金色の贄

設定

世界観など

 

金色の贄設定資料(世界観など)

 

●獣人類の誕生

 

8000年ほど前に旧人類と他の獣族との遺伝子交配が進められる。

遺伝子本体はヒト(一次ベース)、付加遺伝子として陸生ほ乳類(二次ベース)の遺伝子を単数もしくは複数挿入される(以下、二次ベースの遺伝子提供獣類を「ベース」と表記)。

 

当時の人類の地球外進出への前段階として、人類全体の体質強化お軍事利用を目的とした改造計画であったと推測される。

そのため既存兵器の継続運用を前提として旧人類と同じく前脚(手指)にての武器の携帯使用、すでに製造されていた各種起動車両への適応を考え、水平移動は直立二足歩行を基本として設計される。

また二足歩行による身体バランス獲得のための必要低下及び衣類品の特別な仕立てを回避するため、元となった生物体中の尾部尾骨の矮小化、身体前面の体毛の減毛化が遺伝子デザインされ、雌雄ともに乳首や外性器の露出は旧人類と同様に見られる。

そのため頭部外形及び腹部を除く体毛はベース獣類の特徴を残しつつ、全体のシルエットはかつての人類と同型を保っている。

 

計画当初には水陸空圏における軍事任務遂行目的のため、鳥類、水生哺乳類遺伝子の取り込みも研究されたようだが、結果として陸生哺乳類のみが成功を見る。

当時の遺伝子工学技術は人工受精や人工子宮等の下位技術を除き、継承されていない。

 

現在ではすべてのヒト=「獣人類」(旧時代における「人類」と対応するが)の遺伝子配列の中に各種族の発現遺伝子は内包されており、いわゆる人族の両親からも獣人は生まれてくる。

同種族同士の交配から生まれる次世代子については親世代と同種となる確率は他種族間との交配に比べ僅かに高くなるが、これはファーストスイッチ遺伝子の配列上の「近さ」のみが誘因となっており、ある血統において同一種族が何世代か続いたからといって、その種族を規定する遺伝子が「濃く」なるわけではない。

生年後は各種族毎の雌雄別教育機関での養育となるため、どの生体においても世代間による「家族」「親子」の概念は乏しい。

旧時代の家族の概念に近いものとしては各個人間の契約による「生活パートナー」「性的パートナー」が存在しているが、主に生活空間のシェアや社会保障の効率化を目的としており、性別や年齢での制約等は発生しない。

ただし近親交配を避けうるためにデータベースには生物学的な親世代についての記録が蓄積されている。

各種族内における教育機関において一般的な教育内容(異種族間で共通)の他に、種族特性やその種族ならではの特徴特技を捉えた教育もなされている。

生物種としての原型である動物も並列生存しているが、知能体格ともに人獣族とは一線を画し、獣人の側においても種族のトーテムとしてその存在を立てはするが、意志の疎通が出来るなどということは無い。

各種族形態の発現にあたってはそれぞれのオープナー遺伝子は排他的に働き、いわゆるヒト以外の動物種間のキメイラとしての発生は無く、あくまでも当時の科学力にて取り込まれた種族のみが単一外形として発現しうる。

現在確認されている発現種族は5種となり、人族と合わせ6種族が混在している。

 

 

 

●獣人類の種族

 

獣人類

旧「人類」と同じくすべての族を含んだ生物種としての存在、ホモ・サピエンス・アニマルス

 

6種族

旧人類の「人種」に近いが親世代からの直接の遺伝発現では無い

 

 獅子族

 犬族

 猿族

 猪族

 熊族

 人族

 

種族ごとの発生率はほぼ確定しており、人族と猪族が最多、犬族、猿族、熊族と続き、獅子族についてはその発生は非常に稀であり、以下に述べる種族特性とも相まって、生存情報についてはそれぞれの地域での機密情報扱いになっているところも存在している。

 

 

 

●6種族の発生頻度

 

全球人口 800000000

21世紀の地球人口のほぼ1/10

 

獣人類中、獅子族発生数を1とした場合の各種族のおおよその平均発生数。

 

