明友大学ラグビー部

鐙田一心のとある一日

その6

 

13:30

 

「どうだ、もう一心の奴、何回ぐらいイったんだ?」

 

 昼食を終え、満腹になった腹をさすりながら、ラグビー部の部長である大畑(おこば)が、同じラグビー部の1回生に尋ねている。

 どうやら1、2回生は交代で寮僕である鐙田の様子を見ておけとの指示が出ているらしい。

 

「えっと、今んとこ、14回射精してます」

「まあ、そんなもんか。昼飯の時間は少なかったろうしな……。おい、一心、いっぱいイかせてもらって、どんな感じだ?」

「あ、ぶ、部長……。こんなの始めてで、その、俺……」

「なんだ、まさかもう、ギブアップとか、ねえよな?」

「は、はい……。ラグビー部寮僕、鐙田一心。もっともっとみなさんに扱かれて、何度でもイかせてもらいたいっス」

「その意気だぜ、一心。お前がイけばイった分、さすがラグビー部の寮僕は根性あるなって話しになるんだ。お前の男、寮の奴等全員に見せつけてやれよ」

「は、はい、俺っ、俺っ、頑張ります!」

 

 明らかな誘導尋問ではあるのだが、鐙田にしてもどこかこの状況にハイになってしまっているのだろう。

 すでに1年以上をこの寮で過ごした鐙田。男だけの集団で日々鍛錬を重ね、互いの力量を高め合う喜びすら知ってしまっているのだ。『部のため』『男を上げろ』などという言葉に彼が反応してしまうことを、責めるわけにもいかないのが2回生寮僕というものなのだ。

 

「寮僕の連中がヤった後は、どんな感じだったんだ?」

 

 大畑が下級生に尋ねる。

 

「さすがにあの後は寮僕のような派手な感じのは無くって、みんな手で扱いたりしゃぶったり、ぐらいですね。それでもまだ毎回しっかり雄汁も出てて、10回イった後に一度溜まった分を飲んでもらったんですが、その後の4回分も、まだまだしっかり溜まってます」

 

 答える部員が持ち上げたコップには、三分の一ほどに溜まった汁がどろりとその濃さを維持していた。

 

「この一週間、さんざんいじって溜め込ませてたからな。この調子ならまだまだ大丈夫だろう。今度飲ませるときにはみんな集めるから、そんときは報告しろ」

「はい、部長。分かりました」

 

 鐙田にしてみれば、己の口や手で刺激した逸物から直接飲まされる、もしくはイった直後の汁を舐めとる経験は積んできていたものの、自分の汁をこれほど多量に、しかも出して時間が経ったものを口にするというのは始めてのことだった。

 

「一心、自分の汁、たっぷり飲まされて、旨かったか?」

 

 大畑がにやにやとした笑いを浮かべながら問いかける。

 

「その、部の連中のをしゃぶってそのまま飲むのはそこまで抵抗無かったんですが、出してからずっと置いてたって、すげえ味が違うなって……」

「どんなふうに違うんだ?」

「なんか、苦みやえぐみがイってすぐのとは段違いに強かったです。喉にへばりつく感じも強かったかなって。出してすぐよりドロドロ感は無くなってるけど、なんか不思議でした」

 

 空気に長く触れることで、精液もまた酸化でもするのであろうか。

 鐙田の答えは周囲で聞いているものにとっても初耳のようである。

 

「で、お前は自分の汁飲まされて、興奮したのか? それとも、ちょっと冷めちまったか?」

 

 寮僕である鐙田に対して、皮肉とも意地悪とも取れる大畑の質問。

 

「え、あ、その……。なんか『飲まされる』ってことに、少し、興奮しました……。あ、もちろん、汁飲むことそのものはもう、ぜんぜん構わなくなってたんですが……」

「正直でいいぞ、鐙田。ま、じゃなきゃ、10何回もイかされて、まだまだチンポをビンビンにおっ勃ててるわけねえもんな」

 

 大畑の視線の先には、文字通りの勃起した鐙田の逸物がその頭を上下に揺らしていた。

 累計射精回数に、この状況。それらそのものが興奮剤、扇情剤として働いているのは、鐙田が寮僕としてすでに色々と『慣らされて』しまっているところが寄与する部分も大きいのか。

 たとえ同じ寮生といえど、寮僕の経験の無い部員がこの立場にいきなり置かれて、この段階での勃起を維持することは不可能であったろう。

 

「それにしても、ポツポツイかせるだけじゃ、ちょっと面白みがねえな……。そうだな、ちょっとした余興でもやるか。おい、食堂にいる1年、こっちに来てみろ!」

 

