抜き屋稼業 2021

その2

 

 最初のチームはある国の柔道選手団だったんだけど、全体としてもいい成績だったみたいで、俺たちの仕事がそのコンディション整えるのにちったあ役に立ってるとか思うとなんか嬉しくなるよな。

 競技場外のことでケチついちゃったのは残念だけど、俺たちが何か出来るわけでも無し、そのへんは歯がゆいよな。

 

 あのあと?

 いや、重量級の選手とか、そりゃあすごかったよ。

 身体もデカけりゃチンポもデカい、ってのがほとんどだったし、精力もまあ、ちょっとすごかったな。延長みたいな感じで1時間半の間に6回射精した選手とか、もう部屋中にあの匂いが充満してさ。

 ベッド2台寄せて使ってて同室者いないのは幸いだったけど、あれでもし誰か部屋に入ってきたら、それだけで欲情しちまいそうな具合だった。

 

 契約は競技終了+一日までってことで、決勝まで残った選手にしても、「競技後にも最低一日は楽しめる」って形になってた。もっとも今回は「競技終了後48時間以内に出国すべし」って意味があるのかそれ? って規定もあって、ゆっくり観光とか出来なかったのは選手達にとっても可愛そうだったよな。

 結局契約最終日まで7人の選手、ほぼ毎日部屋に行ったけどさ。

 特に試合終わった選手達とか、もう「寝たままで」「下手に腰動かして筋肉使わない」ってのも必要無くなるし、こっちの動きに合わせてガンガン腰振ったり、大声上げてくれての反応もすごかった。

 道具使用OKだった選手に日本製のオナホ使ったら、もう生まれて初めてだって大声でよがってそりゃもう大騒ぎしてくれて、その後は全員からリクエストあったよ。

 あれ、たぶん廊下にまで声聞こえてたと思うし、けっこう他の連中のとこでも話題になってたみたい。

 刺激強すぎるんで競技直前にはお勧めしないけど、まあ、やみつきになるのも分からんでもないよな。聞いた話では選手村内の薬局にコーナー出来てたらしく、売上も上場だって聞いたし、スキンを退出時に配るより「お一人様対策」には効果があったのかもね。

 

 初回グループだった某国の柔道選手終わった後、俺は丸2日の間をおいて次のグループを相手することになった。

 

 今度の担当は北欧三国の1つ、スカンジナビア半島の内界に面してる方のあの国の、投擲種目選手のグループ。

 本来なら一国一競技のはずなんだけど、競技参加人数が少ないときは練習日程近いグループが組まれてたみたいで。

 で、投擲種目って、太めがっちり好きのホモにとってはもうアイコンというか、なんというか。一昨年のラグビー(ああ、もう隠す気も無い)と並んで人気種目なのは、割とこっち界隈では一致した意見になると思う。

 こういうのって耳が早いというか、選手間の情報共有の素早さってのはすごくって、もう俺たちみたいなのが「楽しませてくれる」ってのがいつの間にか広まってて、部屋に行くと大歓迎って雰囲気に変わってきてたよ。

 

 今日は投擲の中でもこの国からはエントリーの無かったハンマー投げ以外の3種目4人の選手をやることになって、俺の方もかなり興奮してた。

 階級制のある柔道と違って全体で一階級なので、筋肉量やガタイのデカさが有利不利に直結する中、全員が俺よりデカく重い選手ばかり。

 もちろん身体のデカさだけがタイプ左右するってわけでも無いんだけど、俺のやってる店のコンセプトとしても「がっちりガチムチバルク系」を売りにしてるわけだし、デカいと上がるってのは仕方無いところかな。

 前回より人数減ったのもあって、一回平均も90分ぐらいまで大丈夫そう。なので、選手の方もこっちもけっこうゆっくり余裕が持てそうなのもいい感じに思えた。

 

 砲丸投げ、円盤投げもあるんだけ、最初はやり投げの選手から。

 この国からは1人だけのエントリーで、投擲種目に限って言えば複数登録はものすごい記録を持つ選手が国内に複数いないかぎり普通みたいなので、1人参加ではあるけどそのあたりは仲のいい他の選手達とわいわいやってる感じだった。

 部屋に行ったら、もうハグせんばかりの歓待してくれて、すごく嬉しいんだけど、いやさすがに近づくと色々言われちゃうからちょっと、ってなったな。いや、ホントに嬉しいんだけどさ。

