俺達の支度部屋

その全

 

「三太センパイ、聞きました? 今度中途で入ってくる人、相撲やってたって話」

「うん、社長から聞いてる。俺達んとこの課長で来るらしいんだけど、今の時期に珍しいよな、中途って。引き抜きかなあ。相撲って、相撲部に入ってくれるならいいけどな」

「へへ、せっかくならいい男だったらいいっすよね。ノンケだったにしても、社宅に入ってくれるんなら二人で襲っちゃいましょうよ」

「あほ! こんなとこでナニ言ってんだ」

 

 俺は後輩の安治川の頭に思わず突っ込みを入れると、誰かに聞かれはしなかったかと慌てて回りを見回した。昼休み後の社内のだれた雰囲気がかえって幸いしたようだ。まったく剛史(つよし)の奴、スケベなのはいいんだけど時と場所を考えろって感じだよなあ。

 

 俺、山岡三太、36才。商品リサーチ課の係長。160しかない背に80キロ近い身体で、社長の趣味が高じて作った社内の相撲部の代表をやってる。代表と言えば聞こえはいいが、部員は俺より5つ下の後輩の安治川剛史だけ。こいつも164に80キロ代後半の、がっちりむっちりの太め体型。

 相撲部っつても、別に社会人大会に出るのが目的って言うわけでもなくって、二人だけの弱小チームだ。たまに社長も廻しを締めることもあるが、それもどちらかというと稽古の後の「お楽しみ」目当てのことが多いんだよな。

 仕事の方でも剛史の奴は、やっぱり俺の後輩でリサーチ係員。課長はラインの方になっちまうので、実質的には俺達二人で回してる。俺が営業上がりで剛史は制作の方から上がってきてるから、お互い結構刺激になってこっちもいい感じになってる。

 さっきの会話からも分かるように、俺と剛史の奴、会社の借り上げ社宅の制度を利用して、一つ屋根の下に住んでる。結構デカイ一軒家なので、後二人ぐらいだったら住めそうなのは確かなんだよな。で、その家で毎晩二人して「男同士のお楽しみ」って奴を満喫してるワケだ。

 もちろん、入居して最初のウチはお互いが男好きだなんて分かんなかった。それでもさすがにお互い鼻が利くのか、一緒に住み始めて一週間もしないうちに分かっちまった。

 

 二人とも開けっぴろげな性格なもんで、夜中せんずり掻いた後の雑誌とティッシュ、そのまんまにして会社出かけちまったり、見終わった後のビデオがデッキに入りっぱなしになってたり。俺なんか、家では越中褌一丁だったりするから、見るモンが見れば最初っからバレバレだったよな。

 まあ、そんなこんなで腹割って話してみたら、お互い「イケる」ってことがめでたく判明。もうそれからは連日連夜やりまくりの毎日だってわけだった。二人ともケツはあんまりイケない方だってのが分かって、最近はローションで全身ヌルヌルにして楽しんでる。一軒家って声出してもOKなので、そこらへんホントに楽だよな。ついつい声って出ちまうモンだろ?

 

 社長の方ももともとその気が昂じた相撲好きらしかったんだが、こっち二人が「そう」かどうかは、やっぱりしばらく分かんなかったみたいだ。

 で、ある晩、おいら達の家で酔いつぶれちまった社長を二人でヤっちまったんだ。

 162で90キロ越してる社長って、タヌキみたいなまん丸い全身が真っ黒に毛で覆われてて、そりゃあエロい身体なんだ。で、俺達二人してサービス全開。ひいひい言いながら社長がイっちまった後、思いっきり二人のからみを見せつけてやった。

 あれから3人でヤるのにはまっちまったらしく、月に一回は社宅に泊まりに来るんだよな。まあ、俺達にとってもいいアクセントになってる感じ。

 そんな折り、アマ相撲の経験者が入ってくるって聞いて、俺達が色めきたったのも無理はないだろ?

