単身赴任寮物語

その2

 

「浩二さん、汚いですから」
 私の制止する声に、浩二さんは小声でまだまだですよとつぶやく。今度は私の毛深い太股に唇を這わせる。
「ああ、気持ちいいです。でも、浩二さんみたいに鍛えてないから恥ずかしいですね」
「児玉さんの足も毛深くて男らしいじゃないですか。これも感じるでしょう」

 顔を上げた浩二さんは、私の太股を大きな手のひらでさすってきた。久しぶりに感じる人の手の体温が心地よい。最初は筋肉を確かめるようにしっかりと押し付けられていた手のひらは、今では怪しい動きで私の太股の上をさまよっている。浩二さんの爪が太股とブリーフの堺目をすっとなぞったときには、私は声にならない呻きを上げてしまっていた。
 浩二さんがその声を確かめるようにして、私の毛深いすねを今度は両手で先ほどの太股と同じようにさわさわとなでさする。そのかすかなタッチは地肌には一切触れず、体毛だけをなぞるように動きまわる。足首から膝上にかけてをソフトに撫であげられると、これまでに味わったことの無いその感触に、何度も気持ちいい、気持ちいいと声が出てしまう。
 いつの間にか私の下半身は浩二さんの目の前で、ブリーフに先走りのしみを広げていた。

 

「いい、感じます、浩二さん。始めてです、足でこんなに感じるなんて」
「チンポしゃぶるだけがやり方じゃないんだ。これも前戯でやられるとたまらんだろう」
 そう言うと浩二さんは今までさすっていた私の足を抱え上げると、なんと今度は私の足の指をしゃぶり始めたのだ。汚い、その言葉を言う前に私は始めての快感に声を上げていた。
 足指の一本一本を丹念にしゃぶられ、指と指の間に舌を差し込まれねぶられる。
 それはくすぐったいとも何とも言いようのない、思わず身体をよじらさせずにはいられないような快感だった。

 

「こ、浩二さん、か、感じます。でも、き、汚いですから」
 身も絶え絶えにいう私の言葉に潮時と思ったのか、やっと口を話してくれた。ふうと一息つくと、よっこらしょとソファに上がり、煙草に火をつける。
 お預けを食らった私としては次に進みたくてたまらずに、今度はこちらが浩二さんの前に跪こうとした。

 

「今はここまで、ちょっと休憩しようや」
「そんな、浩二さんのもこんなにでかくなってるじゃないですか。まだ時間はあるし、いいじゃないですか」
 不満そうに言う私に、浩二さんが煙草をくわえた唇をにやっとゆがめて説明を始めた。

 

 今日の歓迎会はもちろん私をみんなに紹介するのが目的だが、どうやら宴会が終わった後がほんとの歓迎会らしい。

 

「1階に和室があったろう。あそこが第2部のメイン会場だ。児玉さんもサウナのミックスルームと思ったろうが、夜になったら布団を敷き詰めて、みんなでやるってことになるんだよ」
「それってもしかして乱交部屋ってことですか。何か聞いてるだけで興奮しますね」
「まあ、2、3人でやるってのはいつものことさ。何せみんな中年の固太りの奴らばっかりだろう。高坊のタイプを集めたらこうなったんだが、お互いイケるもんだからひまな時はみんなしゃぶりあってるよ」
「特にみんなそろった土曜の夜なんかはすごいもんだぜ。平日は、思い思いに風呂場でやったり部屋で連れ込んだりなんだが、土曜日だけはあの部屋に全員集まって一晩中やり狂うんだ。6、7人の中年の男盛りの奴らがからみあってる姿ってのは、もう自分のを握ってるのが誰で、しゃぶってるチンポが誰のかも分からなくなる。そりゃあ興奮するぜ」
「もちろんそんなに興奮すると何時間も持たないから、チンポにリングつけてる奴もいるよ。俺も先週はつけてたんだがそれでも4回はイったもんなあ」
「あ、ただし、土曜の夜だけはアナルは無しってしてる。ほら何となくケツの穴に突っ込むと、やる方、やられる方って感じになるだろう。抜いた後だとしゃぶるのもなんか抵抗ある奴もいるしな。他の日にやる分には別にかまわないんだが、土曜日だけはみんな対等に楽しもうって決め事にしてるんだ」
「チンポ突っ込まないだけが決まりなんで、ケツ舐めやバイブ突っ込んだりってのは遠慮しなくていいぜ。児玉さんもバック大丈夫ならケツにバイブ出し入れされながらチンポしゃぶられて、胸を二人に舐められてみな。自分の口にも人のチンポが突っ込まれてるし、どんなに我慢したってあっという間にイッちまうぜ」

 

 浩二さんが話すこの寮での生活は、聞いているだけの私のブリーフの染みを一段と広げるような内容だった。

 

「特に今日は土曜日、そう、やり狂う日だってんで2、3日分はみんな溜めてるし、ほんとすごいことになるぜ。歓迎会自体も俺のとき依頼の2年ぶりだしな」
「何、児玉さんは何もしなくていいんだ。主役はただ、寝っころがっていればいい。考えてみろよ。自分は何にもしないでマグロになってりゃ、まわりが全員で楽しませてくれるんだぜ」
「チンポは常に誰かがしゃぶるか扱くかしてくれてるし、ケツの穴も誰かがいつもいじってる。全身爪立てて撫でまわされるし、そりゃもう、あんまりイイんで気が狂っちまいそうになるんだ」

 