 大畑の声に、昼食を終えた、あるいは鐙田の痴態をずっと見ていたかった者など含め、その場にいた1回生達が鐙田の下へと集まってくる。

 タイミング的にいなかったものもいるだろうが、40人近くの1回生が集うこととなった。

 

「月一のこのイベントのときだけは、俺等各部の幹部が部をまたいで直接下のもんに色々言っていいことは知ってるな。お前等、今からうちの鐙田のチンポ、1人1分ずつしゃぶって、何回かイかせてやってくれ。ただし、手は使わずに、口だけでイかせるようにな。さすがに1分じゃなかなかイかせられないはずだから、何人かに一回の射精になるかと思う。まあ、この人数だから、2周するまでってことにするか。それでも2時間ぐらいはかかると思うんで、自分の番が来るまではずっとここに張って無くてもいいぞ。おい、二日町(にのまち)、お前、並んでくれたみんなに順番割り振っとけ」

「あ、はい、オッケーです! おい、みんな一度並んでくれ。俺が手に順番書き込んどくから、だいたいの時間見てここに来てくれればいいから!」

 

 大畑から指名を受けたラグビー部員は二日町卓(にのまちすぐる)、1回生だ。

 1年の中では図抜けた才能を持ち、来年度のレギュラーメンバー入りを確実視されている筆頭と言っていい。

 大畑からしてみると『目についた1回生』というだけでなく、このような状況をいかに『仕切ることが出来るか』を見てみたかったに違いなかった。すでに大畑の中では、数年後の幹部候補としての考えがあるのだろう。

 

 その二日町がいったん並んだ1回生達の手の甲に、黒マジックで次々と順番を書いていく。1人1分ということが分かっていれば、かなり順番が後のものでもその時間のだいたいの目安が付くというのはありがたいことだろう。

 もっとも半数近く、いやそれ以上の1回生は、鐙田がイかされる様を見てみたいとこの場に留まる気持ちのようだ。

 

「大畑先輩、あー、それ、2回生にもやらせてほしかったスよ」

 

 どこか不満げに意見したのは剣道部の2回生だろうか。

 

「はは、そう言うな。2回生寮僕のをしゃぶりたい、飲みたいってのもいるだろうから、今日は1回生限定な。次回、こんなのあるときはお前等の学年にもなんかやってもらえるよう、話しとくぜ」

 

 5人いる寮僕の中、1人だけ2回生である鐙田に関しては、1回生の中でもひたすらに尊敬している者がいることは事実であった。もちろん寮僕という立場そのものを『絶対にやりたくない』『自分だったら嫌だ』と思うものもいるにはいるのだが、雰囲気的にも、また寮生活、体育会生活を続けていく中で、だんだんとそういう気持ちは薄れていくらしい。

 

「あ、今ので思い出したが、お前等、鐙田がイくときは、ちゃんとコップに出させろよ。飲みたい奴もいるとは思うが、そこは少し我慢してくれ」

 

 2回生からの発言で、大畑もまたその可能性に思い至ったのか、吐精した精液の処理方法を再確認する。

 

「おーしっ! じゃあ、一番のもんから鐙田先輩のチンポ、よろしく。次の順番の人はコップの用意しといてくれ。10番先ぐらいまでは待っててくれると、途中で先輩がしゃぶられてすぐにイっちまったときも安心かな。あとの人は、適当に顔出してなー」

 

 二日町の仕切りに、大畑もまた満足そうに頷いている。

 当の鐙田は、すでに縛り付ける拘束は無いにも関わらず、椅子の幅以上に両足を開き、両手を背中に回してまさに隷属の姿勢を示していた。

 

「さ、始めるか。一番は、えっとお?」

「あ、アメフトっス。鐙田センパイっ、しゃぶらせてもらうっスね!!」

 

 上半身は脱いでしまい、下半身もケツ割れ一丁のアメフト部員が、鐙田の前にしゃがみ込む。

 上の学年ほどでは無いが、90キロは超しているであろうその肉厚のガタイが沈み込み、鐙田の剛直を口にした。後ろから見れば、彼の背中から尻肉にかけての鍛えられた筋肉もまた、実にそそられるものだろう。

 並んだ1回生達の股間も、その体積を最大にして順番を待っている。

 

「うっ、あっ、あっ……。すげえっ、すげえ、気持ちいいっ……」

 

 しゃぶられている鐙田が、前屈みになりそうな悦楽をなんとか堪え、その胸筋豊かな胸を突き出すように喘ぎだした。

 

「ううっ、先輩のチンポ、汗とションベンと、汁の匂いで、すげえ旨いっスよ。俺、一番に並んでよかった……」

 

