明友大学ラグビー部

鐙田一心のとある一日

その3

 

08:00

 

 ラグビー部寮僕、鐙田一心、2回生。

 176センチ、94キロの肉体は、スポーツ選手一般と見ても恵まれた体格であるだろう。鍛えられた筋肉の上にむっちりと乗った脂肪は、誰が見ても「いいカラダをしてる」といった印象を植え付ける。

 

 他の部には珍しく2回生の寮僕としてこの食堂兼大会議室の一隅に用意された空間は、本人が縛られた椅子、簡易ベッド、様々な責め具を置いた長机と、見事に準備されていた。

 

「毎月持ち回りの寮僕企画、今週は我がラグビーが仕切らせてもらう。

 通常の日曜日は各部ともに寮僕が『使えない』『働けない』せいで、ある意味せんずりデーになるわけだよな。

 だが合同寮内の5つの部の内部協議で、月に一度、5人の寮僕から1人だけ選出して、部の垣根を越えて色々と『試す』ことが出来るってのが今日なわけだ。

 梅雨時というのもあって、今日は寮外に遠征に出ているところも無い。

 うちの寮僕を全寮生で、色々と楽しんでくれと思ってる」

 

 椅子に座らされた寮僕の横に立つラグビー部部長、大畑一也(おこばかずや)の話しに、柔道部の部長が質問を返す。

 そこにはまだ入寮して間もない1回生達に、意図的にこのイベントの趣旨や目的を聞かせるという狙いもあるようだ。

 

「今日はどんな感じで行くんだ? 先月はうちんとこのを使ってもらって、ひたすらしゃぶりマラソンさせたが、けっこう良かっただろ、あれ?」

「ああ、この前のは凄かったな。剣道部が遠征でごそっといなかったとはいえ、残りの寮生でも100人以上はいたわけで、俺も含めてそいつらほとんどが、時間内に3発ぐらい飲ませてたよな」

「もっともみんな優しいから、自分でシゴいてイくときだけ咥えさせてやるって奴も多かったので、最後までうちのも保ってくれてたぜ。なあ、繁根木(はねぎ)、先月のイベント、お前も相当『良かった』んじゃないか?」

 

 突然話を振られた柔道部1回生の寮僕、繁根木利勝(はねぎとしかつ)がおどおどと答える。

 

「あ、はい、皆さんの飲ませてもらって俺も興奮したんですが、昼からはもうずっと、腹から飲ませてもらった精液上がってきそうになってて……。げっぷのたびに、雄汁の匂いと味が蘇って、もうすごかったっス……。

 俺自身も色んなチンポしゃぶらせてもらっててずっとおっ勃ってたんですが、昼間は一度もイかせてもらえなかったのはツラかったッスね。

 夜に寮僕仲間でしゃぶり合ってイかせてもらったのが、すげえ気持ちよかったッス」

 

 日曜日だけは5つの部の寮僕が集まって、お互いを慰め合うことが許されている。

 特に月1のイベントの後は、自らの置かれている状況を分かり合える同志として、互いにひたすらな快楽をもたらしているのだろう。

 

「それもまあ、寮僕に対しての福利厚生って奴だな。で、大畑(おこば)。今日はどんなテーマでやるんだ?」

 

 アメフト部の部長、廻江公和(まいのえきみかず)が説明する大畑に訊ねる。

 

「ああ、寮僕ってどこも日頃は俺達の性処理ばかりやらせてて、本人は金玉の底からぶっ放す機会があんまり無いよな。

 で、今日はその御礼も兼ねて、うちの寮僕に寮生全員で、何度でも何十回でもイかせてやろうってことにしたいと思ってる」

 

 普段は他の部員をイかせることに専念している寮僕に、思う存分射精を堪能させようというのだろうか。

 廻江がそのゴツい肉体を揺すりながら、からかうような声でさらに訊ねた。

 

「おお、それって普段は人の射精ばかりさせてる寮僕に、たっぷり連続射精させるってわけか。ただまあそれでも皆、自分のチンポもシゴいちまうし、出したいってなると思うぜ?」