 ノンケにしたって、一人もんだったらこっちに染める自信アリの俺達。こちとら毎日毎晩、腕を磨いてんだから、それぐらい、お茶の子だよな。

 

「えー、今日から我が社で働いてくれる三隈君だ。山岡君のところのリサーチの方の課長待遇で入ってもらった。みんなよろしくな」

 社長が紹介した、その人。げ、イケルよ、おい。

 俺、思わず剛史に目配せすると、あいつも同じこと考えてたのか、ウインクしながら唇の端をにやっとゆがめやがった。

 

「えっと、課長っていっても、二人の方が仕事は詳しいだろうし、一緒にやってくつもりで頼んます。俺も勉強していかなあかんと思うから。荷物は全部はまだなんやけど、社長から社宅の方に入ってくれって言われてるから、そっちも頼むな。二人とも相撲部ってことで、一日中顔付き合わせることになるけど、ホンマによろしく頼むわ」

 にっと笑って、スマートに握手の手を出されちまった。やばい、俺の顔、赤くなりそう。剛史の奴なんか、ズボンの前、心なしかデカくなってる気がするぞ。まったくすけべな奴だよなあ。もっとも俺も人のこと、言えないけど。

 色々聞いてみると、昔は柔道やってたってことで166センチの82キロ、今年で41になるって話。社長も含め、なんかちびっ子? がっちび?、集まった感じ。

 隆弘さん、これなら仕事も方もうまく行きそうだなって、頭の隅にちらっと考えたけど、そんなことより今晩家でヤル予定の「歓迎会」の方に思いが行っちまうのは仕方ないよなあ。

 

「では、たかさんの入寮と、俺達3人の相撲部の新たなる親睦を祝って、カンパーイ」

 初日ってことでそうそうに帰宅。スーパーで夕飯総菜仕入れて、一応相撲部代表の俺の音頭で、3人で乾杯。隆弘さんは酒がダメってことでオレンジジュース、俺と剛史の奴はビールにした。酔いつぶして、って計画は無理そうだけど、まあ時間はあるさってことで長期戦で行くことをこっそり剛史と話す。

 なんか年はばらばらだけど、俺達ってどうも体育会系のノリが向いてるようで、「えー、そんなこと言っていいんすかー」とか、隆弘さんのこともいつの間にか「たかさん」とかになってるし。

 セリフだけ聞いてると部活の先輩後輩にしか思えないようなバカ話で盛り上がった。幸い明日は土曜日で朝稽古も休みにしてるし、ゆっくりできる。

 俺は剛史に目配せすると、隆弘さんを「落とす」ための、最初の仕掛けをはじめることにした。

 

「たかさん、実は俺達の相撲部、入部にはちょっとしたしきたりがあるんすよ。まあ、実質的にはこの社宅の入寮式って思ってもらってもかまわないんすけど・・・。社長から聞いてなかったっすか?」

「別になんにも言われなかったがなあ・・・。まあこの身体動かして済むんだったら、なんでもやったるぞー。高校ん時とかは先輩達の目の前でせんずり掻かされたりもしたからな。もっとも今さら頭の方はよう動かんから、そっちの方は勘弁な」

 笑いながら、どんと胸を叩いた隆弘さん。おいおい、そんなこと言われて剛史の奴、目の色変えちゃってるよ。あいつ体育会プレイ好きだしな。そう、その手のノリが俺達の計画には必要なんだよな。

 

「相撲って、廻し一丁でやるじゃないっすか。で、俺達、肌、鍛えようってんで、お互い毎日、相手の身体使って鍛錬してるんすよ。それをたかさんにもマスターしてもらわないと、困るかな、って思って」

「おう、そんなことやったら、俺の方からお願いしないといかんのじゃないかなあ。何でもやるから言ってくれ」

「じゃ、ちょっと用意しますから。もう結構飲んで食ったし、テーブル、片づけさせてもらいますね」

 剛史の奴、俺が言う前にさっさと片づけはじめてやがる。

 今にしてる一番広い部屋にベッド用の耐水ラバーシーツを広げて、その上に洗濯の効く木綿のシーツを重ねる。これで即席の「ヤリ部屋」の出来上がり。もっとも隆弘さんの方は、そんなことも露知らず、剛史に促されるままに脱いじゃってる。

 

 剛史の奴が、素っ頓狂な声を上げた。

「あ、たかさん、これ何なんですか? こんな下着見たこと無いっすよ!」

「褌の一種なんやけど、前に柔道してたときに師範から勧められてなあ。結構締めてて気持ちいいんで、普段でも使ってるんや」

 

 隆弘さんの方を見ると、うわ、もっこ褌だよ、あれ。前袋がゆったりと膨らんでて、ちんぽと金玉の重量感ある様子が手にとるように分かっちまう。

 普通相撲やる奴って、やっぱり越中かデカパンの奴が多いんだけど、もっこ褌ってのは、ホント珍しい。ただ、これ見たら、絶対隆弘さんもその気ありって思っちまうよな?

