負傷したラグビー部員が

マッサージ屋で色々と体験させられたお話し

その6

 

「ゼンリツセンハ、指2本でマッサージシマシタ。

 コンドハ、バーコノ指ト、舌デ、オーツカサンノ、ココ、モットホグシテ、モット広げてイキマス。ソノマエニ、トイレ、イッテオカナクテ、イイデスカ?」

「……大丈夫だと思います。さっき言ったように、俺、朝から、その『洗って』きてるので……」

「アア、ソウデシタネ……。バーコ、ウレシイ」

 

 洗ったってのも、どこを、とも、なぜ、とも、バーコさんは聞かずに、ただにっこりと笑ってくれた。

 その笑顔だけで、俺、もう、また、ぎゅーって身体中が気持ちよくなってた。

 

「リョウアシヲ抱えて、オシリヲ持ちアゲテクダサイ、オーツカサン」

 

 言われるがままに、がばっと開いた両足の膝を抱えるようにして、尻を浮かせる俺。

 施術台の端から、少しだけはみ出した俺の尻。

 チンポも、金玉も、そしてケツの穴も、全部丸見えになってるはずだ。

 

「オーツカサンノ、オシリ、トテモキレイ……。オオキクテ、スベスベシテテ、トテモ、キレイ……」

 

 恥ずかしかった。

 恥ずかしいけど、バーコの言葉が、嬉しかった。

 嬉しかったけど、その言葉で、俺、もっと感じてた。

 

 とろりとしたいつもの香りのオイルを、バーコが指に取る。

 先ほどまで中をくじられていた尻穴に、たっぷりとそのオイルが塗り込められていく。

 

「バーコさん、ケツが、ケツがじんわり熱いよ……」

「コノオイルハ、トテモ、キモチイイ、オイル。オシリノ中モ、トロトロニ、ナリマスヨ」

 

 バーコの言う通りで、昨日もさっきも、これまで尻の中をいじられたとき、まったく痛みは感じなかった。

 それよりなにより、尻の中がほかほかと暖かくなって、もっといじってほしい、もっと出し入れしてほしい、そんな気持ちになるオイルの効果なんだ。

 自分の身体が自分じゃ無いみたいな、そんな気持ち。

 こんな気持ち、俺、初めてだった。

 

「ナメマスヨ。オーツカサンノ、オシリ、バーコガ、タベテシマイマスヨ」

 

 べろり、と舐められた。

 

「ひあああああっ……」

 

 指とはまったく違う、その感触。

 粘膜と粘膜が触れあう、暖かな生の舌の感触を、俺の肛門が堪能する。

 

「オーツカサンノ、オシリ、オイシイ。バーコ、オーツカサンノ、オシリ、スキ……」

「バーコさんっ、俺っ! 俺っ!……」

 

 ぬるぬると舐めるだけだった動きが、固くした舌先での押し込むような動きに変わる。

 指ほど深く入るわけじゃ無いけど、そのかすかな出し入れの感覚が、俺のケツをさらに熱くしていく。

 

「バーコさんっ、もっと、もっと奥までっ、奥までっ、ほしいっ……」

「キノウモ、サッキハ、指ダケデシタ。コノアト、バーコノ、ペニス、オーツカサンノ、『ココ』二、イレタイデス……」

「入れてほしいっ! 俺、バーコのチンポっ、俺の尻に、入れてほしいっ!」

 

 もう何も構ってられなかった。

 俺の頭、バーコのあのデッカいので、ケツを犯してもらうことで一杯になってた。

 

「バーコノペニス、スコシ、オオキイノデ、オーツカサンノオシリ、ヒロゲテイキマスネ。イタカッタラ、スグ言ってクダサイ」

 

 前立腺への刺激だけで一度イカされた俺のチンポと身体、このときはまだ余裕があったんだと思う。

 

「モウ、3本、ハイリマシタヨ。イタクナイデスカ、オーツカサン……?」

「痛くないです。大丈夫です、俺……」

 

 バーコの『大丈夫』も聞きたいんだけど、俺の方がよく言っちゃってる。

 

 尻の中の指がグルグルと動き、入口を横に広げるように圧をかけてくる。

 痛みはぜんぜん感じなかった。

 切なさ、って言えばいいんだろうか?

