男性専科クリニック Part 4

その6

 

その6 野村医師

 

「最初はキス担当、乳首担当、股間担当で順繰りに交代していきましょう。一回りしたら、後は入れ替わり立ち替わりで全身を責めるって感じで」

「俺、最初にキスしたいな」

「じゃあ私は先生のチンポと玉をいじらせてください」

「僕は乳首からですね」

 

 3人のスタート位置が決まる。

 

「さあ、試合の結果なんだ。私の身体を自由にしたまえ」

 

 場面だけを切り取ってみれば3人の男達に囚われた1人の中年の姿なのだが、実質的に場を掌握しているのは野村医師の側だと思えてしまう。

 熱く、静かなオーラが、3人の昂ぶりを更に燃え上がらせる。

 

 気合い、という言葉だと古いのかもしれないが、山崎、西田、田畑の3人の中に灯された火はそれに近いものがあったろう。

 

 拘束された野村医師の頭の側から西田がそっとその頬に両手を添える。上下逆になった顔を重ね、逆位からの口接をするつもりだろう。

 田畑君は横たわった医師の上半身を覆うようにポジションを取り、両の乳首と腹を責める体制となる。

 山崎は大きく開いた医師の両脚の間にのし掛かるように屈み込み、用意してあったローションをたっぷりと手に取った。

 

「野村先生、キスしますよ」

 鷹揚に頷く医師の唇を、逆さまになった西田の顔が覆う。

 唇と唇、舌と舌が触れ合い、唾液が交換される湿った音がかすかに聞こえる。

 薬を十分に吸った野村医師の逸物から、トロトロとした先走りが大量に溢れている。

 

「次は僕かな。先生の乳首、たまんない……」

 舌先を突き出し、鬱蒼と茂る胸毛の中にぶっくりと膨らんだ野村医師の乳首をべろりと舐め上げる田畑。

 

「んんっ……」

 

 甘い呻き声を上げる野村医師は、閉じようとする目を必死に見開き、西田ののど元に鼻先をこすり付けている。

 先端を優しくさすり、薄い色をした乳輪をぐるりと舐め回す。

 その度に律動する医師の肉体のおののきを、抱きついた上半身で思う存分に味わっている。

 

「野村先生……。先生のここ、すごくいやらしい匂いがする……」

 

 山崎の手に握られた逸物は、すでに医師自らの先走りでぐっしょりと濡れそぼっていた。

 金玉をさわさわと揉みながら鬱蒼と茂る肉棒の根元に鼻を押し付け、医師の股間から漂う濃厚な雄臭を堪能する山崎。

 手のひらとあごで挟んだでっぷりとした金玉を押しつぶしながら、そのごろごろとした量感を直に感じ、雄ならではの器官を嗅覚と味覚双方で感じとっていく。

 

「チンポ、しゃぶらせてください」

 

 拘束されているのは野村医師の方であるのだが、なぜか頼む側に回るのは山崎の正直さゆえか。

 

「おっ、おっ、たまらんっ……。玉と亀頭と、同時にやられると、たまらん……」

 

 裏筋を舐め上げ、鈴口の切れ込みに舌先を差し込む。

 そのまま縦方向に舌先を動かせば、深く切れ込んだ割れ目にそって粘膜と粘膜が刺激しあう。

 

「山崎さん、西田さん。先生、体毛すごいのでこういうのも感じられるはずです。手のひらをつかって、肌には触らず、毛の先端だけを撫でるように刺激してみてください」

「こう、かな?」

 

 田畑の指示に、山崎が素直に従う。

 肉感に満ちた医師の太股を、浮かせた手のひらでそっと撫でていく。触れるか触れないか、といったかすかな刺激が、体毛を通じて医師の官能を焼く。

 

「うおおおおっ、感じますっ! それっ、すごいですよっ……」

 

 口接、乳首、股間、そして全身の肌。

 3人が与える快楽は性急な勢いを持ったものではない。

 あくまでじっくりと、野村医師の情欲をとろ火で炙るような、ゆっくりとしたものだ。

 