 最初から全部脱がせちまおうと思ってたんだけど、こりゃあ、このまんまやっちまった方が興奮するかもしれないと、もっこのまま横になってもらった。

 

「おいおい、裸で寝せられてナニが始まるんだ」

 さすがに豪快な隆弘さんも、自分だけがもっこだけの裸をさらしてることに、ちょっと変だと思い始めたみたいだ。不安を隠してるの見え見えの、おどけた声でつぶやいている。

 ここで一気に畳み込まないとテンション下がっちまうよな。

 俺は急いで服を脱ぐと素っ裸になって、どっかりと隆弘さんの頭の横にあぐらをかいた。ホントならぎんぎんに勃起しててもおかしくない肉棒を、なんとか意志の力で押さえつけてる。やっぱり最初から勃ってちゃまずいだろうし・・・。隆弘さんにしてみれば、ちょっと横に目をやれば俺の股間が目の前になるわけだ。

 

「実際に稽古するときとか、毛深い人とやると肌傷めたりするじゃないですか。ウチの社長も結構毛深いし、普段から鍛えとこうって、いつも二人で全身マッサージやってるんですよ。それも実践的に、身体全体を使ってやるんすよね。これってあんまり他のとこじゃやってないと思うし、たかさんにも是非マスターしてもらいたいと思って。じゃあ、剛史、最初はお前がやってみろ。毛切れしないようにローション使うんでもっこ濡れちゃいますけど、後できちんと洗濯しますから大丈夫っすよ。普段は俺達素っ裸でやるんですけどね」

「素っ裸って、男同士で・・・」

「相撲そのものがもともと裸だし、男同士だから別にかまわないじゃないっすか」

 

 俺、隆弘さんの気がそれないよう、矢次羽に話しかける。

 剛史の奴の方はローションのたっぷり入ったボトルを持ってくると、隆弘さんのもっこ褌の上に腰を下ろす。もちろん剛史も素っ裸。隆弘さんの下腹部には剛史のふぐりとちんぽがべたりと横たわり、生暖かな体温が伝わってるはずだ。

 隆弘さんは、自分がのっぴきならない状況に追い込まれてることが、段々分かってきたみたいだったけど、さっきのでかい口を叩いた手前止めるわけにも行かないんだろう。全身を緊張で堅くしているのが伝わってきた。

 すぐに別な部分を堅くしてやるぜ、俺は内心つぶやきながら説明を続ける。

 

「最初は二人でやってもらいます。胸と腹、股間、太股にたっぷりローション落として、剛史の身体全体に抱きつくように動かしてもらいますか。全身密着させるようにして。剛史の下半身、結構毛深いし胸毛もちょっとあるから、結構すごいっすよ、コレ」

 隆弘さんのとまどいなんか無視して、俺が話しかける。

 剛史の奴、自分の身体にローションを塗りたくると、隆弘さんの胸にもたっぷりとローションを垂らし始めた。初めてのときって、これだけで結構感じるんだよな。

 

「なんかぬるぬるして、エッチな感じやなあ」

 隆弘さんが心配そうにつぶやく。

「エッチな感じ」どころか叫び声上げるぐらいに感じさせて上げますって。

 剛史がにやりと笑うと、あいつ、もっこ褌の上からもだらだらローション垂らしてやがる。しかも前布ちょっと持ち上げて、もっこ褌に包まれた中にも流しこんでやがる。そりゃあ、ちょっとやりすぎだろう。あれだとあっと言う間にたかさん、イッちまうんじゃないかなあ?

