親父の頼み事

その10

 

 親父が氏子総代をしてるちっちゃな神社『丸賀谷(まるがや)さん』で行われる、7年に一度の『神占(かみうら)の神事』の主役になる『神子(かみこ)』ってのがあってさ。

 これは精通済みでまだ女性に触れていない(童貞ってことね)健康な男子だけが引き受けることが出来るお役目。

 その『神子』になってくれって、俺、親父から頭をさげて頼まれたんだ。

 

 俺はこの春高校を卒業して、親父の知り合いの酒屋で働いてる18才、山崎仁太。

 

 今日はその『神占の神事』が、神社の社殿で密やかに執り行われる日。

 密やかに、っつても、神社の禰宜(ねぎ)である俺の親父がなにやらこの地区についての占いをする、それが『神占』ってのはみんな知ってるんだって。

 ただその占いが、どんなふうにやられてそのために何が準備されてるのかは、いわゆる『普通の』人には教えちゃダメってなってるみたいで。

 これに携わるのは、禰宜である俺の親父と、神社の世話役である総代の人達、それと『神子』として選ばれた俺、さらには神事の間、俺の身体に触れることが許される氏子の中から人づてで募った25才から40才(厄年前までってこと)までの男性のみ。

 

 今年は氏子参加者が17名、その他に年齢が上で儀式には直接は参加出来ない総代や関係者の人が8名、後は俺と親父の総勢27名が、社殿の中に男だけの空間を創り出してた。

 俺の勤め先、赤嶺酒店の店長は関係者ってことで、儀式前半までの見学は出来るけど、禰宜である親父が占い終えた後は一緒に退室することになる。

 勤め先の先輩でもある陸朗あんちゃんや神子経験者の潮さんは年齢的にも大丈夫なので氏子参加者に入ってて、その中にはこの間世話になったガタイのデカい西口さんも入ってるんだ。

 俺としてみると気の知れた人が何人かいるだけでもありがたかったけど、色々きつかった『慣らしの行』で参加者の人と三週間びっちり付き合えたのは、今から考えるとすごく今日の儀式としては気が楽になることだったんだなって。

 ここらへん、システムとしてもよく考えてあるなってのは、後から思ったことだったな。

 

 そんなこんなで、俺と親父はちょっとした高台にある神社の裏手の井戸で素っ裸になって、まずは禊ぎで心身を浄める。

 禊ぎっていっても冬場のそれと違って、真夏の水浴びなのでかえって気持ちがいいぐらい。俺も親父も神社の白装束に着替えたけど、俺のほうはどうせすぐに脱いじゃうんだけどね。

 その後、神占の主になる俺の身体に触れるってことで、氏子参加者の人達17人も、揃って禊ぎ。こっちは六尺褌締めて、あとは儀式まで普通の格好してもらってる。その時点で俺のチンポ扱き(神社のそれって思うと、色々ひどいな)する順番決める籤を引いてもらうんだけど、ここらへんは参加者代表の佐伯さんに任せてるみたい。

 

 で、6時になって、いよいよ儀式が始まる。

 夏の夕方で、まだ日は高いんだけど、社殿の入り口は閉め切って、基本人のこれ以上の出入りが出来ないようにしてあるので、男ばっかり30人近く集まってりゃ、そりゃなんか変な感じになるよな。

 

 まずは開式の祝詞を奏上した親父から招かれて、俺が皆の前に姿を現す。

 塩を振られて、語弊をしゃんしゃん振られて、禰宜である親父から浄めてもらった俺。

 まだ全員、服を着てるその中で、俺だけが白装束を全部脱いで、素っ裸になるんだ。

 

「ここにこの年の『神子』、山崎仁太、18才。心身壮健、よわい11にしてその精を通し、いまだ女犯なすこと無くこの年を迎えり。我ら丸賀谷神社氏子総代会にて、この年の『神子』として認めおり。皆のもの、相違なきにてよろしいか」

「総代会の決定に、みな、従うことを誓い、ここに山崎仁太をこの年の『神子』として遇するなり」

 

 この『神占の神事』の練習にあたる『慣らしの行』でもほとんど同じやり取りしてるけど、形としてはこの神事の部分の問答を『行』の方でまねっこしてるって順番。

 俺、素っ裸のまま平伏し、神子として選ばれたことに礼を尽くす。

 

「われ、山崎仁太18才。皆々様の御前にて、この年の『神子』に遇されること、まことに誉れなり。ふつつかなる我の身、我の心、皆々様の御前にて、すべて明らかなること、わが願いなり」

