明友大学ラグビー部

鐙田一心のとある一日

その8

 

17:30

 

 部長達の中で、2番手となった柔道部主将、丹生宮はその絶妙な両手での刺激で、寮僕である鐙田を翻弄した。

 すでに数十回の吐精を終え、通常の感覚であれば勃起すらあり得ないであろう鐙田のそれは、本人由来の精力の強さとも相まって、この時間においても隆々とした剛直を維持していた。

 もちろんそこには丹生宮の柔らかくも激しい逸物への責めが大きく関与している。

 

 遠目から見れば、ローションでぬるつきを増したチンポと玉をゆるゆると責めているに過ぎないのであるが、近くにより、その繊細かつ大胆な手指の動きと協調は、見ているだけで観客にすら射精欲求を起こさせるほどのものだった。

 決して射精を急がせない、そのとろとろと焙るかのような責めは、鐙田の腰奥にどろどろとした白濁したマグマを溜め込んでいく。

 

「俺はな、鐙田。うちの学校のこの『寮僕』ってシステム、すげえもんだと思ってるんだ。

 高校までお前がいたとこもそうだったと思うが、男しかいない、しかもカラダ鍛えるのがなんぼって中にいると、どうしても性欲、暴力のはけ口が下の学年のもんに向いちまう。

 それはそれでまあ、仕方が無いというか、どうしようも無いっつーか、そんなふうに思ってたんだがな。だが、うちのガッコの話し、先輩達からちょっとずつ聞いて、俺は『これだ!』って思ったんだな。

 結局このシステムって、暴力の果てしない連鎖っつーか、上から下への流れってのを、うまく止めるやり方なんだなって思ってる。

 得にお前みたいな2回生寮僕ってのは、ある意味、このシステムの本質なんじゃないかとすら思ってんだ。

 ま、そこらへん考えて、柔道部でも色々考えていきたいとは思っちゃいるんだがな……」

 

「は、はい、に、丹生宮先輩っ……。あっ、あがっ……。んっ、んんんっ、ああっ……」

 

 のんびりとした、どちらかと言えばこの場には似合わないだろう哲学的な話しだった。

 ゆっくりとした口調で丹生宮から語られるその内容は、はたして鐙田の耳には届いているのか。

 ガチガチに勃ち上がった肉竿、パンパンに張り詰めた亀頭、根元に向かい引き上げられてきているふぐり。

 鐙田のそれは、すでに20分近く、丹生宮の手で一時の休みも無く、いじられ続けているのだ。

 

「はぐあっ、あっ、ああああっ……」

「もうまともな返事も出来なくなってきたか……。どうした、鐙田? イきたいのか?」

「は、はいっ。イかせて、イかせてもらえればっ、イきたいですっ、俺っ、イきたいですっ……」

「30回近く射精しといて、まだイきたいって言えるお前、すごいよ。もっとも俺の責めにこれだけ耐えてるってだけでも、まあ、尊敬もんだがな」

 

 100キロを超す体重を支える尻を、どっしりとあぐらに下ろし、その両手だけで巧みに鐙田の快楽を引き出している。

 

 おそらくはその技術を、柔道部内では試したことがあるのだろう。

 過去、その対象となったものは5分と待たずして、射精を懇願する結果になっていた。

 度重なる吐精により生半可な刺激では射精欲求へと結びつくはずの無い鐙田の逸物が、それでもイくことしかその持ち主に考えさせなくなる技術とは、どれほどに凄まじいものがあったのか。

 

「丹生宮のテク、すげえな。お前って、両手利きだったっけ?」

「ああ、普段は左だが、チンポ責めるときだけは両方使えるんだよ。特に亀頭責めが右左どっちもやれるってのは、たぶんお前等でもすげえ感じると思うぜ」

「お前の責め、見てるだけで何人か射精しちまってたぞ。ホント、すげえわ、お前……」

 

 他の3回生の言葉は正直なところだろう。

 

 扱き上げと亀頭責め、玉責めと扱き上げ。

 角度や強弱、手のひらの当たる部位、指の本数の使いよう。

 それらすべてをコントロールしながら、射精に至らぬよう、ひたすらに快感のみを与えるその技は、見ているだけものにすら、凄まじい興奮を伝播させていく。

 

「に、丹生宮先輩っ、俺っ、もうっ、もうっ、堪えきれませんっ……」

「我慢出来ないっつっても、このままの刺激じゃイけねえだろう?」

 

 丹生宮がにやにや笑いながら鐙田に尋ねる。

 

