くまどん-三太 共作作品

磯に立つポセイドン

第7章 三人の男達

 

第7章 三人の男達

 

「君のことはときどき聞いてるよ。」

 

 一緒にいた男が親しげに話してきた。

 彼の名は松本さんといって、親父さんより5歳くらい若い。

 親父さんとは違い色白で全体的に肉付きが良く、むちむちした感じである。

 笑うと目が細くなって無くなってしまうようだ。親父さんよりだいぶ背が高い。180cm近くあるかも知れない。

 

 目立つのは、ちんぽだ。

 かなり太い。

 中指と親指で輪をつくって握っても、指が届かないくらいの太さがある。

 色形を見れば、親父さんの少し小ぶりではあるが黒くて使い込んだようなものとは違い、松本さんのそれは亀頭もピンク色で陰毛もそれほど濃くはなかった。

 

「初めての射精が海の中だったんだって?」

 

 親父さん、そんなことまで話していたのか。

 俺は恥ずかしさで真っ赤になった。

 

「恥ずかしがることじゃない。むしろ滅多にないデビューの仕方だから、一生の思い出になるよ。」

 親父さんも、そうだそうだとうなずいている。

 

 ベッドの上には親父さんと松本さん。

 向かいあった椅子に俺は座っていて、二本の大人のちんぽが丸見えだ。

 もちろん俺もこの相当な刺激のある部屋の中にいて、落ち着いたちんぽでいられるはずがない。

 素っ裸の三人の男が向かい合い、ギンギンに硬く上を向いたちんぽを曝け出すシーンなんて、中学生にはなかなか経験できないだろう。

 自分以外の男が立派な大人の男なら尚更だ。

 

「ほら、遠慮せずに君もせんずりをかいて、出せるってところを見せてごらん。」

 

 親父さんが、自分のちんぽを扱き始めた。

 金玉の裏側まで見えるほど、大きく股を広げて。松本さんも当然のことのように、ちんぽを扱く。

 俺は体全体に血が駆け巡るのがわかった。ズキズキと自分のモノも脈打つのさえ伝わった。

 

「ほら、自分のちんぽ、見てみろ。先っちょから粘っとしたものが出ているから。」

 

 松本さんに言われ真下を覗くと、ちんぽの先の赤い割れ目から透明な液体が滲み出てきており、それがだらだら落ちている最中だった。

 それを見た親父さんが、その汁を親指で救って自分の亀頭に塗り付けた。

 俺がその行為にびっくりするのと同時に、ものすごいいやらしさを感じてしまう。

 

「大丈夫、こいつは精液じゃないんだ。先走りとか我慢汁とかと言って、ちんぽの滑りをよくするやつが出るんだ。こうやって塗り広げで、亀頭全体に伸ばして扱くと気持ちがいいんだ。」

 

 松本さんも同じように、太く腫れ上がった亀頭に自分の先走りを塗って見せた。

 俺も言われたように、次々と溢れ出る粘液を亀頭に押し広げてみる。

 何とも不思議な感じだ。

 くすぐったいような焦ったいような、切ないような。

 思わず、「ああっ!」という、声まで出てしまった。

 

「おっと、やりすぎると、イってしまうかもしれんからな、気をつけろ。最初は刺激が強すぎるだろう。」

 慌てて親父さんが口を挟む。

 

 親父さん、松本さんの話を聞けば、男の子は精通の後に覚えるせんずりのやり方は人それぞれで、亀頭を刺激しすぎたり、逆に怖くて根元だけ扱いたりしながら、自分に一番気持ちの良いやり方を見つけていくらしい。

 そうやって何回も繰り返し経験を積むことで、快感のコントロールができるようになり、せんずりの操縦ミスによる暴発が無くなっていくという。

 これも男ならだれでも学習していく過程のものであり、大人になる練習なのだ。

 

 俺はあの初めての射精以来、ほとんど毎日せんずりをかくようになってしまっていた。何しろ体に悪くないという親父さんのお墨付きだ。

 それでも、男のフェロモンがムンムンしているこんな空間の中での公開せんずりとなると、それまで家でこそこそとやっていたそれとは比較しようのないくらいの興奮に襲われていた。