人族  1000000

猪族   950000

犬族   700000

猿族   250000

熊族     6000

獅子族       1

 

全球的に見て獅子族は300個体ほどしか同時代的には存在し得ない。

この発生率を司る形態発現遺伝子についての操作技術は、数千年前より失われてしまっている。

 

 

 

●各族におけるベース動物との差異

 

どの種族においても遺伝情報の根本的なベースはヒトであり、ヒトとしての心身に原動物の能力が付加されていると考えてよい。

哲学的思考、知能、直立二足歩行等のヒトと原動物を区別化すると思われていたものについて、現在の人族と他の獣人族との間にはなんら差異は見られず。

知的レベルに種族間の差異は見られないが、基盤となる種族特性に応じた得意不得意分野は存在する。

当初期待された兵団における任務分担能のために、身長、重量、膂力の差は族として生じている。

 

 

 

●獣人類の身体状況(全般)

 

全球の歴史において遠い過去に非常に高度なナノテクノロジーを応用した機械文明を経験しており、現在の獣人類の体内には元々のヒト・獣由来でない自己再生産機能のある人造有機細胞(生体微少細胞様装置=ナノデバイスが高度進化し元生物由来の細胞と併存している)が大量に取り込まれている。

原性細胞内には萌芽前状態で折りたたまれたRNAとして存在し、受精後の細胞分裂開始時より萌芽、他の体細胞と同様のスピードで成長に荷担する。

成長時においては旧人類に比して筋力・骨量の増加、病原性細菌・ウイルス・原虫等への抵抗力を増し、物理的障壁としての皮膚・体毛の強性変化を促進する。成年到達時には新陳代謝の恒常性維持に大きく影響を与え、高低温、気圧変動、低酸素状態等への対応力を向上させる。

血液中及び各種腺よりの分泌物中には神経細胞を含めた各細胞の活性化を促す人口細胞が存在し、外傷や火傷等への修復力の大幅な強化が見られる。

またこの作用は該当細胞がいったん体外に出てもその能力を失わず、外傷や火傷部位への唾液塗布により治癒効果を発する。特に犬族の中にはその唾液にて他者を含む非常に高い外傷治癒能力を有するものが発生しうる。

これらは獣人類の作出当時は集団戦闘での所属特性を生かした任務分担能とともに宇宙空間での単独行動時における身体能力の賦活化が目的とされた機能であったが、作中現在ではその目的は忘れ去られている。

 

外気温への対応力向上、皮膚のバリア機能高度化に伴い、衣服の着用率、体表の衣類における覆面積は旧人類生存時代よりも極端に矮小化している。人族以外の獣人族は体毛による保護機能強化もあり長大な陰茎・巨大な陰嚢の揺れを固定するためのクロネコ様褌のみ、人族においても半袖のチェニックと巻スカート式の膝上丈のキルト状クロスを身に着けていることがほとんどである。人族のキルトについては外性器部分が重ね合わせの仕立てとなっており、排泄、性器結合時にも着用したままで用を足せる。実際には性器結合時には直接の肌接触を好む個体が多く、脱衣しての行為が大半となる。

人族においては屋外においてのサンダル様の足底部の保護具の利用は見られるが、他の獣人族においては足裏部の感覚器(肉球等)の感度保全及び発汗促進のため、裸足での活動が常態となっている。

 

 

 

●獣人類における生殖について

 

生殖については当初から自然交配による作出の維持が目的とされたため、族が異なっていても性交に使用される外性器については大きさを除きヒトの性器形態からの大きな逸脱は無く、雄雌双方とも他種族との交配妊娠出産は当初より現在までにおいて可能である。

しかしながら性交そのものは異種族間で可能ではあるが、実際には体長・陰茎長及び重量差が種族間で大きく、獣人族出現当初より、ほとんどの妊娠が人工授精によるものとなってきている。

このことにより結果的に体格の違う異種族間での性交についての問題が表面化することは無かったが、おそらく人工的な生殖方法の導入がなされた背景には、獣人作出時点において当時の人類の繁殖そのものが人工受精からの人工子宮による体外妊娠の形態を取っていたことが大きく影響していると思われる。

