男性専科クリニックPart3

三太ーくまどん共作作品

その1

 

 親友の西田から紹介を受けたクリニックで、下半身の悩みへのグループセラピーを受け始めて半年が過ぎた。
 西田や野村医師、看護師の田畑君との4人で月に一度は行うセッションは、私の性生活だけでなく人生そのものに生きがいをもたらしてくれている。次回のための課題や準備をどうしていこうかと考えるだけでも、毎日の暮らしに潤いを与えてくれるのだ。

 

 セッションを重ねるにつれ、自分と似た体格の男同士で性の悩みを分かち合うことが出来、自分でもこれまで自覚していなかった性的な指向が変わってきた。なにより自分自身の感情を性的な快感の中に解放することにより、日々の生活の中で積み重なるストレスがずっと軽くなったのだ。
 職場でも同僚や部下から「お前、最近元気だな? なんかいいことあったのか?」「山崎さん、この頃楽しそうに仕事されますよね」と嬉しい指摘をもらうことが多くなった。
 勃起不全という、男としての存在の根幹への不安が解消してきているのももちろんだが、西田や野村医師、田畑君達との何も隠し事のない心と身体の交流が出来たこと、それこそが一番の原因なのだろう。

 

 クリニックの中の治療だけでなく、野村医師と田畑君のマンションにも招待され、そこでは常に全裸で過ごすルールが決められている。土日は泊まらせてもらうことも多く、以前のゴルフ三昧とはまた違った楽しみとなっているのだ。
 30代の田畑君もいるとはいえ、太め以上の体格の中年男4人が逸物をぶらぶらさせながら部屋をうろうろしている様は、端から見れば不思議なものだろう。
 普通だとこの年齢の男達であれば自分の身体には幾ばくかのコンプレックスがあるものだが、それをお互いに隠すことなくさらけ出せる時間は、とても気持ちのいいものだ。自然と相手の気持ちや身体のことにも気遣うようになり、互いの肉茎や玉や乳首を知り尽くすことで、私達は不思議な連帯感に包まれてきた。

 

 人とその過ごす時間や空間は切り離せないものだろう。
 クリニックで受けるセラピーでの一番の収穫は、どこか自信の無い日々を送っていた私に「自分の居場所はここなのだ」と気づかせてくれたことだ。
 毎回のセッションを心待ちにし、そのために少しでもいい身体になろうと鍛え、精のつくものをたくさん食べる。西田や医師達が興奮するのではなかろうかと、エロチックな下着を買いに行く毎日の何と充実していることか!
 西田が教えてくれ野村医師と田畑君に導かれたセラピーは、私にとってはまさに心と身体の健康が劇的に改善された治療法だったのだ。

 

 セラピーはテーマが毎回変わり、そのたびに新しい発見を自分の中に見出すことができる。その発見はこれまでのセッションで得た経験をさらに新鮮なもの、豊かなものにしてくれる。
「より相手の性感帯を刺激するための舌の這わせ方」や「すぐに射精しないための有効な寸止めの仕方」など、魅力的なテーマが私を夢中にさせるのだ。
 各回のセッションが終了するたびに、新しい性感帯が開発できたかどうか、肉体的な反応はどうかの身体検査があり、全身をゆっくりねっとりと他のメンバーが指や舌を這わせて私の反応を見る。
 お互いに感じあえるこの瞬間は、男同士の性の交わりが快感となった私にとって至高の喜びといえた。
 さらには性感帯の開発のみならず、私の身体自体の変化も感じている。
 この半年の間にもペニスの円周が一回りは太くなってる気がするのだ。亀頭も大きく張りが強くなり、金玉は以前に増してずっしりと重みを感じる。
 乳首はといえばセッションの度ごとの指や舌、ときには歯まで使った刺激のせいか、その大きさや硬さもみるみる目立ってきた。シャツが擦れるたびに、あっと小さな声さえ漏らすほどの感度になってしまったのだ。

 

 野村医師によれば男にとって性的な刺激は男性ホルモンの分泌を盛んにしてくれるらしい。また常に自分や人の性器を意識し刺激することで血流も良くなり、太さが増すこともあるのだと説明を受けた。

 

