亀頭責め専門マッサージGlans(グランズ)店長のブログ日誌より

ケース2 藤岡作治さん(仮名)54才の場合

 

ケース2 藤岡作治さん(仮名)54才の場合

 

「いらっしゃいませ!」

「あ、予約してた藤岡です……」

「はい、ありがとうございます、藤岡さん。60分コースでご予約いただいてます。こちらへどうぞ」

 

 おそるおそる、という感じで来てくれたのは、三日前に電話で予約を入れてくれた藤岡作治(仮名だろうな)さん。

 もちろん名前聞くときに『仮名や愛称でいいですよ。呼ばれたいお名前でどうぞ』って言ってるよ。

 電話口での質問ではこちらが尋ねたこと以外も色々話してくれた人で、失礼な言い方だけど『やりやすい人かな』とは思ったところ。

 インテークの用紙は時間前からしっかり見直して、こちらの知識も再確認しておく。

 

 藤岡作治、54才。

 妻帯されてるけど妻との性的な接触はもう20年近くない。

 4年ほど前から男女モノのSM風俗にはまって、前立腺の快感に目覚める。

 2ヶ月前に馴染みの嬢が県外に移籍したようで、色々ネットで探していた。尻をいじられる快感がほしいとゲイ関連のモノに間口を広げてみたけれど、いきなりだと怖さもあって、手での刺激をメインとしてて、その上で前立腺責めもやってくれるうちに興味を持った。

 亀頭と前立腺を同時に責められて、感じてみたい。

 

 ああ、ノンケさんなのね、とは思いつつ、このタイプの人って、たぶんうちのコンセプトにはぴったりなはずのお客さんなんだよな。

 

 SM、とりわけM側で前立腺や性器を責められる被虐志向のノンケさんにとって、ケツにチンポ入れられたり、男にしゃぶられたりってのには、やっぱりワンクッション欲しいとなるのは当たり前で。

 その点、うちは『手と指で』というのを大きく打ち出してる(もちろんオプションでスキン付けてのタチウケも選べるようにはしてる)せいか、この『ワンクッション』欲しい人には魅力があるみたい。

 

 学生時代の最初のバイトのときにも店長の顔の広さのせいか、SM倶楽部の女王様から『このMの尻を開発してやって』とかの依頼ももらったりして、あー、そんなのあるんだって思ったことがある。

 そのあたり、当時の自分にはびっくりだったけど、目の前に現れる『性的対象』よりも、自分が経験することになる『性的な行為』の方に重きを置く人もいるんだなって、気付かせてくれたんだよな。

 

 ただ、この手の嗜癖を持つ人に対してはかなりきちんとリサーチしとかないと、本人さんの満足に繋がらなかったりするんで、そのあたりはプレイ前の話す時間をより大事にしなきゃなとは思ってる。

 これがお客さんがゲイだと『同性が相手してる』ってだけで興奮できる人も多いけど、ノンケさんだとそのアドバンテージが無くって、とにかく『プレイ内容とその質』が問題になるわけだしね。

 

「ご予約ありがとうございます。私が指名いただいた『さぶろう』です。予約の際の電話でも少し聞かせていただきましたが、プレイに入る前に詳しいご希望を確認したいので、こちらの用紙を見ていただけますか」

 

 ネット予約だとそちらでの細かな質問も一緒に出来るんだけど、電話だとそうもいかなくて、質問紙への記入と会話をまずは、ってところ。

 もちろんこういう時間はプレイ時間には含まないので、お客さんにもゆっくりじっくり考えてもらいたいし。

 

 藤岡さん、典型的な中年太り、70キロは軽く越えてそうな丸い腹の出たがっちりおじさんって感じかな。

 昔はスポーツやっておられたのか、肩とか胸回りも肉々しくて、脱いだら色々と凄そうで。新橋や上野浅草あたりでデビューすれば、かなりのモテ筋さんのはず。

 こっちに来たらよりどりみどりですよ、とかも思うんだけど、さすがにノンケさんにそれは言わないけどさ。

 で、質問紙への記入内容とその後の会話で引き出したことをまとめてみる。

 けっこう書いてくれてるのはやっぱりこういうのに『慣れてる』ってことなのかなあ。

 

 作治、と下の名前で呼び捨ててほしい。

 同性からの玉舐めや乳首舐めなどはまだ気が散りそうなので、今日は口と舌は使わず、とにかく手と指でお願いしたい。

 SM倶楽部では、四つん這いになった自分を後ろからS嬢が指でいじってくれて、扱かれずにイかされていた。ここではベッドで添い寝の形では無く、椅子の方の部屋で股間と尻を集中して責めて欲しい。

 男にやられて興奮してる自分を罵って欲しい。

 出来ればヤられている自分を鏡などで見てみたい。

 四肢拘束は以前に風俗ではやったこともあるが、今回はまだ少し怖さがあるので無しでお願いしたい。

 まずは前立腺を責めて、それで勃起したら亀頭責めをお願いしたいが、亀頭に関してはあまり強い責めは受けたことが無いのでそのあたりは考慮してほしい。

 尻は洗浄機付きのトイレで洗ってきてる。

 

