男性専科クリニック Part 5

その4

 

その4 勃起検査

 

 広く清潔な施術室ではあったが、この場所でこれまでに多くの中年男性達の性欲が解放されてきたなどということは、このクリニックの療法にまだまだ慣れない村岡と宮内にとっては考えも及ばぬことだった。

 

 機能回復訓練や身体的な運動療法をも出来るように設えられた施術室は、柔らかな木目の床の半分がマットと真っ白なシーツに覆われ、広い面積を使った施術やセッションにも耐えうる設えだ。

 

 今日は看護師である田畑青年があらかじめ用意していたのか、周囲に柵の無い簡易ベッドとその傍らにはものものしい有り様での『陰圧式陰茎勃起補助具』と呼ばれる機械が鎮座している。

 周辺には温泉で見かけるような大きめの乱れ籠が4つすでに用意されているのに、宮内も村岡も『ああ、先生達も……』と、すでにその意図には気付いたようだった。

 

「器具を使う際に怪我をしないよう、摩擦を軽減する潤滑ゼリーを使います。汚れるといけないので、村岡さん、衣服を全部脱いで、このベッドに横になってください。

 あ、村岡さんだけを裸にするのも失礼ですから、私達も、もちろんお手伝いいただく宮内さんも全裸になるんですよね、先生?」

 

 田畑看護師の言葉は、質問というよりも、もはや単なる確認事項だったろう。

 

「もちろんだとも、田畑君。村岡さんだけだと恥ずかしいでしょうから、私も田畑君も全部脱ぎますし、宮内さんもほら、脱いじゃってくださいね」

「あ、えーと、はい……」

 

 宮内も村岡も、このクリニックでは『なにかいやらしいことをやってもらえる』との共通した予感はあったのだが、それはどちらかというと本来の『検査』や『治療』とは違った、ありていに言えば『性感マッサージでのオプションリフレッシュ』のようなものだと思っていたようだ。

 検査の流れの中ですでに4人の男が素っ裸になる、その事実に頭が付いていかないまま、乗せ上手の医師と看護師に促され、シャツとズボンに手をかける。

 

「おお、先生は六尺褌なんですな!」

 

 ズボンを下した野村医師に、村岡の声が上がる。

 温泉旅館では、すでに部屋でことを済ませていた野村医師と田畑看護師、患者である山崎と西田達4人は下着1つ身に着けず、精液とローションまみれのまま素っ裸に浴衣だけをひっかけて風呂場に向かったのだった。

 村岡達にしてみると、医師の六尺姿は初お目見えとなる。

 

「私は普段から、そう、こういう診療のときも、基本は六尺褌を常用しとるんですよ。やっぱりこれがこう、まさに『褌を締めてかかる』気持ちにさせてくれるんですな。

 お2人はやはり、温泉のときにお見かけした越中褌のようで、こちらもまた、お2人とも似合っておられますな。

 特に村岡さんは、金玉のでかさが柔らかくなった晒布に実に豊かな膨らみを描いておられて、まさに顔を押し付けたくなりますなあ。

 なあ、田畑君、君もそう思うだろう?」

 

 言葉の端々に、どこか官能をくすぐる台詞を欠かさない野村医師。

 

「ホントにそうですよね。村岡さんは先生や山崎さんをちょっと小柄にした狸親父体型っていうか、すっごく理想的ですよね。

 宮内さんも短髪にがっちり体型で、すごくモテるでしょう?」

 

 誰にモテるのかをあえて言わない田畑看護師ではあるが、その対象が男性であることは4人にとってすでに規定済みだ。

 

「いや、ははは、そこまでは……」

 

 照れ隠しに否定する宮内だが、まんざら嫌そうでも無い。

 褒めることで警戒心や緊張をほぐす演出は、対人接遇の中では基本だった。

 

「田畑看護師さんは、なんというか、その、むっちりした肉体にボクサーブリーフが股間もすごく盛り上がってて……。若い分、元気ですよね。もう染みまで浮かんできてる。

 ホントに肉感的というか、いやらしいというか、こんなだったら周りから色々言われちゃうし、田畑さんこそ、モテモテでしょう?

