俺と親父の柔道場

その8

 

 道場の畳の上、裸の俺と親父のガタイが互い違いになって抱き合い、それぞれのチンポを咥えこんでいる。

 舌と唇、根元からシゴキ上げる手の動き、喉奥で絡み合う粘膜。

 それらすべての刺激が、禁欲でどっぷりと溜まった白いマグマを噴き上げるようにと、すさまじいまでの快感を脳へと叩きこんでいた。

 

「イくぞっ、禄朗っ、イくぞっ!」

「俺もっ、親父の口にっ、口でやられて、イッちまう!」

「飲め、飲んでくれっ! ロクっ、俺の汁っ、飲んでくれっ!」

「俺のもっ、親父っ、親父でイくからっ、親父っ、飲んでくれっ!」

 

 俺も親父も、互いの精液を飲むことにもうなんの抵抗も無かった。

 いや、今感じている快感が、親父の、俺の精液を飲み合うことで、もっと強く、強力になることが、分かっていた。

 儀式に入る前、わずか一息吸っただけの『務めの香』の効き目は、もうそれまでの『常識』や『正常』と感じていたものを、木っ端微塵に吹き飛ばしていたのだ。

 

「イくっ、イくっ、イくっーーーー!」

「俺もっ、親父で、親父の口で、イくっーーーーー!!!」

 

 実際にはぶっといチンポを咥えたまま、ちゃんとした言葉が出せたわけじゃない。

 でも、俺も親父も、もごもごとした喉と口の動きに、はっきりと相手の声が聞こえてたんだ。

 

 喉の奥にぶち当たる親父の精液。

 ごってりとした粘性と、『体液』であることを感じさせるそのむわっとした匂いと味が、鼻腔と舌、口蓋を侵していく。

 

 イッてる間も、親父の熱くて、濃いその汁が、自分の食道を通る感触にすら感じてしまう。

 溢れて、こぼれてしまわないよう、とにかく必死に飲みこむんだけど、しゃくりあげようとする親父の肉棒からの射精が止まらない。

 俺だって普段の何倍もの量が出てる気がして、その分、雄汁が肉棒を通り抜ける脈動がものすごく気持ちいい。

 

「すごい量、出したな……」

 

 およそ3分も経った頃だろうか。親父がぼそっと呟く。

 俺はそれこそ親父の汁を最後の一滴まで舐め取ってたと思う。

 まだチンポはガチガチなんだけど、なんか1発抜いてちょっと照れくさくなった俺が身体を離す。

 親父も俺も身体を起こし、あぐらかいて向かい合った。

 

「親父も……、毎回、あんなに出してるんかよ」

「お前が相手してくれたからだ」

「えっ……?」

 

 親父、あぐらかいて、ちょっとそっぽ向いてる。

 なんか俺、始める前以上にドキドキしてた。

 そのドキドキと『務めの香』の効き目が混じり合い、まだ全身がかっかと火照ってる。

 

「どうせ10回ぐらいは出さんと落ちつかんだろう」

「親父だって、イッてすぐなのに、ビンビンじゃんか」

「上澄み1発で萎えるぐらいじゃ、『お役士』は出来んからな」

「やろうぜ、親父。俺、親父の側にいて、親父の匂いだけで、もうたまんねえ」

「俺もだ……、ロク。お前の汗の匂いだけで、何発でもイけそうだ」

「次は、どうする?」

「お前が次の『お役士』だ。お前が決めろ」

 

 どうするか、なんて、言われても分かんねえよな。

 ただ、そのときの俺、やっぱりおかしくなってた。『務めの香』のせいとしても、それでも変になってた。

 

「俺……、俺のチンポ、どっかに突っ込みてえ……」

「まあ、そうなるだろうな……。俺のときも、そうだった」

「親父のときって……。その、親父が爺ちゃんに、そ、その、挿れたってことなんかよ?」

「ああ、そうだ。俺は親父さんのケツを犯した。手や口と違うと思って、それこそ猿みたいにやりまくった」

「親父はいいのかよ。俺なんかにやられるってことなんだぞ」

「俺なんか、とか言うな。お前はもう立派な藤堂の男だ。俺がそのお前のケツ童貞もらえるんだ。藤堂の男としては名誉なことらしいぞ」

「その、親父、いつもこんなことやってんのかよ」

「親父さんと、たまにな。といっても、お前と今日を迎えるための練習って奴だったが」

「だから、『中を洗う』ってことだったんか?」

「ああ、そうだ。男同士で、口以外だと、もうそこしか無いからな」

 