「ああ、もちろんイきたくなったら飲ませるのもぶっかけるのも自由だ。何度もイかせる分、その分のエネルギーも補充してやらんといかんしな。うちの奴がイくときにもコップに出させておいて、溜まったら適当にそれも飲ませようかと思ってる」

「かー、えげつねえって言うか、今日のも楽しめそうだな。ただ、連続射精っつったって、本人が溜まってなきゃ、ショボい感じに終わっちまうんじゃないか?」

「そこは心配ない。この1週間は、俺達のを処理させるのは当たり前にやってきたが、本人のチンポはひたすら念入りにいじってやりながら、1回もイかせて無いからな。もともとこいつも一日に10発近くは軽くぶっ放してた奴だ。それこそ、2、30発は楽勝なぐらい、溜め込んでるはずだぜ」

 

 さも寮僕への温情のような話しにしつつも、そこには寮僕側の都合は一切反映されなさそうだ。

 あくまでそこには、寮僕をさらし者にすることで自らの性的な嗜虐心を満たそうとするもの達の横暴な思いがあるだけであろう。

 

「一応のルールを決めておこう。

 まずお前らのゴツい手で一日中シゴき続けたら、さすがにこいつのチンポも傷モンになっちまう。チンポも金玉も、刺激するときはローションたっぷり使ってやってくれ。

 一応、うちの部としてはローションはタンク単位で用意してるんで自由に使ってもらって構わねえし、なんなら色んな道具持ってきてもらってもいいんで、そこらへんは色々と試してやってくれよな」

 

 大畑の話を神妙に頭を垂れて聞いているのは、今日の生け贄となる寮僕の鐙田ぐらいであった。

 食堂に集まった100名を超す猛者達に取っては、己の逸物を奮い立たせるエロ話に過ぎないのだろう。皆の手はそれぞれの股間や乳首へと伸び、中にはすでに下着から引き出したそれをゆっくりとシゴき始めてるものさえいるのだ。

 室温に蒸された体臭と股間から立ち上る性臭が、じくじくとした梅雨の湿度とともに男達だけの空間を浸蝕していく。

 

「2回生の寮僕だ。下のモンの中にはしゃぶりたいって思う奴もいるかもだし、雄汁は口に出させたり、そのまま飲んじまってもいいのか? それにこっちは手と口だけじゃなくて、お前らが用意した奴とか、手持ちのオナホとかも使ってもいいんだよな?」

「ああ、こいつの汁をコップに溜めとくっても『出来る限り』で構わんさ。あくまでもこいつに『思う存分、イってもらう』方が今日の趣旨だからな」

 

 ニヤニヤと笑いながら答える大畑のケツ割れもまた、洗濯を繰り返しくったりとなった前袋をあり得ないほどの巨大な膨らみで盛り上げている。

 同性同士の肉体接触に何ら嫌悪感を持たなくなっている男達にとり、もはやその光景そのものが『そそる』ものとなっていることは違いない。

 

「あ、最後に1つ。今日のこのイベントは、夜の7時、夕食開始の時間までとする。今から11時間だな。

 そして、長丁場になるんで今日はケツは無しだ。朝から浣腸して洗わせちゃあいるが、保って午後までだろうからな」

 

「俺、掘られてる奴が匂いが漏れて恥ずかしがるとか、それはそれでそそるんだがなあ」

 

 からかうような口調で声をかけたのは柔道部主将の丹生宮博。

 確かに100キロを軽く越えるそのバルクから繰り出される強烈な腰の動きには、多少の『汚れ』など関係しなさそうだ。

 

「まあ、そう言うな、丹生宮。匂いだけでもダメって奴も多いし、皆が皆、お前みたいな臭っせえ匂いに興奮する変態じゃねえんだよ」

「へっ、合同イベントのたびにそのでっけえチンポでケツガンガン突きまくって、他の部の寮僕壊しちまいそうになるドSのお前が言うんじゃねえよ」

「俺は同じ部の連中には優しいんだよ。鐙田も、もうトコロテン出来るまでじっくり掘り倒してやってんだぜ。なあ、一心。俺のチンポみっしり入れられて、お前も気持ちいいんだよな?」