 

 画面の中で見ると周りもデカいのでそうでもないんだけど、直に見るともう、肩腕上半身下半身、首からなにからもう「ぶっとい」のなんのって。

 もともと男前のところに顔の下半分を覆う短い髭がすげえ男臭さを増している。

 

 インテークでは「時間をかけて」「何度でもイきたい」「道具使用可」「素手でOK」って、かなり濃い目の依頼。ここらへんは最初の要望と部屋に行ったときとで変わってくる選手が多かったので、入室時にも一度確認するように途中でキャストにも徹底した部分。

 こっちからの持ち込みセットには色んな要望に対応出来るよう、大量のローションは当たり前だけど、目の粗さの違うガーゼ、貫通型、非貫通型のオナホ、バイブレーター、幾つかのコックリング、ラテックスやポリ塩化ビニールの手袋とか、かなり多めに用意しておいた。

 もちろん、都度破棄するものも多いし、再利用するものは洗浄と消毒乾燥するので感染は大丈夫だと思うけど、その分作業は増えるのはこっちがまあ、職業意識高く持つかどうかの話。

 

"Can I put a cock ring on your penis?"

(コックリングを付けてもいいですか?

"Putting a cock ring on your penis will allow you to enjoy it for a long time."

(リングをつけると長く楽しむことが出来ます)

 

 初回だから施術内容は任せてもらう形になるけど、こればっかりは本人の意思次第のところもあるので、下手くそな英語とフラッシュカードで確認。

 この国、公用語は自国語だけど、英語はほぼ100%の人が理解出来るってのも確認済み。

 ものすごく目をキラキラ輝かせて頷いてくれたのは経験があるがゆえに気持ちよさを知ってるのか、それとも未知の快感への期待なのか、どっちなのかは分かんなかった。

 まあ、いずれにしろ悶絶して楽しんでもらえればいいわけで、この種目のスタートだと俺の方も臨戦体勢に入っていく。

 

 後から考えると砲丸投げや円盤投げの選手とはかなり体格が違ったんだよな。

 短いなりに助走がある種目と回転になる種目との違いかとも思うんだけど、このあたりちゃんと研究してもらえるとおもしろい結果になるのかもしれない。

 とにかく、下半身、とりわけ太股から下肢にかけての太さ逞しさがなんかもう段違いで、横になってもらってても山脈みたいな両足が伸びてる感じなんだよな。

 

 いつも通り、二抱えはありそうな相手の両足を俺のあぐらをかいた膝に乗せ、大股を開かせる。

 俺の目の前には選手の股間が腰を持ち上げた形で突き出され、その尻には全裸になった俺の逸物がぐりぐり当たる体勢だ。

 

 で、目の前にでろんと横たわったチンポ、これがまあデカいのなんの。

 勃ってない状態でもう俺の最大限勃起時超えてるんじゃないかって感じで、握りがい扱きがいありそうって思っちまう。

 競技始まって映像見てたら、もうスパッツの中でぶるんぶるん震えてて、目の毒というか目の正月というか。

 それが生まれたまんまの姿でこっちの目の前に鎮座してるわけで、こりゃ一本目から縁起がいいな、と思っちまう。

 

"If you are about to ejaculate, but don't want to, please turn your palm toward me."

(射精しそうだけどイきたくないときは、手のひらを私の方に向けてください。)

"When you want to ejaculate, hold your palm gingerly."

(射精したいときは、手のひらをぐっと握ってください。)

 

 もちろんこいつもしっかり確認しておいた。

 特に最初の射精は最大限まで我慢してからイった方が、断然気持ちいいしな。

 

 チンポに比べると金玉はそれほどかな、とも思うけど、あくまでも肉棹の太さに比較してってことなので、普通に目にするそれに比べると二回りはデカい気がする。

 期間中に何度も訪室することになるのは分かってるので、リングに付いては初日の今日はあんまりきつくない大きさのシリコン製で行こうと判断。

 両手でぐいっと広げ、玉とチンポの両方の根元を入れ込んでいく。

 手入れしているのかそう茂っていない陰毛を巻き込まないよう、ちょっと整えて、さあ、本番だ。

 

