薬売りの男達

売薬として踏み出した初日に先代と久志さんから受ける男の洗礼


後を継ぐ雄司さんは先代の若い頃とそっくりの肉感的な男だった


先代の若い頃と瓜二つの雄司さんとの夜はやはり肉欲の一夜へと



 テレビか何かで売薬が男の世界であり、現金商売ゆえの清廉潔白さが信条というのを見て書いたものです。自分で書く前に某太め誌で富山の薬売りを題材にしたのがあったなと心配になり、掲示板でその話しをしたところ、掲載誌を持っておられて中身を確認させていただきました。そこまでかぶってなかったので安心して書いた覚えがあります。

 雰囲気的には昭和のお話し。当時とは業態的に大きく変わってしまった売薬の世界だと思いますが、私が子どもの頃までにはたいがいの家にいわゆる「富山の置き薬」があったものです。九州では佐賀の田代売薬も大きな力を持っていたので、そちらのものだったのかもですね。

 方言については当時の読者さんで富山の方にテキストをお送りして添削していただきました。「が」の使い方が特徴的に感じていました。