 このあたり、すごく正直に書いて&本人も語ってくれて、ああ、担当してた女王様が、きちんとしてたんだろうなって。

 風俗利用するときには希望を言ってナンボだと思うし、不安なことやNG内容を先に言っといてもらうとこっちもすげえやりやすいし。

 事前のこういうやり取りで多少時間がかかっても、満足してくれれば結局リピートしてくれる確率爆上がりだしな。

 

「シャワーはどうされますか?」

「済ませてきてますので……。大丈夫かと思います」

「ローション等使いますので作治さんには全裸になってもらいますが、こちらの衣装の希望はあられますか?」

「男の人にやってもらうのはまだ慣れてないので、服を着たままでやってもらっていいですか」

「もちろん大丈夫ですよ。では、服はそちらのロッカーにどうぞ。鍵は手首にでも付けておかれてください。服を脱がれて椅子に座られてからがスタートになります。被虐の喜びを堪能されたいとのことですので、多少強引な責めもやっていきますが、こちらの行為をどうしても止めたいときのエスケープワードは『ギブアップ』を2回連続して言ってください」

「はい、その点も了解してます。前の倶楽部でも、そのあたりはきちんとされてたので……」

 

 ああ、やっぱり『ちゃんとした』店で楽しまれてたんだなって。

 こういう取り決めをやれてるところなら、スタッフも居心地いいだろうなとか思うしね。

 まだ男に『ヤられる』っていうのに慣れてないのはその通りだろうし、それでも『男にヤられて興奮してる自分を言葉責めしてほしい』ってのは、チャレンジ精神もあられるんだろうし。

 こういうお客さん、たぶん回を重ねるとどんどんお互い楽しくなってくんだろうなあとか想像しちゃうよな。

 俺の方はTシャツに灰色のスウェット姿で施術に入ることにする。

 

 斜めがけの背もたれに上半身を預け、緩くM字に開いた両足の間に入り込む俺。

 目の前の量感のある中年男の肉体。

 毛深いわけじゃあ無いけど、胸も腹もたっぷりとした脂肪が着いちゃあいるが、その奥にはちゃんと筋肉あるのも見て取れる。

 外回りもするのか、半袖シャツからの日焼け跡がすげえいやらしく見えちまう。

 チンポは標準サイズより一回り大きいぐらいで、興奮する前でもぼってりしてる感じかな。

 少しばかり被ってはいるけど、これは勃ったらすぐにずる剥けになるタイプだろう。

 竿も金玉も、年に応じた色素の沈着が見えて、周囲の皮膚色との違いははっきりしていた。

 

 俺はプレイ開始の合図になるよう、ちょっと口調も変えての第一声になった。

 

「作治、男の目の前で素っ裸で足広げて、お前の股間が丸見えだぞ」

「ああ、さぶろうさん、恥ずかしいです……」

「なんだお前。その恥ずかしいってのは『感じる』ってことなのか? お前のチンポが、おっ勃ってきてるぞ」

「ああ、はい……。さぶろうさんに見られて、チンポを見られて、興奮してます……」

「男に裸を見られるだけでおっ勃つなんて、作治、お前は筋金入りの変態だな」

「ああ、私は変態です。ホモじゃ無いのに、男にチンポ見られて勃起する、変態です……」

 

 前立腺をいじって勃たせて、との話だったけど、触りもしないうちに藤岡さんのチンポ、でっかくなっていく。

 目の前にいるのが同性の男、っていう状況そのものは乗り越えたみたいだな。

 案の定、少しばかり亀頭を覆っていた包皮がずるりと後退し、剥けきった先端が艶めいてきてた。

 

「ケツとチンポ、どっちからいじって欲しいんだ? ああ、変態の作治さんよ?」

「尻から、尻からいじってください! 尻を責めてくださいっ!」

 

 この2ヶ月は自分でいじるしか無かったんだろうし、そりゃ懇願するよな。

 俺はローションを藤崎さんの股間と自分の指先に、とろりと垂らす。

 

「感じたら声出せ、作治。いくらよがっても、構わんからな」

 

 マンションの一室ではあるんだけど、リノベするときに防音だけはきちっとお願いしてる。

 大声出せるってだけでも、自分の家じゃまず出来ないことだし。

 

「あっ、あっ、ああああっ……。いいっ、気持ちいいですっ……」

 

 まだ入口だけどな、とは思いつつ、ゆっくりと慣らしていく俺。

 お客さんが百戦錬磨かもしんないけど、ここだけは念入りにやっとかないとな。

 

「作治のケツ、トロトロじゃねえか。普段でも自分でいじってんだろう?」

「はいっ、そうですっ! 家人がいないときにっ、風呂場でっ、風呂場でいじってますっ!!」

 

