不良青年更生寺院顛末記

その3

 

その3 金精の儀

 

 もう午後の3時ってことだった。

 3時から5時までが、夕飯前の修行の時間で『勤行(ごんぎょう)』って奴。

 ここからは本来のスケジュールっていうか、毎日の日課に俺達も合流することになる。

 

 今日は入山初日ってことで、早朝から丸太みたいにして運ばれてきた俺にゆっくり風呂に入る時間、それも割と話しやすい人達を選んでくれてたんだなってのは後から知った話でさ。

 

 食事の用意をする人は後から抜けるってのは聞いたけど、基本的にこの『勤行(ごんぎょう』ってのは、この寺の中での具体的な『修行』を行う時間なので、寺にいる全員が集まるってのは、風呂のときに聞いてたんだ。

 全員って、俺が今日加わっての総勢34人って話。

 

 その34人の中でも、寺にいる間の序列みたいなのがあって、俺や継男さんみたいな入ってまだ日にち経って無いのが『研修生』で継男さんと俺の2人。

 次に一定の条件クリアした人が『仮僧侶(かりそうりょ)』つって、これは正成さんも含めて3人ってこと。

 最終的には『僧侶(そうりょ)』ってのになって、ここでやっと正式に(本当に、って言えばいいのかな? 実際には見た目じゃ分かんないし)この寺の『お坊さん』になるんだって。

 で、その中で一番偉いのが、昼に親父達と話してた『道円阿闍梨(どうえんあじゃり)』って、すげえガタイと体毛の人。

 

 正式な『僧侶』の中でも、さらに『僧侶名』(道円、とかのアレね)が名乗れるようになるにはさらなる修行が要るってことだったんだけど、そのあたりはおいおい知っていけって、ちょっとはぐらかされちゃった気がしてる。

 

 で、風呂場で聞かされてはいたけどさ、少なくとも今日の『勤行』では、俺が入山初日の研修生ってことで、色んなことが特別だってことだった。

 

「今日の勤行は昼にこの寺に来たばかりの野間翔平への、『金精の儀』を執り行うこととする」

 

 あの道円和尚、道円阿闍梨って人が言うのって、正成さん達が『金精棒』とか『金精様』って呼んでた、アレだよな、やっぱり。

 

「ほう、翔平よ。もう反抗しよう、逃げだそうという『気』は無くなったようじゃな」

「……、ああ、あの『香』って奴のせいかもしんないけど、ここに来て、まあ最初はびっくりって言うか、いきなりチンポしゃぶられてなんなんだよって思ったけど、正成さん達とかと話してて、けっこういいとこなんじゃないかって思えてきた。

 自分でも、昼前までとはえらい違いだなって、驚いてるんだ……」

 

 ま、人間、諦めってのもあるよな。

 

「よきかなよきかな。お主に取りこの山が健やかならんことを、儂は祈っておるぞ……。さて、これから執り行う『金精の儀』については、何か聞いておるか?」

 

 俺、言葉使いとかなってなくて、連んでた先輩とかにもよくどやされてたんだけど、そこらへん怒られるかなって思ってたけど、そうでもないみたい。

 

「聞いてるっていうか、まあ、俺の尻に、その、チンポみたいな棒を入れるってのは分かった。しかもそれ、一日中入れたままにして慣らしていくってのも。それにさっき、その、便所で、えっと、まあ、その、『洗って』もらったしな……」

「そこまで分かっておれば、問題は無いな。みな、まずは翔平の金精棒挿入を見守ってやってくれ。それで互いに昂ぶれば、相坊とのいつもの修行に励むがよい。では、経と香の準備をせよ」

 

 それを聞いた全員がさ、もういきなり作務衣って服、お互いに脱がせ合いを始めちゃって。

 まあ、俺がなんとなく裸にされるのは分かるんだけど、え、みんな? って思ってたら、後からの話じゃ『勤行』そのものが、基本は素っ裸で行うって知って、それはさすがに驚いたかな。

 一応、さっきまでの話だと『修行』するって聞いてたし。

 

「相坊の正成よ。みなの前で翔平の服と、褌を外せい」

「はい、道円様」

 

 俺、1人だけ道円和尚の前にいたんだけど、呆気にとられて服も脱げてなかった。

 そこに近付いてきた正成さんが、俺の作務衣を脱がして、褌もするすると外していく。

 まあ、その時点で正成さんも継男さん達に脱がしてもらってて、もう素っ裸になってはいたんだけど。

 

