男用心、火の用心

その2

 

 やっと公民館に帰ってきたとき、俺の顔、真っ赤だったんじゃないだろうか。

 

 男二人には狭いポンプ車の中でモリさんの太い魔羅棒をねぶりあげながら、唾液と先走りでぐちょぐちょと扱き上げられてた自分の姿は、思い出すだけでも下半身が盛り上がりそうになるほどエロかった。
 何度もイきそうになった俺の金玉がその度にモリさんの厚い手の平でぐっと握られ、痛みの刺激が絶頂を逃がしちまう。
 ひとしきり年季の入った尺八を味わった俺が攻守交代とばかりに身体をずらし、でっぷりとしたモリさんの体躯を舐めまわす。農作業で鍛えられた壮年の固太りの肉体は、近くにいるだけで圧倒されそうになるほどの肉感を感じる、実にスケベな身体付きだった。
 握った指では足らないほどの鰓の張った亀頭を口一杯に頬張り、鈴口を擦り上げるように舌をからませる。かろうじてモリさんの太い腰にまとわりついている六尺の白さが、より一層欲情をそそる。
 肉棒とふぐり、双方の量感を感じたくて、モリさんの股ぐら全体に顔を押し付ける。雄にしか出せない何とも言えない匂いが狭い車内の中で脳髄を直撃して、俺、むちゃくちゃ昂奮しちまう。
 たっぷりと唾液をまぶした手の平で、モリさんの肉棒と金玉を撫でまわす。頭上から聞こえるモリさんのかすかな喘ぎ声が一層俺の昂ぶりを誘った。

 

 その間、30分ほどだったろうか。
 何度も身体を入れ替えながら、二人して「出さない刺激」を堪能していると、そろそろ戻ろうとのモリさんから声が掛かる。慌てて身支度を済ませたんだけど、モリさんが中腰のまま足を踏み通さずに褌を締め直してるのを見て、結構便利なもんだと思った俺だった。
 刺激するだけ刺激され、おさまりなど効くはずのないモリさんの魔羅が、六尺の前袋を盛り上げている。その姿を横から眺めながら、俺の下着も止まることなく後から後から滲み出てくる先走りでぐっしょりと濡れそぼってるはずだった。

 何でもなかったような顔をして大声で会話してるモリさんの後ろから、俺、小さくなって座敷に入ってった。
 部屋入りには間に合わなかった課長ともう一人も揃ってて、やあやあと挨拶になる。俺、下心もあってか、ちゃっかり課長とモリさんの間に座っちまったんだ。

 

自己紹介

 

 最初に新人の挨拶でもさせられるのかと思ってたら、どうやら、二度目の9時の巡回が終わって全員が一息ついてからだという話しだった。
 鍋をつつきながらしばらくは腹を満たす。全員が揃ったところで乾杯。巡回担当の運転手になる予定のもう一人の新人を残して、ビールの栓が景気よく抜かれた。
 ひとしきり場が賑わった後、何となく年上かな? と思う人から杯を運ぶ。焼酎のお湯割りと日本酒がちゃんぽんになって座を回ってたんだけど、さすがに盃事はぽん酒だろうって思って、ストーブでつけた燗酒を持って行ったんだ。
 南国九州とは言え、12月にもなれば山間部のこの村では凍えるほどの寒さだ。それでも公民館の中はストーブ4台とテーブルの上の鍋、何より10人を越す男達の熱気で汗ばむほどだった。
 男達はアルコールが回るほどに上気した顔がほころび、次々と服を脱ぎ捨てていく。驚いたことに、消防団員のほとんどはモリさんと同じ六尺姿で、股間の茂みが前袋の脇から覗いている人もいた。残り連中も越中褌の前垂れを盛り上げている人が二人ほどで、ブリーフやトランクス姿は見当たらない。
 俺も部屋の熱気と雰囲気にのまれ、いつの間にか下着一丁の姿になる。畳座敷にあぐら座のここでは、確かに六尺の方が似合っている。洋物の下着姿はトランクスを履いた同じ新人の新吾君と俺との二人だけで、かえって恥ずかしい感じだったんだ。

 

