くまどん作

深夜残業

その2

 

 

次の金曜日 午前11時09分

 

 朝からそわそわしている。

 さっき、坂本部長に本日残業すること、それからもし時間があれば相談に乗って欲しいことがあるので、残っていただけると嬉しいということを今さっき伝えて、快くOKしてくれたのだ。

 

 あとはどのように、部長を落としてその気にさせて、くんずほぐれつの肉体の饗宴にもっていくか?

 

 二人で示し合わせて今日は勝負パンツを履いてきた。部長が好きそうな親父の履くいわゆる白ブリーフである。

 この垢抜けなさが実にいいのだ。

 今からワイシャツをひん剥いて、部長のふくよかな腹に顔を埋める場面を想像すると股間が熱くなる。

 

 

同金曜日午後 16時00分

 

 再度部長に残業の確認。にこにこしながらうなずく部長。今日は特に暑い1日だった。きっと部長の股座も蒸れて芳しくなっているに違いない。そんなことばかり考えている。

 山岸もさっきからどうも落ち着きがない。

 

 

同金曜日午後 19時36分

 

 いよいよ残業時間がきた。

 

「お疲れ様でした」

 同僚達が挨拶をして次次に帰っていく。坂本部長はちょっと出かけてくると言って外に出てから20分経った。

 本当に残ってくれるのか心配になる。

 

 と、そこに両手にコンビニの袋を下げた坂本部長が戻ってきた。

「いやあ、夜になってもまだ暑いなぁ」

 坂本部長ったら、冷たい飲み物やらおにぎりやらサンドイッチをしこたま抱えてきたのだ。なんて優しいんだろう。もちろんご馳走になった。

 でも、坂本部長、あなたの身体もご馳走になりますよ。

 

 

同金曜日午後 21時42分

 

「どうだね。残業は捗っているのかな?」

「は、はい。もう少し、そうですね、小一時間ほどでデータ処理が終わるので見ていただけませんか?」

 そう言うと山岸は途中経過のデータを坂本部長のパソコンに送った。すべて作戦通りに運んでいる。

 さあ、もうすぐだ。

 

 

同金曜日午後 23時07分

 

「部長、部長のパソコンに全部のデータを送ったので、見ていただけると助かります。入力ミスとかありますかね」

 そういいながら山岸と俺は部長の机の上にある例のパソコンの周りに集まった。

 部長を座らせたまま、それを挟んで立ち、左右に陣取ったのも作戦だ。

 

 坂本部長はパソコンを開き、あけっぴろげにパスワードを入れる。

 送られたデータを開けてにらめっこしている部長。ワイシャツから首にかけて蒸れた男の体臭が立ち上り、俺たちの鼻腔を刺激する。

 ああ、何ていい香りだろう!

 上から部長の股の膨らみが良く見える。

 丸々とした股間の膨らみが今日は特に目立つのは考えすぎだろうか?

 俺たちはわざと部長の顔のあたりに自分達の胸板を押し付けるようにしてパソコンを覗き込んだ。

 俺たちの体臭が部長に届きますように。

 さらにばんと出た腹を部長の腕に押し付ける。

 俺たちの肉体が部長の性欲を刺激しますように。

 

「うーむ、特に問題は無いようだがね」

 しばらくして部長が呟いた。

 

 そして、山岸が行動に出た。

 

 

同金曜日午後 23時10分

 

 部長がちらっと時計に目をやっている。

 終電も終わってしまうだろうことを確認してようだ。

 

「部長、ちょっと失礼します」

 そういいながら山岸は部長からマウスを奪って動かした。

 

「ちょっと気になるファイルがあるんですが、何ですかねこれは?」

 そう言いながらあっと言うまに、例のファイルを開いてしまったのだ。

 

「あっ、あわわ」

 慌ててマウスを奪い返そうとする部長の手をすいっと避けて、山岸は次々と画像を映し出した。

 

「部長。こういうのが好きなんですか?」

 山岸がまるで、好きな食べ物を聞くような自然な口調で質問した。これも部長に恥をかかせないようにするためだ。

 そして、俺が間髪を入れず付け足した。

「普通のことですよ。部長。だって、俺と山岸も、部長と同じなんですから」

 

 えっ?

 と怪訝な表情で俺たちを見上げる部長。

 

 そして、俺たちはするするとそれはそれは手際良くワイシャツとズボンを脱ぎ捨てて、白ブリーフ一丁の出で立ちになった。

 

 そして、唖然として座っている部長の背後から山岸が羽交い締めの格好で部長を動けなくした。

 俺はすかさず部長のベルトを緩め、チャックを下ろして、ズボンを一気にずり下ろした。

 下ろされたズボンは足にまとわりつくので、上手く歩くこともできない。

これで逃げ出される心配は無くなったわけだ。

 

 次に剥き出しになった部長の股のあたりに乗り、身動きが取れないようにしながら、ひとつまたひとつとワイシャツのボタンを外していく。

 だんだんと露わになっていく部長の豊満な腹や張り出した胸、さらに黒ずんだ乳首。この上ないひとときである。

 ああ、夢にまで見た部長の裸体がもう、目の前にあるのだ。何度想像しながらちんぽをしごいたことだろう。

 全てのボタンが外されたのを確かめると山岸はワイシャツを一気に上に引き上げ、部長のプライドを奪い去った。

 

 もう、一人の魅力的な中年親父がいるだけである。

 

