俺と親父の柔道場

その9

 

「その、俺も、さっきの親父みたいに四つん這いになったがいいんかよ?」

 

 そのときの俺、もう、色んな意味でやる気満々になってた。

 あの時点では、親父にやられるのが『当たり前』になってたんだけど、あれってやっぱり変だったのかも。

 

「……俺のだと親父さんやお前のみたいにそうデカくも無いので、前からでも大丈夫だと思う……」

「別に親父のも小さいわけじゃねえだろ? 俺はまあ、身体がデカいからよ……」

 

 なんか親父、もしかして俺のと比べてんのかって思ってさ。

 そりゃ身長だけでも10センチ近く違うし、体重だって30キロぐらい違うんだ。チンポのデカさもそれに比例してたら、俺の方が多少デカイってのは、当たり前だろう。

 親父のだって、萎えてるときも勃ってるときも、たぶんだけどさ、親父と同じ体格の連中に比べてもデカい方だと思うんだけど。

 

「まあ、その分、変なとこを突いたりはしないテクニックはあるからな。お前の顔見ながら、掘らせろ」

 

 ああ、親父が、にやって笑いやがった。

 エロい笑い方ではあったけど、ガキん頃に見た親父の笑顔と、どっか繋がってた。

 

「へ、前からでも後ろからでも、どんと来いだ。こっちはもう、覚悟決まってんだから、早くやれよ」

「言われなくても、ガチガチだ。お前の方こそ、初めてだろう。怖くないのか? きつそうなら『務めの香」、もう一度使うか?」

「だーかーらっ! 怖かったらこんなこと言わねえよっ! 香もさっき嗅いだのが効いてんのか、俺、親父とすんげえやりてえんだよ。うだうだ言ってないで、早くしろってば!」

「よし、だったらやるぞ。仰向けになって、足を挙げろ」

 

 俺、親父の言う通りに、両脚を持ち上げるようにして尻の位置を高くする。

 親父の顔が見えるこの恰好って、かなりエロいなって、どっか冷静になってる俺がいた。

 

「剃ってもらった分、お前のケツ穴、丸見えだぞ」

 

 親父が言う。

 自分の尻なんか見たこと無いから分かんないけど、さっきの親父のと同じって思うと、確かに『挿れたく』なるのは分かる気がした。

 

「さっき、俺がやられたときと同じようにやるからな。最初は指からだ。口開けて、息をゆっくり吐け。ケツにとにかく力を入れないようにしろ」

 

 親父がローションを俺の尻穴に垂らす。

 ヒヤッとした感触が一瞬の緊張を呼ぶけど、親父の言う通り、口開けて息を吐いたらなんか力が抜ける感じが分かる。

 

「あっ……」

 

 最初は尻穴の周りをぬるぬるまさぐってた親父の指が、俺の『中』に入ってきた。

 痛みは無かった。

 それでもなんだか、変な感じがした。

 

「痛いか?」

「いや、痛くは無いけど、なんか変な感じ……」

「動かすぞ」

「あ、ああ、うん……」

 

 俺の肛門の中、どうなってるんだろう?

 親父が指をあちこち動かしてるのは分かるんだけど、思ってたような痛みはぜんぜん無かった。

 

「そら、2本目だ」

「うっ、あっ……」

 

 ちょっと、きつい。

 俺の声で親父の指の動きが止まる。

 吐く息で見計らってるようで、落ち着いたら動かす、を、ちょっとずつ繰り返してる。

 

「あっ、あっ、親父、なんか、なんか……」

「痛み、じゃないだろう? ある意味、口の中をいじられてるのと同じって思うと分かりやすいだろう。『務めの香』はケツを緩めて、痛みが出にくくする効き目もある。そら、もう3本入ってるぞ」

「えっ、うそっ! あっ、あっ、そこっ、ちょっと変な感じ……」

「俺のときもあったろう。『ここ』が前立腺とやらだ」

 

 親父の言う『ここ』。

 確かになんか『変』だった。

 押されると、金玉がぎゅっとなるっていうか、なんて言えばいいのか、そのときの俺には分かんなかった。

 

「あっ、ちょっとだけ、待って、待ってくれ!」

「痛いか?」

「ちょっとだけ、なんかぐりっとしたとき、ちょっとだけ」

「もう少し、慣らすぞ」

 

 たぶん、俺が指でやってたときより、倍以上の時間をかけてくれてたんだと思う。

 ケツに親父のぶっとい指が入ってて、初めてなのに、ホントに痛みとかは感じ無かった。

 

「そろそろ、よさそうだな……」

 

 親父が指を抜いた。

 なんか俺、切なかった。正直、『抜かないで』って言いたかったんだと思う。

 それぐらい『挿れられてること』が普通になってたんだろう。

 

 親父がさっきの俺と同じで、チンポを押し下げるようにして、俺のケツを狙ってる。

 正面に見える分、興奮と怖さが混ざって俺を襲う。

 

「口を開けとけ。大丈夫だ、任せろ。ゆっくりやるから」

 

 親父が俺の目を見て、話しかける。

 安心させたい、そんな気持ちが伝わってくる。

 あれ、俺、なんか、もしかして感動とかしてる?

