男性専科クリニック

その3

 

 刺激

 

「私達二人も、よくこれを使ってるんですよ。

 田畑君なんかこれで吸いだしながら動かしてやると、5分ももたないんでイッてしまうんです。この頃では癖になったのか、私にしゃぶられるよりいいって言って、毎日のようにやりたがるんですからね」

 

「先生だって、僕がローションを塗ってあげてるときから先走りまで垂らして、ぎんぎんに勃起させてるじゃないですか。自分でやる方がいいって、スイッチを入れたり切ったりしながら、三十分以上もイかないで楽しむんですからね。

 イきそうになると筒からチンポを引き抜いて、ぼくに金玉をしゃぶらせながら、最後には自分の腹の上にどっぷりと出しちまうんですよ」

 

「そういう君だって、この前なんか私にさんざんしゃぶらせた挙げ句、最後の瞬間にこいつに自分のを突っ込もうとしたんじゃないかね。掃除も大変だし、そんなふざけたまねをするから、わざと突っ込ませてイく寸前に機械を止めてやったがね」

 

「あれはたまらなかったなあ。先生ったら僕がチンポを筒に突っ込んでいるところに後ろから手をまわして、身体中撫で回すんです。

 あっという間にイきそうになるのも当然じゃないですか。ああ、イくっ、そう思った瞬間に電源を抜いちゃったんです。ひどいもんでしょう」

 

「あの後、ちゃんとしごいてイかせてあげただろう。もっともいつもより、だいぶ量が多かったみたいだがね」

 

「そりゃあ先生がぼくのチンポをさんざんじらしてもて遊んだせいでしょう。

 先生ったら勝手にイこうとした罰だってんで、ぼくがイきそうになると手を止めたり、金玉を強く握ったりして、なかなかイかせてくれないんですよ。

 しゃぶられたりしごかれたりで一時間近くもじらされて、最後にはもう気が変になりそうだったんですからね」

 

 二人の話は、これまで男とのセックスなどには露ほども興味のなかった私にも、突き上げるような興奮をもたらした。

 スケベな話とは、まさにこのことだろう。

 

 恰幅のいい太鼓腹の野村医師とむっちりとした筋肉質の田畑君の肉感的な裸体。

 二人がお互いの勃起した肉棒にローションを塗り合い、機械に差し込んでいる姿。

 毛深い野村医師の身体が、逞しい田畑君を後ろから抱き締め、腰を使っている姿。

 野村医師が田畑君の前にしゃがみこみ、そのず太い男根をうまそうにしゃぶりあげている姿。

 じらしにじらされて最大限まで膨れあがった肉棒から、最後のひとかきで盛大に雄汁を噴き上げている田畑君の姿。

 

 二人のそれらの姿を想像するだけで、シリンダーの中の私の肉棒も最大限に膨らんでいたのだ。

 

「あっ、ああ、せ、先生、田畑君、そ、そんなにされると、駄目だ、出る、出てしまう」

「中に出てしまうと困りますから、少し休憩しましょうか。田畑君、動かすのを止めて、機械も少し弱めてくれ」

 三カ月ぶりとなる射精の寸前で急に刺激を奪われた私は、思わず不平のうめきをもらしていた。

 

 

 懇願

 

 野村医師と田畑君が、からかうような、それでもどこか男同士の秘密ですよという笑顔を浮かべながら私の顔をのぞき込む。

 

「この検査は、あくまで勃起するかどうかを調べるもので、射精できるかどうかはまた、別なんですけどね」

「先生、山崎さんのチンポも十分すぎるほどにおっ勃ってますし、機能性勃起不全の可能性はないと見ていいんじゃないですか」

「私達としてはもう十分に結果も出たことですし、ここで止めてもいいんですが、山崎さんの方はどうですかね。イきたいんではないですか。ここまでされたらもう出したくて仕方ないでしょう。どうして欲しいか自分で言ってみてください」

 

 野村医師の言葉に、いったんは手を止めた田畑君が、またもやゆるゆると円筒を動かし、私の肉棒を嬲り始める。

 

 もはや、ただの検査ではないことなど私にも分かりきっていた。

 このまま出さずに終わられてはどうしようもないところにまで昂ぶっていた私は、思わず二人に向かってすがるように嘆願していた。

 

「イ、イかせてください。お願いします」

 

 医師は困惑する私を、さもからかうような口調で続ける。

「まあ、山崎さんがこうまで言ってらっしゃることですし、イかせてあげましょうか。ここから先は、本来の検査とはちょっと違ってきてしまいますがね」

 

 野村医師の言葉にイかせてもらえることが分かってホッとしたのも束の間、二人がさらに刺激的なことを言い出した。

 

「ただし、このままイっちゃうと掃除に困ってしまいますから、イくときはちゃんと言ってくださいね。私の口で思いっきりしゃぶりあげてあげますから」

 