 酔った男達の半裸姿が強烈な劣情をそそる。酒と暖房で火照った肌がうっすらと汗ばみ艶めかしい色気が醸し出される。
 働き盛りの男達は体格の差はあれ、肉体労働で鍛えられた筋肉が脂肪をまといつかせ、その肉感は腕や胸筋の動きを眺めているだけでどこかもやもやとした感覚が下半身へと忍び寄るほどだった。

 

 いつのまにか、二回目の巡回も新吾君が組を作って行って来たらしかった。10時も過ぎていよいよ泊まり込みの連中のボルテージも上がってきちまう。今日は初日ということもあって、全員が泊まりこむらしい。みんな結構いいペースで杯を重ねてたんだ。

 

 座も崩れ、2、3人ずつが座布団を囲んで飲んでいると、上座の方から声がかかる。団長が六尺一丁の姿で立ち上がると、俺ら新人の紹介を始めようって話しになる。
 団長やって四年目なるっていう榊さん、六尺がびしっと決まった立ち姿もすんごくエロかった。胸から腹に続く剛毛がさらに臍下へと続き、六尺を盛り上げた前袋の腋からは収まりきれないほどの毛が鬱蒼と覗いてるんだ。太い二の腕と二抱えほどもありそうな太腿にもびっしりと生え揃った体毛が、何とも言えない淫猥さを醸し出しちまう。
「今年は役場の野田君とウチの浦井君が入ってくれたけんな。巡回も無事終わったごたっけん、二人に自己紹介ばお願いしょかね。ふたっとも前に出てきてもろてよかな」
 団長の言葉に、下着姿の俺と新吾君がどうもどうもと前に進む。

 

「浦井新吾です。6月から団長の小関の榊さんのところにお世話になってます。まだ仕事もわからないことばかりですが、よろしくお願いします」
 一応年下からってことで、新吾君が先に挨拶する。隣に立つ姿が、むっちりとした肉付き豊かな肉体が滑らかな肌を覆い、若さを強調するかのように艶光りしている。
 小関ってのは村内の地名で山上の方だった。榊さんのところは確か、お茶を中心にやってたはずだ。春に卒業したばかりの高校では柔道部だったらしく、課長の遠い後輩になるはずだった。

 

「今年春から戸籍課に勤める野田茂正っていいます。課長にはいつも世話になってます。国勢調査関連もどうにか目処が立ってきましたので、年明けからは団の方も時間作って頑張って行きたいと思ってます。よろしくお願いします」
 俺も新吾君に続いてどなるような声で自己紹介を済ますと、一気に焼酎のお湯割りを呷った。別に飲み干さなくてもいいみたいなんだけど、こういうのってやっぱイキオイだし。案の定、みんなから拍手や指笛もらって、俺、ちょっといい気分になっちまった。

 

「ヨメさんはどぎゃんしとっとか?」
「若っかけん、せんずりばっかだろたい」
「榊さんも好きモンだけん、シンゴももうチンポ握られたろたい」
 二人してみんなに酒を注いで回ると、酔いが回ってきたおっさん連中からスケベな冗談口の集中砲火を浴びちまう。一応自己紹介ってことで最初の席に戻ったみんなの前を通る度に、男達から肉体のあちこちを撫で回されるんだ。
 特に若い新吾君は格好のからかいの的になってるみたいだった。2、3人に囲まれてトランクス越しに股間を揉みほぐされている。「やばいっスよ」って、声は聞こえるんだけど、俺も人のことなんかかまってられないぐらいの状況だった。

 

「シゲマサ君も、ヨカ身体しとんなあ。胸も盛りあがっとるし、ケツもデカかごたっし・・・。なんさまアソコも、たいがなデカかごたっしな」
「柔か生地だけん、チンポもおっ勃っとっとのはっきりしとったい。先ん方のえらい濡れとっとはモリさんと車ん中でなんかしとったっじゃなかとな」
 俺のニットトランクスはモリさんとのいちゃつきの後を、くっきりとシミを作って知らせてた。どこか猥雑な場の雰囲気と、あからさまに股間に手を伸ばしてくるおっさん達の卑猥な手の動きに場が盛り上がっちまう。
 股間を揉み上げてくるのが、自分としてはイケる範疇の堅太りの褌姿のおっさん連中とくれば、元気になっちまうのも仕方ないよな。