 リング付けてちょっと扱くと、もともとデカかったのが倍にでもなったんじゃないかと思えるほどに体積を増していく。

 指が回りきれない太さに半分被った先端もずるりと剥き下ろせば子どもの握り拳ほどの亀頭が顔を出す。

 長さも顔の大きさは優に越えるんじゃ、という感じでいわゆる12インチ物って奴だろう。

 硬さはさすがに俺のの方が勝ってる気がするけど、かといってぐんにゃりしてるってわけではなくて、芯はしっかりありつつ、まわりがちょっとソフト、ってぐらいかな。

 ローションたっぷり取ってから、まずは道具を使わない純粋な俺のテクニックを味わってもらうことにした。

 

 手のひらのローションをぶっくりと腫れた玉とチンポに塗り込める。

 ぬるぬるトロトロとふぐりの表面を撫で回しながら、ローションのぬめりを利用して太棹を高速で扱き上げる。指が周りきれないので全周刺激出来ないのがもどかしいけど、そのあたりは手の角度を微妙に変えながら単調な刺激にならないようにはなんとか工夫していく。

 背筋を反らすようにして快感の喘ぎ声が聞こえると、こちらのやる気も俄然増してくる。

 ぐりぐりと亀頭を責めたかと思えば根元を強く握り込み、亀頭の先端を足下に押し下げるようにして圧迫する。

 ふぐりの根元を親指と人差し指でくるくると回すように引き絞れば、2つの玉がごろごろとぶつかりあい独特の痛気持ちよさが走るはずだ。

 

 手のひら独特の摩擦と握力、ローションのぬめりと相まっての快感を存分に堪能してもらったら、今度はグッズ使って刺激を重ねていく。

 

 海外のAVとか見てても、オナホバリエーションにそう幅が無いな、ってのはみんなも感じてるかと思うけど、あれはいわゆるスポンサードの問題も半分は絡んでるんじゃないかって個人的には思ってた。

 ただ、色々話聞いてみると、海外ってどうやらオナホ系のグッズはアナルや尿道責め用のものに比べると数も種類も少ないってのは事実らしい。

 まあ日本のメーカーさんの企業努力と展開されるバリエーションの豊富さ、一定の水準にある形成力の確かさが抜きんでるってのは文句無いとこだけどな。

 

 今日は初回ということもあって、貫通型、非貫通型、亀頭責め中心のと、幾つか基本的なものを持ってきてた。

 

 まずは貫通型でちょっときつめのやつ、と思ってたけど、こっちの想像以上に奴さんのがデカかったので「ちょっと」きつめ、てもんでは無くなってる。

 かなりの伸縮性があるので避けたりはしないけど、次からはサイズもう2つ上のまで用意しとかないとなと反省。

 ま、このサイズなら全体の締め付けと亀頭抜けるときのブリブリ感がすげえことになるだろうから、それはそれでお楽しみが増えるって寸法だよな。

 

 ローションを中にも垂らし込み、ぶっとい亀頭の先を入口に押し付ける。

 ヌルヌルぐりぐりと焦らすと、切ない目で見つめられちまってなんかこっちも感じちまう。

 

 ぬぷり。

 先端が肉質シリコンの中に埋まっていく。

 脂肪に覆われた腹筋がびくりと蠢く。

 感じてくれてる証拠だ。

 

 この「押し入る」感覚、貫通型ならではの快感だよな。

 これが非貫通型だと内外の気圧さで「吸われる」「引き込まれる」感覚の方が強くなるけど、「挿入感」については圧倒的に締める力の強い貫通型の方が楽しめるんじゃないかな。

 

 内容物のあまりの直径に、片手では持ちきれないほどの大きさとなった筒状のシリコンをゆっくりと押し下げる。

 この「亀頭が押しつぶされながら筒状の内部を圧をかけられながら進んでいく」感覚は生ケツと似てるようでいても、そこにシリコン自体の持つ伸縮力と手の握力が加わっての「全長すべて」が刺激される快感、というのは人工的なオナホだけが持つ醍醐味だろう。

 アナルを模してあるその出入り口は狭まっていて、亀頭がぶりんとくぐり抜けるときの快感をさらに増してしまう。

 これを上下に扱き上げるように動かして亀頭が抜き差しされるときに発生する、手のひらでの亀頭責めとはまた違う連続した刺激は、独特かつ異様なものだ。

 

 ゆっくりと、高速で。またゆっくりと、高速で。

 何度も緩急を付けた動きを繰り返す。

「イきたい、でも、イきたくない」

 男なら大半のものが理解出来るだろう「射精直前の快感」をとにかく長く味わってもらいたい。そんな思いで手を動かし、玉を揉む。

 