 まだ快感には直接繋がってはいないんだけど、もしここで何かがあと一歩を越えたら、ものすごい大波が来そうな、そんな感じ。

 

「ダンダン、緩んで、キテマスヨ。ダイジョウブ、ダイジョウブデス、オーツカサン……」

 

 耳から入ったバーコの声が、身体中をじんわりと溶かしていく。

 

「もう、4本目デスヨ。オーツカサンのココ、トテモ柔ラカク、ナッテキテマス。オーツカサンモ、キモチイイ。バーコモ、モットモット、キモチイイ……」

 

 俺の尻がバーコの太い指を、4本も咥え込んでる。

 信じられなかったけど、目に見える場所じゃ無いけども、バーコの言葉だから信じられた。

 信じてバーコの目を見つめてると、どんどん気持ちよくなってきた。

 

「ああ……。バーコの指が、俺の中、掻き回してる。気持ちいいよ、バーコ。もっと、もっと太いのが、バーコの太いのがほしい……」

 

 俺、ついもう『バーコ』って呼んじゃってた。

 好きな人に『さん』はもう、要らないんじゃって、勝手に思ってた。

 

「オーツカサン、ワタシノコト、バーコッテ、呼んでクレタ……。ワタシモ、オーツカサンノコト、『ミツヤ』ッテ、ヨンデイイデスカ? バーコ、ミツヤサンノコト、スキ。バーコ、ミツヤサンノコト、ダイスキ……」

「うん、うん……。俺もバーコに『満也(みつや)』って呼んでほしいっ! 名前で、呼んでほしいっ!!」

 

 後から考えるとさ、ケツの穴をほぐされながら言う台詞でも無かったんだろうけど、そのときはもう、言葉にするだけで気持ちよかったんだ。

 

「ミツヤサンッ……!」

「バーコっ……!」

 

 互いに呼び合ったその瞬間、俺、自分のチンポの先っぽから、とろりと先走りが流れ落ちたのを感じてた。

 

「モウ、カナリ、ミツヤサンのオシリ、ヒロガリマシタ。イヨイヨ、バーコの、イレマス。ミツヤサンノオシリ二、バーコノ、イレマスヨ」

「我慢するから、俺。怖いけど、すごく怖いけど、バーコのがほしい。痛くても我慢するから、バーコの太いの、俺の尻にほしい」

「ダイジョウブ、イタクナイヨウ、バーコ、ヤサシク、シマス。ミツヤサンのオシリ、コワサナイヨウ、バーコ、ヤサシクシマス。ダイジョウブ。ミツヤサン、ダイジョウブデスヨ」

 

 俺、もうバーコの言葉だけで、大丈夫なんだって思えた。

 あのデッカいの挿れられても、絶対に大丈夫だって、思えた。

 

「クチヲ大きく、アケテ、ミツヤサン……。ダイジョウブ、リラックススルト、ダイジョウブデスカラ……」

 

 バーコの亀頭が、入口をぬるぬると刺激する。

 オイルとバーコの先走りが混じり合って、とてつもない快感を呼ぶ。

 

「じ、焦らさないでっ、バーコっ! 俺っ、もうっ、もうっ、たまんないよっ!!」

 

 バーコが俺の目を見つめた。

 俺もバーコの瞳を見つめ返す。

 最後はもう、言葉じゃ無くて、目と目の会話でのタイミングだった。

 

「あっ、あっ、ああああああーーーーーーっ!」

「ハイッタッ! ミツヤサンノ、オシリ二、バーコノガ、ハイッタッ!」

 

 メリメリと、みっしりと、俺の穴が押し開けられていく。

 ここまでか、と思う気持ちは簡単に裏切られ、強烈な圧を伴った太い肉棒の前進が続く。

 