「さすがにまだ勃ってはおらぬか。少しばかり被ってはおるが、勃起すれば完全に剥けておったようじゃの」

 

 道円和尚が俺のチンポ、まじまじと見つめながら、妙に冷静な口調で俺のを品評してる。

 まあ確かに萎えてるときはちょっと余ってるけどさ、勃ったらぜんぜんそんな感じしないぐらいにずる剥けになるんだぜ、俺の。

 周りの連中見たら、もうみんなおっ勃ってて。

 まだあの『香』ってのも焚いてないのに、そこはちょっと不思議だった。

 

 で、目の前の道円和尚。

 すっと近寄ってきたこれももう素っ裸の2人の坊さんが全部脱がせていくんだけど、その、なんというか、チンポがさ、もうデカいとかそんなの通りこして、これホントに人間のか?! ってぐらいの巨根だったんだ。

 

「この大きさのものは、初めて見るのかな、翔平よ?」

「普通の生活してたら、まずはおっ勃った人のチンポとか、見ないでしょ? にしても、それ、デカすぎ……」

 

 いや、正成さん達の話聞いてると、ここじゃお互いのチンポしゃぶったり、尻に入れたりとかするわけらしいけど、そんなの絶対無理じゃん、ってデカさだったんだ。

 

 もともと体重軽く3桁越え、全身すげえ毛深いっていうガタイしてる人にあんなチンポ付いてたら、たいがいの男はもう『負けた!』って思っちまうんじゃないかな。

 

 片手だけではどんな手のデカい人でも握れなさそうな太さ。そのぶっとい棹の先っぽは、もうミカンかリンゴかってぐらいにパンパンに張った亀頭がてかてか光ってて。長さはもう、30センチ近いんじゃないんだろうか?

 全身毛深いのに、チンポや金玉の周りはもうさらにすごくって、もうホントに規格外だろ、あれ?

 なんていうかさ、俺、まだ『香』も嗅いでないのに、和尚やみんなのチンポ、なんでか見てるだけでドキドキしてた。

 

 そのとき、すぅーっと、薄い煙が俺の前にも広がってきたんだ。

 とっさに、あ、またあのヤバい奴だ! っては思ったんだけど、俺の身体、もうそのときにはあの『気持ち良さ』を思い出しちまってたんだ。

 

 深呼吸するみたいにして、薄い煙を肺一杯に吸い込んで、ゆっくりと口から息を吐く。

 もう、その一動作だけで、俺のチンポも一気におっ勃っちまったんだ。

 

「諷経(ふうぎん)、はじめ!」

 

 道円和尚の、声が響く。

 本堂全体の床から湧き上がるような、低くて重い、坊さん達全員での読経が始まった。

 

 なむからたんのう とーらーやーやー

 なむあーりーやー ぼりょきーてー

 しふらーやー ふじさとぼーやー

 もーこーきゃーるにきゃーやー

 

 俺、もうその時点で、全身が震えるような快感を感じちまったんだ。

 

 耳から、いや、素っ裸の全身に響く読経と、深く吸い込んだ『香』。

 この二つが合わさって、俺のチンポの先っぽから、もうとろとろと我慢汁が垂れ始めてる。

 

「翔平君。こちらの台に上半身を預けて、尻を突き出すような格好になってくれないか」

 

 正成さんが示したのは、学校にあるような少し高めの跳び箱という感じの台だった。

 胸や腹を傷めないようにってことなのか、上の面は緑色のクッションみたいな造りになっている。

 俺は裸の上半身を台の上に預けると、ちょうど肘を下ろしたあたりに紐が輪型に結ばれていることに気付く。

 

「その紐を両手で持つと安定するよ。あ、でも全身の力はなるべく抜くようにしておいてくれ。1号棒だからそんな痛みは無いとは思うし、優しくほぐしてから入れるけど、やっぱり緊張すると入れにくくなるからね。ぬるぬるするローションをたっぷり塗り込めるから、大丈夫だよ」

 

 正成さんが小声で教えてくれた。

 風呂場で見せてもらったのの一番小さな奴が、1号棒ってのだったはず。確かに太さが2センチぐらい、太いところの長さが10センチちょっと、全体でも15センチ無いぐらいだったんで、あれ以上の太い糞、俺、よく出してるよなって思ってたんだ。