 おお、脱いだ姿もすごい! その、雁がデカくて、迫力ありますな。やはり先走りもトロトロ垂れてきてる!」

「宮内さんったら、そんなに褒めてもなんにも出ませんよ」

「え?! たっぷり先走りは出てるじゃないですか」

 

 田畑青年の答えに対する宮内の切り返しに、男たちが笑う。

 

「宮内さんもですし、私ももうこれからのことが待ちきれなくて大きくなってきてしまっておりますな。

 村岡さんのも、少し大きくなってきてるような気がするんですが、普段と少しは違いますか?」

 

 ベッドに横たわった村岡の股間を眺め、野村医師が質問をする。

 全裸で横たわる男の周囲を、これも素っ裸となった3人が取り囲んでいるこの状況は、普通の生活の中ではほぼありえないシチュエーションではあるのだが、このクリニックで行われる『治療』という目的が、その異様さを覆い隠しているようだ。

 

 六尺を解き、村岡を見下ろす医師の股間は、持ち主の興奮をこれでもかと見せつけるように、その隆々たる逸物が鬱蒼と茂った股間から臍をも突かんとするように勃ち上がっている。

 赤銅色に染まった大ぶりの亀頭は、持ち主の歴戦の勇者たる経験を物語っているようだ。

 

「先生方お二方の裸見せられちゃうと、やっぱりじんわりとはデカくなってきてますわ」

 

 村岡の股間は普段より幾分か膨らんだ肉棒がでろりと横たわっていたが、他の3人のような硬度を持つまでにはいたっていない。

 

「いい傾向じゃないですか。

 それでは、これから機械を使いながら、私と田畑君、それに宮内さんにも手伝っていただいて、村岡さんが興奮出来るよう、色々やっていきます。

 そしてこれは今後の治療の基本方針でもあるのですが、いくつか努力していただきたいことがあります」

「なんでしょうか?」

「簡単なことではあるんですが……。田畑君、お2人に説明を」

 

 医師に頼まれた田畑看護師が、2人にA4のファイルに挟まれた紙を渡す。

 

「はい、うちのクリニックでの治療を行う際のルールというか、お2人にも注意していただきたいことを、今お渡しした書類に簡単にまとめてます。

 ちょっと読み上げてみますね」

 

 田畑看護師が記された内容をゆっくりと声に出す。

 

 一、被療者(ここでは村岡のことだろう)は、指示がないかぎり自分で自分の身体を動かさないこと

 一、被療者と治療者(野村医師と田畑看護師だ)間の意思疎通は、明確な言葉を持って行うこと

 一、その際に被療者、治療者、及び介助の任に当たるもの(今回は宮内のことを指すのか)は、相互に相手の名前を必ず呼ぶこと

 一、被療者治療者、介助者ともに羞恥心を無くし、快感の表意や射精を我慢しないこと

 

「まあ、最初の動くなっていうのは、機械を扱いますからその点での注意と、刺激や快感から逃げてしまわないようにって意味もあります。

 2点目と3点目について、日本人は普段なかなか互いの名前を呼んでから動くことは苦手かもですが、最初はなにかが始まるとき、次の行動に移るときなど、必ず自分と相手の名前を声に出すように努力してみてください。

『野村先生、もっとやって』『村岡さん、声を出してください』など、とにかく相手の名前を呼ぶ。これはとても大切なことになります。

 最後の点は治療効果にも反映しますが、先生も言われたように『快感を我慢せず、しっかりと声に出す』ということです。『気持ちいい』『感じる』『もっとやって』などは積極的に言葉にするようにお願いします」

 