 青春が再び訪れたような充実した日々を過ごす私であるが、一つだけ気がかりなこともあった。
 毎月の身体検査の一環である精液量を測る検査でのことだ。

 

 測定は、一人ずつが全員の見ている前でせんずりを行い、絶頂の際にはメモリのついたビーカーに白濁した雄汁をこぼさぬように発射する。射精時の勢いやその量、色味に濃さ、臭い、味などを医師と田畑君がじっくりと観察し細かく記録するのだ。
 最初の2ヶ月ほどは気にならなかったのだが、セッションに馴染んできたせいなのかどうなのか、このところ同年代の西田や野村医師に比べると私の方が精液の量が少なく、濃度も薄い感じがしてしまうのだ。
 測定のためのルールとして、グループセッションの一週間前からは皆せんずり禁止、射精をしてはならないと決められている。お互い公平に1週間分溜めた精液を放出しているはずなのだが、どうも私の精液の方が質や量ともに劣っているような気がしてならなかった。

 

 グループセッションを開始しての最初の3回ほどは、男としてのセックスの喜びを、自分が感じたままに言葉や態度で表現することが主な目標に設定されていた。
 お互い全裸でスキンシップをしながら「亀頭が溶けそうだ!」「乳首を舐めてください!」「西田のちんぽをしゃぶりたい」「もうイきそうです! イかせてください!!」など、女性との交わりでは決して使わなかった言葉を、大声で相手に伝えるように指導を受ける。
 欲望を赤裸々に体言化することで精神的な性の解放を促し、羞恥心や嫌悪感を排除することで勃起を妨げる心理的な要因を取り除くのだという。

 

 私がだいぶ慣れてきたのを見てとったのだろう。三ヶ月目以降のここ数回は、次の段階へと野村医師が駒を進めてきている。
 これまで取り組んできた「心理的な負荷要因を排除して勃起を維持すること」は当然として、次の段階として「性器の再発達によってさらに性欲を高め、若々しく精力的な活動をする」ためのセッションになっている。これまでの心療内科的な治療から、性生活を改善したあとの肉体的な治療に移行してきているのだ。
 そのため身体検査によって毎回のセッションが具体的にどのように各自の肉体に変化を加えて来ているのかを数値化しようというわけだった。

 

 前回のセッションのときは、まず全員が施療室で全裸になることから始まった。
 医師達からは、私と西田が向かい合って抱き合いながら全身を弄り合い、お互いの性感帯を探すように指示を受ける。
 これまで幾人かの異性とのせわしない交わりしかしていなかった自分自身の身体については、性感帯など中々分からないもの。それがここ数ヶ月で同性である西田や先生達から刺激されることで、それまで感じていなかった部分にも快感のツボがあることをさんざん気付かされてきたものだ。
 西田も私もその新しい快感の発見に驚き、強烈な勃起をしたところで、医師達2人からペニスの直径、長さ、円周、持ち重り具合を計測される。野村医師のぶ厚い手の平でぎゅっと握られ、海綿体を流れる血流を確認されることにも感じてしまう私だった。
 続いては乳首の硬度と感度、大きさを医師たちの舌先で測る。ここらあたりから西田と私は感じるままに、淫らに声をあげ始める。当然、快感の声を上げることは推奨されているわけで、二人とも遠慮のない喘ぎ声を診察室に響かせることになってしまう。

 

 野村医師、田畑看護師の施療する側2人も目の前の私達の痴態に我慢できず、自分達の乳首を私達に舐めさせ、唾液まみれのキスをせがんでくる。
 部屋の中の4人の男達の熱気で、全員が勃起状態になるのだ。

 

 一通りの計測が終わると後は実際の射精を残すだけになる。医師達は私達に立ったまま股を広げて姿勢を正すように要求してきた。
 2人して指示通りに両手を頭の後ろに回し、おっ勃った肉棒を見せつけるように突き出す。西田の前には野村医師、私の前には田畑君が椅子に座れば、ちょうど股間が二人の目の前に来るのだ。
 医師達は股の間にぶら下がった2つの玉を手のひらに乗せ、重さや感触を確かめる。手の平で優しく揉まれたかと思えば両手で睾丸をゴリゴリと刺激してくる。痛い、痛いのだが気持ちいい、そのギリギリの刺激のあまりの快感に、大の男が声を上げてしまう。
 その玉を秤に乗せて重さを記録する。
 もちろん勃起したチンポに吊り上げられているため、正確な重さなど量れないのだが、その行為そのものが股間でいやらしいことをされているという淫乱な気持ちにを呼び起こし、男としての性欲がさらに高まってしまう。それこそが睾丸の発達につながるらしい。
 2人は鈴口からとろりと流れ落ちる先走りを金玉全体に塗り伸ばし、なおも私たちの玉を楽しむのだ。