「はあっ、あっ、あっ、あっ……」

「ミツヤサンッ! イタクナイデスカ? バーコノペニス、イタクナイデスカ?」

「い、痛くはないよっ! 痛く無いけど、あっ、ああっ、すごいっ! なんか、すごいっ!!」

「モウスコシ、モウスコシデ、バーコノガ、全部ハイリマスッ! ミツヤサンッ、ガンバッテ! ダイジョウブダカラ、ダイジョウブダカラ、ガンバッテ!!」

「あっ、ああああっ、あっ、あっ、ああああっ……!」

 

 俺の馬鹿な頭じゃ『すごい』って言葉しか、出て来なかったんだ。

 本当に、不思議に、痛みは無かったと思う。

 ただただ、ひたすらに感じる圧力と違和感だけが、俺に声を上げさせてた。

 うなり声みたいなのは、たぶんあの時点での、よがり声だったんだ。

 俺、バーコの太いチンポに、バーコのデッカいチンポに、感じ始めてたんだ。

 

 最後は、ずんっ、とした、一突きだった。

 下っ腹に感じる違和感が、長大な逸物の存在を訴えている。

 ゆっくりと、じりじりと歩を進めていたバーコのペニスが、ついに俺の真奥に、届いた。

 

「ゼンブ、バーコノペニス、ゼンブ、ミツヤサンの中に、ハイッタ……」

「あ、あ、あ、あ……。バーコ、バーコ、バーコっ……。俺っ、どうにかなりそうで、怖いっ……。バーコっ、俺を、俺を抱いてくださいっ、バーコにっ、俺っ、抱きしめてほしいっ……」

 

 俺、バーコの名前を何度も呼んだ。

 自分があまりの快感と、あまりの幸福に、どうにかなるのが怖かった。

 バーコに抱きつきたかった。

 バーコにキスしたかった。

 強烈な圧力を深い尻奥に感じながら、バーコの黒くて大きな身体に抱きしめてほしかった。

 

「ミツヤサンっ、ミツヤサンっ!!」

 

 バーコがのっそりとその重たげな上半身を倒してくる。

 施術台がミシリと、音を立てる。

 デカいチンポは体位の変化をものともせずに、俺の尻肉を割ったまま、肉壁にじりじりと圧迫を加え続ける。

 

「キス、シテクダサイ。ミツヤサン、バーコと、キス、シテクダサイ」

「俺も、俺もキスしたい! バーコとキスしたい!」

 

 バーコの唇と、俺の唇とが重なりあう。

 上下2つの口が、互いに密着する。

 ぐりぐりと押しつぶされるような感覚が、尻と腹の中で俺を掻き回していく。

 

「バーコ、バーコっ! 当たるっ、バーコのがっ、俺の中でっ、当たってるっ!!」

「ミツヤサンの中っ、キモチイイっ!! アツクテ、キツクテ、ヤワラカクテ、バーコっ、キモチイイッ!!」

 

 バーコ、俺の奥に入れたまま、しばらくは動かないでいてくれた。

 異物感は無くなることはないんだけど、それでも、だんだんと『挿れられてる』ことを俺の肉体が受け入れていく。

 

「動いてもいいよ、バーコ……。俺、我慢するから……」

「ユックリ、ユックリ、ヤサシクシマス。ミツヤサン、コワガラナイデ。ダイジョウブ、バーコ、ヤサシクスルノデ、ダイジョウブ」

 

 ああ、バーコの声を聞くだけで、俺のチンポの先からとろとろと先走りが流れ出す。

 あんなぶっといのを挿れられても、俺のチンポ、ぜんぜん萎えなかった。

 かえってギンギンに、バーコと俺の腹の間で潰されるみたいにしてゴロゴロ転がって、すげえ気持ちよかった。

 

「あっ、くっ、あっ、ああっ……」

 

 バーコが重たげな腰を、ゆっくりと揺らし始める。

 とにかく緩め続けておかないと。

 そんな気持ちで俺は、仰け反り気味の身体の緊張をなるべくほぐす。

 半開きにした口からは、バーコの動きに合わせて声が漏れる。

 

「うあっ、ああっ、ああああっ……」

 