 それでも普段『出す』ばかりのところに『入れる』ってなると、なんか変な気持ちではあったんだけど。

 

 俺の体勢が整うと、今度は道円和尚さんの野太い声が響き渡る。

 

「みな、香も効いてきて、己の魔羅を扱いてほしくて仕方無かろう。

 己の魔羅をねぶってほしくて仕方無かろう。

 ふぐりに溜まった汁を出したくて仕方無かろう。

 だが、今だけは相坊の魔羅に手を伸ばすのを暫し待ち、新しき仲間、野間翔平の金精の儀を、みなで祝福してほしい」

 

 周囲からの読経の声が、いっそうの強さを増す。

 それだけで、台の後ろの方で下向きに押し付けられた俺のチンポが、いっときも早く射精したいともだえてしまう。

 

「みなが通ってきた道じゃ。1号棒がこれより翔平の尻へと入る。彼の者の痛みを減らすためにも、みなの声を響かせよ。それでは正成、翔平の尻肉へ、金精様を挿入せしめよ」

「はい、道円阿闍梨様。金精様の1号棒を、翔平の尻に入れます」

 

 台に上半身を預けて尻を突き出すようにしている俺。

 そのケツのところにちょっとヒヤッとした感覚があったかと思ったら、正成さんの指がそおっとその周りを撫で始める。

 

「あっ、正成さんっ、そ、そこっ……」

 

 まだ中に入れられてるわけじゃなかった。

 でも、切なかった。

 これがきっと『切ない』って感じなんだって、俺、初めて思ってた。

 

 おーん

 さーはらはーえい しゅーたんのうとんしゃー

 なむしきりーとーいーもーおりやー ぼーりょーきーてーしふらーりんとーぼー 

 なーむーのーらーきんじー きーりーもーこーぼーどーしゃーみー

 

 読経の声が俺の全身を包み込む。

 尻穴が正成さんの指先でゆるゆると撫で回されていく。

 台に押し付けられた俺のおっ勃ったチンポの先から、どぷどぷと先走りが垂れていく。

 

 さーぼーおーとうじょーしゅうべん

 あーしゅーいん さーぼーさーとーのーちーぼーぎゃー 

 もーはーてーちょー とーじーとー

 

「正成さんっ、入れてほしいっ……。俺のケツにっ、なんでもいいから突っ込んでほしいっ……」

 

 正直な俺の気持ち。

 思わず声に出る。

 

「じゃあ、入れるよ。口を開けて、力を抜いて……。痛かったりしたら、すぐに言うんだ……」

 

 囁くような正成さんの声なんだけど、本堂中に響く読経の中、不思議ときちんと聞こえてた。

 いや、耳だけでなくって全身の感覚が、ものすごく敏感になってたんだ。

 

「うはっ、あっ……」

「先が入ったよ。痛くないかい?」

「大丈夫です……。痛くは、無いです……」

 

 そう、痛みはぜんぜん感じなかった。

 いきおいよく突き刺したりとしなければ結構入るもんなんだって、妙に冷静に思ってる自分がいた。

 

「あっ、なんか、当たるっ、そこっ……」

「1号棒にも幾つかこぶが作ってあるから、前立腺にうまく当たるとそれだけで感じるはずだ……。ほら、少し動かすよ」

「あっ、あっ、動いてるっ! 俺のケツん中でっ、動いてるっ!」

「読経と『香』で、尻の中も感じるだろう? 奥まで入れると、肛門が細いところを締め付けて落ちなくなるから……。よし、全部入った。和尚様に検分してもらおう」

「あっ、全部、全部入ったんだ、あれが、俺の、俺のケツに……」

 

 正成さんと入れ替わるようにして、道円和尚が俺の後ろに回り込む。

 俺の尻穴をまじまじと見てるんだろう。

 途中、後ろの尻の割れ目に沿うように長くなってるところを何回か動かされて、俺、もっと感じちまってた。

 

「うむ、確かに奥まで入っているな。しっかり固定も出来てもおり、上出来だ。

 よし、みな、ここに野間翔平の入山にあたり、金精の儀が滞りなく終了したことを宣言する。後はみな、勤行の時間を楽しむがよい!」

「ご確認、ありがとうございました、道円和尚」

「うむ、正成。後は相坊のお前と翔平との間での刷り込みだけではあるが、お前も研修生の相坊は初めてだ。耕一と継男とともに、4人でことを進めるがいい。

 耕一っ、継男っ、2人で正成と翔平の最後の刷り込みを手伝ってあげなさい」

 

 まだなんかあるのか?

