやすくするために更に手を入れること

 こちらを先に決めておくと、後の作業が楽にはなる

 

①一人称(自分を指す言葉)を主人公と相手とできっちり分ける

 (わたし、私、俺、オレ、僕、自分)

 

②地の文(会話で無いところ)の文末の表現をなるべく統一する(~調は三太の勝手な命名です)

 平調=です、ます、た、でした、ました、だよな調

 文調=だ、である、だった調

 体育会調=・・・っす調

 

③ ①と②の組合せ方だけでも相手との関係性が示せる、というか、関係性に合わせて選ぶと楽

 

 主人公=私 相手=僕 文末=ですます平調

 →職場などで主人公が年上、相手年下

 

 主人公=私、俺 相手=私、僕 文末=だ、である文調

 →職場なら主人公が役職としても上、相手は部下

 →部活や体育会なら主人公がOB、相手が現役の部長などの役付

 

 主人公=俺 相手=俺 文末=ですます平調

 →部活や職場で主人公が年下、相手年上

 

 主人公=俺 相手=俺、自分 文末=だ、である文調

 →部活や体育会で主人公先輩、相手後輩

 

 主人公=自分、俺 相手=俺 文末=ですます調、・・・っす調

 →部活や体育会で主人公後輩、相手が先輩やOB

 

④地の文全体の終わり方(文末)を過去形(でした、ました、だった、であった)にするか、現在形(です、ます、だ、である、・・・っす)にするか決め、一度決めたもので統一する。

 

 過去形だと落ち着いた文章に、現在形だと躍動感が強調される

 

⑤ ④で全体を統一した後、数回の文末の中にところどころ、統一したものと逆の表現を入れる

 

 全体過去形だと、ところどころに現在形(です、ます、だ、である)を入れる(英語訳文などで「歴史的現在」と言われるテクニックだったりします)

 →その部分の描写が生き生きと見える

 

 全体現在形だと、ところどころに過去形(でした、ました、だった、であった)を入れる

 →いったん流れが落ち着いたように見えるので場面転換に使うと効果的

 

⑥全体を見渡して同じ表現を使ってないか、説明を繰り返して無いかを確認する(出来れば印刷してチェックした方が分かりやすい)

 

 ダブりを見つけたら

 →片方を思い切って削除する

 →片方の表現を変えて対処する

 

⑦ネットで公開する場合には見る人の使用する機器によって見え方に差が出るので、出来れば公開前にスマホとパソコンでの見え方を確認しておく

 

⑧ネットでの公開の仕方(略)

 

 

4、質疑応答

 

 

 

 

以上