 ずるずると抜き出された逸物が、亀頭の手前まで入口に来たかと思うと、また、ずんっと奥へと入っていく。

 その抜き出しのときの切なさと、挿入のときの圧迫感と。

 その交互のなんともいえない感覚がどんどんと俺の快感を増幅させ、もっともっとと身体の奥から求め始める。

 

「あっ、あっ、あっ、ああああああっーーーーーーー!」

「スゴイデス、ミツヤサンノ、ココ、キモチイイッ! バーコ、モウ、トメラレナイっ!!」

 

 バーコの動きが激しさを増す。

 最初は抜き差しのたびに上がってしまっていた俺の声が、ついに連続した叫びに変わった。

 それはもう俺の尻が、バーコの『それ』を、存分なまでに受け入れてしまった証拠だった。

 

「あっ、あっ、いいっ……。バーコのチンポっ、いいっ、きもちいいっ……」

「バーコモッ、バーコモッ、キモチイイッ! ミツヤサンノ、中ッ、キモチイイッ!!」

 

 俺、自分の腰が壊れるんじゃないかと思った。

 ずんずん突き上げてくるバーコの腰に、押しつぶされるんじゃないかと思った。

 それだけの圧力が、俺の尻の中にあのぶっといバーコのチンポを押し入れてくる。

 

 奥まで、届く。

 はらわたまで引きずり出されるような抜き差しと、腹の中が潰されるんじゃないかと思うぐらいの圧迫と。

 ものすごいスピードで繰り返されるそれに、俺の頭の方が、もう耐えきれなくなるんじゃないかと思うほどの快感を感じてしまう。

 

「あっ、あっ、バーコっ! 俺っ、俺っ、汁がっ、汁がっ、もうっ、漏れるっ、漏れるっ!!」

「バーコモッ、バーコモッ、モウッ、モウッ、ガマンデキナイッ! イイデスカっ? ミツヤサンノッ、中にッ! ナカニッ、ナカニ出してッ、イイデスカッ?」

「イってっ! 俺の中にっ! 汁がっ、バーコの汁がほしいっ! 俺の中にっ、精液がっ、バーコの精液っ、ほしいっ!」

 

 2人とも、限界だった。

 金玉の奥から上がってくる汁を止められない。

 バーコの雄汁で、俺の腹、パンパンになるまで出してほしい。

 2人とも、もう、限界だった。

 

「イキマスヨッ! ミツヤサンノ中にッ、バーコッ、イキマスッ、イクッ、イクッ、イクーーーーーッ!!!」

「俺もっ、出るっ、出るっ! 汁がっ、バーコの掘られてっ、汁がっ、出るっ、出るっ、イッ、イくっ!!!!!」

 

 同時、だったと思う。

 俺、そんなはず無いんだけど、バーコのぶっとい亀頭から、ものすごい量の汁が腹ん中にぶちまけられたのが分かった感じがしてた。腹が膨れるほどの、バーコの汁が欲しいって、ホントに思ってた。

 

 がくがくと震えるバーコの身体。

 扱きもしない自分のチンポからどろどろと流れ出した雄汁が、俺の脇腹をねっとりと下っていく感触。

 

 室内に満ちた2人の汗と、精液の匂い。

 低く響くバーコの声と、甘いオイルの香り。

 

 俺、全部が気持ちいいって思えてた。

 全部が、幸せだって、思えてた。

 

「ダイジョウブデシタカ、ミツヤサン……」

「バーコっ……、俺、初めてなのに、バーコのも、あんなにでっかいのに、感じちゃってた……。バーコにケツ掘られて、俺、汁、出しちゃってた……」

「ミツヤサン……。バーコ、ミツヤサント『コウ』ナレテ、スゴク、ウレシイ。バーコがダイスキナミツヤサント、セックスデキテ、トテモウレシイ」

「俺も、俺も、俺もバーコとセックス出来て、すごく嬉しかった。すごく気持ちよかったんだ……」

 

 ケツの中にはまだでっかいのが入ったままの俺を、バーコがぎゅっと抱きしめてくれる。

 バーコの重みを心地よく感じながら、俺、自分のチンポがまた硬くなっていくのが分かった。

 同じように、俺の腹の中のバーコのチンポが、ぐいぐいと奥をまた突き始めているのも感じてた。

 