「あっ、あっ、すみませんっ、シゴいてっ、もう少しだけっ、強く、強くシゴいてほしいですっ……」

「んーー、こんなか? このぐらいか?」

「はあっーー、あっ、あっ、そんなっ、止めないでっ、止めないでくださいっ!!」

 

 いきなり握力を高め、しっかりと握り込んだ鐙田の逸物だったが、待ちに待ったその上下運動は、わずか10回もいかずに停止してしまう。

 

「あああああーーー、先輩っ、お願いしますっ、イかせてくださいっ、お願いしますっ!!」

「よーし、これで打ち止めにしてやる。ここまで頑張った褒美に、最後は俺が飲んでやるから、思いっきり出せ。コップに出すってなると、責めが中断しちまうからな。最後の最後まで、俺のテク味わって、たっぷり出せよ」

 

 精液採取の際の一瞬の刺激の無効化を嫌ったのだろう。

 寮僕である鐙田に取り、かつ3回生が自らの肉棒を口にし、あまつさえその汁を口にしてくれるということは、それだけで感動と官能の双方を満足させてしまうものだ。

 

「あっ、あっ、ありがとうございますっ、俺っ、俺っ、先輩の口にっ、口にイって、いいんですねっ!!」

「よーし、力入れて扱くぞ。イけっ、イっちまえっ! 俺の口、溢れるぐらいに、汁、出してみろっ!!!」

 

 それまでじっくりと責め上げていた丹生宮の手の動きが、いきなり力とスピードを込めたものへと変化する。

 玉をぐりぐりと揉み上げ、根元から力強く扱き上げる両手。

 腫れ上がった亀頭は、丹生宮の舌が力強く舐め上げ、プラムほどに熟した先端を口中へと咥え込んだ。

 

「ああああっ、イくっ、イくっ、イきますっ、イくっ!! 俺っ、俺っ、先輩の口にっ、口にっ、イっちまいますっ! イくっ、イくっ、イくううううううっ!!!!!!」

 

 がくがくと全身を震わせながら、思わず持ち上がりそうになる尻を座面に押しつけ、仰け反りそうになる上半身をも必死にその鍛えた背筋と腹筋で保とうとする鐙田。

 その筋肉への指令そのものも、全身を駆け抜ける快感を押しとどめることは出来ない。

 

 鐙田と丹生宮と。

 立位と座位という違いはあれど、先ほどの1回生の吐精を受け止めた鐙田と、正反対の構図がそこには見られた。

 

 玉を、竿を、亀頭を刺激しながら、その喉奥で3回生の丹生宮が、鐙田の精液を受け止め、ごくごくと飲み上げていく。

 上級学年に己の汁を飲んでもらうことに、さらなる背徳感からの恍惚を味わう鐙田。

 食堂中に、あの特異的な匂いが立ち上る。

 今回の鐙田の吐精においても、寮生達による射精連鎖が起こったようだ。

 

「丹生宮、さすがだな……。俺もその、あれ、やられたいっていうか、そのまあ、見てるだけでイきたくなっちまったぜ……」

 

 相撲部部長、銭塘の感想は、おそらくその場にいた全員の気持ちを代弁したものでもあったろう。

 それほどまでに快感・快楽を与えることのみに徹した丹生宮の技術は、目にも凄まじいものだったのだ。

 

「まあ、俺のこのテクはどうしても時間がかかるしな。いきなり扱いてどぴゅっとイかせる方が派手で分かりやすいだろうけど、これはこれで相手には楽しんでもらえるとは思ってる。まあ、俺も、相手がよがってくれればよがってくれるほど興奮しちまうっていう、変な気持ちもあるんだが」

 

 笑いながら言う丹生宮の台詞に、他の3回生達も苦笑いするものがいる。

 どうやらそのテクニックを、すでに一度は味わったことのある者達なのだろう。

 

「お次は3番手、廻江(まいのえ)か。さ、次も鐙田をイかせてやってくれ」

 

 大畑の紹介に進み出るアメフト部部長。

 廻江公和(まいのえきみかず)、180センチ126キロという鍛えられたガタイは、巨体の多いこの寮内においても、周囲に圧倒的な肉感を与えている。

 二の腕逞しいその手には、くったりとしたガーゼが握られていた。

 

「丹生宮のやり方で、ああ、俺もうちの寮僕がやった責めでイかせてやろうかなって思ってな。マイクの奴のローションガーゼ、鐙田もかなり気持ちよかったみたいなんで、まあ1年坊主と3年の俺と、テクニックややり方の違いも味わってもらえればとは思うんだが」

 