 

「とにかくなんもかんもが『初めて』なんだ。親父、頼む」

「ああ、任せろ。全部、俺に任せろ」

 

 そのときの親父の声、顔、視線。

 たぶん、俺、一生、忘れない。

 

「ふ、うっ、あっ……」

「そのまま口を開けとけ。力むな」

 

 親父のが、『入って』きた。

 親父のチンポが、俺のケツに『入って』きた。

 

「あっ、太いっ、親父の太いっ……」

「痛くないか?」

「違うっ! 違うんだけど、ちょっと待って、ちょっと待って!」

 

 痛かったわけじゃ無いんだ。

 たぶん生まれて初めて、『そこに挿れられたこと』に、ちょっとパニックになってたんだ。

 

「お前がいいと言うまで、俺は動かん。馴染むまでどれだけでも待つから、とにかくゆっくり息を吐いて、リラックスしろ」

 

 あの状態で待たされるのは、俺だったら堪えきれない。

 一秒でも早く、親父を受け入れないと、申し訳無い。

 なんか、そんな気持ちに、俺、なってた。

 

「……もう、大丈夫だと思う……。ごめん、親父……」

「謝ることなんかないぞ。初めてなんだ、とにかく無理するな。ゆっくり動かすからな」

 

「あっ、入ってくるっ! 親父のっ、俺にっ、入ってくる!」

 

 じりっじりっと、親父のチンポが俺の奥に進んでいく。

 不思議に、いや、親父が念入りに慣らしておいてくれたせいか、痛みは感じ無い。

 強烈な圧迫感はあるんだけど、それ、なんだか、親父との『一体感』って感じがすごくしてた。

 俺、親父と、一つになっていってた。

 

「全部、入ったぞ! ほら、触ってみろ!」

 

 親父に言われるまま、おそるおそる自分のケツに手を伸ばす。

 親父のチンポの根元が、俺の尻に密着してる。

 ぶりっとでっかい金玉が、俺の尻に当たってる。

 

「あっ、すげっ、すげっ! 入ってるっ! 親父のがっ、全部入ってるっ!!」

「ああ、そうだ。俺のが、全部入ってるぞ。ロク、お前の中に、入ってるぞ!」

「親父っ、親父っ、親父っ! 俺、あ、ダメだ、なんか、チンポの奥っ、ジンジンして、あ、なんか、なんか変だっ!」

「……トコロテンか……、もう少し我慢しろ。動かすぞ。俺もお前と一緒にイきたい!」

 

 俺、何がなんだか、もう分かんなくなってた。

 親父のが全部入ったって思ったら、なんか急に、出したくなった。

 いや、出したくなったってのは違う。勝手にイきそうになってた。

 

「あっ、あっ、あっ、親父っ、親父っ……」

「ああ、イきそうだぞ、ロクっ! 俺、お前の中で、もうイきそうだぞっ!」

「親父っ、俺っ、俺っ、何だよっ、なんか、変っ、変なんだっ! あ、ダメだっ、親父っ、そこっ、ダメだっ、ダメだっ!」

 

 ガンガンと俺のケツを突き上げる親父。

 100キロを越すその圧力はすごかった。

 腰が壊れるんじゃ無いかと思うほどの力が、絶え間なく俺の身体を揺さぶる。

 両脚を抱えた俺の腕に力が入る。

 親父の金玉が、ずんずんとケツの上に当たる。

 

「親父っ、親父っ、俺っ、俺っ!」

「イけっ、お前もイけっ! 俺も、俺も、もうイくぞっ!」

「あっ、あっ、あっ、あああっ! なんか、ダメっ、出るっ、出ちまうっ!」

 

 初めての、感覚だった。

 ションベンが漏れる? いや、違う。

 握られても、触られても無いのに、俺、イきそうになってた。

 しごいてもいないのに、しゃぶられてもいないのに、俺、イきそうになってた。

 