「すぐにイっちゃもったいないですからね。先生、しばらくひたすら快感を味わってください」

 

「あっ、ああっ……。気持ちいいっ、感じる……」

 

 途中何度も3人の位置を交代しながら、1時間ほどもじっくりとした責めが続いた。

 大声や切羽詰まったものでは無いが、強弱、緩急はあれど、けして途絶えない連続した責めに、小さな呻き声を上げ続ける野村医師の声がかすれていく。

 

「頼む、しごいてくれ……。私のチンポを、誰か、しごいてくれ……」

 

 亀頭を、玉を責められ、肉棒をしゃぶられはするのだが、3人の手も口も、この間けっして肉棒を上下にしごき上げることはなく、医師の先走りの量はいやますばかりだ。

 舌と指、歯までを駆使して責められている乳首は小豆ほどの大きさに腫れ上がり、息を吹きかけられるだけの刺激にすらひくひくとその先端が反応する。

 全身を這い回る唇と手のひらは、玉井医師の薬の作用と相まって、肉体のそのすべての皮膚を敏感な反応を引き起こす場所に変えていた。

 

 医師の小さな呟きに、赤黒く熟れた乳首を舐め、しゃぶり、甘噛みをしていた山崎が答える。

 

「先生、お願いするんなら、ちゃんと言ってくれないと……」

「山崎がそんなふうに言うなんて、珍しいな……。でも、先生、山崎の言うとおりで、俺達にちゃんと言ってくれないと、いつまでも生殺しのままですよ」

 

 山崎が、どこか楽しそうに言うのは、以前田畑看護師とのセッションでちらりと見せた、普段とは違う顔だろう。

 にやりと笑っていた田畑君の顔は、西田からはちょうど見えなかったようだ。

 

「ほら、先生。山崎さんも西田さんもああ言っておられますよ。人にお願いするときは、どういうんでしたっけ?」

 

「ああ、そんなに言われると、もう本当にたまらん……。山崎さん、西田さん、田畑君、お願いです。私のペニスを、私のチンポをしごいてくださいっ……」

 

「先生、よく言えました。じゃあ、お待ちかねのチンポしごき、やりましょう」

 

 股間を嬲っていた田畑看護師が、ローションでぬるぬるになった右手で医師の太棹を握り締める。

 淫行が始まり、初めての圧力を感じた肉棒が、随喜の涙を流す。

 

「では、これはどうかな?」

 

 田畑君がローションのぬめりを生かし、左手で包皮を根元へと引き下げたまま、ずるりと先端までの距離に、右手を滑らせた。

 

「あああああああっ、そ、そんなっ!」

 

 その扱き上げはただの1回のみだった。

 往復すらされず、根元から先端にかけ、じゅるん、と音がするかのような1度だけの素早い動きは、医師の逸物にこれまでに無い快感を与えはしたものの、射精へと到るものでは無い。

 

「しごいてくれっ! これじゃ、これじゃ、ダメだっ、ダメだっ!」

 

 思っていたような、射精へと、快楽の極みへと誘われるはずの刺激を味わえなかった医師の肉棒が、びくびくとその全長を振り立てる。

 

「チンポしごき、とは言いましたが、射精していいなんて、僕達誰も言ってないですよ。ねえ山崎さん、西田さん、そうでしょう?」

「田畑君もSっぽいところあるんだなあ……。でもそれ、おもしろそうだよな。3人でまた、こればっかりやって、先生に感じてもらおうぜ」

「いいですね、それ。ローションたっぷり使って、先っぽの方にだけ向けて1回だけしごく。感じるけど、イけない。すごく楽しそうです」

 

 田畑君の意地の悪い提案に、西田と山崎がすぐに乗ってきた。

 

「あっ、ああっ、そんなっ……。そんなことされたら、イきたくておかしくなってしまう……」

 