 これは西田や山崎にもその都度伝えられてきた、このクリニックの治療過程における重大な取り決めごとのようだった。

 野村医師による「快感を与え、受ける者を互いに呼び合うことで、より深い認識にいたる」という考えから勧められているのだが、西田や山崎等、先達による体験体感によるフィードバックもまた、その理論の正しさを証明しているのだろう。

 

「村岡さん、宮村さん。ここまでで何か質問などありませんかな?」

 

 医師が横たわった村岡の肉体をゆっくりと撫でまわしながら尋ねる。すでに『名前を呼ぶ』実践が始まっている。

 

「あ、ああ、えーと、特にありません……」

「私も、その、名前呼ぶのはちょっと恥ずかしいかもですが、頑張ってみます」

 

「ほらほら、最初に返事をする相手、今の場合は野村先生の名前を呼んでください」

 

 2人の返事に田畑看護師がすかさずアドバイスを行う。

 

「あ、そうですね。えっと、野村先生、特に質問はないので、お願いしますわ」

「野村先生、自分もちゃんと名前が言えるよう、やってみます」

 

 村岡と宮内の返答に満足気にうなずく野村医師。

 

「では、機械を使っていきましょう。さっき田畑君が説明したように、最初にまず村岡さんのペニスにローションをたっぷり塗りこみます。これはシリンダーとの摩擦を減らし、皮膚の損傷が起こらないようにするためです」

 

 医師が看護師から手渡されたボトルからヌルヌルとした透明な液体を手にとり、村岡の逸物を撫でまわした。

 

「ああっ、の、野村先生っ! き、気持ちいいですっ!!」

 

「おお、いいですね、村岡さん。ちゃんと名前を呼んで、気持ちよさを伝えることが出来てます。その調子で、どんどん快感を言葉にしてください!」

 

 野村医師の言葉は普段の落ち着いた雰囲気からは、若干テンションが上がっているようだ。

 見つめる宮内と田畑看護師の股間は、すでに天を突くかのように屹立している。

 

「では、シリンダーに村岡さんのペニスを入れて吸引を始めます。田畑君、操作をお願いするよ」

「はい、先生。いつでも大丈夫です」

 

 野村医師の手に握られた村岡のそれは、太さは通常時より幾分か増してはきているものの、硬さの点ではだらりと頭を垂れるほどのものであった。

 それでも張りのある亀頭と鰓、ゆったりとしたふぐりが醸し出す男らしさは、そう減じることもないようだ。

 

「ああっ! そ、そんなっ!」

 

 村岡のペニスに透明なシリンダーがかぶせられ、根元に黒いパッキンが嵌まる。

 同時に田畑看護師の操作で軽い機械の動作音とともに容器内の空気が抜かれ、見る見るうちに村岡の逸物が太さを増してきた。

 

「野村先生っ! す、すごいっ! ち、ちんぽが吸われますっ!」

「村岡さん、ペニスに血液が流れ込んでいくのが分るでしょう? 少し動かしてみますので、もし痛くなったりしたらすぐに言ってください」

 

 医師がその目を輝かせながら、手にした筒を上下にスライドさせる。

 

「ああああっ! 先生っ、田畑君っ! 気持ちいいっ! 気持ちいいですっ!! ワシのがっ、ワシのが太くなってるっ! 太くなっててっ、気持ちいいっ!!」

 

 ずるりずるりとゆっくりとした上下運動ではあるが、亀頭とその全長が限界までその容積を増した村岡のペニスがローションのぬめりを伴ってシリンダーの内壁に擦り上げられる刺激は、それこそ人の手では味わえない愉悦なのだろう。

 太さそのものは興奮時とそう変わらないのかもしれないが、減圧吸引による内部の充実感が最近の状態と比べると段違いの快感をもたらしていた。

 

「いいっ! 気持ちいいっ! もっとっ、もっとしてくださいっ!!」

 

 村岡の悲鳴のような喘ぎ声が施術室に響き渡る。

 

「どうですか、村岡さん。このままシリンダーでシゴキ続けたら、射精出来そうですか?」

 