「イくぞっ、ロクっ! 俺も、もう保たんっ! イくぞっ、イくっ、イくっ!!!!」

「ああああああっ、出るっ、嘘だっ、チンポがっ、ああああっ、ああっ、出るっ、出るーーーーー!!!!」

 

 俺の腰を押しつぶすように、親父が下半身をぶつけてきていた。

 俺のチンポ、勝手にビクビクって、イッちまってた。

 それも、すごい量、すごい飛距離。

 びゅっびゅって飛んだ3回目ぐらいまでは軽く頭を越して、畳にボタボタ音立てたと思う。その後も何回も飛んで、俺、セルフ顔射みたいに顔の半分が汁でべとべとになってた。

 親父がそんな俺の足を下ろすと、ずるっとケツからチンポが抜ける。

 おっ勃ったままの親父のチンポ、汁まみれのそれからも、すんげえ雄の匂いが立ち昇ってた。

 俺と親父、微妙に匂い違うんだなって、なんか変なこと、俺、考えてた。

 

「すげえな、ロク……。初めて掘られて、トコロテンって、すごいぞ……」

「なんだよ、その『トコロテン』って?」

「ああ、ケツやられててシゴキもせずにイッちまうのを、そう言うんだ」

「へえ、そうなんだ……」

 

 親父と俺、なんだか馬鹿みたいな話ししてる。

 なんでだろう、なんか変な感じだ。

 

「抱いて、いいか?」

 

 親父、俺に覆い被さるように上半身を倒して聞いてきた。

 

「ああ……、うん……。あ、でも、俺の顔、汁まみれだぞ……」

 

 抱きつけば、当然、顔と顔がぶつかるよな。

 腕で拭こうと手を挙げたら、親父がぐっと握って止めちまった。

 

「舐めさせろ。拭うな」

「汚えだろ?」

「さっきは飲んだんだ。だいたい、汚いもんだったら奉納、せんだろう?」

 

 親父の言うこと、合ってるんだけど、合ってないよな、普通だったら。

 でも、そんときの俺、『ああ、そうか』って納得しちまってた。

 

 べちゃべちゃって音がしそうな勢いで、親父が俺の顔に飛んだ精液舐めてる。

 なんか、俺、ぞくぞくしてた。

 

「口、開けろ」

 

 ああ、俺の汁、親父と分け合うんだって思った。

 親父だけが飲むんじゃ無くって、俺だけが飲むんじゃ無くって、俺と親父、2人で分けるんだって、すぐに分かった。

 

「匂い、すげえ……」

「口ん中に直接とは違うからな。この匂い、『務めの香』効いてるから、すげえ興奮するだろう?」

「うん、すげえよ……。精液の匂いがこんなに感じるって、初めてだ」

 

 親父と一緒に嗅いだ、いや『聞いた』んか、あの『務めの香』。

 あらためてすごい効き目なんだと思う。

 親父と『やる』ことに抵抗が無かった、いや、と言うよりも、『目の前にある肉体にただただ欲情する』って感じだったんだと思う。

 その、これ、親父じゃなくて、爺ちゃんでも、俺、同じように興奮してると思った。

 

「お前が感じてるのと同じで、俺も感じてるんだ。お前のチンポ、しゃぶっていいか?」

「ああ……、って! 汚えよ!」

「ん? 何が汚えんだ?」

「いや、だって、ほら、それってさっき、親父のケツに、さ……」

「お前、自分の右手の指、嗅いでみろ」

 

 えっと思って、思わず俺、右手を顔の前に持ってきてた。

 さっき、親父のケツをさんざんいじくり回した俺の指、目の前に来てた。

 

「あ、全然匂わねえ……?」

「俺の指も、匂ってみろ」

 

 親父が右手の人差し指と中指を、俺の鼻の前に突き出した。

 

「こっちも、全然……?」

「ぜんぶ出し切って、しっかり洗ったんだ。口の中と同じようなもんだろう」

「あ、そうなんだ……。俺、てっきり、その、『ブツ』が付かないようにするだけだと思ってて……」

「俺も最初のときはそう思ってた。親父さんに同じように言われて、妙に納得したがな。汚さない、って思うだけで、だいぶ気が楽になる」

「うん、それ、分かる」

 

 真面目な会話なんだけど、なんだかおかしかった。

 

「で、しゃぶるぞ」

「だったら、俺も……」

「汁まみれで、精液臭いぞ」

「興奮するって、言ったろ、それ」

 