「おかしくなっていい、快感をわめき散らしていいって、先生がいつも仰ってることじゃないですか。ねえ、西田、田畑君」

「まったくもって、そうだよなあ。先生、これから1時間ばかり、とにかく感じてくれや。部屋も広いから、どんなにわめいたって大丈夫だよ」

「先生には玉井先生の薬、もう少し吸っといてもらいましょうか。はい、先生、深く吸って……」

 

 田畑君が小瓶を医師の鼻先に近づけ、口を覆う。たまらず息を吸い込もうとする動作に合わせ、瓶の口が鼻下に押し付けられる。

 

「うあっ、あっ、あっ……、また、身体が熱くなる……」

「たまらんでしょう、先生? じゃあ、また3人交代で、チンポしごき、やりますか」

 

「ひぐあっ、ぐあっ、あああっ、ああっ! もっとっ、もっとしごいてくれっ! あ、ダ、ダメだっ! そんなっ、1回だけなんてっ、そんなっ!!!!」

「ひぃ……、イかせて、もっとしごいて、もっとしごいてっ、イかせてください……」

 

 暗黙の了解なのか、1度1度の間に十分な時間を取りながら、1人当たり10回ほどしごいては責め手を交代していく。

 もちろんその間も、口接、乳首、腹、全身を嬲る舌と唇、手のひらの動きは止まることがない。

 

 野村医師を責めることに忙しく、自ら慰めることもないのだが、責め手である3人の逸物もまた、勃起したままたらたらと先走りを流れるままにしていた。

 旅先、尊敬する医師を責める状況、そして玉井医師の薬の効能と、すべてが揃った上での屹立の持続であったのだろう。

 

「あっ、あっ、あっ、イかせてください……。イかせて、イかせて……」

 

 さらに1時間が経過する。

 最初に医師が拘束されてから、2時間もの間、絶え間なく責め続けられた亀頭は限界まで膨らみ、針でも刺せば大きく破裂しそうなほどの充血を見せている。

 もはやどのような責めにも身体をびくびくと震わせることでしか反応出来なくなっていた医師の姿に、3人もそろそろ止めを、と思ったところだった。

 

「先生、どうします? このままイかずに終わって、僕達が先生の上でせんずりしあったりしても楽しいとは思うんですが?」

 

 答えが分かっている質問を田畑看護師が問う。

 

「お願いです。イかせてください……。もう、何されてもいいので、イかせて、イかせてください……」

「まあ、もうかなりのことやっちゃってますから、何していいと言われてもってとこはあるんですけど……。さすがにそろそろ限界かな? 山崎さん、西田さん、そろそろいいですよね?」

 

 2時間責め続けられた野村医師は、もう息も絶え絶え、ぐったりとした様子だった。

 これ以上は事態の進展もあまり見られないだろうとの田畑君の提案に、患者の2人も満足したように返事をする。

 

「さすがにこれだけ責めると先生もへばっちゃってますよね。最後に気持ちよくイってもらって、その後はまた、みんなで楽しみましょう」

「へへ、イくときは、俺、飲ませてもらっていいかな? 先生の、しばらく飲んで無いんだよな」

「西田ばっかり、ずるいぞ。まあ、先生も1度で打ち止めのわけは無いだろうし、上澄み一発は西田に譲るか」

 

 吐精した汁の行く末は勝手に決められてしまったようだが、会話を聞いた医師がこくこくと頷いているのは、とにかく一刻でも早くイきたくてしょうがないのだろう。

 

「じゃあ、股間は西田さんに任せて、僕と山崎さんで乳首と脇とか責めましょう。先生、気持ちよくイってくださいね」

「ああ、頼む……。もう、気が変になりそうなんだ……」

 

 およそ2時間、さんざんに嬲られイかず勃起を強いられた肉棒は、たとえ触れられたのが肩や顔であってすら、その度にその腫れ上がった雁首を上下に揺らすほどの状態となっていた。

 ここでしごかれたらどれほどの快感が生じるのか。

 持ち主であるはずの野村医師ですら想像出来ないほどのものが待ち受けているのだろう。

 

「へへ、俺が今日一番のをいただきますよ、先生。寸止めとかまどろっこしいことしませんので、思いっきり感じてください。山崎に田畑君、そっちから始めて、先生を昂ぶらせてやってくれよ」