 このアメフト部員もまた、鐙田に『憧れる』1人なのだろう。

 その身を犠牲にして部員に奉仕する寮僕の姿は、ある者達にとっては崇高な自己犠牲の顕現だとして、至高の存在として認識されている。

 ましてやそれが『上』の存在である2回生であるということで、同じ寮僕の中でも鐙田に対してのそれを熱量高く持つ1回生も多いのだ。

 

「んぐっ、じゅばっ、じゅばっ……」

「あっ、あっ、いいっ、いいぞっ、気持ちいいっ……」

 

 先走りと唾液が立てる水音と、鐙田の喘ぎ声がしばらく響き合う。

 そのとき無情にも、タイムアップを告げる二日町の声が聞こえた。

 

「はい、1分! そこまで! 次の人に交代!!」

「うーん、やっぱ、1分じゃ無理だったか……。けっこうしゃぶったので、次は先輩をイかせてやってくれよな」

「おう、俺も先輩のしゃぶりたかったんだ。お疲れさん!」

 

 少し悔しげではあったが、鐙田のものをたっぷりとしゃぶることで一定の満足が得られたのか。アメフト部が次に並んでいた剣道部員へとその場を譲る。

 先ほどまで鐙田のものを口にしていたアメフト部が部屋に戻る様子を見れば、おそらく記憶が鮮明なうちにせんずりでもしようという魂胆か。

 次にしゃがみ込んだ剣道部が、鐙田の顔を見上げて、にっこりと笑った。

 

「先輩、俺の口でイってもらえると嬉しいんですが……。手を使えないとなると、俺の口じゃまだ難しいですかね……。では、先輩っ。剣道部1回生の俺がっ、先輩のチンポ、しゃぶらせていただきますっ!」

 

 その言葉は礼節を重んじる部の風潮もあってか、どこか古風な物言いだった。

 両膝を突き、背中を丸めて股間に顔を埋めるその後ろ姿にも、凜とした風情が漂っている。

 

「はあっ、あっ、あっ、あっ……」

「先輩のチンポ、旨いっスよ。俺ももう、たまんないっス……」

 

 熱心にしゃぶる剣道部員ではあるが、さすがに口だけで、という制約は、すでに十数回の吐精を果たしている鐙田にとっては、なかなか突破口を開けないものである。

 

「はい、1分経過。申し訳ないけど、交代してくれ」

「あ、ああ……。やっぱり無理だったか。すぐ交代して、先輩になんとか口でイく快感を味合わせてやってくれよな」

「おう、了解っ! お前の努力、無駄にしないようにするぜ!」

 

 次は柔道部員か。

 普段、柔道着の下には何も身に付けないという状況に慣れているのだろう。今もまた素っ裸のまま、自分の逸物から先走りを垂らす姿を恥じることもない。

 

「先輩、時間置くともったいないので、すぐにやらせてもらうっス」

 

 挨拶もそこそこに、むわりと性臭漂う鐙田の股間に頭を埋める。

 口内に溜め込んだ唾液と、鐙田の先端から流れ落ちる先走り、さらにはこれまでにじっくりと濡らされた1回生達の唾液の名残をぐちょぐちょに混ぜ合わせながら、ひたすらに亀頭と肉竿を搾り取るようにして唇で扱き上げる。

 頭を上下させるその姿にわずかに遅れて、柔道部員の股間の逸物とふぐりが、ゆさゆさと揺れている。

 

「うっ、あっ、あっ、もうっ、もうっ……」

「イきそうっスか? センパイっ、俺の口で、俺の口でイってくださいっ!!」

 

 鐙田とて、無理に堪えているわけでは無い。

 それでもこれまでの寮僕達による様々な技量や、他の部員達による荒々しい手によるせんずり刺激などに比べると、口と舌、唇によるだけのそれは、なんとも『優しく』『弱い』刺激に思えてしまうのだ。

 あともう一扱き、ぐっと握られた手のひらの圧力。

 それが加われば、もう一気に埒が上がるのだが、イきたくてもイけないという快楽の坩堝の中で、責め立てられている鐙田であった。

 

「1分っ! 次、お願いするっス!」

「バトンタッチだ。次こそ、イってもらってくれっ!!」

「了解っ! お疲れっ!」

 

 不思議なことに、ずらりと並んでいる1回生の中での奇妙な連帯感、一体感が生まれてきていた。

 互いの努力を讃えながら、1つの目標に向かって協力し、己の技量を出し惜しみなくぶつけあっていく姿。

 それはまさに、彼らが体育会部活で味わう恍惚と似た性質のものかもしれない。

 