「バーコの、またでっかくなってる……」

「バーコ、ミツヤサント、モット、シタイ……。モットイッパイ、ミツヤサント、セックスして、ミツヤサンノ身体、バーコの汁デ、イッパイニシタイ……」

 

 ずるりと、バーコのでっかいのが半分ほど抜き出される。

 抜かないで、って言おうとした瞬間、反転した動きが奥まで届く。

 

「あっ、う、うあっ……」

 

 先ほどまでの出し入れで熱を帯びているかのような俺の直腸が、さらなる刺激に身悶えする。

 身体の中が、ぐちゃぐちゃに掻き回される。

 そんな、怖さと同時に味わえるはずのとてつもない快感を、期待する俺。

 両膝を抱えていた手を離し、俺、膝から下の脚をバーコの背中に抱きつくようにして尻をさらに浮かせた。

 

「ミツヤサン……」

「バーコ、もっと奥まで、もっと俺の尻の深くまで、掘ってほしい……。バーコの雄汁を、俺の腹の奥にまで、届けてほしい……」

「ワカリマシタ……。バーコ、モウ、ユックリシナイ。ヤサシクシナイ。デモ、ダイジョウブ。ミツヤサンノ、ココ、ダイジョウブ……」

 

 甘いキス。

 甘い吐息。

 甘いオイルの香り。

 

 全部が俺を溶かしていく。

 バーコの甘い声が、俺の脳髄を、溶かしていく。

 

「ぐはっ、ああああっ……」

 

 ずんっ、と来た。

 そう思った次の瞬間から、恐ろしいぐらいのスピードと圧を伴った、バーコの抽挿が始まる。

 

「あっ、あっ、ああああっ、バーコっ、バーコっ!」

「ミツヤサンッ、ミツヤサンッ!!」

 

 パンパンパンパン。

 バーコの腰が俺の尻にぶつかる音。

 2人分の体重と激しい揺れを受ける施術台のきしみ。

 互いに名を呼ぶだけの、俺達の声。

 

 汗と、精液と、アロマの香りと。

 汗に濡れた肉体同士がぶつかる野蛮な響きと。

 尻とチンポ、その結合部から発せられる卑猥な水音と。

 

 広いとは言えない施術室が、官能的な匂いと音で満たされていく。

 俺達の間の空気が、互いを愛しいと思う気持ちで、また、満たされていく。

 

「また、出ちゃうよっ! バーコっ、俺っ、またっ、またイっちゃうよっ!」

「バーコモッ、バーコモッ、イキマスッ、ミツヤサンノ中にッ、イキマスヨっ!!」

「ああああっ、バーコっ、バーコっ、出るっ、バーコに掘られてっ、俺っ、出るっ!!!!」

「バーコッ、マタイクッ! ミツヤサンノナカニッ、イクッ、イキマスッ、イクッーーーーーーー!!」

 

 俺は3度目、バーコもこの日2度目の射精だった。

 倒れ込んできたバーコの汗が、俺の顔をぼたぼた濡らしていく。

 その塩辛さと、甘い体臭が、もっともっと俺をおかしくしていった。

 

 あの日は結局、昼飯も食わずに午前中からずっと夕方前まで、2人で盛ってた。

 バーコは俺の尻からチンポをほとんど抜きもせずに、8回ぐらいイったんだと思う。

 ガタイいい分、絶倫なのかな。

 俺も気合い入れるとそのくらいはイけるかもだけど、後から分かったのはバーコって、毎日でもそれが続けられるってこと。

 俺、後半は、いつイくとかでなくって、バーコに掘られてる間、ずっとイキっぱなしになってた気がする。

 気が付くと、何時間も先走りみたいにとろとろ白い汁が漏れ出てる、そんな感じ。

 

 さすがに腹が減ったな、って思ってたら、バーコも同じだったみたい。

 

「ソロソロ、一度、キューケイ、シマショウカ」

 

 休憩ってことは、この後もまた、ヤルってことなんだよな。

 俺、さすがに身体中がギシギシ言ってる感じがしてた。

 