 親父、俺が『こう』なるってのは分かってたみたいだ。

 そのために、俺も親父も風呂場で『洗って』きてたんだよな。

 で、そう考えると、俺がやった後には、俺も親父にやられるってことってのが分かった。

 そして、そのときの俺、もうそれが当たり前だと考えてた。

 

「これ、使え」

 

 親父がローションみたいなのを手渡してくる。

 そりゃ、さすがに用意してるよな。

 

「近くにいっていいか?」

「ああ、来い……」

 

 2人とも、むしり取るようにして、よれよれになった褌を外す。

 親父に、俺が近づく。

 親父の息が荒い。

 むわりと漂う汗の匂いが、更なる欲情を呼ぶ。

 

「んっ、むぐっ……」

 

 激しいキス。

 俺、親父を押し倒した。親父も抵抗せずに、2人して横たわる。

 互いの坊主頭を手のひらで引き寄せ、ぬめる汗で撫で回す。

 生肌に触れている、その感触が手のひらにすら快感となる。

 

 首に顔を埋め、汗の匂いを嗅ぐ。

 耳たぶを唾液を溜めた口に含み、じゅるじゅると舐め回す。

 親父のまるでボウルを伏せたような胸を鷲掴みにし、膨れあがった乳首をコリコリと歯で転がす。

 

「んっ、すごいぞ……。どこで、覚えた……?」

「その、ネットとかでだよ……」

 

 確かに親父達の時代とは違うかもな。

 こういうの男女関係無いはずって、動画で見たテクニックを使ってみる。

 

「その、ケツに挿れるって、どうすればいいんだよ?」

「最初は後ろからの方がいいだろう。俺の尻にローションたっぷりつけた指を入れて、上下左右に広げるようにしてみろ。お前の指が3本入ったら、もう大丈夫だ」

 

 俺、ホントに、親父に『挿れる』んだよな。

 

「俺、初めてが親父になるんだぞ。責任取れよ」

「当たり前だ。これからは、俺が、いや、俺だけでなく親父さんも、正式な『お役士』になるお前のフォローに回る」

 

 後から考えると、たぶん親父ってこのとき、さらっとすげえこと言ったんだけど、そんときの俺、その意味がたぶんよく分かんなかったんだと思う。

 なんかもう、親父に、って思うだけで、興奮しきっちまってたんだ。

 

 親父、四つん這いになって、俺の目の前に尻を高く上げた。

 身長低いとはいえ、100キロを越すすげえガタイしてる親父の尻、ぶっくりもりあがってすげえ肉感的に見える。

 俺や爺ちゃんと違ってもともと毛深くはない親父だけど、爺ちゃんが剃り上げたこともあって、すべすべしてるようにすら見える。

 

 人差し指と中指にローション垂らして、親父のケツ周りをまさぐる。

 最初、びくっと親父の背中が揺れたと思ったのは、俺の気のせいだったんだろうか。

 

「指、入れるぞ、親父」

「ああ、やってくれ……」

 

 最初は人差し指の先を、くすんだ窄まりにぬぷりと沈める。

 入口の締め付けをくぐり抜けると、親父の中はすげえ温かかった。

 ぶちゅ、くちゅ。

 湿った音がかすかに響き、指1本はなんなく受け止めている親父。

 

「指、増やしてみろ」

 

 そうきつくないって親父も分かったんだろう。

 俺、親父の言う通りに中指を入れ直す。

 指の向きをあちこちに変えていくうち、ある部分を押すと親父の背中がまた揺れた。

 

「ここ、感じるんかよ?」

「ああ、たぶん、そこが前立腺って奴だ……」

「その、俺もやられたら、感じるんかな……?」

「後でやってやる。期待しとけ」

 

 もう中指の根元まで入れても自由に動かせる感じになってた。

 俺はいよいよ、3本目の指、薬指を添えて入口を狙う。

 

「う、うん……」

「痛かったか?」

「いや……、大丈夫だ……。動かしてみて大丈夫そうなら、お前のをゆっくり突っ込め」

 

 3本の指、根元はきついけど、中で動かす分には抵抗なくなってきた。

 親父の尻の中で、俺の指が暴れてる。

 それを思うだけで、俺のチンポから先走りがだらだらと漏れ出てしまう。

 

 ぶちゅん。

 そんな音がしそうに潤ったケツ穴から、俺は指を抜いた。

 

 親父のでっかい尻の前に、膝立ちになった俺が身を進める。

 臍を突きそうになるチンポを押し下げ、ローションをたっぷりまぶす。

 ローションでぬめる手のひらでずるりと亀頭を嬲れば、それだけで汁が漏れちまいそうな勢いだ。

 

「親父、挿れるぞ」

「ああ……、最初はゆっくりやってくれ」

 

