南方第二騎士団の壊滅と

獣人盗賊団への従属

その12

 

別れ

 

 4人の交わりは2時間ほども続いたのであろうか。

 その間、レオンとライドは40回ほど、バーンとベルも獅子族の逸物を受け入れながら10回近くの吐精を果たしていた。

 親子の尻は溢れた獅子族の雄汁で白く泡立ち、互いの精汁が混じり合った匂いが周囲を隠微な空気へと変えている。

 

「そろそろ、休憩しないか……」

 

 いかに獣人精液の恩恵を受けているとはいえさすがに疲れが出たのか、バーンから一時休戦の願いが出る。

 

「ああ、相手も交換しないでずっとやってたからな……。ライドもずっと俺達支えてて、キツかったろう?」

「いや、問題ない。ベル殿の尻があまりによくて、重さも何も、気付かないほどだった」

「俺のケツ、もしかして褒められてる?」

「ああ、好き者の獅子族を満足させるケツなんて、そうそう言われること無いぞ。ちとうらやましいな。それほどの名器ってことだぞ、ベル」

「謙遜すんなよ、バーンさん。あんたの尻も、極上だぜ」

「ここは素直にありがとうと言っておくか」

 

 ごろりと寝転がった4人の逸物は萎えることなく、一様に臍を、あるいは天を射している。

 

「他の連中はどんな感じでやりまくってたんかな? ちょっと見にいかないか?」

「ああ、そろそろパターン変えたり、みんなでやり合うのもいいかもな。ちょっとみんなを呼んでみるか」

 

 レオンの言葉に、身体を起こす男達。

 レオンとライドが精神を集中させているのは、フェロモン操作のためだろう。

 ほどなくして、それぞれ楽しんでいた男達が集まってきた。

 

「どうやらそれぞれ、まずは楽しんだみたいだな」

 

 レイの言葉は、あたりに漂う大量の雄汁の匂いを感じてのものだろう。自分達もまた、その毛皮を互いの汗と雄汁、先走りと唾液でじっくりと濡らしているのだが。

 

「ああ、そろそろメンツの交換とか、場所変えてもいいかなと思ったんで」

「朝までここでってのも、確かにあれか。どうだ、ボルグ。あんたらのケイブ、俺達も一緒に使っていいか?」

「ああ、そこを気にかけてくれてたのか。最後に片付けりゃ、どんな使い方したって構わないさ。それにあんたの話だと、どうせ2、3日はやり続けるんだろう? だったらさすがに途中で何か腹に入れんともたんだろう」

「確かにそうだな……。って、2、3日ってのは、こっちが勝手に言ってたことだが、あんたらそれでいいのかよ。なあ、ボルグさんよ」

「こうなった上での話じゃあるが、誰も反対するもんはいないと思うがな」

 

 ニヤリと笑ったのはボルグの方だ。

 かえってレイ達、獣人の側が苦笑いする。

 

「そうと決まりゃ、屋根のあるところの方がいいのは俺達もさ。とっとと小屋に行って、またやりまくろうぜ」

 

 レイの言葉に、その場にいた男達も全員が立ち上がる。

 

「あの、その前に、レイさんもボルグさんも、ちょっといいですか……?」

「ん、どうした、レオン?」

「あ、その、俺達、俺とライドっスけど。さっき、バーンさんとベルに童貞切ってもらったっスよ」

 

 レオンからしてみると、獣人達への報告という意味だったのだろう。

 思い出したようにレイが返事をする。

 

「ああ、そうだったな。お前らもヒト童貞卒業おめでとうって奴か。いくら人族にはフェロモン関係無いっていっても、バーンもベルも、こいつらの相手は大変だったろう?」

 

 レイもまた獅子族の習性を知った上での言葉だった。

 何十回にもわたる吐精で、バーンとベルはその尻から大量の汁を滴らせている。直腸粘膜から吸収されるその成分は、2人の逸物をひたすらに勃起させたままの状態を保たせていた。

 

「いや、大変というか、なんというか。こっちがさんざん楽しませてもらった、という気持ちになっとるが……。ベル、お前はどうだ?」

「親父の言う通りだ。親父との契りも、2人の目の前で邪魔されることなくやり通せて、その後はレオンとライドにさんざんイかせてもらえました。こっちがお礼言わないと、と思ってました」

 

「ま、そこらへんも入れて、ひとまずお疲れさんということにするか。朝まではまだ時間があるので、やり続けるもよし、仮眠を取るのもよし。日が昇ったらレオン達とアレクに飯でも作らせて、またみんなでやろうぜ」

 

 レイの言葉に、バルガスが茶々を入れる。

 

「またあんたらの雄汁、シチューにでも入れるんじゃないだろうな?」

 

 もちろん笑いながらの突っ込みではあるのだが、タウロがすぐさま切り返す。

 

「ほっほっほ、どうせ入れるなら、あなた方のも含めて全員、そう、11人分の汁を入れるというのはどうでしょう? これこそまさに『同じ釜の飯を喰う』という奴ではございませぬか?」