 腰のひくつき、腹筋の痙攣、玉の上がり方。

 何度もこちらに向けられるごつごつと男らしい手のひら。

 止めては動かし、一息ついたのを見計らってはまた責める。

 そのたびに手の開く間隔が短くなっていく。

 

 そのあたりを見ていて限界かと判断し、いったん手を止めた。

 次の責めに移ろうと、ずるりと肉棒を抜き出した。

 横たわる選手の視線から、なんとかイかずに済んだ、その安堵感がこちらにも伝わってくる。

 

"Blame your glans with gauze."

(ガーゼで亀頭を責めます。)

"A tremendous feeling of pleasure will hit you, but don't be afraid."

(とてつもない快感に襲われますが、恐れないでください。)

 

 翻訳ソフトで変換した文章をカードにしたものを目の前にかざせば、うんうんと頷いてくれる。

 未経験だとすれば、その感触と快感に、かなり驚くことになると思う。

 

 浅い容器に入れたローションにガーゼを浸す。

 30㎝ほどに切ったものを何枚も用意してきてはいるが、基本は一枚で済むと思ってる。

 

 出来ればチンポの角度を固定する第三者の手が欲しいところだが、このあたりは次のグループのときにでも上に話してみよう。まあ、今のご時世じゃ難しいってのは分かってるけどな……。

 

 人差し指から小指までを使いガーゼの面を最大化するように広げ、残った親指はぶっといチンポの根元を支えるようにあてがう。

 まずは裏筋から鈴口方面にべったりとガーゼを当て、ずるりと動かした。

 

「Noーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 

 まさに雄叫びだった。

 

 両手でシーツをきつく握り、足の指先が強く反り返る。

 腰が上側に逃げないのはさすがに一流アスリートの根性だ。

 おそらくは生まれて初めて味わう責めとそれによってもたらされた快感は、想像の域を超えていたはず。リングが血流を阻害した肉棒は萎えることすら許されない。

 いや、たとえノーリングであったとしても、もたらされる快感の方で勃起を持続させていたとは思うのだけど。

 

 両の親指を使い、太巻きほどにも見える肉棒を垂直に勃ち上がるように角度を調整する。

 亀頭を包み込むようにガーゼをかぶせ、ゆっくりと左右に引き絞るように刺激する。

 

「んがあああっ、んっ、んんっ……」

 野太い声が部屋中に響き渡る。

 廊下や隣の部屋にも聞こえてるだろうほどのそのよがり声は、今、この部屋で何が起こっているか知っている周りの部屋の選手なら、それこそ生唾ものだろう。

 

 ずるっ、ずるっ、ずずずずずっーー。

 連続してガーゼを引き絞る。

 なんとか声を出すのを堪えてる姿は、正直エロい。

 シーツを掴む二の腕は力瘤を作ったかのように盛り上がり、反り返りそうになる上体は勃起した乳首が小指の先ほどの大きさにもなっている。

 ずずずっと右に引き、返す動作で左へ引き抜く。

 亀頭全体を包み込み、雁首の下、裏筋をも同時に責めていく。ローションのぬめりと、ガーゼの細かな編み目が合わさり、異次元の快楽を呼ぶ。

 

 射精中枢を興奮させる刺激とはまったく違う、粘膜から直接脊髄を逆手で搾り上げるような快感は、味わったものにしか分からないだろう。

 国内でトップの成績を修め、世界での記録を争うような屈強な男達でも声を上げてしまいそうになるその刺激は、「鍛える」ことでこらえることが出来るものとはまた違う境地に達することでしか制御出来ないものだと思う。

 

「んんむう……、んぐうっ……」

 逆らうことの出来ない快感の奔流が、ベッドの上の逞しい肉体を翻弄する。

 こちらの手が一枚のガーゼを動かすたびにその巨体もまた左右に振れ、段ボールで作られてるというベッドを波に揺れる小舟のようにかしがせる。

 薄布とローション、この組み合わせがこんな激烈な快感を呼ぶなどというのは、人並み外れた体格の男のがその肉体の一部を刺激されただけで悶え苦しむのと、どこか似た構図なんじゃなかろうか。

 そんな思いが部屋に響く重厚な喘ぎ声を聞きながら頭をよぎったんだよな。

 

 ただ、この選手、まだ競技前。

 あんまり筋肉を静止緊張させてもまずいだろうって、そろそろこちらの手を緩めることにした。

 

 3種目が微妙にずれて競技日程が組んであるので、この選手に相対するのにもそれなりの期間がある。

 全部済んでから、もうごめんなさいって言うぐらいまで責めさせてもらうので、今日はこのあたりで一回イってもらおうと、またオナホを用意する。

 クライマックスは非貫通型でバキュームの快感の中、射精してもらおうとの腹づもりだ。

 

"It's time for you to ejaculate."