「バーコ、嬉しいけど、ちょっと俺、きつくなってる……」

「ダイジョウブ、バーコ、ミツヤサンノ身体、マタ、マッサージスルネ。ミツヤサン、元気にナル。マタ、バーコト、セックスデキル。ダイジョウブ、ダイジョウブダカラ……」

 

 なんでだろう。バーコの『大丈夫』って声を聞くと、俺、ホントに大丈夫なんだよなって思うようになってた。

 気力も体力も、そして精力も。

 全部『大丈夫』なんだって思えて、そしてそれは、その通りになっていったんだ。

 

 

 あの日、最初はマッサージ終えたら昼飯をバーコが自分の家で振る舞うつもりだったみたい。

 で、そのあと家でじっくり、って段取りを考えてたんだけど、店で俺の顔見て、もうたまんなくなったんだって。

 俺、それ聞いて、なんか嬉しくなってた。

 結局バーコの手作り飯は夕食になったんだけど、元々時間かかるからって前日から仕込んでくれてたそうで、俺の前立腺マッサージ終わった後に、地元の食材が売ってあるちょっと遠いスーパーまで色々買いに行ってくれたそう。

 なんだかトマト味、でも辛さもあるピラフみたいなのに、鶏肉をこれも辛みのあるソースを付けて焼いた奴。あとはココナッツ使ったお菓子みたいなのがいっぱいテーブルにのっての夕食だったんだ。

 

 バーコの家?

 普通のアパートだけど、ワンルームの俺んとこよりずっと広くて住みやすそうなとこだったよ。

 

 結局、夕飯食わせてもらって、ゆっくりした後、やっぱりエッチも再開になって。

 さすがにケツはなんか熱くなってきてたんで、その日の夜は抱き合ってキスいっぱいしながら、お互いのチンポしごいたりしゃぶったり。

 もっともバーコのでっかいの、俺、せいぜい亀頭とあとちょこっと口に咥えるのが精一杯でさ。バーコは俺の余裕で全部咥えてくれるのが、なんだか悪いというか、微妙にコンプレックスを刺激されるというか。

 もちろん、デカいだけがいいとかじゃ無いんだけど、バーコにもっと感じてもらいたいってのが、頭をよぎるし。

 

「フフ、バーコノ、クワエテクレテル、ミツヤサン、カワイイデスヨ……」

 

 頭の上の方からバーコが言うんだけど、こっちはそれどころじゃ無いって言うか。

 とにかくデカすぎて、歯を立てないようにって思うだけで顎が疲れちゃう感じ。

 それでも、なんとか手でぶっとい竿を扱いたり、これもでっかい金玉、ゴロゴロ揉んだりしながら、2回ぐらいは飲ませてもらったかな。

 人の精液なんて、飲むの初めてだったけど、バーコのなら、ぜんぜん嫌じゃなかった。

 かえってバーコの汁の匂いで、俺、もっと自分のチンポがギンギンになるのが分かったし、俺自身もバーコに3回は飲んでもらったし。

 

 そのまま泊まらせてもらって、翌日の日曜日も朝からずっと裸でいちゃいちゃしてた。

 というか、あの日以来、ちょくちょく行くようになったバーコんちでは、もうずっと裸で過ごしてたりするんだけどさ。

 

「ミツヤサン……、バーコト、コンナニナッテクレテ、アリガトウゴザイマス。バーコ、ウレシイ。バーコ、トテモウレシイ……」

「俺も、俺も……。その、バーコと、こんなふうになるなんて、最初は思ってもみなかったから……」

「バーコ、マッサージシテテ、ミツヤサン、スゴクスキニナッタ。ミツヤサンニモ、バーコのコト、スキニナッテホシクテ、イッショウケンメイ、マッサージシタネ」

「うん、ありがとう、バーコ。バーコが俺を好きになってくれてるってのが、すごく分かって、俺、それも嬉しかった」

 

 2日の間、何度も交わした会話。

 ずっと裸でくっついてて、バーコの黒くてでっかい身体が、俺を覆ってて。

 バーコの重さが、肌の滑らかさが、そしてあの声が、もう、たまらなくて。

 

 俺がバーコをぎゅっと抱けば、バーコももっと強く抱き返してくれる。

 それが嬉しくて、楽しくて、気持ちよくて、何度も何度も繰り返した。

 

 それからかな。

 俺とバーコの『お付き合い』が始まったのは。

 

 そう言えば、あの会話、夏頃だったっけ?