 2人とも、69の形になって目の前のチンポにしゃぶりついた。

 親父のぶっといのが、俺のケツの中でイった汁にまみれてる。

 摩擦で温められた分、すげえ匂い。その匂いに、俺、くらくらするほど興奮した。

 

「お前、もう3回目だよな。すげえ量だぞ」

「イッてもイッても、なんかまた出るんだよ。親父だって、すげえ量じゃん」

「まだまだイけるな?」

「あったり前じゃん。親父だって、まだガチガチのくせに」

 

 この夜、親父は2発目、俺は3発目の射精だった。

 最初のしゃぶり合いで1発ずつ。俺が親父のケツで2発目。今の『トコロテン』って奴で3発目だった。

 親父は俺の口で1発、今の俺のケツでイッての2発。

 まだまだ、ヤリ足りねえ。

 俺も親父も、ぜんぜん萎えないし、しゃぶってるだけで、しゃぶられてるだけで、もう次の射精のこと考えてた。

 

「後は、どんな感じでやるんだよ?」

「最後は『お務め』で3発奉納せんといかんからな。といっても、『務めの香』嗅いじまってるから、俺もお前も普段からしてまだまだ何発もイかないと気がおさまらんだろう」

「ああ……。たぶん、俺、今ならぜんぜん萎えずに10発ぐらいは軽い気がする」

「俺もだ……。とりあえず、交互にヤリ狂うか。それとも抜かずのなんとやらで、何発かずつ、挿れっぱなしでやるか? 相互センズリも交ぜるか?」

「俺、1発ずつ、やりたい。さっきの親父みたいに、親父の顔見ながら、やりたい。あ、でも、親父と向かいあってのセンズリもやりたい……。俺、欲張りかな?」

 

 俺、いやらしいこと、全部やりたかった。

 目の前の親父と、全部、やりたかった。

 

「お前が晴れて『お役士』になるんだ。やりたいこと全部やれ。『務めの香』の効き目に身を任せろ。俺のチンポもケツも、全身使って、感じたいだけ、感じろ。よがりたいだけ、よがれ」

 

 もう俺、親父の言葉だけでイきそうになってた。

 

「ケツも、チンポも、センズリも全部やらせてくれ。親父の全部、俺にくれっ!」

 

 俺、恥ずいこと言ってる。

 でも、本心だった。

 

「おうよっ、だったら1発ずつ、交代だな。さっきのでだいぶ練れたと思うんで、俺もお前にやられてトコロテンでイけるかもだ。合間合間にセンズリや尺八挟んで、存分に楽しもう」

「俺のチンポだけで、何度もイかせてやるよ」

「その意気だ。じゃあ、今度は俺のケツ、責めてみろ」

「おーし、親父。上向いて、足抱えてくれよ。俺が、その、正常位って感じで挿れてやる」

 

 そっからはもう、俺も親父も、とにかく相手のケツを犯しまくった。

 相手の目を見て、センズリかきまくった。

 親父のチンポ、しゃぶりまくった。

 

 何回交代したんだろう?

 何発イッたんだろう?

 俺、親父にケツを犯られてる半分ぐらいは『トコロテン』でイッちまってたと思う。

 親父を犯って3回目ぐらいだったか、俺も親父を、見事『トコロテン』させることが出来た。

 

 あれって、一度やっちまうと癖になるっていうか、お互い、『ここ』ってのが分かってくるんだと思う。

 しごいてイッたとき、ケツの中でイッたときとは、全然違う、なんか腰が勝手にびくびくって痙攣するような凄まじい快感。

 最初のうちは、俺、あれを『快感』って分からなかった。

 なんとなくの『違和感』が『快感』になった瞬間があって、そっからはもう、逆に『トコロテン』でイくのがたまんなくなってたな。

 

 相互センズリも、すごかったんだぜ。

 べろべろキスし合いながら相手の金玉つぶれるぐらいまで握り締めて、その痛みと一緒にイっちまった。

 亀頭だけをヌルヌル責めて、背筋びくびくさせながら竿には全然手も触れないでイッちまった。

 

 センズリの極めつけ、あれはお互い昼過ぎに剃った坊主頭にぶっかけ合った奴だったかな。

 

 最初は、親父が俺の頭舐めさせろって言ってきて、互いにべろべろ剃り上げた頭舐めてるだけで興奮してきてさ。

 剃ったばかりなんだけど、舌にはほんのちょっとざらついた髪が当たるのが、すげえ気持ちいいんだ。

 唾液でべとべとにした頭にさらにローションぶっかけて、お互いのチンポと金玉擦りつけて。あれを変態って呼ばないんなら、何を変態って言うんだよって感じで、親父も俺もスケベ全開だったんだ。

 

 親父がローションまみれの頭を俺の乳首に擦りつけてきたときには、俺、大声上げちまってた。

 ざらつきとローションが合わさった刺激ももちろん感じたんだけど、なにしろあの親父が俺を感じさせようとしてるってのがダイレクトに伝わってきたのに感じてたんだと思う。

 

 もう、イきそうってなったとき、親父が言ったんだ。

 

「お互いの頭にぶっかけ合おう。で、出したら、それ、舐めるぞ」

 

 こんなの言われて、感じ無い奴いないだろ?

