金木犀

スポーツジムの副支配人の俺を金木犀の香りが学生時代への思い出へと誘う


柔道教室だけでは運動不足を感じた文男がジムのインストラクターから受ける男の手ほどき


ヤリ部屋で出会ったガタイのいい学生とのセックスは極上の体験だった


金木犀の香りは男達のそれぞれの想いを乗せて薫りゆく



 阪神淡路大震災の四年後に書いたもので、当時は自分が後年被災し避難所生活を経験するなどとは思ってもいませんでした。作中に震災のことを入れるか悩んだのですが、関西の方とやり取りしながら今(当時)の関西を書くなら外すわけにはいかないだろうと言われ、少しだけ書き入れた覚えがあります。

 これまでの自分だけの妄想から書き出した作品と違い、上記の旧サイトの読者の方とかなり細かなやりとりをしながら作ったもので作中の人物にはモデルもあり、かなりの思い入れがある作品です。今はもう変わってしまったでしょうが、ちょっとした登場人物の関西の交通機関に関するつぶやきについて「感覚的に正しい」と当時の読者さんからお褒めの言葉をいただきました(笑)。

 作中に携帯電話が出てきますが、当時はちょうどPHSから携帯へ移り変わった頃だったでしょうか。今どきのSNSなど影も形も無い頃でした。今風にしようかとも思いましたが、若い二人にほんの少しだけ間を置いての逢瀬にしてあげたかったのでそのままにしています。

 この作品は別の作家さんから編集の方に紹介していただき、さぶ誌2000年(平成12年)8月号に「小山田悠」名義で掲載されました。ペンネームは単に「女形」と「太夫」を引っ付けたもので、田亀源五郎氏の筆名をかっこよく思っていたもので付けたことを覚えています。前後するかもですが、三太って筆名がさぶ誌内でコラムを書かれていた別の方と、かぶってしまってたのが直接の原因だったかもです。

 

 当時のパソコンの故障やら買い換えでアドレスも分からなくなってしまった関西にお住まいだったKさん、お元気でしょうか。またぜひお会いしたいです・・・。