 剛史の奴、「行きますよ」って、隆弘さんに覆いかぶさった。

 

「ああっ、なんだっ、こ、これっ」

 隆弘さんの、太腿から股間、腹から胸にかけて、剛史の奴の全身がずるりとすべった。初めての隆弘さんには堪らない刺激のはず。思わずあがった隆弘さんの悲鳴が物語っている。

 

 ローションって、女とだとソープぐらいでしか使わないだろうし、普通の男ならこれだけでイきそうになるぐらいの刺激のはずなんだ。男好きの俺らには、もう毎日かかせないものになっちまってるんだけどね。

 もっこ褌の内と外側にたっぷり垂らされたローションはぐちょぐちょチンポを責め立てるし、全身は剛史の体毛で擦り上げられるんだぜ。声出さない方が、どうかしてるよな。

 剛史の奴、たぶん自分のぎんぎんになった奴を隆弘さんの太股に挟み込んでるはずだった。これ、結構効く。ホモでなくても自分の身体に密着した奴が興奮してるって分かれば、自然と自分の逸物もでかくなっちまうはずだ。

 剛史のけっこうデカいチンポに、もっこ褌に包まれた金玉をぐりぐり突き上げられて、隆弘さんの肉棒もあっと言う間に勃ち上がったらしかった。

 

「ちょっ、ちょっと、ま、待ってくれ」

 隆弘さんが慌てたように叫ぶ。

 おそらく全身で味わう初めてのローションの刺激に、たまんなくなったんだろう。声が慌てて裏返りそうになるのに、俺は笑いを堪えた。

 

「隆弘さん、どうしたんすか? こんなのまだまだ序の口ですよ。さっきまでの勢い、どうしちまったんですかねえ?」

 意地悪く言う俺を睨み付けようとしても、剛史のどっしりとした重みから逃れるわけにもいかず、ばたばたと足をばたつかせるだけの隆弘さん。このままイかせちまってもいいんだけど、楽しみは後の方が美味しいってんで、剛史の奴に、ちょっと待てって合図してやった。

 

 隆弘さん、剛史がのっそりと身体を起こしても、はあはあ荒い息を吐くだけで起きあがる気力も無さそうだった。案の定、もっこの前袋はローションのぬめりにてらてらと光りながら、その内容物の昂ぶりを露わにしている。

 

「こんな稽古、やったことないぞ、俺でも・・・」

「これに耐えてもらえないと、俺達の相撲部じゃやってけないっすよ。社長が来た日なんかは、全員でコレ、やるんすからね」

 息も絶え絶えに尋ねる隆弘さんをにやにや見つめながら、剛史が囁く。実際、社長の熊みたいな剛毛でコレやられると、俺達だって大声上げちまうほど「いい」んだぜ?

 

「その、こんなのやってて、二人とも、その、出したくなっちまわないのか?」

 隆弘さん、さすが元体育会だけあって、表現がストレート。ちょっとからかってやれと思って、俺が答えた。

「たかさん、ナニ言ってんすか。これってあくまで相撲とるための訓練なんで、たかさんのせんずり見るためにやってんじゃないんすよ」

「そりゃあ、そうなんやろうけど・・・」

 

 なんか不満顔の隆弘さんを挟んで、俺も剛史と一緒に両脇にごろりと横になった。今度は二人掛かりでの責めだ。

 剛史が左側、俺が右側。

 剛史は毛深い両足で隆弘さんの太股を挟み込む。俺の方は肉厚の上半身を撫で回しながら、ぐいっと曲げた右膝を隆弘さんのもっこ褌の上でぬるぬるとすべらせる。横向きの膝の曲げた窪みにちょうど肉棒がはまるように動かすと、これ、隆弘さんにとっては生で扱かれているほどの刺激のはずだぜ。

 

「そ、そんなん、ヤラレると・・・、たまらんぞっ」

「たかさん、もう啼き入るんすか? このくらいまだまだ序の口っすよ」

 剛史の奴もわざとじらすように、ぷっくりとした隆弘さんの乳首をころころと転がすように揉みながら話しかけてる。俺は俺で隆弘さんの腕を頭の上に持ち上げると、こんもりと茂った脇の下から敏感なはずの脇腹へと舌を這わせる。剛史も、俺がやってるのを見て隆弘さんの左腕を捻り上げ、万歳の格好にさせちまった。これで無防備な全身を、俺達二人に好き放題嬲られる男一丁の出来上がりだった。