 

 最初は、俺が親父の頭にぶっかけた。

 すんげえ量、また出たと思う。

 坊主頭にかかった汁が、たらっと顔にまで流れて、慌てて俺が舐め上げた。

 

「汁、もったいねえよな。今度は俺だ」

 

 親父、頭にはまだ汁かぶったまんま、座った俺の前ですげえセンズリかきはじめる。

 親父のチンポから噴き上がった汁が、俺の頭を直撃する。

 あっちい汁が、俺の毛穴にまでしみ通る感じがしたよ。

 

「舐めあおうぜ」

 

 べろべろ、べちゃべちゃとお互いの坊主頭、舐め合ってさ。

 それだけでも興奮ものなのに、やっぱり精液口移しで何度も混ぜ合わせて、最後はべっとりとしたキスしながら飲み合った。

 

 ケツもチンポも、センズリも。

 もう、たまんなかったんだ。

 

 そんなこんなで、俺も親父も10発以上、イッた後だったと思う。

 ちらっと道場にかかってる時計見た親父が言ったんだ。

 

「日が変わらないうちには『お務め』やっとかんといかんだろうな」

 

 よく考えたら、昼飯の後に道場入って、3時ぐらいからはずっと親父とやってたんだよな。

 あれ、腹減ってねえって思った俺の顔、親父もすぐにピンと来たんだろう。

 

「ああ、『務めの香』は、効いてる間は腹が減らんのだ。とにかく体力精力振り絞るための調合だったんだろうな」

 

 疑問は解決したけど、やはり、今日の『お務め』、やるんだよな。

 

「なんか正直言うと、俺、センズリより、ずっと親父とやってたいんだけど」

「神さんの前で、そう言うな。……まあ、俺もそうだが、こればっかりはまさに『お務め』だからな。それに、ここで3発センズリしたって、まだまだ出し足りんだろう、お前も?」

「お前も、って、親父もってことだよな?」

「ああ、『務めの香』はだいたい半日、12時間ぐらいはしっかり効くはずだ。朝方まで、俺もお前も、やりたくて出してくてたまらん身体になってるからな」

「おおし、だったら『お務め』、ちゃちゃっとやって、また、親父とやらせてくれ」

「あくまで『お役士渡し』だ。一緒にやるぞ、センズリ」

「ああ、親父にそう言われると、俺、また出したくなっちまう」

 

 先週までの、いや、昨日までの俺でも、親父と一緒にセンズリしたいとか、親父のケツを掘りたい、掘られたい、親父のチンポをしゃぶりたい、親父の汁を飲みたいなんて、絶対思わなかったはずなんだ。

 これ、最初は『務めの香』のせいだって、俺、思ってた。

 いや、思おうとしてた。

 

 お袋が死んでからこっち、親父とこんなに話したのも初めてだったと思う。

 普段はなんか怒ってんのか、って感じの親父だったし、俺は俺で、なんかこう、距離があったし。

 でも、俺、親父と話したかったんだって、なんとなく分かってきた。

 爺ちゃんと話すみたいに、もっと親父と話したかったんだって、そう、分かってきた。

 今日になって、親父と何発も汁出しあって、ああ、こんなやり取りがしたかったんだって、思ったんだ。

 

 これ、『香』のせいだけじゃ無い。

 俺、親父にかまってほしかったんだ。

 親父に認めてほしい、声をかけてほしい、笑ってほしい。

 ずっと、そう思ってた。

 それが分かっただけでも、この『お役士渡し』、俺にはすげえありがたいことだった。

 

「よし、じゃあ、さすがにちょっと身体拭いて、『お務め』2人でやるぞ」

「ああ、神さんからしてみると『汚れてる』わけじゃ無いんだろうけどね」

「お前も、だんだん分かってきたじゃないか」

 

 親父の微笑みが、すげえ眩しかった。

 俺が聞きたかった親父の言葉が、そこにもあった。