 ズボンも足から引き抜くと、そこには、予想していた通りに白ブリーフがあった。

 汗とその他の雄特有の分泌物で蒸れた白いブリーフ。 

 その上には腹から密集して続いている黒々とした体毛、ブリーフの脇からはその主人の命令により這い出て来たかのように蠢いている陰毛の群れ。

 これぞ日本の親父である。

 

「部長、恥ずかしくないでしょ。

 ほら、俺たちも部長と同じ格好ですよ」

 

 俺たちは股間の膨らみを部長に見せつけた。

 太った中年サラリーマンが三人、白ブリーフでオフィスにいる姿は何とも奇妙な光景ではあったが、どこか淫靡な雰囲気もあった。

 

 

同金曜日午後 23時22分

 

 坂本部長はおぼろげながらも自分の置かれている状況を飲み込み始めていた。

 少なくともこの部下たちは自分に肉体的な危害を加えようとしているのではない。

 パソコンの中の男の裸の画像をネタにしてゆすりたかりをしようとしているわけでもない。

 では、何のためにこんなことを?

 残る理由は一つだけ。自分の身体だ。

 

 山岸が深々と部長に頭を下げて

「坂本部長、こんな手荒な真似をして申し訳なかったです。

 しかし、部長も俺たちと同じ性向だということを知ってしまい。どうしても部長に想いを伝えようとした結果なんです」

 俺も続いた。

「まさかいきなり、部長が好きなんです。裸になってくださいなんて頼めなかったのです。

 驚いたかもしれませんが、まず俺たちの裸を見ていただいてから、部長の気持ちをお聞きしようと」

 

「それで、もし部長さえ良ければ恐縮ですが、部長のセンズリのお手伝いをさせてもらえないでしょうか?

 日頃お世話になっている部長に対しての恩返しです」

 

 坂本部長はふうっと大きなため息をついてしばらく考えていたが、やがてゆっくりと話始めた。

「確かにワシは男が好きだ。君たちの気持ちも嬉しく思う。

 最初はちょっと恐ろしかったが、わけを聞いてみたら謝るような事でもないだろう。ただし人のパソコンを黙って開いたのはいかんぞ。

 だが、正直に言うとだな。ワシも君たちのような体型の男が一番好きなタイプでな。

 こりゃ困った。

 部下の願いを聞いてやるべきか」

 

「坂本部長!

 その言葉だけで十分ですよ。何て優しい人なんだろう。部長も俺たちみたいな奴がタイプだと分かっただけでもう、嬉しくて」

 

「山岸君、谷口君、ワシらは男だから、こんな興奮する身体を目の前にしたら、理性が吹っ飛んでしまうな。それは分かるだろう?

 こうなったら、お互いにとって不利益な事はないな。相思相愛。

 一丁三人で盛り合うか?」

 

 と、言うわけで、男のだらしなさと言うか、下半身の弱さと言うか。結局のところみんなセックスが大好きなんだな。

 

 こうして、部長と俺たちの濃厚な3Pが始まったんだ。

 

 

土曜日午前 00時過ぎより

 

第一部(部長の手伝い)

 

 まず俺たちの願いである、部長の裸体を拝ませてもらうことにした。

 

 白ブリーフ一丁の部長を窓際に立たせて、俺たち二人が手や舌を使ってその極上の親父の身体を堪能させてもらう。

 山岸はけむくじゃらの分厚い胸から太い腕に舌を這わせ、太鼓腹までゆっくりと降りていく。俺は逆にへそのあたりから、ゆっくり舌を上らせて乳首にたどり着く。

 俺たちは途中で舌を絡めたり、お互いの乳首を摘んだりしながら、同時に部長の乳首に吸い付いた。

 

「あ、ああっ!」

 大きく突き出た乳首は思ったとおり感じやすいらしく、舌が乳首を往復する度にますますそれは膨らんで硬くなっていった。当然、白ブリーフの前も大きく突っ張り、はち切れそうになっていた。

 

 俺たちは部長の左右の腕を同時に上に持ち上げ、腋の下を同時に責めた。

 汗臭い親父の臭い。若者の汗臭さとは違う、年輪を感じる深い臭いが立ち込める。

 思い切りそれを吸いながら腋毛がびしょびしょになるくらい、舐め回した。

 

「部長、ここも感じますか?」

 山岸が問いただす。

「おおっ感じるぞ。たまらんな」

 濃厚な匂いを楽しむ俺たちに対し、もっさりと茂った脇毛を舐めあげられる度にびくっと身体を震わせながら万歳のポーズをしている部長が可愛い。

 

 そして、キスは後の楽しみして、俺たちの愛撫は下半身に移行した。

 白ブリーフは最後のお楽しみにしようと打ち合わせしていたので、俺たちはぶっとい毛だらけの太ももから味わうことにした。

 股のあたりから咽せるような雄の臭いが太ももの付け根あたりから漂う。

 

 股間の膨らみに顔を埋めたい衝動を何とか抑えながら、膝から脛、ふくらはぎまで、さわさわと撫で回す。

 脚も感じるらしく、部長は目をつぶって快感を表現していた。

 

 ここで俺たちは二手に分かれ、部長の表側、胸の側と、裏側、つまり背中の方に分かれて舌と指先を同時に使いながら優しく滑らせた。

 20本の指と二枚の舌が身体の裏表を這い回るのだ。