単身赴任寮物語

その3

 

「うあ、気持ちいい、気持ちいいよ・・・」
 敏感な先端を襲う新たな刺激に声を上げる。
 先ほどからの刺激で止めどもなく溢れる私の先走りと石鹸のぬめりが、普段だったら痛みさえ感じるようなナイロンタオルの荒い刺激を、たとえようもないほどの快感へと変えてしまっている。
 特に鈴口のまわりを擦るように動かされると、悲鳴を上げてしまうほどの快感が身体をつらぬいた。

「あっ、ああっ、だめです、そんなにされると、ああっ、イかせて、イかせてください」

 

「これだけじゃイかないから、せいぜい悶えるんだ。亀頭だけ責められるってのも、すごく切ないだろ。これを毎日やり続けると少々のことじゃ漏らさなくなるしね」
 亀頭だけをぬるぬると揉み上げ、肉棒は握りしめたままの浩二さんが、こちらの狼狽を楽しむように言った。背中には洋さんの肉厚の身体が感じられ、腰に当たった肉棒は火傷するかのような体温を伝えてきている。

 

「洋さんの泡踊りも感じるだろう。ここの連中はだいたいタチ受け両方出来るんだが、特に洋さんのタチ役は人気があってね。この身体で正常位でやられるとこっちのチンポが腹筋に擦られて、そりゃあたまらないほど気持ちいいんだ。
 特にローション垂らされた腹でぬるぬる擦られると、たいがいの奴はそれだけでイっちまう。後ろの方も突っ込んだチンポを括約筋で締め付けるのが抜群にうまくてね。毎日引っ張りだこさ」
 上半身を愛撫する洋さんの指が、ぐりぐりと亀頭に与えられるタオルのざらつきが、そして浩二さんの話す刺激的な寮の生活が、私を最後の瞬間に誘おうとしている。

 

 前後から責める二人の微妙な手の動きにびくびくと身体をひくつかせながら、私はついに懇願の声を上げてしまった。

 

「あ、ダメだ、イく、もう、イくよ、イくっ、イくよっ」
「まだだぞ、行くな!」

 

 その一瞬、二人の身体と手がふっと私から遠ざかった。
 私は口を半開きにしたまま、自分の肉棒が行き所の無い欲情にびくびくと震えるのを眺めているしかなかった。
 夜まで、イカさないぜ。そう言った浩二さんの言葉が頭の中をよぎるのだが、射精寸前で刺激を奪われた肉棒のおののきは、気が狂わんばかりの欲情を私に味あわせているのだった。

 

 宙ぶらりんにされた快感の行き先が少し時間をおいて何度も繰り返される。好みの男達に前後から加えられる強烈な刺激が下半身から脊髄へと駆け上がる。
 2人は限界が近づくたびに動きを止め、あまりの切なさに身もだえる私の姿を楽しんでいるようだった。
 目の前の浩二さんと、首をねじりながらの洋さんとの爛れたような口接が頭の中を真っ白にしてしまう。

 

 そろそろ危ないと見て取ったのか気晴らしのつもりか、こちらの身体を軽く弄りながらも2人が話し始めた。

 

「さっき部屋で話したとき、土曜の夜はケツに入れるのは無しって言っただろう。あれってあんまり面白くないように思ってるだろうが、それはそれで慣れると病みつきになるんだぜ。洋さん、先週やられたときのことを話してやれよ」

 

 会社では営業部だという洋さんが、ごつい見た目とは裏腹な実に丁寧な言葉使いでしゃべり出した。

 

「土曜はみんなで楽しむようにしてるってのは、浩二さんから聞いてらっしゃるんですよね。それでもたまには色々遊んでみようと趣向をこらすんですよ」
「先週は全員で一人を責めて、イカさないで楽しむ、っていうすごい取り決めをしましてね。くじを引いたら、運が良くと言うか悪くと言うか・・・、私がそれに当たってしまったんですよ」
「最初から素っ裸だと刺激が強すぎるだろうって、六尺褌を締めさせられたんです。回りの連中は全裸ですから、余計に興奮するんですよ」
「それで布団に転がされてまずは1時間ぐらい、延々と全身を嬲られたんです。みんなで申し合わせて褌の前にはいっさい触ってもらえないんですね。胸やら腹、うつぶせにされて背中や尻を何人もの連中が舌や手で愛撫するんです。そのうちに私も堪えきれなくなって、大声で喘いでしまいました」
「たまらなくなって布団に擦り付けようとすると、さっと身体を裏返しにされてしまって、それも許してもらえない。先走りばかりだらだら出てしまって、六尺の前が濡れそぼってしまうほどだったんです」

 

「あのときの洋さんの乱れようったら無かったぜ。なんせこの身体だろう。六尺がすげえ似合って回りも興奮しちまってさ、さんざん弄り回すんだよ。最後にはこんなごつい男が、何でもするからチンポ扱いてくれって大声で頼むんだからな」
 浩二さんが自分の肉棒をゆるゆると擦りあげながら解説をする。

 