そのため、従来の同種族間の中でさえ雄雌間の性交そのものが生殖のための目的化されえず、かつ、どの種族においても成年に達する以前より雄雌の環境を分けての生育が一般的なため、同性間の性的接触はごく普通のこととして受け止められている。

 

妊娠にあたっては現在では人工子宮での体外妊娠の選択はほとんど行われなくなっており、人工受精後に母体での自然分娩が出産のほとんどを占める。

妊娠中は母子間の種族相違の際の母胎内での拒絶反応鈍化のため、胎児期間中は体表毛の発生は少なく、生後数ヶ月の時点より種族ごとの体毛体表特徴が表出する。

出産についてはかつての人類は他の野生動物に比べ、多大な出血、疼痛、陣痛発生より出産までの長時間化等の母体への負担の大きさが特徴とされてきたが、獣遺伝子の混入に伴い母体内胎児の成長は抑えられ、平均出生時体重も純粋なヒト族だった時代よりも遥かに軽くなっている。そのため一般的な出産に関しての雌性個体の負担は少なくなっている。

種族確定にはDNA型の採取検査にて行われるが、通常は身体各部比率及び頭形にての弁別が可能である。

 

生殖に利用される外性器については人族以外の種族においては陰茎骨の名残が見られる。

性交時間、精液射出量もどの種族においても獣遺伝子混入以前のヒト族よりも長く、大量にと変化している。取り分け大型種である猪族、獅子族、熊族においては最長数時間にも及ぶ性器結合が可能であり、雄性個体においてはその間に複数回の射精を行いながらの長時間に渡る勃起が継続される。射出精液量も一度の射精で200mlを越える個体も確認されている。

 

元来、体長と雄性性器である陰茎長の比率はボノボや一部のアシカ類を除き、ヒトは他の種に比べ陰茎長の占める割合が高かった。それゆえに獣人族と対応する原動物との比較においても、獣人族の陰茎長は体長と比較したときに非常に大きな割合を占めるものとなっている。

小型(中型)種である、人、犬、猿族においてはほぼ陰茎長の差は無く、弛緩時平均15cm、勃起時平均24cmであるが個体差も大きい。

大型種である、猪、獅子、熊族においては有意の差が見られ、勃起時の平均が獅子族32cm、猪族34cm、熊族38cmとなっている。

熊族の個体の中で平均以上の長大な陰茎を持つものは同種族の雌との膣性交、もしくは他種族の雄との肛門性交でしか陰茎全長を納めての性的結合は難しく、雌雄分離体制下における生育環境圧の影響もあり、熊族雄性個体のほとんどは同種族他種族問わず、雄性個体を性的パートナーとして認識する。

また獅子族については発生個体が極端に少なく、地域によっては種族ペアリングがまったく行えないため、必然的に他種族を性的パートナーとすることが多い。

雌性個体については獣遺伝子のヒト遺伝子への挿入に伴い、それまで体外への出血が見られていた生理現象について、子宮内膜の体内再吸収化が促進され、人族を含むすべての人獣族において月経出血は見られなくなっている。

人工受精が普遍化されているため、雌性個体よりの卵子の抽出に当たっては、ホルモンバランスの変化及び生体成長の過程において初回月経以降、卵原細胞の一定数の摘出が行われる。

雄性個体においてはどの種族の雄性個体も精液の中央政府への供出義務が発生するが、供出頻度は地域及び同種族内の雄性個体の人数に左右される。取り分け発生比率の少ない獅子族においては週5回以上の提出が基本とされている。

 

 

 

●獣人類の性差について

 

旧人類から現生の獣人類への移譲により、かつて人類に見られたような体格、体脂肪率、体筋肉率等の両性差はほぼ見られなくなっている。

体脂肪率の雌雄平均化及び出生乳児の授乳期間の短縮化(長くても3ヶ月程度で離乳する)により、雌性個体における乳房の発達は抑制されてきており、雌雄個体ともに強筋の強発達が観測される。