 

 半分ほど座を回ったときだった。忙しい年末とはいえ、年に一度の男達だけでの合宿に、みんなどこかハイになってるらしい。二人とも男同士ナニ恥ずかしがるんだ、部屋の中がこう暑けりゃ、下着なんぞいらないだろうって、とうとう素っ裸にさせられちまったんだ。
 参加者全員の魔羅が、もうおっ勃っちまってるのは分かってるんだけど、さすがにモロ出しの格好は恥ずかしかった。
 周りのおっさん達も褌一丁の姿なんだけど、そこは布きれ一枚にしろ身にまとっている違いがあるしね。

 

 このままじゃ、二人とも押し倒されちまう。そんな雰囲気になる寸前に、ぱんぱん、と、手の鳴る音がした。
「そろそろ二人に、こぶり挨拶でん、してもらおうかな。みんなも輪になってはいよなあ」
 団長の榊さんの野太い声が、宿中に響いたんだ。

 

こぶりあいさつ

 

 最初は「挨拶」ってコトバだけが耳に入って、俺も新吾君も、もうさっき済ませたんじゃないかと思っちまったと思う。
 みんなが拍手喝采して団長の提案を受け入れたので、何か変だなと思って聞いてみると、なんと団員全員の魔羅棒を新人の俺達が、一人一人「こぶ」って挨拶することだって話なんだ。

 

「こぶる」ってのはこっち独特の方言なのかもしんない。
「ねぶる」に近いんだけど、より一層、舌をこってりと使って「ねぶり、舐め回す」って感じのコトバなんだ。つまり「こぶり挨拶」ってことは、団員全員のチンポを新人が尺八させてもらい、それを新入りの挨拶に代えさせていただきますっていうことだ。

 

 テーブルをざっと片づけると俺達以外の団員みんなが、手を伸ばせば隣の人間のチンポが握れるって感じにぐるっと輪になる。9人の男が作った円陣の中で、俺と新吾君がチンポをしゃぶりながら一周するってのが、ここでの「こぶり挨拶」だった。
 俺は体育会時代にも経験あったし、もちろん「その気」もあったから全然かまわなかったんだけど、さすがに新吾の方はちょっと躊躇してたようだ。
 それでも最初の人の前に結構すんなりとしゃがみこんじまったのは、一番年若って負い目と俺には負けられないって妙なプライドが勝っちまったんだと思う。もっとも、この雰囲気の中で新吾君のチンポもぎんぎんにおっ勃っちまってたワケで、もしかしたら渡りに船とばかりにしゃがみこんだのかもしれないけどね。

 

 こぶりあいさつの条件は勃たせることはもちろん、イく寸前まで全員を昂奮させることだった。俺の真後ろではさっそく新吾君が一人目をしゃぶり始めたらしく、ぴちゃぴちゃという舌の鳴る音と、やられてる団員の押さえた呻き声が聞こえてきた。
 ちらっと回りに目をやると、順番を待ってる人の中にもすぐ近くでしゃぶられてる姿に昂奮してか、自分で扱き出してる人もいる。俺も慌てて目の前のもっこりとした六尺に顔を押し付けたんだ。

 

 一人目は課長に次いで年長の野中さんだった。160ちょっとしかない上背に80キロ近い体重で、見た目もころころとした山田のタヌキのように愛嬌がある。白い前袋をずらすと、すでに堅く勃ちあがった肉棒が跳ね上がるように出てきた。

 

 煌々と明るい公民館の蛍光灯の灯りが、目の前の野中さんのチンポをくっきりと照らし出してる。
 赤紫色に使い込んだ亀頭が、俺の顔が映りそうなくらいにてらてらと艶めいてる。肉竿の裏側を走る尿道も小指ほどの太さに膨れあがり、先走りがにじんだ先っぽに繋がっていた。体躯と同じようなずんぐりむっくりの野中さんの倅は、風呂上がりなのか、石鹸の香りの中にうっすらと体温が感じられるほどで少し期待ハズレだったほどだ。
 腰の後ろに手を回し、仁王立ちになった野中さんを見上げると、さもすけべそうに笑ってた。俺、おっさんのそういう顔、すんげえ弱い。照れ隠しにべろっと亀頭の裏を舐め上げると、本格的なしゃぶり上げを始めたんだ。