 そんな疑問も、ケツに金精様を入れられ、香を嗅ぎ、みんなの読経に囲まれてる俺の中から霧散していってしまう。

 それでもさっきまで一緒だった耕一さんや継男さんとも、その、なんかやれるっていうんなら、それはそれで嬉しいと思ったことは覚えてる。

 

「翔平君、頑張ったね。この勤行でももう一つだけ、翔平君にやってもらうことがある。さ、今度はこっちにおいで」

 

 正成さんが台から身体を下ろした俺を、本堂の左手、何段かの板が階段状になっているところへ連れて行く。

 一段の高さがそれなりにあるその造り、誰もいないときに見たら意味が分からなかったかと思うけど、この『勤行』で男達が群れなしてる中では、その『使い方』は俺にもすぐ分かった。

 

 けっこうな高さのある上段に1人が腰掛け、その下の段に別の1人が腰掛けると、ちょうど足を開いて座った上の段の人のチンポが、下の人の目の前に来る位置になるんだ。

 板そのものが間を開けて固定してある感じなので、お互いの肉体の干渉が極力避けられてるのは、自由な動きを保障するためだろう。

 その『自由な動き』の目的は明らかで、『上の段に座った人のチンポを無理なくしゃぶれるような体勢』を取ることが出来るんだ。

 

 その上の段に正成さんが座る。

 当然『相坊』である俺は、下の段で正成さんのチンポに向かいあうことになる。

 

 ああ、道円さんと正成さんが言ってた『最後の』『刷り込み』って、このことなんだなって、俺、突然理解した。

 昼間の屋外でのしゃぶり上げと乳首への刺激、そして読経の中での射精。

 あそこで『香』が俺に『刷り込んだ』のは、『他人から責められる快感』だけだったんだ。

 今から俺は『人に与える責めで、自分も快感を得る』行為をしなきゃなんない。

 

 そう、それって、この俺が『正成さんのチンポをしゃぶって射精させ、出た雄汁を飲み干すこと』に違いないって、俺、分かっちまった。

 

「さすがに初めてだと、これはちょっときついだろう、翔平君……」

 

 正成さんが呟く。

 俺の左右に耕一さんと継男さんがそっと来たのは、『初めて』の俺がどう反応するか分からなかったからだろうな。

 2人に指示を出した道円和尚や正成さんの不安も分かるけど、俺、なんだかもう、そんな気持ちは吹っ飛んでた。

 

 俺は昼間、正成さんの口に7発出した。

 さらに風呂場では継男さんや耕一さんも近くにいる中、また2発も正成さんの口でイかせてもらった。

 そんな俺、『香』と読経の影響はすげえあると思うし、尻には金精棒を入れられてるわけだけど、でも、でも、正成さんのでっかいチンポ目の前にしても、自分のチンポ、ガチガチに勃起させたままだったんだ。

 正成さんのずる剥け上剃りのチンポ見て、これがイくとき、どんなに固くなるんだろうって想像しちまってた。

 

「正成さん、耕一さん、継男さん。俺、大丈夫だから。正成さんのチンポしゃぶって、感じてもらって、イってもらいたいと、思ってるから」

 

 俺の言葉を聞いた耕一さんが、ホッとしたような返事を返す。

 

「よかった……。道円和尚様も、たぶんそれを心配して俺達に一緒にって言ったんだと思う。継男も翔平みたいに素直にしゃぶってくれたんだが、何人に1人かは、この段階で暴れる奴もいるんでな」

「へへ、あのときもう俺、耕一さんのぶっといのしゃぶりたくてしゃぶりたくて、もうたまんなくなってたんスよ」

 

 継男さん、笑ってるけど、妙に誇らしそうだった。

 そう、この寺では『人が気持ちよくなることを手助けする』ってのは、誇らしいことなんだってのが、すげえよく伝わってきたんだ。

 

「耕一さん、継男君。僕のを翔平君がしゃぶってくれてるとき、彼自身がもっともっと快感を感じ取れるよう、色々手伝ってやってくれ。『香』が効いてる間の刺激は、ぜんぶ刷り込まれていくから、次からはもっと感じるようになれるはずだから」