(そろそろイっていいですよ。)

"Would you rather ejaculate with my hand or the tool?"

(手とグッズと、どちらでイきたいですか?)

 

 こっちのお勧めはあるけども、必ず2方式以上を提示して選択させる。

 キャストにも徹底してる俺の店流のやり方だ。

 翻訳ツール丸頼みの下手くそな英語でもどうにか通じたようだ。右手をパーで開き、左手にオナホを持って目の前に差し出せば、オナホの方を確信持って指差してくる。

 

 非貫通型オナホ、これってやっぱり使ってるうちに内部の空気が減って「吸い込まれる」「口の中で圧を下げてるあの感覚が味わえる」ってのが一番のポイントになるよな。

 具合いい奴だと、それこそ「グググ」って吸われるのがもうやみつきになっちまう。

 

"OK,Ok,"

 日本の最新技術、味わってくれよな。

 

 粘度の高いタイプのローションをたっぷりと流しこみ、手のひらの中でぐちょぐちょと肉筒を何度も握りつぶすようにして中の襞や窪みにも行き渡らせる。これ、やらないとやるとで感触がかなり変わってくるので、自分でやるときにでも試してみてくれ。

 

 ぐちょ……。

 オナホの内径を握り潰しながら、先端を入口にあてがう。

 なるべく中の空気を抜くようにしながらずずっと挿入させると、内部形状のイボやヒダヒダが絡みつくのだろう、逞しい身体がずり上がりそうになっている。

 

 いったん最後まで差し込んだ跡、引き抜こうとすると抵抗を感じる。

 この瞬間、チンポ全体がきつく吸われたような感触を味わっているはずだ。

 

「うああああ……」

 この「ペニス全体の皮膚や粘膜のすべてに密着した状態で陰圧がかかり、ずるずると肉質の内壁が動く」ことからもたらされる圧倒的な快感は、たぶん人の手や口では絶対に再現できないものだ。

 目の前の国際的にもトップクラスの選手すら悶えるその刺激は、肉体をどれほど鍛錬しても堪えることが出来ない快感なんだと思う。

 

 ぬちゃっ、ちゃっ、ちゃっ。

 幾度も抽挿を繰り返すうちに、その吸い込む力はますます強くなっていく。

 上下運動による摩擦と陰圧による吸い込み。差し込むときの滑らかさと抜き出すときの抵抗と。

 くりかえされる交互に襲う連続した快感に、最期の瞬間が近づいている。

 

"You can cum."

 

 小声でつぶやく。

「中で出していい」って判断したらしく、全身の筋肉の塊が一瞬緩み、そしてまた緊張していく。

 

"Bust a nut!,I'm cumming!"

 

 オナホを握っているこちらの手にも、射精の勢いが伝わるほどの盛大な発射だった。

 鍛えられ、うっすらと脂肪の乗った選手の身体ががくがくと痙攣する。

 突き上げる腰の動きは、抑えようと思っても無理だったんだろう。そのたびに張り付いた金玉がぶるんぶるんと揺れる。

 俺の腰に乗った下半身の動きは、ダイレクトに俺自身のチンポも揺らしてしまう。

 職務上、自分のが扱けないのをこれほどツラいって思ったことはない。

 

「んんぐっ、ぐっ、あああああああっ!」

 

 オナホに吸われながらの、盛大な射精。

 イってる最中、それでも激しくオナホを動かしてやると、そういう刺激も初めてだったんだろう、ものすごいよがり声を上げてくれた。

 自分でやるときにはまず出来ない、やらない刺激は、相手がいてこそのものだ。

 これ、俺もよっぼど根性入れておかないと、キャスト同士の研修ですら声を上げちまうような、そんな刺激。

 