「了解です。西田さん」

 

 西田の指示で山崎と田畑看護師が座卓の左右から、さわさわと茂る腹毛を撫であげ始めた。

 

「はっ、はあっ、気持ちいいっ……」

 

「お次は乳首だな」

 

 田畑君と山崎の唇が、医師の両乳首に唇を寄せる。

 

「ひあっ、あっ、乳首っ、乳首いいっ! 乳首、気持ちいいっ!!」

 

 ぷっくりと膨らんだ乳首を、じゅるじゅると落とした唾液とともにもう一度口の中に吸い上げる。

 付け根をそっと指で摘まみ、先端に軽く歯を当てる。

 乳輪と周囲に生えた体毛もろとも、べろべろと舐め上げ、毛が絡む感触すら快感となす。

 

「あっ、ああっ、西田さんっ、しごいてくださいっ! 私のチンポっ、しごいてくださいっ!!」

 

「へへ、最後は俺だ。先生、気持ちよくいっちゃってください」

 

 ローションを垂らした両手を摺り合わせ、ぬるぬるとした大量の液体を指先までもまぶしつける。

 左手で肉棒を握り締め、小指が睾丸を押さえ込む。

 右手はローションを溜めたくぼみを亀頭にかぶせるようにして包み込む。

 

「いきますよ、先生!」

 

 握り締め、血流が逃げ場を失った亀頭を西田の手のひらがずりずりと強烈に摩擦を開始した。

 

「ぐあ、あああああああーーーーーー!!! 変になるっ、亀頭っ、すごいっ! ダメっ! ダメだっ! ダメっ! おかしくなるっ、おかしくなるっ!!!」

 

「こっから本番だ!」

 

 強烈な亀頭責めで医師の身体が浮き上がらんばかりに力が入った瞬間、握り締めていた西田の左手が高速のピストン運動を開始した。

 

「うあ、うあああああーーー!! そんな、そんなされたら、ダメっ、ダメだっ!!」

 

 乳首責め、腹責め、肉棒のしごき上げ、強烈な亀頭責め。

 

 全身に加えられる愛撫、そのもたらす快感に、医師の脳が焼き切れんばかりに反応する。

 反り上がろうとする背筋、刺激を逃そうと腰を引くことの出来ない座卓に押し付けられた尻、身をよじろうにも手足を固定され、それもままならない。

 唯一自由になる口から、廊下にまで聞こえるのではないかと思えるほどのよがり声が上がる。

 

「ああっ、ダメだっ! イくっ、イくっ、イってしまう!!」

 

「イけっ、先生っ! 俺が飲むからっ、イけっ、イけっ!!」

「先生、イってください! 私と田畑君の乳首で、イってください!!」

「先生っ、乳首もチンポも、全部いいでしょ? イって! 先生っ、イって!!」

 

 3人、6本の手が野村医師の全身をいたぶる。そこに加わる唇と舌。

 経験も多く、色事には強いはずの野村医師も、もう限界だった。

 

「イくっ、イくぞっ! イくぞっ、イくーーーーーーーーーーっ!!!」

 

 およそ2時間にも及ぶ責めによって煮え滾り、湧き上がっていた情欲がこのときとばかりに堰を切る。

 全身の筋肉が収縮し、股間から肉棒、その先端へと、粘度の高い白濁した汁を打ち上げた。

 ともなう快感の凄まじさに、喉が枯れんばかりの雄叫びが、広い部屋の天井に響く。

 

 医師の豊満な腹の下、黒い茂みに覆われた股間に西田が顔を埋めていた。

 脈動とともに噴き上がるその濃厚な汁を西田が受け止め、飲み込みたくなる欲望を必死に押さえ口中を満たしていく。

 

 びくつく医師の肉体を押さえつけ、その律動を田畑看護師と山崎の2人がそれぞれに堪能していく。

 生命力の発露とも言えるその噴出は、4人の男達それぞれにとって大いなる満足をもたらしていた。