 

 いよいよ最後の仕上げは、皆の前に仁王立ちになっての公開せんずりだ。
 最初は私からだった。椅子に腰掛けた3人の前に腰幅に足を広げてすべてをさらけ出す。普段は快感を増すためにたっぷりと使うローションは計測する精液の量に影響するので、計測前だけは田畑君の丁寧な尺八によって唾液がまぶされる。
 田畑君の口から引き出された肉棒を3人の目の高さにペニスを持っていき、勢いよくチンポの根元から亀頭まで擦り上げる。
 十分に勃ち上がった私のチンポを確認し、最後の射精を迎えるには他の3人も手伝ってくれることになる。私のリクエストでそれぞれ愛撫の場所が決めさせてもらうのだ。

 

「西田! 俺のケツの穴舐めてくれ」
「先生! きんたまを撫で回してください!」
「田畑君は乳首をつまんでくれ」
 普段だとまず口にすることのない卑猥な言葉を大声で叫ぶ。3人は待ってましたとばかりに襲いかかるように全身の性感帯を刺激してくる。

 

 3人の男の快感を知り尽くしたようなテクニックに、射精寸前の、あの金玉から雄汁がせり上がり我慢できなくなってしまう感覚が脊髄を駆け上ってくる。その私の全身が震え出してしまうようなおののきを察知して、田畑看護師がビーカーを亀頭に充てがう。

 

 ブシュッ!ブシュッ!っと、音を立てて、白濁した液体をビーカーに叩きつけた。

 

「山崎さん、今日は3ccですね。色も以前よりだいぶ濃くなってきてます。成人男子の平均は統計にもよりますが、3.5ccって書いてある文献が多くてね。それでも前よりはだいぶ増えてきてますよ」
 野村医師は田畑君が差し出したビーカーの中の精液の量や色味を観察し、解説してくれる。更にはビーカーの中に鼻を入れると深く匂いを吸い込んだ。
「雄の臭いだなあ!」
 嬉しそうに笑うと、ビーカーをもう一度田畑君に、そして西田に渡して匂いを嗅がせる。

 

 医師が言うには人によって食べ物や体調などで、毎回微妙に匂いが違うのだそうだ。そのためか出したてであれば精液の臭いだけである程度の健康状態が分かるらしい。
 臭いを嗅いだあとは、味を確かめることになる。
 医師は自分の指で大切そうに私の雄汁をすくい取り、自分が味わった後には次々と全員の舌の上に乗せていく。皆が雄汁の舌触りを味わい、味を楽しむ。
 最後は私の舌の上にべっとりと乗せて味を確かめるように要求する。以前であれば気持ち悪いと思ったのかもしれないが、今の私にとっては媚薬にも似た効き目を感じてしまう液体だ。
 これはわざわざ自分自身が体内で作った自らの分身であり、命の源なのだ。それを思うと愛おしく大切にしようと、ゆっくり舌の上で転がして味わった。

 次は西田の番だ。

 

 西田は私と舌を絡めながら射精するのが好きなのだが、今日の西田は俺にきんたまの裏を舐めるように指示してきた。巨大な玉の裏側に回りべろべろと舐め回す。汗臭い玉を頬張り睾丸に少しばかりの強い刺激を与えると、快感の雄叫びをあげながら野村医師の舌に吸い付いていた。田畑君は背後から乳首をこりこりと摘みあげている。
「出る!出ます!」
 その声が聞こえると同時に舌を絡めながら器用にビーカーを西田の亀頭にかぶせた野村医師だ。がくがくと全身を揺らす西田の肉棒を扱き上げ、最後の一滴までビーカーの中に絞りとる。
 私のときと同じように皆で匂いと味を楽しむ。私のものと比べると苦みも強く、量も質もしっかりしてそうな感じだった。
「西田君は6cc、貯めてたのか、いやあたくさん出たな。色も黄色みがかってるし粘りもすごいね。味も濃くてますます興奮してしまうよ」

 

 私は毎回、計測のこの瞬間に、強い負い目を感じてしまうのだ。
 ここ数ヶ月、出した汁の量はいつも西田より少ない数値だった。
 男としての機能が西田や先生達にも負けているのではないのか?
 先生達は回復してきていると言ってくれるけど、実際にはまだまだじゃないのか?
 このままやはり男としての堂々とした射精の噴き上げが出来ないのじゃないのか?