生活史においての職業的分配もほぼ平均化しており、産業毎の関与性係数にも差は見られない。

唯一雄性個体がその構成の大部分を占める軍部においては、各個体の肉体・精神ポテンシャルの賦活化における体液(血液を除く)交換において、雄性個体の陰茎よりの精液射出、肛門もしくは口腔粘膜による直接摂取が雌性個体よりも簡便に行えることが第一義の理由である。

同一種族内での同体重の雌雄個体における筋力の差は若干雄性個体の方が高い数値を示すが、旧人類に見られたものに比べると非常に小さい差となっている。

 

 

 

●個体名について

 

家族、家系という概念が希薄なものとなっており、また個別個体識別は体内デバイスによる認証が標準化されているため、個体名の系統的付与はなされていない状態であり、姓名の区別も存在しない。

出産そのものは雌性個体から行われることが多数であり、いったんは母親よりの名付けは行われるが、その後の教育期間内にて本人の自由意志による選択が行われるため、その後の個体名の幼名との一致率は低い。

種族毎、地域毎に好まれる個体名形式は存在しており、いわゆる「流行」も観測される。

家系概念は薄いものの、直系に自らが尊敬する個体が存在した場合、自らの個体名に対象個体名を反映することも多い。

 

 

 

●歴史

 

一億年以上前にはすでに人類全体に体内で再生産可能な人工細胞(ナノデバイス)がすでに行き渡っていた

8000年ほど前に獣人族が作出され、この時点において旧人類も人工授精よりの養育システムが確立しており、その後400年ほどの間にすべての人類に獣遺伝子が封入される。

獣人発生システムの開発契機については当時、宇宙開発にあたっての外的侵襲に備えてのものだったとの伝承がある。

この間に雌雄別の育成システムも確立したかと思われる。

6000年ほど前、全球的規模での大規模な文明破壊(おそらくは核戦争)が見られ、最先端科学的文化的遺産の途絶が起こる。

この時期の種族的記憶により大量破壊兵器、光学兵器、遠距離破壊兵器へのアプローチには全球的な禁忌が発生。全人類(全獣人類)の個体識別を任務とする6台の量子コンピューターが破壊を免れる。

4200年ほど前、戦後復興の中で各地の豪族(熊族、人族中心か?)が土地確保を目的とした覇権収奪戦争参加。人員兵力による戦乱が続く。

獅子族の存在が戦況を左右する事態を引き起こすこともあり、各地で獅子族狩り、幽閉、強制性交などが横行する。

4000年ほど前、ガイシアン大陸南西部において、大陸面積の6分の1程に影響を及ぼした大規模な地震が発生。発生した津波で全球の低地は壊滅的な被害を受ける。

2500年ほど前、全球会談。暦の再統一(AS暦元年)、貨幣為替の再発生。

2000年ほど前(AS暦500年前後か)、量子コンピューター(稼働5台)の解読により紛争解決の模擬戦争システムの構築。チェス盤上の闘争。

SOT(The Struggle on the Table.)発動。

戦争による死者負傷者及び土地の荒廃は行われなくなっており、国家運営に多大な「痛み」を伴わないため逆に「終戦」の概念も失われる。記録文化の停滞と復興。

 

AS 897年 イシアン王国によるガイシアン大陸統一 イシアン国はガイシアン王国へ 全球国家数 146

AS1265年 獅子族の乱 マリザリ国内における獅子族を中心とした物理的(実戦闘)反乱 周辺諸国による武力鎮圧(人・犬族連合を中心とする)以降獅子族の群行動の制約始まる

AS1271年 獅子形態発現個体に対しての行動規範制定法(獅子族法)全球会談において成立 獅子族による集団の独裁を禁止するものであったが各自治集団内の現体制に順ずる獅子族への行動制限を含むものであった 形骸化した条約ではあるが現在に至るまで破棄はされていない