 午前中の寮僕達による最初の吐精で、アメフト部の湯出マイク(ゆでマイク)が使ったのは、たっぷりとローションを染みこませた一枚のガーゼだった。

 亀頭と竿を中心にしたその責めは、手のひらによるそれとはまた別の、恐ろしいほどの刺激を鐙田に味合わせたのだ。その責めを踏襲し、さらに3回生たる経験を重ねた上での技量を披露しようという廻江の宣言に、周囲の寮生達も再び色めき立った。

 

「あああっ、があっ……。廻江部長っ、イかせてっ、イかせてくださいっ……」

 

 廻江がその大きな手で操るガーゼが鐙田の亀頭に被せられてから、すでに15分が経過している。

 丹生宮の手によるものとはまた違い、ガーゼを滑らせている間は常に一定の圧がかかるその刺激は、緩急とは別の意味で持続した快感が悶絶を誘う。

 

「ふふ、手と違ってこのひたすらに続く快感がたまらんだろう?

 これもまた、この刺激だけじゃイくのは難しいからな。

 まあ、湯出が言ってた通りで、途中でションベン漏らしちまう奴はいるんだが、鐙田、お前はよく堪えてると思うぜ。

 その分、終わりの無い快感ってのもある意味天国じゃなくて地獄かもしれんがなあ。朝から気持ちよくイかせてくれたんだ。天国か地獄か分からんが、もっとたっぷり、こいつを楽しんでくれ」

 

「あっ、ひっ、あっ、がっ……。い、イかせて、く、ください……」

 

 さらに10分近くが経過する。

 延々と続く責めに上げ続けたよがり声に、喉も枯れてきたのか。

 鐙田の声がかすれていた。

 

「声も出なくなってきたか。

 そろそろイかせてやるかな。

 うーん、ここまで感じさせたんで、俺も最後まで刺激してやりてえな……。

 おい、大畑(おこば)っ!! 俺も、こいつの汁、最後は飲んでいいか?」

 

 後ろで見物している大畑への問いかけ。

 

「ああ、ぜんぜん構わんぞ。最後にこいつが出してコップに溜めてる汁、全部飲ませてkらイかせてやろうとは思ってるが、もうたっぷり溜まってるしな。お前の好きなようにして、イかせてやってくれ」

「おっし、了解だ。おい、最後は俺の扱きと尺八と、両方味わって、汁、飛ばせ。あんまりすごいからって、気ぃ、失うなよ、鐙田」

「は、はいっ、き、気合い、い、入れます……」

 

 ようやくイかせてもらえるとなり、鐙田の気力もわずかながらに回復したのだろう。

 返事をしながら、その背筋をなんとか真っ直ぐに起こしなおしたようだ。

 

「よーし、シゴくぞ。気持ちよく、イっちまえっ! 俺の口に、たっぷり出せよっ!!」

 

 廻江の分厚い手のひらが、ガーゼを手にしたまま、いきなりの上下運動を開始する。

 左手では引き上がろうとする金玉をぐいっと引き下げ、右手はガーゼ越しの粗い感触をわざと与えるかのように、ごしごしとも取れるような動きで肉竿をシゴき上げていく。

 突然のその変化に、鐙田のボルテージが一気に上がる。

 

「あっ、ああっ、イきますっ、イきますっ、廻江先輩っ、俺っ、イきますっ!!」

「イけっ、イけっ、俺が全部飲んでやるからっ、イけっ、鐙田っ!! イけっ!!!!」

「ああああっ、イくっ、イきますっ、イくっ!!!!!!!!!」

 

 先ほどの丹生宮と違い、最後の最後、吐精が始まる一瞬に鐙田を口にした廻江だった。

 粘膜同志のねっとりした刺激では無く、あくまでも手とローション、ガーゼとローションによるシゴきでイかせたい、その思いがこもったシゴき上げだった。

 

「んんっ、んぐっ、んっ、んっ……」

 

 廻江の頭と変わらぬ太さをした首が、しっかりと鐙田の痙攣を押さえ込んでいた。

 その喉仏の動きからして、やはりそれなりの汁の量があったのか。

 しばらくして口を離した廻江は、さも旨い汁をすすったかのように、その口をぐいと己の手の甲で拭ったのだ。

 

「すげえな、鐙田。しっかり味わえるぐらいの量、出たと思うぜ。俺も久しぶりに雄汁飲んで、なんか昂ぶっちまったな……」

 

 ケツ割れ一丁で鐙田をシゴいていた廻江の股間も、その前布は大きめの柑橘でも幾つか入っているかのように盛り上がり、じっくりと色を変えた染みの面積は、もう半分にもなろうかとしている。