「ああ、翔平の根性決まってるなら、俺達はもう翔平もしゃぶってるだけでイけるぐらいに感じさせてやるからな、覚悟しろよ、翔平」

「えっと、お手柔らかに、って言えばいいんですかね、こういうときって」

 

 4人の中で、いやらしくもある笑いが漏れる。

 俺、目の前の正成さんを見上げていった。

 

「正成さんのチンポ、この野間翔平、しゃぶらせてもらいます。初めてなので下手くそだと思うけど、頑張ります」

「ああ、頼む……。僕ももうすげえ興奮してるから、あっと言う間にイけそうだ……」

「口だけで無理そうなら、もちろん手も使っていいんだからな、翔平。金玉を優しく揉みながらってのも、かなりキくぜ」

「翔平の乳首やチンポは、俺と耕一さんで責めまくるんで、出来れば翔平も正成さんと一緒にイッちまえよ。しゃぶりながらイけるようになると、ホント、すごいんだぜ」

 

 おーん

 おーぼーりょーきー るーぎゃーてー きゃーらーてー

 いーきり もーこーふじさーとー さーぼーさーぼー

 

 周りを見渡すと、上の段に腰掛けている人が読経を続け、下の段の人が一心不乱にしゃぶりあげをしている相坊同士が何組もいた。

 他にも立ったまま、互いのチンポを腹の間に挟んで擦りあげてる人や、中には風呂場での耕一さんと継男さんみたいに、寝っ転がってしゃぶりあってる組もある。

 不思議なのは、その、ケツを使うって前提の修行やってるのに、それらしき行為をやってる相坊は見かけなかったことだ。

 まあ、これについては夜の勤行ですぐに答えが分かったんだけど。

 

「じゃ、始めます」

「ああ……、頼む、翔平君……」

 

 俺、正成さんの股間に顔を寄せる。

 デカい。

 そりゃ道円和尚のとかにはぜんぜん敵わないんけど、それでもとにかくデカかった。

 たぶん棹の直径でも4センチは超してそうだし、長さも20センチ近くありそうだ。

 このでっかいのが、90キロは優に越してるむっちりしたガタイからおっ勃ってる。

 俺、なんかもう、素直に『カッコいい』って思っちまってた。

 素直に『このチンポ、しゃぶりてえ』って、思っちまってた。

 

「うおっ、気持ちいいよ、翔平君……」

 

 そっからの俺、もう無我夢中だったんだと思う。

 周りから聞こえてくる読経の声が、俺自身の身体をずんずん揺さぶるように『効いて』いた。

 横から伸びてきた耕一さんと継男さんの指先が、俺の乳首とチンポの先端をぬるぬると責め始める。

 痛みとはほど遠い、その優しくも甘い刺激が、俺自身の快感をこれでもかってぐらいに引き出していく。

 先走りで濡れそぼった俺のチンポが、ぬるりぬるりと亀頭を責められ、乳首の先端をほんの少しだけ立てた爪先でちりちりと刺激される。

 

「う、うぐっ、ぐううううっ……」

 

 正成さんの声じゃ無い。

 俺自身の、正成さんのぶっといチンポしゃぶりながらも、どうしても漏れちまう、俺のよがり声だった。

 

「あっ、翔平君っ、イきそうだっ……。翔平君は、どうだ? 一緒にイけるかい?」

 

 正成さんの読経が途絶える。

 正成さんが俺の頭に手を添えて、堪え切れなさそうな声を上げる。

 

 俺、でっかいチンポをしゃぶって、興奮してる。

 乳首をいじられて、興奮してる。

 亀頭を責められて、興奮してる。

 読経と香の匂いに取り囲まれて、興奮してる。

 そしてなにより、素っ裸の正成さんや耕一さん、継男さん、そして大勢のこの寺の男達に取り囲まれて、興奮してるんだ。

 

 もう、俺も限界だった。

 じゅちゃじゅちゃ、べろべろと、でっかくて固く勃ち上がったチンポを舐め上げること。

 その『行為そのもの』が、俺を興奮させていた。

 

「お、翔平もイきそうだぞ。正成っ、タイミング合わせろっ! 翔平のを扱いてやるから、一緒に、相坊2人で、一緒にイけっ!!」

 