 

 咥えるには程よいデカさの野中さんの逸物が、口の中で暴れまわる。裏スジを舌でねろねろと舐めまわし、亀頭の背面を口蓋になすりつける。たらたらと流れ出す先走りを味わいながら舌先を鈴口にそって這わせると、頭の上からくぐもった声がこぼれた。
 鼻先をつつく茂みから立ち上る石鹸の香りが、野中さんの昂ぶりと共に雄特有の独特の匂いへと移り変わっていく。俺、その匂いに堪らなくなって、思わず胸一杯に吸い込んじまった。
 ホントならケツに回した指先を尻穴まで伸ばしたいところだったが、最後までイカせるのが目的ではないのでここでは遠慮する。もっともこの村の男連中だったら、指を挿れても絶対大丈夫なはずだった。なんたって、消防団の集まりでこんなことをやってるんだから。

 

 びちゃびちゃと卑猥な音を立てながらしゃぶっていると、頭がぽんぽんとはたかれる。野中さんの、「もうOK、このままヤられるとイっちまうよ」って合図だった。
 塩辛さとどこか苦さの入り混じった先走りを堪能し、最後に思い切り股間の匂いを吸い込むと、俺は名残惜しかったが野中さんの逸物から口を離した。
 野中さんが不器用ににやっとウインクしたので、俺、こんな格好だというのに、ひょいと目礼しちまう。課長に鍛えられた公務員根性がこんなところで顔を出した。

 

 俺と新吾君を除けば、残りの団員は9人。となると一人頭3分こぶったとしても30分近くは経っちまう。しゃぶっている俺達にしてみればあっという間だろうが、待ってる男達に取っては拷問に近い待ち時間のはずだった。
 円陣を描いた団員だ。俺が右回りにしゃぶっていけば、課長が最後になる。課長は新吾君にしろ、俺にしろ順番としては後の方になっちまうので手持ちぶさたなのか、自分の褌の前をゆっくりと揉み上げながら俺の尺八姿を見つめていた。ちらっと目が合う度に、課長の「頑張れよ」って声が聞こえてきそうだった。
 俺、課長に見られてる、そう思うだけですんごく昂奮しちまうのを感じてた。目の前のおっ勃った肉棒を存分にねぶりあげることそのものも、もちろん堪らない刺激だった。でも、課長がそんな俺の姿を見てしてくれてる、そのことそのものがすんごくうれしかったんだ。

 

 このまま全員のをしゃぶれば、課長のも味わえる。そんな俺の思いがこぶりあげる男達に伝わるのか、二人目、三人目と2分とかからずに頭をたたく合図が返ってきた。
 隣の人に移るときに、どうしても気になって新吾君の方を見ちまうと、さすがに慣れてないのか、まだ二人目をしゃぶってるようだった。別にしゃぶられてる側がいじめてるワケでも無いんだけど、やっぱり発射寸前まで持っていくってのには、彼のテクニックがまだまだらしい。
 もちろん団員のみんなも新吾君が初めてのことってのが分かるのか、隣の人がしゃぶられてる人の胸をいじったり、後ろから手を回してふぐりや蟻の門渡りを撫でまわしてるんだけど、直接チンポに手を伸ばすのはここでは反則らしかった。
 そうなると、俺への期待が高まっちまうのは当然で、新吾君の待ち番の人が、ちょっと失礼しますよって感じで俺のしゃぶる順番にと入ってきた。年長の俺へのハンデってことなんだけど、まあ仕方ないよな。
 ただ、そうなると二人ともぐるっと一回り、ってことにならないのかな? ってことになるよな?
 そう思った途端だった。結局新吾君が3人、俺が6人をこぶりあげたとき、榊さんからまた声がかかったんだ。

 

「みんなもおっ勃ったごたっけん、そろそろ次んとに移ろうかな」
 俺、その声聞いたとき、モリさんと課長のがまだですって、思わず不満事を言っちまいそうになるほど、頭の中がスケベ一色になっちまってたんだ。