 勃起と射精の状態を見たいのだろう。野村医師が村岡に声をかける。

 

「あ、あ、気持ちはものすごくいいんですが、イくとなると、直接握ってもらったがいいように思いますな、あ、あ、でも、いいっ……」

 

「ほら、名前を呼ぶのを忘れてますよ、村岡さん!」

 

 田畑看護師がすかさず注意を促す。

 

「あ、の、野村先生っ、その、握ってっ、じかにっ、直に握ってしごいてくださいっ!」

 

 村岡もまた、今日のルールを思い出したのだろう。

 野村医師へと懇願する。

 

「分りました、村岡さん。吸引だけでは人の手や口と違って、細かな刺激は出来ませんからね。

 では、いったんシリンダーを外しますが、根元のリングはそのままにしておいて、私たち3人で村岡さんを射精に導きたいと思います」

 

 笑みを浮かべた医師の目が、村岡を見返す。

 

「野村先生、早くイカせてくださいっ! このままじゃ、生殺しだっ!」

「硬くならないと焦らず、快感に身をゆだねてください。まずは気持ちよく射精することが目的と思ってもらっていいですからね」

 

 医師と看護師が協力し、ゆっくりと村岡のペニスが差し込まれたシリンダーを外した。

 ローションにぬめるその全長は全盛期と変わらぬ長さ太さへと変化していたが、直接握ったときに味わえる、あの「石のような硬さ」にまではいたっていないようだ。

 

「さあ、ここからは宮内さんも協力してください。村岡さんも馴染みの無い手や口の方が感じるでしょうから、私や田畑君が村岡さんのペニスや睾丸は刺激させてもらいますが、宮内さんは乳首やキスなどで、村岡さんの射精を促してくださいね」

「は、はい、分りました!」

 

 慌てて答える宮内の股間はこの異様とも思える状況にいきり勃ち、その先端からは透明な汁がすでに糸を引いていた。

 見れば若い田畑看護師の逸物もまた臍をも突かんばかりに隆々と聳え、こちらもまた溢れ出た先汁が床へと垂れている。野村医師のそれはかろうじて露としての丸みを帯びたまま、その表面張力を保っていた。

 

「さあ、宮内さん、田畑君。3人で村岡さんが気持ちよく射精出来るよう、頑張りましょう」

 

 医師の指示に、素っ裸の3人の男達が村岡の裸体に群がった。

 

 根元からの太さを誇る肉棒は野村医師の太い指に握られ、4人の中でもひときわ大きさの目立つふぐりには田畑青年の舌が伸びる。

 小豆ほどにも膨らんでいる乳首は宮内の指先で転がすように愛撫され、その唇は舌先でこじ開けられる。

 診療用の簡易ベッドの上に横たわった村岡の肉体が、3人の男の手と指、舌と唇で思うさまにいたぶられていく。

 

「うあっ、野村先生っ、寛っ、た、田畑君っ! チンポと金玉がっ、気持ちいいっ!! すごいっ! すごいっ!!」

「いいですよ、村岡さん! もっと自分の欲望に忠実に、声に出して言ってみてくださいっ! ほら、いったい誰に、何をしてほしいんですかっ?」

 

 野村医師の声が施術室に響く。

 いつもの落ち着いたトーンからわずかばかり高く聞こえるそれは、医師の興奮をも表しているかのようだ。

 

「せ、野村先生っ! もっと、もっとっ、ワシのチンポをしごいてくれっ! 田畑君っ、金玉をしゃぶってくれっ! ひ、寛っ、乳首をっ、ワシの乳首っ、もっといじめてくれっ!!」

 

 村岡の声に周囲の3人の動きに熱が入った。

 

 ぐちゅぐちゅという湿った音とともにしごき上げられる村岡のペニス。

 体形の似ている医師のそれとは長さとえらの張り具合では見劣りするようだが、根元から先端までの握りがいのある太さでは優っていると言っていいだろう。持ち重りのする肉棒に芯は入っているのだが、ズキズキとした脈動を感じるほどの硬度にはいたっていない。