AS1400年代~1600年代にかけてガイシアン大陸を除いた各大陸において豪族(国家)の離合集散が多く見られる

AS1678年 全球国家数 118

AS1922年 全球国家数  92

AS1991年 東西ゴウコドワル半島内の小国家が大同統一ミクリマ連合政府誕生 全球国家数 76

AS2105年 全球会談においてSOT(模擬戦争)システムの大規模アップデート(5年経過後発動)が発表される 種族補正及び精神ポテンシャル係数割合の増大反映 これによりこれまで肉体ポテンシャル係数割合が大きかった数値補正が肉体・精神双方のバランス修正が行われ、体液交換行動での獅子族側の個体負担がより増大することとなる

AS2111年 模擬戦争システムのアップデート 獅子獣人の拘束、囲込み、保護名目での軟禁等発生

AS2116年 獅子形態発現個体に対しての身辺警護及び族保全のための規範法(獅子族保護法)全球会談において成立 SOTシステムのアップデートに伴う獅子族の肉体負担の増大を補うため各地での獅子族囲い込みを抑制するため、拉致、同意無き招集、教育年限中の軍属等を禁止するものであったが、1271年の獅子族法が破棄されぬまま併存法として成立してしまったため、実際の獅子族の自由権獲得とはほど遠いものだった

AS2560年 ゴウホウ・センジ、ガイホウ・カリムのサイジニア王国軍入隊

 

 

 

●国家状況等

 

AS歴2500年代後半、全球内に62の自治集団(豪族、旧概念の国家に近い)が見られ、近隣集団間ではそれぞれの境界域において土地収用権を巡る争いが生じている。

個別の戦闘についてはシュミレーション上の模擬戦争にて勝敗と進行地域の獲得が決定されるが、シュミレーション上の戦力は実際の保有戦力によって規定されるため、各集団での軍兵力は日頃よりの増員と練磨が必要となる。

また模擬戦争とは別に集団間の連合分離も見られ、こちらは各々の集団の商業流通及び兵力同一化を基盤とした国家間(集団間)の駆け引きにて流動している。

先に述べた62集団中、8集団は一切の覇権行為を行わない旨の宣言をしており、地域的には飛び地となるが中立国連合(集団)として模擬戦争のテーブル開催国(地域)等の責務を引き受けている。中立条件として他集団への覇権措置の執行を禁じる旨を全球会談にても宣言しているが、それらの国においても兵力は当然存在しうる。

またガイシアン大陸において長く統一国家としての形態を保つガイシアン王国は中立国連合には組しないが、ここ400年ほどはSOT開催を自国より申請したことが無く、また大国ゆえに他国よりの申請も行われていないため実質的な中立国と見なされている。兵力は周辺国の6倍程度と予想されているが獅子族指揮官の存在含め、その内情は公開されていない。

 

 

 

●産業・経済・生活状況

 

食糧生産技術の高度化、工業生産技術の超小型化(高度化されたいわゆる3Dプリンター等)を経て、若年層への「小遣い」の概念などにその痕跡を留めてはいるが、基本的には「貨幣」を必要としない社会体制が構築されている。

 

かつては土地収用権、租税権の委譲を目的としていた戦争の代わりにSOTによる模擬(仮想)戦争が行われているが、21世紀の地球環境における地域紛争の解決手段としての側面よりも、作中人民の受け取る感覚としては国家的な大企業同士の株式の敵対的買収の様相に近い。

 

教育環境下の雌雄分離体制と性的欲求の解消についての感覚的な禁忌の消失のため、教育年限終了後の生活パートナー、性的パートナーの契約の有無そのものを含め、対象性別、内容、人数等も自由である。

 

すべての体外排泄物回収インフラも獣人類生存域に網羅されているため、公共の場においても食事を取る際のエチケット適用と同じレベルでの排泄行為や性的肉体接触行為が行われている。

性的肉体接触行為については排泄導管の利用と違い多少の体液の漏出があるため、レストラン・食事処と同じ形でのSAB(サブ Sexual Activity Box)と呼ばれる施設が利用されており、パートナーとの利用やその場での相手との利用などが行われている。

 

この時代の就労内容としては流通経済の高度化と縮小化、社会インフラの自動構築や生活需要品目への生産従事者比率の低下により、手工芸や文化的創造物作出や制作・発表に携わるものの人口比が非常に高い。

 

SOT参戦者である各国軍についてはいずれも志願制の形態を取っている。