 やっぱりお互い3回はイっちゃったセックスの後、ベッドの上でゴロって2人転がっていちゃいちゃしてるときだったと思う。

 

「ミツヤサン、マエニ、バーコ、ミツヤサンヲ、ナカセテシマッタケド、ヤッパリ、バーコハ、ミツヤサンニ、ラグビー、ヤッテホシイデス」

「うん、うん、俺も、バーコと付き合って、前向きに考えないといけないんじゃないかと思い始めてる」

「マタ、ラグビー、スルノデスカ?」

「まだまだ『少し考えてる』ってとこかな? ラグビー部の部長さんも『いつまでも待ってるぞ』って言ってくれてたし、冬からか、春からか、考えてみてもいいかなって。もちろん、すぐに選手ってわけにもいかないだろうから、マネージャーやりながら、ちょっとずつ、ぐらいに考えてるけど」

「ゼッタイ、ゼッタイ、ヤッテホシイデス。バーコ、ラグビーしてるミツヤサン、オウエンシタイデス。ミツヤサンガ、走るトコロ、バーコ、見タイデス!」

 

 バーコがすごく嬉しがってくれてるのが分かる。

 俺も、春頃に比べての自分の心境の変化には驚いてた。

 

「たださ……」

「タダ……、ナニカ、アリマスカ?」

「うちの大学のラグビー部って、入部したら寮に入るのが当たり前になってるんだ。そうなるとどうしてもバーコのとこに来る回数は減っちゃうし、週末にこんなずっと一緒に過ごせないだろうし、そこだけが、ちょっとね……」

「バーコ、マチマス。何年モ、マチマスヨ。ソシテ、モシ、モシヨカッタラ、バーコ、ミツヤサント、一緒に、スミタイ。ミツヤサント、イッショニ、クラシタイ」

 

 こんなこと、バーコのあの声で言われて、泣かない方がおかしいよな。

 俺、涙ぼろぼろ流しながら、またバーコに抱きついてた。

 でも、その涙は、同じベッドの上だったけど、事故の後にお医者さんの話を聞いたときのそれとは、ぜんぜん違ってた。

 嬉しくて、嬉しくて、嬉しすぎて流す、そんな涙だった。

 

 

 俺、大学に入った春には、俺の人生、なんにもいいことないなって、そんな馬鹿なこと、思ってたんだ。

 でも、怪我したおかげでバーコのマッサージ屋を知って、そして、バーコ自身のことも知って。

 俺、人が人を好きになるって、こんななんだって、初めて知った気がしてる。

 そんな気持ちで周りを見直したら、色々、『いい』ことも、俺の周りにたくさんあるんだなって。

 

 轢かれそうになった子は、助かって。

 俺の膝も、手術自体はうまくいって。

 親父もお袋も、俺のことすごく色々考えてくれて、いっぱい動いてくれて。

 大学は推薦から一般に、入試受け直さなくてもいいように取り計らってくれて。

 ラグビー部の部長も、いつでもいいから一緒に走ろうって言ってくれて。

 そして、バーコに出会えて。

 

 まだまだリハビリは続けなきゃいけないし、バーコに言った通り、もしホントにラグビー部に入るんなら、寮のこととかも考えなきゃいけない。

 

 でも、俺、バーコと知り合えたこと。

 バーコとこんなふうになれたこと。

 バーコと付き合い始めたこと。

 

 全部、よかったと思ってる。

 全部、嬉しくて、楽しいことだと思ってる。

 

 俺の今も、俺の未来も、バーコと一緒に過ごしたい。

 

 そう思ってる俺が『今ここに』いるんだってことを、世界中に大声で叫びたい、そんな俺になったんだ。