 二人の成熟した男の体臭が、腋の下から、厚い胸板から、股間から香り立つ。

 その芳香に包まれた中での行為は、一人でしこしことするせんずりとはまったく違う、別次元のものだった。

 男が経験する性の悦楽として、最高の初体験かも知れなかった。

 

 やがて、親父さんと松本さんはお互いに向かい合って、何かしら目配せをする。自分達の方をしっかりと見るよう、俺に注目させた。

 

「自分のせんずりを見てもらうと、興奮するだろ。お互いのせんずりを見せ合いながら出すのはいいもんだ。ほら、こんなふうに。」

 

 二匹の雄臭い野郎が互いに見つめ合い、自分のちんぽを見せびらかすように扱いていると、次に来る欲求は当然相手のものも扱いてやりたいということだ。

 親父さんと松本さんのそんな思いが、なんとなくだが俺にも伝わってくる。

 

 わかる気がした。

 

 同じように性欲を発散している仲間同士。

 その間に漂う連帯感のようなものが芽生え、仲の良いやつなら手伝ってやりたいとか、相手のちんぽも愛おしいものなのだと思えてくる。

 

 松本さんは自分のちんぽを扱きながら、親父さんのちんぽにも手を伸ばした。

 親父さんの顔つきが切なくなるのがわかった。親父さんも返事を返すように、松本さんのちんぽを握る。

 やがて扱いているのはいつしか自分のものではなく、相手の肉茎のみになり、身体を近づけていった。

 お互いの切ない喘ぎが直に首筋にかかる距離だ。

 

 そして、ごく自然に彼らは接吻をした。

 

 男同士の、本気のこもった性的な接吻。

 唾液を引きながらまとわりつく、舌と舌。

 絡み合い、ほつれることを拒絶するように、二人の唇と舌は、しっかりと合わさったままだった。

 

 ちんぽの扱き方も、自分のものを扱くときとは扱い方が違う。

 世界一大切なものを取り扱うように、優しく握りしめ、その熱く脈打つ感触を掌で楽しみ、こぼれ落ちる透明な露を丁寧に味わい、ふくよかな股座の匂いを嗅ぐのだ。

 それは一人のせんずりでは決してできない、まさに至福の行為だと、俺は身に染みるように感じた。

 

「これくらいなら、まだ中学生のせんずりだがな。」

 

 親父さんの口調は、さらに次の段階もあると言いたいらしい。

 目の前で行われている今の行為ですら俺には大変な衝撃だというのに、まだこの先があるのか!

 

 松本さんが胡座から四つん這いになり、顔を親父さんの股座に埋めるように近づけていく。

 親父さんは俺に手招きをする。

 

「もっと近くで見てみろ。こういうことも男達はせんずりでやるようになるからな。」

 

 そう言いながら、親父さんは俺の方に股を広げて見せつけてくる。

 当然そこには、親父さんのぬらぬらした固いモノをすっぽりと咥え込んだ松本さんの頭があった。

 親父さんの陰毛が張り付くほどまでに、親父さんの勃起を根元まで呑み込んでいる。

 松本さんは親父さんの肉棒をしゃぶりながら、片方の手では肉棒の下にある二つの玉を、ごろごろと優しく揺らしていた。まるで泣いている赤ん坊をあやすかの様に。

 

「どうだ、気持ちいいぞ。

 前に教えただろう?

 小便も精液も、そしてちんぽを舐めることなんか、汚くないだろ?

 口の中に入れられると、暖かくてヌメヌメしていて、最高なんだよな。」

 

 親父さんは息を荒げながら、もう我慢できないのか、松本さんの頭をがっしり両手で抱え自分の股間に押さえつけた。

 

「ん、んぐ。」

 

 松本さんが苦しげな声をあげる。親父さんは、手を離して首を振った。

 親父さんの肉棒から口を離した松本さんが、大きく息をする。

 

「だめだ、それ以上やるといってしまう。」

 

 松本さんはハアハアと荒い息をしながら、舌で口の周りを舐めていた。

 舌で親父さんの先走りを舐め取っているのだと、俺は思った。

 なんていやらしいんだろう。

 

「口の中に出すのもいいけど、最初は三人で男の証を見せ合うことにしよう。」

 

 松本さんは全員の精を出し合って、俺に男であることを確かめさせようとしていた。

 

「みんなで見せ合いながら扱くと、すごく気持ちがいいからな。」

 