 

 ゆっくり、あくまでゆっくり、剛史と俺が、全身をべったりと隆弘さんの両脇にそわせ、ずるずると肉体を揺すり上げる。俺が左膝を隆弘さんの尻の下に押し込む。その分突き上げたように持ち上げられたもっこ褌の前袋を、今度は剛史の足が押しつぶすように移動する。

 両足はいくらか開きぎみに俺と剛史の太股で挟み込み、上半身は二人の指先と唇、ときには軽く歯を立てながら、脇腹、乳首、首筋を縦横無尽に責め立てた。

 

「ん、んんっ、や、やめろ、やめて・・・、くれ・・・」

 隆弘さんがいやいやをするように首を振りながら、とぎれとぎれに声を上げる。俺達、わざとじらすように、弱い、かすかな刺激を繰り返してる。

 

「このまま止めてもいいんすか? 最後までイきたいんじゃないんすか?」

 剛史の奴が意地悪く聞いたセリフに、隆弘さん、さすがに声を出して答えるのは堪えたらしかった。それでも、ローションと汗、それに隆弘さんの先走りでぐっしょりと濡れそぼったもっこ褌を持ち上げている肉棒が、ここで止められてたまるかって、叫んでるようだった。

 

 あとほんの少しの刺激で噴き上げる、同じ男同士だから分かるそのぎりぎりのライン。まさに寸止めを見定めながらの責めに、隆弘さんが全身をくねらせるようにして身悶えている。最初は押し殺そうとしていた隆弘さんのヨガり声が、ともすれば開きそうになる唇から少しずつ漏れだしてくる。

 

 30分も経った頃だろうか。手足の自由を奪われたまま快感だけを与えられるその刺激に、さすがに隆弘さんも呆けたように口を開け、呼吸をするのも全身の筋肉を動かさないといけないほどにぐったりになっちまった。

 

「ちょっと休憩にしましょうか。たかさんも、疲れてるみたいだし」

「ああ、頼む・・・」

 まあ、今のところ、隆弘さんを楽しませるだけ楽しませてる段階だし、俺達自身は「ヤる」ばっかりになっちまってるので、剛史に「ちょっと休憩」って目配せをした。剛史の奴も、身体を起こすと、どっかりと座り込む。さすがにツーカーで分かるんだよな、お互いに、ここらへんは。

 

 隆弘さんの方は、ほっとしたのか全身の緊張が弛んだのは分かったんだけど、返事をするのも大儀そうな感じだった。固太りの身体をどうにか持ち上げると、足を投げ出したまま壁にもたれかかる。もっこ褌の前袋は相変わらずデッカく膨らんだままなんだけど、ま、無理ないよな。俺達だって30分も休み無しに責められたら気が狂っちまいそうに「いい」だろうし。

 

「お前ら、いつも二人してこんなことやってんのか?・・・」

「へへ、どっちかっつーと、相撲よりこっちの方の稽古が激しかったりしてですね」

 剛史の奴、初日から何てこと言ってんだよ。一応主将の俺の立場も考えてくれって言いたくなるよな。まあ、確かに今では社長も含めて、相撲よりも「こっち」の方が待ち遠しかったりするんだけど・・・。

 隆弘さんも、濡れたもっこ褌が気持ち悪いのか、いつの間にか素っ裸になっちまってる。俺達二人がモロ出しだったてのもあるんだろうけど、もともと体育会気質って、ここらへん大らかだよな、やっぱり。

 三人とも一息つこうと、ゆっくり車座に座り直した。

 

 一応、会社から活動費も貰ってる相撲部としては、平日はきちんと朝早くから稽古してるんだぜ、俺達。やっぱり相撲って朝稽古だし、汗掻いた後の朝風呂ってのも、出勤前に気持ちいいもんだしさ。