「『神子』の願い、みなにて叶えそうらいしこと、我らが誉れなり。いざ『神占』をば、始めんとや」

 

 全員が唱和して、7年に一度の『神占』が始まったんだ。

 

 俺が素っ裸のまま、皆の前で全身を披露する。

 両足を肩幅ぐらいに開き、床をしっかりと踏みしめる。

 両手は頭の後ろで組み、胸を張り、全身をその場の男達の目に焼き付ける。

 そして股間の逸物は、もうこの時点から、ぎんぎんにおっ勃ってるんだ。

 俺の身長からすると、けっこうデカいらしいチンポ、学校のときから男子の中では『デカジン』とかあだ名つけられてたんだよな。

 そいつがもう、先走りの露先っぽに浮かべるぐらいにして鎌首を振り立て、目の前のみんなをにらみつけるようにして勃起してる。

 

 

「氏子、整列っ!」

 

 佐伯さんの一言で、働き盛り、男盛りの17人がざあっと一斉に立ち上がる。

 みんなその場で服を脱げば、全員が真っ白な六尺褌を締め込んで、すげえかっこいいんだ。

 社殿の入り口の方、並んで座ってる店長達総代や関係者の人達からは引き締まった17人の尻が丸見えのはずで、それはそれで壮観だよな、きっと。

 

「これにての神占の神事、神子山崎仁太の精を促し、このかわらけにその髄(ずい)を染ませるものなり。氏子はみな、正々堂々と神子の肉茎を魔剋し、その汁を出すべし。最初にその精を絞りたるもの、この7年の福男として、ここに記せり」

 

 親父が朗々とした声でみんなに宣言する。

 まあ、氏子の人達が俺のチンポいじって、一発目の汁で親父が占いをし、その汁を搾り出した人を今日から7年間の福男として言祝ぐってこと。

 そこまでが実質的な『神事』であって、禰宜である親父と店長達みたいな関係者はそこで退場ってことになる。

 その後は撤饌(てっせん)になった俺の精液搾り取るだけ絞って、それを氏子の人達が飲み、最後は氏子の皆の精液を俺が飲み上げて、儀式全体が終了になるんだ。

 

 まずは前半、俺が誰かにイかされるまでの次第になった。

 

「お願いしますっ!」

 

 籤で今日の1番手になったのはなんと潮さんだった。

 これ、ちょっとした暗黙の了解みたいなのがあって、最初から10人目までは占いで『よし』を出すために、まあ俺を扱いたりしゃぶったりするにしても、ちょっとした手心を加えるってのが当然になっている。本当の『福男』をかけた勝負は11人目からになるって算段なんだけど、これこそクジ運って奴で、順番によってほとんど可能性がなくなることもあるわけで、そこらへんはみんな納得はしてる感じかな。

 

 潮さんもガタイがいいし、六尺がすんごく似合ってる。

 チンポおさめてる前袋もぐいって形が分かるほどに盛り上がってて、俺と同じようにすでに勃起済。もっとも、参加してる人達、『慣らしの行』を一緒にやってく中で、男の集団の中での勃起にぜんぜん抵抗なくなっていくから、もうみんなおっ勃ってるんだけどね。

 そんな中、潮さんが一人目ってのは、別にそこになにかあるわけじゃないけど、心強く思っちゃったな。

 

「よろしくお願いしますっ!」

 

 こちらも大声上げて、礼を尽くす。

 潮さん、俺の前に膝立ちになり、頭を俺の股間に寄せてくる。

 やっぱり最初は口でやるつもりなんだ。

 ちらっと俺の顔を見上げた潮さん、舌を出しながら俺のチンポ、一気に咥え込んだ。

 

「んぐっ、んんっ」

 

 なるべく声を出さないようにとは思ってたんだけど、一週間ぶりの尺八に、勝手に俺の身体の方が反応しちゃった。

 店長や潮さん、陸朗あんちゃんとの練習は三ヶ月近く前から、『慣らしの行』では一ヶ月前から、それこそ一日に何度となくイかされてきた俺のチンポ。

 神事前の一週間は基本的に誰とも肌を合わせず、せんずりも出来れば止めとけって親父に言われてさ。

 仕事や家でいい男に囲まれながらの禁欲って、かなりキツい。

 さすがに三日前ぐらいからは出さないようにしてたけど、そうなると鍛えられた精力、チンポに金玉が疼いて仕方なくなるし。

 もともとこの『神占の神事』ってのが、俺にはなるべくイかないようにってプレッシャー与えながら、氏子参加者の方には「早く神子をイかせろ」ってプレッシャー与えるわけだから、形として矛盾してるんだよな。