「あ、はい……。最初はこんなの入るワケ無いって思ってたんですが、だんだん馴染んでくると、もう入れられただけで俺、とろとろ漏らしそうになっちまって……」

「まったくお熱いこったぜ。おら、とっとと始めろよ」

 

 部長や主将、それと同じ学年のもの達にとっては、軽口の押収、からかいのやり取りでしか無いのだが、大半の1、2回生にとってはまったく口が挟めない内容である。

 途中で話しを振られた鐙田にとっても、思い出すだけで興奮してしまうエピソードが、すでにこの2ヶ月でけっこうなものとなっているようだ。

 

「一番最初はさすがに下の連中には手が出しづらいだろう。

 まずはうちの去年の寮僕にしゃぶらせて、その後は各部の寮僕がモテるテクニックでどんどんイかせてやってくれ。5回も出しゃ、周りの連中の気分もノってくんだろ。あとはもう、こいつの汁が枯れ果てるまでの射精大会だ。

 舞尾、お前のテクで、鐙田をイかせてやってくれ」

 

 大畑の紹介で前に進み出たのは、鐙田の前任者、3月までのラグビー部寮僕、舞尾三礼(もうのさんらい)だ。

 182センチ、116キロという鍛えられた体躯は、寮内の重量級の男達の中でも目立つ方だろう。

 

「ああ、分かった……。俺も4月まではあいつの立場だったんだ。気持ちよく、イかせてやるよ」

 

 舞尾の巨体が、椅子に縛られた鐙田の前にひざまずく。

 奉仕の姿勢だ。

 

 4月まで寮僕として部員の性処理にあたっていた舞尾。その堂々たる肉体は同部の部長である大畑にもひけを取らず、そのプレイでの当たりの強さ、判断力の正確さは、他大学、別学年のもの達からも賞賛を浴びている。

 ラクビー部以外の寮僕選出にあっては『正選手たるには実力が伴わないもの』という、どこか暗黙の了解があるのだが、伝統的に2回生寮僕を選んできた同部にとっては、あくまでも『部全体への忠誠心・奉仕心』を選出の基準としていることが明確になる男だった。

 

「なんたって、俺が大畑と一緒になって、一心には寮僕になることを説得したんだ。

 引き受けてくれたことに感謝してるし、俺は一心がこの役目を立派にやり遂げてくれると信じてる。俺のテク、しっかり味わって、気持ちよくイケよ、一心」

「舞尾先輩っ! ありがとうございますっ! 俺、先輩の話聞いて、この役目引き受けて、良かったと思ってます。よろしくお願いしますっ!!」

 

 入部が確定した新入生に寮僕としての役目を割り振る他の部との違いが、ラグビー部の2回生寮僕には甚だ顕著なこととなる。

 そこには「新年度前から対象となるものを選定」し、かつ「およそ3ヶ月にわたっての『引き継ぎ』時間が確保出来る」という2点の影響が大きかった。

 

 もちろんラグビー部以外の部活にあっても、入学入部したての1回生とはいえ、大半が前年の秋口には進学先、入部先を決めた推薦生やスカウトによるものが多く、既存部員との顔繋ぎも一定は出来ているのだが、それでもすでに部員として過ごした経験の蓄積に敵うものではない。

 今年度の寮僕、鐙田一心もまた今年の正月明けには部長の大畑と当時の寮僕舞尾からの説得を受け、2週間も経たないうちにその意思を固めたのだ。

 そこから3月にかけて、舞尾の寮僕としての様々な技術、役目の内容について『指導』を受けながら、部内一の巨根である大畑の逸物を上下で受け入れることが出来るまでを一つの目標として、実質的な『鍛錬』が重ねられてきたのだ。

 

 亀頭責め、竿扱きのやり方。金玉を揉む際の圧力の調整と皮膚表面の愛撫方法。舌と唇、口蓋を使った尺八の上級テクニック。かなりの大きさの逸物を喉奥まで咥え込み、いかにその射精液を嘔吐かず、漏らさずに飲み込むかの方法。グリセリン浣腸、シャワー浣腸での洗浄、ローションを使った括約筋と直腸の解し方。

 