 こればっかりは、ふざけちまうと危ないし、結構真剣にやってる。そこらへん、隆弘さんもがんばって欲しいって思ってるんだ。

 最初からエロばっかしだと何だし、一応、そこら辺のことも隆弘さんに説明しておくことにした。

「仕事のある日は一応5時から2時間、稽古に当ててるんすよ。まあ、今までは二人きりだったから、1時間半が摺り足・四股・鉄砲の基礎練と筋トレ、残り30分でぶつかり稽古って感じだったんすけど、3人になると、ちょっと構成変えたがいいかもしんないっすよね。あと、たかさん入ってくれたので社会人の大会とかもエントリー出来ると思うんで、そこらへんは厳しくやってかないっといけないっすよね。あ、社長は監督席に座りたいだけの人なんで、取り組みは俺達だけになっちゃいますけど・・・」

「毎日『こんなこと』ばっかりやってんかと思ってたんやけど、ちったあ真面目にやってるみたいやなあ」

「あ、隆弘さん、俺達のこと、単なるスケベな奴等だってばっかり思ってんじゃないすか?」

「え、違うんかなあ? てっきりそうやとばっかり思てたけど」

 

 休憩で隆弘さんの軽妙なしゃべりも戻ってきたみたいだった。おどけたように突っ込む隆弘さんに、剛史の奴もなんだかうれしそうに応えてる。こういうノリって、やっぱ、いいよな、俺達。

 

「結局お前ら、相撲は相撲で頑張ってるんやろうけど、こっちはこっちで相撲のためっつーのは、口実なんやろ? そんならそいで、俺もこういうの嫌いじゃないし、部活のときは部員同士で尺八からケツ割りまで何でもやってたしな。せいぜい楽しませてもらうからな」

 げ、バレてるよ、さすが年の功。・・・って、冷静に考えりゃ当たり前のことだし、俺達も開き直っちまうことにした。変にカッコつけるより、気持ちいいもんは気持ちいいって、割り切ってもらった方がお互い楽しめるしさ。

 

「へへ、バレちまいますよね、やっぱり。俺達、二人ともあんまりケツ効かないもんで、いつもこういうノリでやってるんすよ」

「大学んときも、先輩に掘られたり、後輩にしゃぶらせたりっつーのはやってたんやけど、こんなふうに、じっくりすけべにってのは、初めてやったぞ」

「そりゃ、毎日鍛えてますから。年期がいってるって言うんすかね、こういうの」

 剛史の奴の、変な答えに、三人ともどっと笑いが出たんだ。

 

「そろそろ本番行きますか」

 俺と隆弘さんは吸わないけど、剛史の奴のタバコ待ってから、いよいよ第2ラウンドの開始になった。

 

 ポジションはさっきと同じで隆弘さんを真ん中に、俺と剛史が両側に陣取る。

 初日だし、今日はまずは隆弘さんにいい気持ちになってもらうといいかなって感じかな。俺と剛史は隆弘さんがイった後にせんずりでもいいし、69で互いに口でイってもいいし、って感じ。隆弘さんがやってくれると嬉しいけど、期待できそうな雰囲気でもあるんだよなあ・・・。

 

 互いに目的も分かったことだし、最初から乳首も責めながらの再スタート。剛史の奴、タバコ吸った口でキスしまくってるし、あれはあれで「男とヤッてる!」って感じがするのもあるよな。

 隆弘さん、休憩の間は萎えてたチンポがもうぎんぎんにおっ勃ってる。

 上半身は剛史に任せて、俺、隆弘さんの股ぐらに身体を寄せて、ローションでてらてらの先っちょに口元持ってった。そういえば股間の茂みも手入れしてる感じだし、ノンケといってももともとそういう雰囲気はあったんだろう。

 

「先に味見させてもらうぞ」

 一応は剛史に言ってから、まずは裏筋を舐めあげた。塩気を感じるのはローションだけでない先走りが溢れ出してるせいだ。

 たかさんのチンポ、おおぶりでは無いけど、バランスがいいというかなんというか、鰓の張った亀頭と反り返った棹がすごくいい形してる。

 剛史の奴とかは金玉や股間が黒ずんでるんだけど、隆弘さん、周りの肌とおんなじ色合いでちょっと不思議な感じ。揉みがいありそうな、デカいふぐりもべろべろ舐め回した。

 

「気持ちいいぞ・・・」

 さっきまでの焦った感じと違って、なんだか余裕のある雰囲気なのは、色事と割り切ったからなのかな。そこらへん、さすがに大人なんだなって思ったところ。

 