 その折り合いつけるための『10人までと11人目からの条件変更』って、ややこしいことになってるわけ。

 

 その1人、潮さんのフェラ、やっぱり気持ちよくって。

 イかせるような強い扱き上げじゃないんだけど、金玉柔らかく揉みながら裏筋を固くした舌先で舐め上げられると、それだけで首をそらしたくなるような気持ち良さが全身を通り抜けていく。

 1人目については『まずは勃たせる』ってのが一番にあって、そのせいかいきなりしゃぶり出すのはほとんどらしいけど、今はもう既にここに入った時点で勃起してる神子がほとんどなので、そこらへんはこれからは変わってくるのかも。

 そうこうしてると、佐伯さんがそっと潮さんの肩に手を置いて、交代時間になったことを伝えたんだ。

 

 この儀式、10人が交代するまでは1人3分、即時交代。

 11人目からは1人1分、間に2分の休憩を挟むこと、ってなってる。

 これは少ない人数しか回らないうちに不意の射精をしてしまわないよう、氏子にとってみればなるべく平等に福男になるチャンスを回すって意味なのかもしんないな。

 

 2人目、3人目と、快感は堪能しながらも、それとなくこなしていく俺。

 もちろんだんだんとしゃぶりも手コキも激しくなってはいくんだけど、そこはなんとなく、10人目までは大丈夫ってのはあるんだよな。

 ただこの10人目までの特に後ろの方の人、8、9、10人目とかなると、神子の体調がよっぽど良くないかぎり、福男の称号獲得はかなり難しいんじゃないかなって思う。

 それくらい、順番って大事なんだなあってね。

 

 8人目、9人目、10人目。

 30分と少し経って、最初の10人が回り終える。

 いよいよここからが真の福男争奪戦。つまり俺のチンポをどれだけ感じさせ、1分っていう短い間にイかせることが出来るかってことになる。

 これ、話聞いてたら、どうも籤を引いた上での連携プレーとかもあるみたいで、前の人がさんざん亀頭責めで焦らしたあとに、次の人が一気に扱き上げで決めるとか、逆に連続で上下扱きを続けて3人4人とリレーしたとこでとどめを刺すとか。

 あくまでそのときの籤運だし、参加出来るのも最大で2回だろうし、そこまで組織立って出来るってもんでも無いって、潮さんが話してくれたんだ。

 

 で、11番目は俺の職場での先輩、陸朗あんちゃん。

 年はけっこう離れてるんだけど、家が近かったりで昔から兄弟みたいだったし、今でも一番色々相談出来る人かな。

 陸朗あんちゃんも14年前に神子を務めてて、その点からのアドバイスもたくさんもらった人。

 あんちゃん、出来るなら俺がイかせたいってオーラ剥き出しにして、俺の後ろに寄り添った。この体制、手コキでイかせるつもりなんだ。

 

「覚悟しろよ」

 

 あんちゃんの小さな声が耳元で聞こえる。

 

「お願いします!」

 

 俺が大声で返す。

 

 唾液をべっとりと垂らした右手が俺のチンポを握り、あんちゃんの唇が左の乳首に近づいてきた。

 

「うあっ、気持ちいいっ!」

 

 あんちゃん、最初からシゴキ上げがフルスピード。

 俺の先走りと、あんちゃんのたっぷりまぶした唾液が混じり合って、淫猥な音を立ててる。

 これ、続けてやられるとヤバい奴だ。

 俺の頭の中のビーコンがうんうん鳴るんだけど、そこは時間が見方してくれた。

 タイムキーパー役の佐伯さんが、あんちゃんの肩に触れて、その動きを止めたんだ。

 

「ありがとうございましたっ!」

 

 前を向いたまま、大声で礼を言う俺。

 入口の方に座ってる店長には俺のチンポからなにから、丸見えの位置だ。

 きっと店長も、俺のこの姿を見て、あのぶっといチンポ、勃ててくれてるはず。

 それも俺の気合い入れるのに十分なことだった。

 

 11人、12人、13人。

 シゴキのペースが上がる。

 14人、15人。

 亀頭責めが続き、俺の腰がビクビク震える。次に強烈なシゴキ上げが来たらヤバい、そう思ってたときだった。

 