 驚くような野村医師の言葉に、すぐさま田畑君の言い返す。

 

「そんなあ、先生。ぼくの方は山崎さんのチンポ、大きくなったのは触ってもいないんですよ。やっとしゃぶらせてもらえると思ってたのに。ま、仕方ないか。山崎さんって、先生のもろタイプですからね。次のときは僕にやらせてくださいよ」

「ああ、わかった、わかった。次回は君にまかせるよ。

 では山崎さん、始めましょうか。イきそうになったら私にすべてまかせてください。

 山崎さんは田畑君のに負けず劣らずデカイのを持ってらっしゃるから、しゃぶりがいもありそうだし。

 そうそう、山崎さんも私達の股間を見て興奮されてるみたいだし、西田さんのを握ったときも気持ちよかったでしょう。

 私達も脱ぎますから、こちらの方もよろしくお願いしますよ」

 

 その言葉が終わらないうちに、二人とも私の目の前で白衣の上下を脱ぎすて、逞しい裸体を見せつけてきた。

 

 野村医師の色白の肌には、もっさりとした剛毛が腕やすねはもちろんのこと、豊かな胸からでっぷりと突き出した腹、下腹部へと続いている。ふてぶてしくおっ勃っている肉棒は、張りのある亀頭が赤銅色にぬめり、むせかえるような強烈な雄の臭いを発していた。

 

 田畑君の方はといえば野村医師に比べ体毛は薄いものの、日焼けした滑らかな肌が年齢を物語っていた。柔道でもやっていたのか鍛えた筋肉の上に年相応の脂肪がのりはじめ、こちらも成熟した雄だけが持つ色香をただよわせている。

 勃ちあがった太い肉棒も色見は野村医師にはかなわないものの、雁高の思わずしゃぶりつきたくなるような立派なものだった。

 先ほどからの刺激に興奮させられたのか、膨れあがった亀頭の先端から床まで届くほどの先走りを垂らしていた。

 

 

 効果

 

 再び、機械のスイッチが強められ、田畑君の手が上下に動き始めた。

 全身のうぶ毛が総毛だつような快感は、今更なんの遠慮もいらなくなった二人の前で、私によりいっそうの大胆なよがり声をあげさせはじめた。

 

「ああ、田畑君、もっと、もっとやってくれ。感じる、感じるよ、あっ、いい、いいよ」

 

 いつの間にか田畑君も位置を変え、二人の勃起が私が手を伸ばしやすいような位置にきていた。

 私が矢も楯もたまらず二人の勃起を両手に握りしめると、野村医師がローションを私の手の上から二人の勃起に垂らす。

 二人の肉棒の各々違う握り心地とぬるぬるとしたすべりのいやらしさに、私は自分でもこれでもかと思うような力で二人の勃起をしごき始めた。

 

「山崎さん、そんなに強くやられると、すぐにイッてしまいます。も、もう少しゆっくり、ゆっくりやってください」

「ああっ、先生、田畑君、私もイきそうです、もう、もう駄目だ、どうにかしてくれ」

「や、山崎さん、田畑君、三人で一緒に、一緒にイくよ。いいかね、一緒だよ」

 

 三人の喘ぎ声が、更にお互いを興奮させる。

 私が限界に近付いたのを察したのか、田畑君が円筒を抜き捨てた。野村医師が私の勃起した肉棒にむしゃぶりつき、ぬるついた手でしごきあげる。

 今まで円筒を動かしていた田畑君の手が私の陰嚢を揉みしだき、右手は私の乳首をつまむと、くりくりと刺激を加えてきた。

 

 金玉をやわやわと揉みあげる手のひら、乳首をなでさする指。そして機械とは明らかに違う刺激で、熱くぬめぬめと私の肉棒をしゃぶりあげる舌。三ヶ所を同時に責められ、私はついに絶頂を迎えた。

 

「あっ、ああっ、イくよ、イくよっ、二人とも一緒に、一緒にイッてくれっ、イくぞっ、イくっ、ああっ、イくっ!」

 

 あまりの快感に私は腰を何度も突き上げ、野村医師の喉の奥深く、三カ月間溜りに溜った男の欲望を吐きだした。

 射精の快感にぎゅっと握りしめてしまった刺激のせいか、二人もがくがくと全身を震わせ私の手の中で激しくイっていた。

 強い栗の花の臭いが部屋中にたちこめる。私のいつまでも続く射精を、野村医師は一滴もこぼさず、ぐびりぐびりと飲み込んでいた。

 

 

「今回の治療はいい結果が出ましたね。しばらく通院してもらうことになります。血流の改善薬と漢方薬を出しておきますので、次は二週間後に来てください」

 

 別れの挨拶にと、私の身体を野村医師がぎゅっと抱き締めた。

 首筋への暖かい吐息と、耳たぶを舐め回すねっとりとした医師の舌の感触に、私の肉棒はむくりと回復するきざしすら感じていた。