 

「いやあ、最後もすごかったな……。そのまましゃぶりたいって気持ち、確かに分かるな……。刺激を中断させずにイってほしいってのは、やられる側も味わってきてるからこそ感じるもんだろうし……。

 さて、あとは銭塘と俺だけか。

 残り2回だ。

 鐙田、まだやれるな?」

 

「も、もちろん、です……。最後まで、俺、やり抜きます……」

「よく言った、鐙田。じゃあ、トリ前だ、銭塘、頼む」

 

 相撲部部長、銭塘達司(ぜんどもたつし)が、その140キロにもなる巨体を座っている椅子から揺すり上げた。

 

「ほっほ、俺もうちの蟹作がやったように、砂入りローションでやってやるかな。最後は俺の純粋なローションテクでイってくれ。

 あ、ただ、こればっかしは砂が入ってるんで口は使えないから、手だけになっちまうがな……。ま、コップにはセーシ溜めるってことでそれはいいか。

 俺の手、てっぽうで鍛えてる分、他の部の連中の手コキとは、かなり感じ方も違うはずだ。ちょっと前屈みのままだとやりづらいのもあるんで、俺んときは立ってくれな、鐙田。

 前の奴等と違って、俺は焦らさんで、お前さんを一気にイかせるつもりだから、びゅびゅっと飛ばせよ、鐙田」

 

「は、はい、銭塘先輩……。よろしくお願いします」

 

 腰を上げ、両手を頭の後ろに回す鐙田。

 その前に丸太のような両足を広げ、べたりと腰を下ろした銭塘の、ちょうど顔と胸も前辺りに鐙田の股間が来ている。

 

「さて、始めるか。どんなによがってもいいが、啼きは入れんなよ。じゃあ、イくぞ。相撲部名物、砂入りローション、しっかり楽しめ」

 

「は、はいいっ、ひああっ、あがっ、あっ、ぐああああああっ!!」

 

 銭塘のざらざらとした手のひらに垂らされた灰色混じりのローションが、じゅるりと鐙田を襲う。

 荒れた手のひら、ローションのぬるつき、砂のじゃりじゃりとした異物感。

 それらが一体となり、銭塘の大きな手で覆われるあらゆる皮膚表面、粘膜の表面に刺激を与えていく。

 

「がああああああああっ、ああああっ、あっ、あああああああっ」

 

 刺激から逃げようとする腰を引くまいと、その強い意志の力で真っ直ぐに立ち続ける鐙田。

 その根性は、目の前に座る銭塘にも伝わっていく。

 

「腰引いて痛みから逃げようとせんのは、ホントに根性入っとるな。いくら2回生とはいえ、うちにもここまで根性モンは、なかなかおらんぞ」

 

 賞賛の言葉を述べつつも、銭塘の手の動きが止むことは無い。

 

「ひがああっ、あがっ、がっ、がっ、ぐぬうううううううっ……」

「言葉にならんぐらい感じてくれとるようだな。よし、ギア上げるんで、イけっ、イっちまえっ!」

 

 まさに『焦らさずイかせる』というのは銭塘の本心だったのだろう。

 その手の動きがさらに荒々しさを増し、太竿をシゴキ上げるスピードが尻上がりとなっていく。

 激しい上下運動の中、数度に1回はずるりとエラを越え、亀頭粘膜までもすべる手のひらの動きは、明らかに意図的なものであった。

 

「ぐが、ぐああああっ、イきますっ、イきますっ、銭塘先輩っ、イきますっ!!」

「コップ出せっ!!」

 

 鐙田の射精宣言に、怒鳴るようにしてコップを要求する銭塘。

 相撲部の2回生がさっと鐙田の逸物前に、半分以上にも汁を湛えたコップを差し出した。

 

「ちょっと下向けるからな。よしっ、イけっ、鐙田っ、俺の手でイけっ!!」

「イきますっ、イきますっ、俺っ、銭塘先輩の手でっ、イきますっ、イきますっ、イくーーーーーーーーー!!!」

 

 盛大な射精であった。

 確かにこの年齢、この体格の若者の1回の射精量としてみれば、若干の少なさは感じられただろう。

 しかし、朝からここまですでに30回もの吐精を果たしてきた今の状況を考えれば、それはまさに驚くべきほどの大量の精液が、そのたっぷりとした2つの金玉の奥で、じっくりと熟成されてきていたのだ。

 

 いよいよ、今日最後の吐精を迎える鐙田の目は濁ることなく、しっかりとラグビー部部長、大畑の姿を捉えている。