 気になった16人目は、なんと俺をあっと言う間に2度もイかせたことがある西口さんだった。

 でっかい身体、でっかい手のひらからもたらされる、握りつぶされるんじゃないかって思うほどの握力と、抱きかかえられたときの安心感っていうか、こっちの上がり具合。

 咥えて短い時間の中での亀頭責めと肉竿シゴキのダブル責め。

 もう、どう抵抗するんだよって技術と力と、そしてそのエロい身体と。

 俺、ああ、ここまでかなって思いながら、西口さんをなんとかしのげれば、2週目もかなりのところまで行けるんじゃって踏んだんだ。

 

「よろしくお願いします!」

 

 大声で叫ぶ俺の後ろに西口さんが寄りそう。

 ああ、この体制、俺、弱いんだ。

 抱きかかえるように西口さんの両手が回り、いきなり右手が亀頭を、左手が竿を扱きだした。最初からの、容赦無い責め。

 

「あっ、あっ、それはっ、あっ、ああああああっ!」

 

 一気に俺のボルテージが上がる。

 右手の指全部を使って作られた空間に亀頭が包み込まれ、ぐちょぐちょと唾液と先走りで亀頭をひねり潰しながらその表面粘膜を刺激する。

 左手は竿の根元から亀頭冠までを、その分厚い掌底で握り込み、ものすごいスピードでぐじゅぐじゅとシゴキ上げる。

 なにより、背中から脇腹にぴったりと寄せられた西口さんの弾力のある筋肉と肌が、俺の全身にすら快感を送りこんでくる。

 

「あっ、ダメだっ、イきそうですっ、俺っ、イきそうですっ!」

 

 神子である俺は、その精液を占いに使うため、逃さぬようかわらけ(土で出来た皿)に出さないといけない。

 そのため、イきそうになったらとにかく大声で回りに伝えろと、これは最初から親父に口酸っぱく言われたことだ。

 

 佐伯さんと潮さんが、さっと俺の前に移動し、俺のチンポの向く方向に少し大きめの茶色い皿を差し出した。もちろんシゴキ上げてる西口さんも微妙な方向を調整し、みなで俺の射精を待ち構える。

 

 もう限界だった。

 西口さんに亀頭を責められ、肉棒を扱かれ、背中に熱い筋肉が押しつけられる。

 潮さんが、佐伯さんが俺の射精はまだかと目の前でチンポを見つめてる。

 目の奥では店長が、左の奥では親父が、総代さん達の目が、氏子参加者の人達の目が、皆の目が、俺を、俺のチンポを見つめていた。

 俺の、神子の射精はいつかと身構えていた。

 

「ああああ、イきますっ、イきますっ! 俺っ、山崎仁太っ、西口さんに扱かれてっ、俺、俺っ、イきますっ! ああああっ、イくっ、イくっ、イくっ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 音が聞こえるような射精だったって、店長が言ってくれた。

 かわらけに見事にぶち当てたなって、潮さんが言ってくれた。

 俺達みんなに、お前の汁がかかったって思ったって、陸朗あんちゃんが言ってくれた。

 イくときの仁太君の身体、俺が全部受け止めたって、西口さんが言ってくれた。

 そして、そして、親父は見事な射精だったって、言ってくれた。俺の自慢の息子だって、言ってくれた

 

 俺、ボロボロ泣いてた。

 俺が放った雄汁が、ゆっくりとかわらけの表面を流れてる。

 目の前のことなのに、それがどこか遠い宇宙の出来事のようにも思えてた。

 

 腰が抜けたような俺を西口さんが抱えながら床に下ろし、佐伯さんがかわらけを親父の元に届ける。

 しんと静まりかえった社殿に、俺の嗚咽だけが響いてた。

 

 

「この年の神占、山崎仁太の精をもち、ここに成れり。

 ここより7年、この地は大いなる良しの巡りあり。

 ここより7年、この畠は、この田は、この山は、豊作なり。

 ここより7年、人は良し、地も良し、天も良し。

 ここより7年、福を蒔く男、西口健一なり。

 これにて、この年の神占、すべて成るなり」

 

 親父の声が社殿に響いた。

 社殿にいる男達、全員が立ち上がり、大きな拍手が巻き起こる。

 

 親父が喋ってる言葉はあんまり分かんないけど、いい結果だったんだと思う。

 みんなが俺をイかせるためだけにあんなに頑張って、いい結果にならないはずがない。

 

 大役を果たした俺の涙は、なかなか止まらなかった。

 

 親父の占いを、総代の1人の人が聞きながら急いで筆で大きな紙に書き写していく。

 この後の三日間、この占いの結果が張り出されるんだ。

 張り出しに総代が社殿を出る。そのとき店長達や親父も含め、年配の人達がみな、席を後にした。

 

 社殿に残ったのは40才以下の働き盛り男盛りの氏子参加者17人と、神子であり、大役の神占を終え『撤饌(てっせん)』となった俺だけだった。

 

 

 それから?