 その形のいいチンポをしっかりねぶりあげる。ぎちぎちに堅くって、これウケだったらたまんないよなって思うけど、俺も剛史もケツは苦手なんで社長が来るときまでお預けにしとく。

 社長、あんなエロい身体付きだけどどっちかというとウケの方がいいみたいで、二回に一回ぐらいは俺か剛史かタチ役やらされてる。雰囲気的に隆弘さん、タチもばりばり出来る感じだし社長のケツ担当をお願いしようかな。

 今日は来れなかったけど、来週末は社長も泊まるって言ってるんで、タチってる隆弘さんの乳首とケツを俺達二人が責めるとか、やられてる社長に俺達のをしゃぶらせて前後からガンガン突かれる社長を動画に撮るとかでも楽しそうだよな。

 

 玉を手の平でやんわり揉む。唾液とローション混ざった汁でぐちょぐちょにしながら亀頭とすぐ下の裏筋は口の中、根元の棹はぬるぬるの右手で扱き上げる。

 剛史の奴はキスしながら首に回した両手もフルに使って二つの乳首をこりこりやってる。

 あいつの乳首責め、軽い痛みとローションのぬるつき使った触れるか触れないかってのを同時にやるすごいテクニックで、俺も社長もアレだけでも啼かされちまうんだよな。

 男二人にヤられまくってる、そんな自分を思うだけで昂ぶっちまってるんだろう。隆弘さん、たぶんこれ以上はもうダメって感じになってきた。

 

「たかさん、もうイきたいんすか?」

「いつもはもっと、保つんだぞっ! あ、でも、今日はっ、もう、もう、たまらん! イかせてっ、イかせてくれっ!!」

 まあ、精神的なもの除いたら性感帯知り尽くしたホモ同士の複数に責められたら、俺達でもあっと言う間だよな。最初は剛史と交代しながらじっくりやろうと思ってたんだけど、一度上澄み抜いてた方がもっと楽しめるかもって予定変更。剛史にイかせちまうのも伝わったみたいで、キスが猛烈な感じで唾液もべろべろ垂れ始めてる。

 

「たかさん、イッていいっすよ!」

「イケっ、イケっ!」

「イくっ、イくっ、イくぞっ!!」

 隆弘さんの身長の割には肉厚の腰が、押さえつけてる俺の右足を押しのけるように痙攣する。

 一発目は顎近くまで飛んで、その後も何度も噴き上げる。少しおさまった亀頭を精液まぶして扱き上げると、びくびく全身が反応する。イッた直後に亀頭責めヤられても声上げないって、すごい根性だよな、隆弘さん。厄年終わったってことだけど、噴き出す勢いと量はすごいもんだった。

 

 荒い息をついている隆弘さんの両側で、俺と剛史は隆弘さんの精液奪うように手に取って、自分のチンポに塗りつける。さすがに全身の筋肉使っての射精だったらしく、こっちには手が向かないが、俺達二人ももう止まらない。汗と汁の匂いが興奮剤だ。

「俺も、イきますっ、イくっ、イくっ!」

「たかさんっ、掛けていいッすか? あ、イくっ、イくっ!」

 二人とも、たかさんの胸と首あたりに雄汁をこれでもかと打ち付ける。

 部屋中になんとも言えない匂いが充満した。

 

「すまへんな、俺ばっかりヤッてもろて・・・」

「たかさん、まさかみんないっぺん出したからって終わりって思って無いッすよね?」

「え、あんなんやって、まだやるんか?」

「言って無かったッスね-。俺達翌日朝稽古あるときは射精一回しかダメなんすけど、稽古無い週末は最低二回、社長来たときは三回がノルマなんスよ」

 

 剛史の奴の説明に、隆弘さん、目を白黒させながらもまんざらじゃなさそうだ。

 あの身体に汁の量からして、自分でヤッてたにしても一回じゃ治まるはずないもんな。

 剛史の悪のりに俺も付き合う。ま、こんなノリ、剛史の奴と隆弘さんだから出来るってのが、すごい嬉しかった。

 

「そういうことッスから、夜稽古はこれからが本番ですよっ!」

「ぶつかり稽古、お願いしまッス!」

「しゃあねえな、胸貸すから、おまえ等、どんと来いっ!」