 驚いたのはこのまま萎えずに3発イっちゃったんだよね、この選手。

 その後は最後にまたガーゼで責めてほしいって言われて、ゆっくり動かすのを堪能してもらって、4回目の射精で本日は打ち止めってことになった。

 リングしてるとはいえ、その間一度も萎えないままだってのもすごかったし、とにかく「楽しんで」くれた感じとしては一番の選手だったかな。

 期間中、毎日やってたけど、競技前日でもこのペース維持してたのはもう何というか。

 柔道のときもそうだったけど、国の代表になる選手達って、やっぱり性欲も精力も特別なんだなってのは、ホント今回のことでも思ったことだったよ。

 

 このグループ、あと砲丸投げに1人、円盤投げに2人エントリーしてて、投擲関係で4人のグループだったんだよな。

 終わってみれば円盤投げの2人揃ってメダル取ることになったのは、もうびっくりだった。

 2人とも玉も棹もデカくって、なんかこの国の人達って平均的にデカいんじゃ、っても思ったんだけど、そこらへんどうなんだろう。

 しかもこの2人、期間中同室で過ごしてて、片っぽずつ部屋を空けてくれるもんだとばかり思ってたら、なんと2人一度に長時間やってくれってことだったんだよな。

 もしかしてデキてる? とかも思ったけど、そうでも無いらしかった。

 せんずりとかは一緒にやることあっても相手のを口にするとかは想像もしなかったみたいで、かまかけたこっちが拍子抜けするほど。

 

 日によって違うこともあったけど、2人のベッドの間に俺が椅子に腰かけて、両手使いながら責める、ってのが多かったかな。

 一緒にイケるかどうかで楽しんだりとか、なんかワイワイやる感じ。

 なんとなく「何も考えずにバカなノリで楽しみたい」ってのが伝わってきて、ああ、そういう息の抜き方もあるんだなって思ったよ。

 

 そうそう砲丸投げや円盤投げの選手って、今日のやり投げ選手の体型とはちょっと違って、腹がけっこう出てる人も多いんだよな。

 2人とも、もう顔も腹も全身も、とにかく「デカい」人達だった。

 

 特に金メダル取った選手は下半身もすごくって、玉は両手で支えないと片手ではこぼれちまうほどだったんだぜ。

 チンポはガチガチに固くなるタイプでは無かったんだけど、咥えるとしても亀頭だけでいっぱいになりそうなデカさ。根元の太さもすごくって、これ、男にしろ女にしろ、挿入するだけで凶器になるんじゃないかなって思うほど。

 射精にしても濃いの一発でいい人だったんだけど、翻訳機械使いながらやり取りしたら、実際には男も女もイケるってことだった。

 俺への接し方見てても当たり柔らかいし、セックスワーカーに対しての見方もすごくきちんとしてて、ああ、どっちにもモテるだろうな、って思った次第。

 イくときには大声出してよがってくれて、もうこっちも興奮ものだった。

 

 で、投擲選手あるあるだなって思ったけど、あの体型でスパッツの股間が目立つってのは、太股や下腹の太さデカさに負けない存在感があるってことなわけで、そいつを目の前に見て、しかも手に出来るなんてのは、もう太め好きのホモにとってはパラダイス以外のなにものでも無かったよ。

 これで口も使えればもう言うことなしだったんだけど、こればっかりはご時世のことを考えても仕方ない。

 それでも、もしホントに次の機会があるのなら、乳首責めも含めてフルセットで楽しんでもらうことが出来れば、って思っちゃうよな。

 さすがに俺たちみたいな要員が行けるとは思ってないけど、それでも現地で頑張る俺らみたいな裏方との時間を楽しめるようになってほしいとは、切に願ってる。

 

 あ、そう言えば最初のやり投げの選手、期間中に誕生日ってことで俺たちからも厨房に頼んで小っちゃなケーキ差し入れしたんだけど、翌日の訪室のとき、すごく嬉しかったって喜んでくれてた。

 こういうのでも国際親善かなって、ちょっとだけ俺たちも涙目に。

 絶対表に出ることの無い本当の意味での「裏方」だけど、このくらいの喜びや嬉しさは味わってもかまわないよな。

 

 今回の仕事、最後のグループはレスリングの選手陣になりそうで、こいつも楽しみなんだ。

 まだどこの国になるかは分かってないけど、実践入ったらすぐ報告するから、楽しみにしててほしい。

 俺らの○輪(一応の伏せ字だ)は、もうちょっとだけ続くぜ!