 

「先生たちの汁、早く飲ませてくださいよ」
 そんな私の内心の動揺などおかまいなしに、西田は出した後もまだまだ萎えようとしない逸物を扱きながら、野村医師と田畑君の精液を欲しがっていた。

 

 野村医師はニコニコしながら、大股開きで椅子に座ってその巨根を見せびらかす。おそらく若い田畑君の精液を直に口にしたいのだろう。田畑看護師を目の前に立たせて自分の顔の前で逸物をしごくように命令した。
 我々は医師の左右の乳首を責める役だ。
 私は舌で野村医師のぷっくりと膨らんだ左乳首を舐め回しながら左手で田畑君の玉を包み込み、右手は自分の雁首をこねまわす。西田は左乳首を舐めあげ歯も使って刺激し、田畑君の尻に回した右手をあやしく動かしている。
 本能のままに快感をむさぼる男達の中で、1人立ち姿で3人を見下ろしてのせんずりをする田畑君は、自分自身の乳首を弄りながらあっと言う間に絶頂を迎えたのだ。
「先生っ! す、すいませんっ、イくっ、イくっ! イきますっ!」

 

 田畑君の尻肉のひくつきの度に、おそらくは多量の精液が何度も野村医師の口の中に流し込まれているのだろう。野村医師も田畑君の射精に感極まったのか、自分で扱いてビーカーに放出する。そして、別のビーカーにまだ生暖かい田畑君の雄汁を口からどろっと流し入れた。
 医師は2つのビーカーを並べて私に比べさせた。

 

「田畑君の方が若いからやはり量では負けるなあ。色も私たちに比べるとずっと濃いし、匂いもすごいぞ。みな嗅いでみたまえ」
 屈託のない笑顔で、医師が臭いを嗅ぐ。田畑君の8ccは成人男子としては驚異的な量だ。野村医師も西田に負けぬ6ccはあり、これも年齢から言えば怪物級だ。

 

「量もたっぷりだし、みんなで口移しして楽しもうじゃないかね」
 野村医師は自分と田畑君の精液をビーカーからごくっと口に入れると、ぐちょぐちょと口の中を転がすように味わい、そのまま西田に口移しした。
 西田は野村医師の唾液まじりの2人分の雄汁をうまそうに少し飲み、やはり同じように残りを俺の口に移してくる。
 一滴もこぼさぬように大切にうけとり、少し飲むと、さらに残りを田畑君に、そして、田畑君はまた、野村医師に口移しした。
「雄臭いだろう?」
 最後に自分の雄汁を飲み干した医師は、髭に付いた白いものを田畑君に舐め取らせた。

 

 もちろん、このクリニックで行われる様々な行為は、私に半年前には考えられなかった喜びと自信を取り戻させてくれている。
 それでも、毎月のセラピー毎に繰り返されるお互いの精液の評価に、一抹の不安を拭うことが出来ないでいるのだ。

 

 私の身体自体に問題があるのか?
 それとも西田が特別なことをしているのか?
 野村医師や田畑君も比較の為にと、毎回私たちの目の前で豪快なせんずりを披露しドクドクと射精の姿を見せてくれる。さらに精液の臭いや味見もさせてくれるのは大いなる楽しみなのだが、やはり皆と比べても私の精液は違うような気がした。

 

 チンポや尻穴まで舐めあった男同士になんの気遣いもいらないだろう。
 次回のクリニックでは医師達や西田に正直に自分の悩みを話し、自分の精液について質問をしようと決心をした。
 そんな私のスマホに、次回セッションの内容を記したメールが届いたのは、前のセッションから2週間経ったときだった。