 すごかったよ、うん。

 でも、あれから先は神事とは切り離された時間と空間だったんだなってのが、今にしてよく分かったんだ。

 やっぱりこの三ヶ月、俺が親父から頼まれてやってきたこと。

 それはあくまでの『神占の神事』を成立させるためだけの、本当に一瞬の生の輝きを散らす『神子』の役目だった。

 それを終えた先、それはもう、神子であったこの俺が17人の先輩達を、先輩達が神子を務め上げたこの俺を、互いにいたわり、その苦労をたたえるための触れあいの時間だったんだと思う。

 

 占いを聞き、この1ヶ月間、『慣らしの行』を共にした人生の先輩達。

 まずはその人達から、俺は取り囲まれ、何本もの手、いくつもの舌、口に、手に、入れ替わり押しつけられる何本ものチンポ。

 男の、雄の肉体に囲まれて、俺、何度も何度も射精した。

 一発一発が、誰かが飲んでくれて、誰かが胸に塗りたくってくれて、誰かが飲ませてくれて。

 嬉しかった。気持ちよかった。

 そして俺もまた、先輩達の雄魔羅を、握りしめ、シゴキ上げ、口にし、しゃぶり上げた。

 何度も何度も飲ませてもらった。

 何度も何度も、顔にかけてもらった。

 一滴たりとも、地にこぼしたく無かった。

 全部、全部、舐めて、すすって、俺の身体の中に取り込みたかった。

 

 そして、俺、みんなが好きになった。

 みんなが生きてる、この土地がもっと好きになった。

 自分に繋がる人、ここにいる人、いない人、遠くにいる人、関わってる人。

 その全部が、俺の周りにいるすべての命が、好きになった。

 

 分かんない。分かんないけど、親父も、店長も、潮さんも、陸朗あんちゃんも、みんなこんな気持ちになったんじゃないかって、勝手に思った。

 だから神子になって色んなことがあっても、『ここ』が好きなんじゃないかと思った。

 

 

 夜も更けた頃、社殿の中の肉欲にまみれた狂宴、でも生命力に溢れていた饗宴が、終わった。

 ぼろぞうきんみたいになった俺を、全身から誰のものとも分からない雄汁が滴り、ものすごい匂いに包まれてる俺を、潮さんと陸朗あんちゃん、そして西口の兄貴が、抱えだしてくれた。

 

「寝るなよ。キツくても眠るなよ」

 みんなの声が聞こえてた。

 

 家では親父が待っててくれた。

 その横に、店長も来てくれてた。

 潮さんと、陸朗あんちゃんと、西口の兄貴が、俺を風呂に入れてくれた。

 ぐったりした俺の全身を、3人の手が優しく洗ってくれた。

 俺のチンポも、あんちゃんのチンポも、兄貴のチンポも、潮さんのチンポも、みんな元気だった。

 まだまだ出したりないって、いなないてた。

 

 風呂から上がる。

 親父が裸で待ってる。

 店長も裸で待ってる。

 風呂上がりの俺達も裸だった。

 

 部屋いっぱいの布団。

 俺が真ん中に寝かされた。

 きついけど、身体が悲鳴を上げてるけど、みんなのチンポ、しゃぶりたかった。

 

 親父の汁。

 店長の汁。

 潮さんの汁。

 陸朗あんちゃんの汁。

 西口の兄貴の汁。

 

 全員の汁、飲みたかった。

 みんなの汁、浴びたかった。

 

 今日は朝まで、やり尽くしだな。

 

 親父が笑って、親父が泣いて、親父が俺を見て、言ってくれた。

 

 

 俺、幸せって、こういうことなんだって思った。

 神社で思った『ここ』を、大切にしていこうと思った。

 こんな思いを感じることが出来る『ここ』を、守っていこうと思った。

 

 これが親父の『頼み事』だった。

 これを知ったことが、俺の『頼まれ事』だった。

 

 俺、親父が好きだ。

 みんなが好きだ。

 みんなの汗も、匂いも、汁も、ションベンも。きっと全部好きだ。

 

 そして、そんな俺を、俺は俺が好きになった。