 親父さんはそう言いながら、自分の物を、ゆっくり上下に扱き始めた。

 さっきまで松本さんの口の奥まで埋め込まれていた親父さんの肉棒は、松本さんの唾液でてらてらと濡れ光り、十分なぬめりがある。

 くちゅくちゅと音を立て、ぬめりを利用して膨れ上がった亀頭を手のひらを捻るように刺激し、固くなった肉棒を上下させる。

 

「ああ、いいぞ。」

 淫靡な吐息を漏らしながら、親父さんは目を瞑る。

 

「わしにも塗ってくれ。」

 今度は松本さんが親父さんに促して、唾液を亀頭に擦り付けてもらった。

 

「おまえにもな。」

 親父さんが己の逸物の先端から溢れ始めた我慢汁を裏側から掬い取り、俺のちんぽにたっぷりと塗り広げてくれた。

 

「それを自分でちんぽ全体に広げて、ぬるぬる扱いてみるといい。」

 

 俺は見よう見まねで根本からぎゅっと握りしめて、自分のちんぽを揺らした。

 

「そうじゃなく、もっと最初は柔らかく、ゆっくり楽しみながら亀頭から撫で下ろしていくんだ。」

 

 親父さんは俺の方に大きく股を広げ、自らのぬらぬらと光る一物を見せつけると男のせんずりの手本を晒した。

 

「すげえ、親父さん。これが男なんだ。」

 

 思わず呟くと、松本さんが反応する。

 

「そうだよな、みんなそう思うんだ。」

 

 と、自分のを見せつけるように亀頭をこちらに向けた。

 松本さんと親父さんは目配せをしながら、ちんぽを握っていない方の手を互いの金玉の下に当てがい、ゆっくり玉を撫で回し始めた。

 

「こうやって金玉を撫でてやるともっと気持ち良くなるのは、海で出したときに、勉さんから教わっただろ?」

 

 松本さんは巨大な親父さんの睾丸をさわさわと揺らしながら、自分の玉も俺に触るように命じた。

 俺は空いている方の手を親父さんと交代して、松本さんの玉の裏に当てがった。

 代わりに親父さんは俺の金玉を優しく掌で包み込んでくれる。

 

 三人同時に喘ぎ声が漏れる。

 

「おおっ。あ、ああっ。たまらんな。金玉も感じるだろ。気持ちよさが倍になるだろう?」

「はい、気持ちいいです。ああっ、ちんぽも玉も、すごい。金玉って、気持ちいいんですね。」

 

 ひたすら、右手で竿を、左手は隣の雄玉を愛撫する形で、見せ合いを続けながらの男達のせんずり。

 

 いつしか俺達は、男に生まれて来たことを喜び、一つの塊となって、命の儀式を営んでいた。

 それはなんとも言えない連帯感を伴って、下半身を直撃する刺激だった。

 

 ぐちゅっ、ぐちゅっ、びしゅっ、びしゅっ。

 

 卑猥な摩擦音とため息が混ざり合い、部屋の中には濃厚な雄の匂いが湧きたっていく。

 

 松本さんの玉はぱんぱんに張っていて、ざらざらと生えた毛が玉中に絡み合い、男の巣と呼ぶべきほどの壮大な肉塊であった。

 撫で回す度に大声をあげて、雄の喜びを表している。

「もっと鷲掴みにしても構わんぞ。」

 そう言われ、松本さんのぼってりとした金玉を握り締める。

 手のひらからはみ出すほどに膨らんだ二つの生命は、それそのものが確かに生きているかのように、俺の手のひらの中で暴れていた。

 

 睾丸が動くのと同じリズムで、松本さんは自分の竿を扱く。

 親父さんはそれを見ながら、松本さんに握られている玉の感触を味わっていた。

 

「ああっ。そこだ、その玉の裏の縫い目に指を這わせられると、すぐにイってしまう。」

 

 親父さんが声を上げる。慌てて松本さんは、親父さんの金玉から手を離した。

 

「坊主も、イきそうか?」

 

 松本さんが、愛おしそうに俺のちんぽを見ながら言った。

 

「はい、もう、がまんできそうにないです。」

 

 俺がそう答えると、

「一回、みんな気を遣るか?」

 親父さんがそう言った。

 

 俺たちはこれから、互いにその射精の様子と、放たれた雄の汁を鑑賞しようということになるらしかった。