「おう、それいいな。レイさん、俺もバルガスのを入れたシチューとか、喰ってみたい」

「ボルグ。いや、団長さんよ。うちの連中はこう言ってるが、あんたんとこのみんなはどうなんだい?」

 

 ニヤニヤとした笑いを浮かべ、レイが聞く。

 

「その、俺は、レオンやライドの汁なら、どんな形でもいいから飲みたいと思ってる」

 

 バーンが苦笑いしながら答えた。

 

「ああ、俺も、サーマスの汁と俺のが混ざるなんてのは、ちょっといいなと思うぜ」

 

 バルガスの照れ笑いは若者達から見ても微笑ましいようだ。

 

「タウロさんの汁と俺達の、混ぜ合わせて飲んでみたいな」

 

 セオリオの言葉はアレクの思いをも代弁していた。

 

「ま、こっちにも異論はねえようだぜ、レイ」

「となると、鍋の上でみんなでせんずり大会でもやるか。イくタイミング合わせて、盛大に雄汁ぶち撒けようぜ」

「くうー、全員でせんずりって、たまんないですよ」

 

 ベルの言葉に、男達の笑い声が響いた。

 

………………。

…………。

……。

 

 それから二晩が経ち、レイがアレクを最初に襲ってから、三日目の朝となった。

 あれから、11人の逞しい雄達による肉宴は、延々と続いていた。

 

 幾人もの肉棒を尻に受ける者。

 周囲を囲まれ、ひたすら己の口で幾度もの射精を促し、その大量の汁を胃の腑へと納める者。

 互いにしゃぶり合い、犯し合い、身体中に撒き散らされた濃厚な汁を舐め合う者。

 

 大量に用意された全員分の精液の入ったシチューと、戻した干し肉で作られたサンドイッチが、男達の腹を満たし、体力を回復させていた。

 獣人達の、獅子族の汁は、互いの性欲をより昂進させ、金玉でふつふつと湧き上がる雄汁の生産能をひたすらに高めていく。

 獅子族のレオン、ライドだけに留まらず、何十回、何百回もの吐精が繰り返され、ケイブを雄臭と獣臭、さらには猛烈な性臭の満たす、淫欲の空間へと変えていった。

 

 

「さて、さすがに三日間、やりっぱなしってのは俺も初めてだったぜ」

「ああ、まあ、俺達もそうだな……」

「なんだ? えらくしおらしいな。いったいどうした?」

 

 身支度を調えた獣人達が、出立の刻を迎えていた。

 レイがボルグに声をかけたが、どうにも煮え切らないような団長の姿に、他の騎士団員達も黙り込んでいる。

 

「その、やっぱり、あんた達とはもう、これっきりなのか?」

「はは、なんだ。俺達のチンポと別れるのが嫌だって言うのか?」

「……、はっきり言えば、そうだ。もちろんあんたらの汁のせいだってのもあるんだとは思うが、正直俺は、もうその影響だけだとは思えなくなっちまってる」

「あんたらは騎士団員、俺達ゃ流れの暴れん坊だ。身分っつーか、役割っつーか、ずっと一緒にいられないなんてのは、あんたらこそ分かってんだろ? 俺達の汁の効果も、しばらくすりゃ薄れていくはずだ。半月もすりゃ、それこそ犬に噛まれた、忘れっちまえ、ってなってると思うぜ」

 

 レイの言葉は事実ではあったが、どこかその言葉にはやはり寂しさが含まれているように聞こえた。

 

「ああ、そうだろう。きっと、そうなんだろう……。だが、俺達の誰1人として、あんた達のことを悪い思い出にする奴はいないと思う。まあ、出来れば、あんた達もまた、人族のケツ、良かったなって、たまには思い出してくれないかとは、思うがな」

 

 ボルグの言葉も、また、自分達の立ち位置と境遇を十分に理解した上でのものであったろう。

 

「まあ、後腐れ無く、さっくりとおさらばしようや。それがお互いの身のためだ」

「ああ、そうだな。レイ、お前さんの言う通りだな」

 

 互いに向かいあった男達が、次々に握手を交わしていく。

 

「じゃあ、これでバイバイさよならよ。あんた達も達者でな」

「ああ、ああ……。レイ、あんた達も、その、身体には気をつけてな。生きろよ、あんたらも」

 

 最後に一度、天を突き上げるかのようにレイが拳を振ってみせ、5人の獣人達の姿が台地の向こうへと消えていった。

 見送る騎士団員達の股間が、みな一様に腰布を押し上げていたのは、辺りに残る獣臭の残り香のせいだけでは無かったようだ。

 

………………。

…………。

……。

 

 

 縁とは誠に不思議なもので、この数ヶ月後、他ならぬ正規軍からの依頼を受け、ボルグ達6人とレイ率いる5人の獣人達が再び相見えることとなるのは、また別のお話し。

 

 それではこれにて、南方第二騎士団の任務壊滅と、獣人達への奉仕への時間についてのお話しは、一件落着。