 4人の中では一番年上の耕一さんが仕切ってくれた。

 上と下、しゃぶられる側としゃぶる側が最期のタイミングを合わせる。

 その『とき』は、すぐにやってきた。

 

「あっ、あっ、イくぞっ! 翔平っ、イくっ、イくっ、君の口にっ、口に出すぞっ! イくっ、イくっーーーーー!!」

「うううっ、うぐっ、うぐっ、むぐうううううっ!!!!!」

 

 同時だったと、思う。

 ものすごい量の、熱くて粘る汁が、俺の喉を打つ。

 俺も耕一さんの手のひらに、今日10度目だというのに、すごい量の汁を噴き出していた。

 

「翔平っ、飲まんと処理出来んだろうが、全部は飲み込むなっ! 最後の方は口ん中に溜めておいて、ほら、雄汁飲み合った相坊同士、ザーメンキスしろっ!」

 

 耕一さん、すげえこと言ってる。

 でも、俺、その意味が分かった。

 たぶん、この『勤行』のときは片方が経を唱えることが多いんで、そうで無いときの射精をもっと楽しめるようにって、『香』が効いてる間に俺の身体に教え込もうとしてくれてるんだ。

 そう、それもまた『刷り込み』の一つなんだって、俺、思ったんだ。

 

 最初の方のはもうどんどん飲まないとこぼしてしまうと思って飲んでたけど、後半のはなんとか口の中に残すことが出来たと思う。

 全体では4分の1ぐらいのものだろうけど、それでもすごい量が残ってた。

 

 正成さんが、俺の段に下りてきて、そのカッコいい顔を寄せてくる。

 

「ありがとう。これで本当の相坊になれたな……。後は金精様の号数をクリアしていけば、もっともっと色んなことが楽しめるようになる。翔平と僕と、一緒に頑張っていこう。さ、耕一さんが言うように、キスして、雄汁分けて、飲み合おうぜ」

 

 俺と正成さんの唇が重なる。

 すげえ量だったこともあって、どうしても唇の端から零れちまう。

 そこにすかさず両側から耕一さんと継男さんも顔を寄せてきて、4人で唾液と混ざった正成さんの雄汁、飲み合うことになった。

 耕一さんの手に溜めてあった俺の汁も、当然のように口に運ばれて、すんげえ匂いのするキスになった。

 

 俺、キスそのものが、初めてだったんだ。

 

 ましてやそれが、男と、それも雄汁を口にしたまんまでやるなんて、半日前までに絶対に想像したことすらなかった。

 そんな、いやらしい、エロい、スケベなことが、ぜんぜん恥ずかしくも無く出来ちまう自分が不思議だった。

 いくらあの『香』の効き目がすごいからって、喉を通る男の精液が、こんなに旨いと感じるなんて、絶対あり得ないって思ってた。

 

「入山して半日なのに、こんなことやってる自分が不思議だろ、翔平?

 でもな、俺んときも、正成んときも、継男んときも『そう』だったんだが、ここに来た奴、なんでかほとんどの奴が、ここでの自分の在り様にあっと言う間に『染まっちまう』んだ。

 今はまだ不思議に思ってていい。疑問があってもいい。だが、お前の心と肉体に刻み込まれたこの『気持ち良さ』『快感』って奴を、とにかく信じろ。人と肌を合わせて、抱き合って、チンポしゃぶって、精液飲んで、キスして。全部全部、気持ちいいことなんだ、『人と付き合うこと』が気持ちいいことなんだって、自分に言い聞かせていけ。

 そしたら、なんでも、そう、なんでも上手くいくようになる。これだけは覚えとけ」

 

 耕一さんが4人抱き合うようにしてキスしてるとき、話してくれた。

 たぶん、耕一さん自身も入山初日に色々やられたことを思い出してるんだと思った。

 俺、嬉しくて、気持ちよくて、エロくて、なんかそんなのが全部いっぺんに押し寄せてきて、たぶん泣いちまってたんだと思う。

 ケツに張り型入れたまま、汁まみれのチンポもおっ勃てたまんま、泣いてたんだと思う。

 

 そんな俺を、正成さんも、耕一さんも、継男さんも、すげえ強く抱きしめてくれて、それで俺また、自分のチンポ固くしてた。

 

 そんなこんなで、俺の入山最初の、午後の勤行が進んでいったんだ。