「しゃぶらせてもらいますっ! よろしくお願いしますっ!」

「あ、ああ、君は……?」

「はい、相撲部です。午前中は蟹作の奴と一緒に先輩のカラダ、揉ませてもらいました。今度は俺の口、楽しんでください」

 

 相撲部の巨体が尻肉をべったりと床に着け、その柔軟な身体ゆえの姿勢で鐙田のものを口にする。

 巨体に似合わぬか、あるいはその巨体ゆえか。繊細かつ強力なバキュームが鐙田の亀頭を襲った。

 

「あっ、あっ、それっ、すごいっ!! イくっ、イくぞっ、口だけでっ、俺っ、イくっ、イくぞっ!!」

「コップっ!」

「ほいっ!」

 

 相撲部の後ろに控えていたラグビーの1年が、すかさずすでに数回分の雄汁が溜まっていたコップを差し出す。

 ついに『口だけの刺激で』という縛りの中、鐙田の射精が始まったのだ。

 

「あっ、ああっ、イくっ、イくっ、イくっ!!」

 

 この日、15回目となるその吐精もまた、見事なものだった。

 さすがに跳ね上がる肉棒を押さえるため、とっさに相撲部の手が肉棒の向きだけは調整し、差し出されたコップへと噴き上がる精液の導線を確保する。

 

「あっ、うあっ、うあっ……」

 

 射精の瞬間、コップへの吐精をと口中からの刺激が外されてしまった鐙田の逸物は、本来の絶頂とまではいかなかったのか、射精後の一瞬の柔軟化を迎えること無く、ガチガチにその硬度を高めたまま、ビクビクと鎌首を振り立てていた。

 

「4人で一発か……。つっても、40人で10発ってことには、たぶんならんわな。よし、お前等、2周目からは手も使っていいことにするんで、あとはひたすら鐙田をイかせるよう頑張ってみてくれ」

 

 だいたいのペースを計算していたのだろう、大畑が食堂に残っていた者達に声をかける。

 この寮に入寮し、すでに寮僕による様々な性処理を体験しているとはいえ、1回生にとって自分の口で誰かをイかせる、という経験は圧倒的に不足している。

 寮僕であればこの3ヶ月で一定の、いや、かなりの本数を咥え、しゃぶり、扱き上げての射精をさせてきているのだが、その経験値はなかなか共有出来るものではなかった。

 その点では『寮僕』を置かず、上下学年の垣根もあまり無い中での性処理を行っているとの噂である『雄志社大学』の体育会部活員の方が、同じ1回生でも同時期におけるテクニックの持ちようは違ったものだったろう。

 さすがに上の学年ともなれば自らが受ける刺激のフィードバックにも長けてくるものではあるが、1回生限定でのこのやり方に、少しばかり手を加える必要があると考えたのも、大畑の3年にわたるその『経験の蓄積』によるものであったのだ。

 

「二日町、俺はちょっと部屋でせんずりと昼寝でもしてくるから、後は頼むな」

「了解っス! 鐙田先輩にもっとイってもらえるよう、仕切らせてもらうっス!」

 

 二日町もまた、大畑の自分への期待を理解していた。

 彼もまた、このような『指示出しが出来る自分』を高めようとしているのだ。

 

「おーしっ、鐙田先輩にはまだまだイってもらいたいんで、じゃんじゃん続けるぞ。順番守るのと、コップの用意忘れないよう、みんなにそれだけはお願いする。じゃ、えっと次は俺等ラグビーだよな。頑張ってくれよ!!」

「ほーい、二日町もお疲れ様。一心先輩、イってすぐなんでキツいかもっすが、ぜんぜん萎えてないので大丈夫っスよね。じゃ、しゃぶらせてもらいますっ!!」

 

 ラグビーのバックスだろうか。

 重量級とまではいかないが、一般の学生に交じればその肉厚のカラダは目立つ方だろう。

 練習で使ってもうくたびれてしまったものか、短めのラグビーショーツを部屋着にしたものだけを身につけた1回生が、鐙田の前にその背中を丸めて座る。

 

「うあー、先輩の汁の匂いがすごいっスよ。しゃぶってるこっちも、すげえ興奮します!!」

「あっ、イってすぐは……。あっ、あっ……」

 

 ラグビー部員の声は嘘では無い。

 どこか弱々しくも聞こえる鐙田の声をよそに、その白い短パンの股間は小山のように盛り上がっている。おそらくは先端から滲み出る我慢汁が、そろそろ外に溢れ出すのだろう。

 己の肉体からも、また強い性臭が漂い始めていることには気が付かないまま、1回生による次の奉仕が始まったのであった。