 およそ2ヶ月半にわたる舞尾の『指導』は、他の部の1回生寮僕にはたどり着けない境地にまで、寮僕が寮僕たるその技術技量と心構えを、鐙田の心身に植え付けたのである。

 

「しゃぶるぞ」

「うっスっ! 舞尾先輩っ、お願いしますっ!!」

 

 舞尾のグローブほどにも見紛う大きな右手が、みっしりと鐙田の肉棒を握りしめる。

 その刺激にとろりと糸を引いたのは、鐙田の先端から漏れ出した我慢汁だった。

 その流れをすくい取るように舞尾の舌が裏筋を舐め上げ、そのままプラムのように腫れ上がった先端を含む。

 

「あっ、あっ、気持ちいいっス! 舞尾先輩の尺八っ、いいっス、気持ちいいっス!!」

 

 途端に鐙田の屈強な身体が前屈みになり、野太いあえぎ声が上がり始める。

 

「さすがにすげえテクだな。前後に動かしてるようには見えねえけど、あいつの口ん中、すげえことになってんだろ?」

「舞尾のフェラテク、すげえぜ。何やられてるか分かんねえうちにイっちまうんだ、あれ」

 

 周囲の男達から感嘆の声が上がる。

 答えるのは同じラグビー部員だろう。昨年1年間の舞尾の寮僕としての性処理を堪能してきた世代であるに違いない。

 見ているだけで男達の興奮を誘うその手と口の動きは、かすかな水音と鐙田の喉からの絞り出すような呻き声がBGMとなっている。

 握り込んだ睾丸が揉み上げられ、その付け根から雁首までを握った右手が上下のシゴきを開始する。

 

「おおっ、すげっ、すげっ!! 俺っ、そんなされたらっ、もうっ、もうっ、イっちまいますっ!!」

 

 しゃがんだ舞尾に同じラグビー部の下級生から、ガラスのコップが渡される。

 大畑が言っていた「精液を溜めて飲ませる」ためのものだろう。

 舞尾の右手の動きが早さを増し、うっすらと髭に覆われた頬がぐぷぐぷと蠢く。

 左手で揉み込まれていた鐙田の睾丸が、ぐいと下腹部に引き上げられる動きを見せた。

 絶頂が近い。

 

「イきますっ、舞尾センパイっ、俺っ、俺っ、イきますっ、イくっ、イくっ!!」

 

 それまで太竿を咥え込んでいた舞尾の口がさっと離れ、代わりにコップが斜めにその幹の方向に用意される。

 下向きに鐙田の肉棒が、圧力に反発するかのようにぶしゅぶしゅと大量の白濁液をガラスへとぶつけていく。

 

「あっ、出るっ、俺の汁が、出てるっ、と、止まんねえっ……」

 

 どぷどぷと、音がするような射精だった。

 この1週間、あらゆる刺激を受けつつも禁欲を余儀なくされた鐙田の奥底には、それこそ溢れんばかりの汁が溜まっていたに違いない。

 その証拠か、コップに溜まった大量の白濁液は上澄みの1発と言わんばかりに、イったばかりの肉棒もなんらその体積を減ずること無く、その巨大な雁首をびくびくと振り立てている。

 

「おおー、溜めてただけあって、すげえ量出たな」

 

 舞尾がみなの前に鐙田の雄汁を受け止めたコップをかざす。

 べっとりとコップの側面にその粘度の高い痕跡を残しながら、どろりとした液体は5ミリほどの高さにガラスの底を埋めている。

 

「こりゃ、10発も出しゃ、コップ半分以上イきそうだな」

「とりあえずは寮僕にやらせて、5回分で飲ませてみるか」

 

 それぞれが勝手な台詞を吐く中、部長達に促された各部の寮僕が鐙田の前に立つ。

 ここからは1回生の寮僕が、まずは最初のシゴき相手となるのだった。

 

「おお、もう始めてたか。風呂に入らんと砂まみれになるんで、遅くなって済まんな」

 

 そのとき、食堂にどやどやと大男達が現れた。

 5時から始まる朝練を終え、風呂も使ってきた相撲部一同が顔を出したのだ。