 ローションが垂れるケツ穴に、俺は狙いを定めた。

 

「う、うあ……」

 

 先端が、みっしりと割り入っていく。

 粘膜同士の摩擦が、とてつもなく気持ちいい。

 

「はっ、はっ、はあっ……。ゆっくり、ゆっくりやってくれ……」

 

 ずるっ、ずるっと、俺は腰を進めていく。

 畳に埋めた親父の頭から、小さな声が聞こえてくる。

 なにかつっかえるわけじゃない。入口の締め付けと、先端にまとわりつく『肉』の感触だけが抵抗になっている。

 

「親父……。痛かったり、してねえか?」

「ああ……。ちょっとだけ、まだ動かないでくれ、馴染んだら……、いいぞ……」

「親父の中、すげえ温かい……」

 

 俺、すぐにでもチンポを動かしたくてたまらなかったんだ。

 でも、親父が痛がると、なんかダメっぽくて、すんごく我慢してた。

 

「……そろそろ、いいぞ。久しぶりだが、なんとかなりそうだ……」

「いいか? いいんだな?」

「ああ……、やってくれ、ロク……」

 

 もう我慢が効かなかった。

 

「動くぞ、親父っ!」

 

 根元まで突き入れていたチンポを亀頭のエラのギリギリまで一気に引き、そのまま奥へとぶち込んでいく。

 入口の締め付けと竿と亀頭にまとわりつく肉の壁が、ものすごく気持ちいい。

 ガツガツと親父の尻肉に俺の腰がぶつかり、金玉が一瞬遅れて親父の肌を打つ。

 

「があっ、あっ、あっ、あっ、ああああっ!」

「いいぞっ、いいぞっ! 親父のケツっ、すげえいいっ!」

 

 親父の声、痛みじゃ無いと信じたかった。

 感じてるかどうかまでは分かんなかったけど、嫌がってるんじゃ無いと信じたかった。

 

「いいのか? いいのか、親父?」

「あっ、あっ、ロクのチンポがっ、すごいぞっ、奥にっ、奥にっ!!」

「ここか? ここがいいのか?」

 

 俺、もう無茶苦茶に親父の尻を犯してた。

 締め付けだけを考えたら、自分の手でやる方が強いと思った。

 でも、親父の中に俺のチンポを突っ込んでる。

 親父が俺のチンポ突っ込まれて、よがってる。

 そう思うと、もう、一気に『来た』んだ。

 

「ダメだっ、親父っ、俺っ、もう、もうっ、イッちまうっ!!」

「イけっ、ロクっ! 俺の尻でっ、イけっ!」

「あっ、イくっ、イくぞっ! 俺っ、親父のケツにっ、イくっ、イくっーーーーー!!」

 

 この夜2発めの射精、俺、親父の中に盛大に噴き上げた。

 たぶん、朝1発やったのよりたくさん出たんじゃないか。そんな気がした。

 俺、男にしろ女にしろ、『中』に出したのなんて、生まれて初めてのことだったんだ。

 

 俺、親父の汗だくの背中に倒れ込んでた。

 まだまだ体力出し切ったわけじゃないんだけど、なんか、肌を合わせたかったんだ。

 

「さすがに全体重乗ると、重たいな」

 

 親父がぼそっと言いやがる。

 

「重いんか?」

「ふん、それが気持ちいいんだ。お前もすぐ分かるようになる」

 

 強がりか? って最初思ったけど、親父がただ俺が乗っただけでへばっちまうワケ無いよなって、すぐに思い直す。

 親父の背中、盛り上がった筋肉とうっすらまとった脂肪が、俺の胸と腹に当たって、すげえ気持ちよかった。

 

「親父の汗、やっぱり、そのなんだ、興奮しちまうな」

「俺もお前にのしかかられてるとな……、汗と重さで、たまらんぞ。痛いぐらいだ」

 

 俺、あっと思って少し腰を浮かす。

 親父のチンポ、ギンギンだったはずだから、畳と親父の腹の間でぎゅっとプレスされてるはずだ。

 親父のバルクと俺の体重。合わせて200キロ以上が乗ってたわけだから、確かに痛いのは当たり前かもだった。

 

「ごめん、親父のチンポ、全然気にしてなかった」

「なに、この後は俺がやらせてもらうんだ。それでお相子だな」

 

 なにが相子か分かんなかったけど、これ、いよいよ俺が『掘られる』『挿れられる』ってことなんだよな。

 これもまた、なんもかんもが生まれて初めてだし。

 

 ケツにチンポを挿れられる、しかも実の父親に。

 そう分かっても、俺のチンポ、ぜんぜん萎えなかった。

 いや、かえってビンビンになっちまってる気もしてたんだ。