 たっぷりとした量感のあるふぐりは、ぬるぬるとしたローションにまみれた田畑看護師の両手の中でその皺深い表面を撫でられながら、内部の睾丸を軽くこりこりと揉まれている。

 先ほどまで村岡の唇をふさいでいた宮内の舌先が左の乳首をねろねろと舐め続け、ときにはこりりと軽く噛みつぶす。爪を短く切りそろえた指先は右の乳首をほんの少しの痛みを与えるかのように摘まんでいた。

 

「ああっ、ええぞっ、寛っ! 乳首が気持ちいいっ! 先生っ、田畑君っ、もっとしごいてっ、しごいてイかせてくれっ!!」

「いつでもイッていいですよっ! 村岡さんっ! 全身で感じて、気持ちよくイッてくださいっ!!」

 

「あっ、あああああっ、出るぞっ、先生っ! 先生っ、もう出ちまうっ、あ、ああっ、出るっ、出るうううっ!!!」

 

 しごき上げる野村医師の手の中で、村岡の先端からぶしゅぶしゅと白濁した液体が噴き上がる。

 勢いのある発射では無いが、その量はかなりのものだ。握る医師の手を汚し、体毛が彩る手の甲を白く染めた。

 施術室に、男なら誰もが知る、あの独特な匂いが広がっていく。

 

「……どうでしたか、村岡さん。気持ちよくイけました?」

 

 村岡に尋ねる医師。

 

「すごかったですわ……。機械で吸われとったせいで、いつもより太おなっとった感じで、量も出た気がしとります……」

「宮内さんは村岡さんの射精を見て、どう思われましたか?」

「あ、その、なんというか、こういう3人とか4人でとかって、久しぶりだったので……。先生や田畑君にいじられてる昭一を見てて、なんだかこっちもすごく切なくなってしまいました」

 

 宮内のそれはもとより、野村医師、田畑看護師の股間も鈴口から溢れる先汁は大量に施術室の床を濡らしていた。

 

 ………………。

 …………。

 ……。

 

 

「村岡さんの勃起に対しての不安に対して、器質的な問題は無さそうですし、射精機能、精液の量も問題なしのようです。

 まあ、このあたりは先日の温泉でも分っていたことではありますが、今後の治療では今日のことを参考にして私の方でお2人の状況を考えてのセッションを組ませてもらおうと思いますが、そのような形でよろしいでしょうか?」

 

 身づくろいを済ませ椅子に腰かけた2人に、医師が次回の治療内容の話をしている。

 

 その後の施術室では、『このまま出さずに終わるのか』と、若い田畑青年は不満だったようだが、村岡の疲労すら感じさせる息の上り様に納得したようだ。

 

「あ、はい、ワシらはもう、先生にお任せします」

「私もそれで。極力受診日は合わせます」

「では2週間後の同じ時間に予約を入れておきますね」

「はい、よろしくお願いします」

 

 どこかすっきりした村岡と、上気したままの宮内の顔色は、射精の有無の違いだろう。

 今夜は激しくやるからな。

 そんなふうな宮内の心の声が聞こえそうだと、看護師の田畑青年は思ったようだ。

 

「今日は宮内さんは射精出来ず、溜まっておられるでしょう? 夜にでも、村岡さん、しっかりイかせてあげてくださいね」

「へへ、もちろんですよ、先生。しゃぶって扱いて、ワシの中にたっぷりイかせますわ」

 

 遠慮の無くなった村岡の言葉にいつもは冷静な方である宮内が頬を赤らめたのは、恥ずかしさだけのせいではあるまい。

 実際に、夜になればめちゃくちゃに犯してやる、そんな思いが宮内の胸中を駆け巡る。

 

「では、再来週、またお待ちしてます」

 

 医師と看護師に見送られ、2人はクリニックを後にしたのだった。