「俺のときなんかもう、朝まで一晩中やられてね。この年だというのに7、8発はイかされたんじゃないかな」
「最後はほら、俺も好きだからさ、ずらっと並ばせて全員のをしゃぶってやったんだ。みんながイくっていうときにごろっと横になって自分で扱きあげた。もう何回もイってるから自分の汁はほとんど出ないんだが、全員のザーメンぶっかけられてぬるぬるになりながら、イく度に全身がびくっ、びくっ、て痙攣するんだ。あれはすごく興奮したなあ。今でもあの時を思い出しちまって勃起しちゃうこともあるしな」

 

 まるでホモのパラダイスのような話しだった。こんな話しを聞かされて、さらには自分が今晩主役として体験するかと思うと、私の下半身は今にも張り裂けそうに怒張するのだった。
 私の興奮ぶりを見てとったのか、浩二さんがなだめるような口調で話しを続ける。

 

「そんなこんなで今は出すのはお預けだ。今イっちゃうと俺も児玉さんも後が大変になるからね。出したくてたまんないだろうけど、こっちも同じなんだから我慢してくれな。夜になったら、それこそもういいって言うまで絞りとってやるから」
 確かにそうだと思いながらもまだまだ不満そうな私の背中を、浩二さんがポンと叩く。
「そんな顔してないで、お楽しみは後、後。風呂でも行って汗を流しちまおう。さあ行った行った」

 

 さすがに二人とも前を盛り上げたまま部屋を出るのも気が引けて、一服した後に風呂へとなった。

 

 一階の風呂に行くとすでに先客がいるらしかった。さすがに勃起したままではまずいのではとも思ったが浩二さんはさっさと裸になってしまう。先ほどトランクスの上から手にした図太い肉棒は半勃ちのままでろりとぶらさがっている。こちらはまだ収まり切れていない肉棒が再び頭をもたげそうになるのを、あわててタオルで押える羽目になってしまった。
 目のやり処に困っている私に気がついたのか、浩二さんが笑いながら私の緩み始めた腹を撫であげ、高坊が一目見て気に入ったわけだとつぶやいて洗い場のガラス戸を開けて入っていった。

 

 広い湯船に浸かっていると、プロレスの長州に似た風貌の体格のいい入居者が汗を全身に浮かべてサウナから出てきた。向こうも新顔に気がついたのか、素っ裸での自己紹介となった。

 

「今日見学に来た児玉さんだ。46才って話しだが結構いい男だろう。高坊が一目惚れしたみたいだ。こっちの世界だってのはもう確認済みだよ」
「4号室の田代洋一さんだ。170センチに90キロぐらいあるんじゃないかな。みんなからは洋さんと呼ばれてるよ」

 

 浩二さんの紹介によろしくと頭を下げると、さっそくお互いのタイプの話しになった。洋さんの方は自分が大きいからかやはり大柄な中年がタイプらしいが、私のような典型的な中年太りにもそそられるという。
 ひとしきり自己紹介も終り、身体を洗おうと湯船を出ると、二人が俺達が洗ってやるよと申し出てきた。自分でやるからと遠慮しようとすると、夜のために二人で磨き上げてやるよと言う。何か企みがあるのだろうと内心期待しつつ、それならと甘えることにした。
 鏡の前の椅子に腰を降ろそうとすると、そっちじゃないと洗い場の奥に案内される。サウナにあるような木の細長いベンチにあたりの柔らかいマットがしかれている。そこに横になれということらしい。
 まるでソープみたいですねと冗談を言うと、洋さんがソープ以上のことをやってやるよと笑いながら答えた。お手柔らかにと言いながら幅の狭いベンチにうつ伏せになり、重い身体を安定するように揺すり上げた。

 

「せいぜい楽しんでもらってかまわないが、出すのだけはお預けだぜ。イきそうなときはちゃんと言ってくれよ。まあ、寸前で止めるってのもなかなかいいもんだがね」
 こちらが返事もしないうちに、二人ともタオルを泡立てると、背中や手足をごしごしと擦り始めた。さすがに男の力で洗われるのは気持ちが良くおもわず声がもれてしまう。
 一通り洗い終えると、今度は前だからと身体を起こされる。細長いベンチにまたがるように足を下ろして腰掛けた形になった。

 

「これからが本番ですよ」
 洋さんが笑うと目が無くなるような柔和な顔で声をかけてくる。童顔ともまた違うそのての顔つきは昔から自分のタイプだ。

 

 どっこいしょ、と洋さんがその大きな身体で私を背中から抱き抱えるようにベンチを跨いだ。私の背中に洋さんの大きな腹と胸が柔らかくあたり、まるでソープの泡踊りのように身体をゆすりあげる。腰にはでかいチンポがぬるぬると先走りを塗り付けてくる。前にまわした両手は私の胸をはいまわり、太い指で乳首の先端を石鹸のぬめりでぬるぬると刺激してきた。
 あまりの心地よさに私が切ない声を上げていると、今度は浩二さんが私の足をベンチの両脇に下ろし、よっこらしょとこちらもベンチに腰を下ろす。
 結局、ベンチに3人がまたがり、私の火照った全身を2人に前後から弄ばれるような状態になったのだ。
 準備良しと見て取ったのか、浩二さんはいかにも好色そうな顔で私の股間を覗き込むと、洋さんの背中からの愛撫で勃ち上がった私の肉棒を、目の荒いナイロンタオルで包み込むようにして揉み上げ始めたのだ。