「さすがに私の剣幕に驚いたのか、やっと六尺をはずしてくれたんですね。ところが勝手にイカないようにって、今度はチンポと金玉の根本をコックリングで締め上げられたんですよ。確かにアレをするといつもより長持ちするんですが、今度は勃ったままのチンポがすごく敏感になるんです。誰かの手がちょっと触れただけでものけぞるような快感が走るんですよね」
「回りの連中は、自分たちはイカせてもらうからってゼリーを使い始めるんです。もちろん全員のを尺八したり、私のもしゃぶってくれたり扱いてくれるんですが、こっちはイく寸前で止められてしまう。みんなは素股や尺八、ひどい人は私の腹に擦り付けたりしてイッてしまう。それを間近で見てても、自分はイケない。あれは辛かったですねえ。気が狂いそうに気持ちいいってのは、あんなのを言うんでしょうね」

 

 洋さんの話に自分が今晩受ける快楽を想像して、私の肉棒がひくひくと蠢く。腫れ上がった鈴口からは先走りが流れ落ちる。
 頃はよしと見て取ったのか、お互いにシャワーで石鹸の泡を洗い流しサウナへと向かった。今流行の低温サウナなのだろう、むっとする熱気もなくじっくりと汗が流せそうだった。

 

 向かいに腰掛けた洋さんは自分で子どもの手首ほどもある肉棒を扱きながら話しを続ける。浩二さんと私はお互いの肉棒をイカさないようにゆっくりと握り交わしながら、洋さんの話しに聞き入った。

 

「浩二さんも含めて、ほとんどが2回ぐらいイっちゃったんじゃないですかね。その間、私は焦らすだけ焦らされて、1回も出させてもらいないんです。そんなにきつくないコックリングなので長い時間してても平気なんですが、それでもさすがに痛いほどになってきて、最後には外してくれってみんなに頼んだんですね」
「そしたら外してやってもいいが、その代わり5回連続で出さなきゃいけないって言うんです。あれって浩二さんがけしかけたんですよね」

 

 洋さんの口調に浩二さんが苦笑いしながら舌を出した。

 

「まあ、私のほうもイキたくって仕方が無い状態だったもので条件をのむしか無いわけですよ。これまでもみんなとやってて何度も射精したって経験はあるんですが、さすがに連続で5回ってのはどうかなとは思ったんです。それでも、とにかく溜まったものを出したい、その一心でリングを外してもらったわけです」
「扱くのは交代でやるんですが、他の人も黙って見てるわけはないんですよね。このときになって初めて後ろに電動のバイブを入れられて抜き差しされて、それだけでイきそうになったりしちゃって。全身をまさぐられて、それでも3回目までは何とか連続で射精出来たんですよ」
「もうその後が地獄でした。イッたすぐ後って亀頭がすごく敏感になってるじゃないですか。それをイかせるときのままのスピードでぐちょぐちょ扱かれるんですよ」
「ゼリーはたっぷり使ってあるんで痛みとかはないんですが、とにかくもう全身がけいれんするような快感とも何ともつかない刺激なんですね。最後はもうほとんど汁は出なかったと思うんですが、結局5回、イカされてしまったんです」

 

 洋さんは味わった快感を思い出したのか、全身から吹き出す汗を潤滑油に、湿った卑猥な音を立てながら肉棒を扱きあげる。
 浩二さんがさすがに暑さと快感がそろそろ限界にきたのか、私と洋さんに合図をすると3人で水風呂へと向かった。
 浩二さんが大きいままの洋さんの肉棒を見やると、笑いながら言った。

 

「あのときはもう、洋さん、白目向いたみたいになっちまって、正直慌てちまったよ。まあ、それだけよかったってことなんだろうがね。月に一度ぐらいはそんな風になんか企画してみるんだ。他にもやっぱりくじで負けたもんが、全員の前でせんずりショーやらせるとか、色々やったなあ」
「まあ児玉さんも今晩みんなにやられりゃ分かるだろうけど、入れる入れられるってのだけが男同士の楽しみじゃないってことは実感できるぜ。俺達も精一杯感じさせてやるから、児玉さんもせいぜい楽しむんだぜ」
「ふう、そろそろ高坊の飯の準備も出来たんじゃないかな。あがってゆっくりしようか。みなも追々集まってくるだろうし」
 水風呂で一気に冷やされた私の肉棒は一応の落ち着きを取り戻していた。それでも先走りのなごりがタイルへと糸を引くように落ちてしまう。

 

 風呂からあがり、高田君が用意してくれたのだろう、洗濯したての浴衣に着替えている最中だった。浩二さんがふと気づいたように話しかけてきた。

 

「その、児玉さん、まだ契約してないって話しなんだけど大丈夫なんだろう?ここまで聞いておいて、はい、さよならじゃないよなあ。児玉さんならみんなも絶対気に入るし、決めるんだろ?」

 

 私の返事はもちろん決まっている。にやっと笑いながら、風呂上がりで火照った浩二さん達2人の身体を引き寄せると首筋の汗が私の顎先にぬめる。

 

「こんな条件の寮を断るなんてできませんよ。それに入居しないと歓迎会やってもらえないんでしょう。何度イカされても文句は言いませんから、お二人や皆さんのを味あわせてくださいね。そしたら明日からでも家財道具持ってきますので」

 

 うれしそうな浩二さんの顔に私は唇を押しつけた。洋一さんも顔を近づけ三人の厚ぼったい舌が絡み合う。濃厚なキスの嵐の中、私は今晩の歓迎会や明日からのこの寮での生活を思い、水風呂で冷やされた肉棒が再び勃ち上がるのを感じていた。