 たぶん、ホントのことなんだろう。

 確かめる術は無いけど、ここで隠す必要もないもんな。

 十分に解れたのを確認した俺の指先が押し進み、ついに少しばかり抵抗のある膨らみに達した。

 

「ああっ、そこですっ! さぶろうさんっ、そこですっ!!」

「そこ、じゃ分かんねえぞ。何のことか、ちゃんと言ってみろ!」

「ぜ、前立腺ですっ!! 男がそこをいじられると、勝手に射精してしまう、前立腺ですっ!!」

「俺の許し無く、勝手に漏らすんじゃねえぞ。おら、こういうのが感じるんか? ほら、言ってみろ!!」

 

 まずは中指1本で、ぐりぐりと責め立てる俺。

 

「ああっ、感じますっ! 感じるんですっ!!」

「んんっ? どんなふうに感じるんだ? ちゃんと分かるように言えっ!」

「そ、そこをくじられるとっ、勝手にっ、勝手に金玉から汁が上がってっ、いっ、イきそうになるんですっ!!」

「勝手にイくなって言ってるんだっ!!」

「がっ、我慢しますっ!!」

 

 少しばかり刺激を緩める俺。

 それまでぐるぐると突き上げていた中指の先端の動きを、ゆるゆると藤岡さんの金玉の裏側を撫で回す動きへと変えていく。

 決して押し付けず、わずかな膨らみの表面をぬるぬるとまさぐる動きはどう響くのか。

 

「ああっ、気持ちいいです……、それ、それっ、たまらないです……」

 

 直腸粘膜そのものにはほとんど感覚は無いので、これは前立腺という部位が圧迫されてる感覚を周辺の神経が受け取っているにすぎない。それでもその刺激が本人の中で『快感』と一度結びついてしまえば、それはそれでまさに『終わりの無い悦楽』を発生させる代物になるんだよな。

 俺はそろそろ『前』も責める時期かなと、右手で器用にローションを取り溜めた。

 

「こっちも同時に責められると、感じるだろう?」

「うああああっ、そっ、それはっ……!」

 

 左手は直腸を責め上げてるので包皮の引き下げは出来ないんだけど、それでも左手の親指で玉の根元を少しばかり押さえておくことである程度のテンションを掛けることは出来る。

 そのままずる剥けになった亀頭をローションをたっぷりと取った手のひらの窪みに収め、ずるずると撫で回す。

 

「はあああっ、ああっ、あっ、あっ……!」

「感じるんだろう? もっと声上げて構わないぞ」

「うああああああっ、ああああっ、感じるっ、感じますっ! さぶろうさんにやられてっ、感じますっ!!!」

 

 藤岡さんが椅子の肘掛けに後付けした握り棒を強く握りしめてるのが分かる。

 あれ、オークションで落札して届いた奴に俺が取り付けたんだけど、けっこうみんな使い方言わなくても分かってくれてて、それはなんか嬉しいんだよな。

 人間、掴まるものがあると結構な刺激に耐えられるようにはなるんだけど、それはそれで全身の緊張も呼んじゃうんで、そこらへんは力を逃がすような途中での注意も必要にはなるんだ。

 

「おら、感じちまって、身体が固まってんだろう? 手を離して、ちょっと深呼吸してみろ」

「ああ、はい、さぶろうさん……。ああ、気持ちいいです。尻もチンポも責められて、気持ちいいです……」

 

 この途中での『休憩』とか『意識反らし』は、プレイだと必ず一度は入れるようにしてるかな。

 ショートコースだと一気に持ってくことも多いけど、お客さんに快感をより長く楽しんでほしいってのもあるし、俺自身もこのケツとチンポの同時責めは、尻に突っ込んでる左手をちょっと休ませたいって事情もあったりするし。

 

 亀頭と肉棒、金玉を責める右手はそうでもないんだけど、前立腺をメインにいじる左手は、どうしても少し捻った形での施術になるんで、そこが少しばかりキツいところ。

 といっても、お客さんに最高の快感を感じてもらいたいわけで、そこは頑張り処じゃああるんだけどな。

 

 もちろんその間も完全に刺激を止めるんじゃなくて、亀頭はゆるゆると雁首だけを刺激してり、ケツの方も入口をぬるぬるとほぐす動きは続けてる、

 それでも藤岡さんにも『責め側が手を緩めてくれてる』ってのはしっかり伝わってて、さっきまでバーを握りしめてた両手が自分の乳首に伸びて先端を刺激しはじめてるのは、より深い快感を味わおうという気持ちがあるせいだろう。

 

「中年の親父が大股開いて尻とチンポいじられて自分で乳首いじってよがってりゃ、ざまあねえな。おら、天井の鏡に素っ裸のお前が映ってんぞ。見えてるか?」

「ああ、映ってる……。この作治は、さぶろうさんに尻に指を突っ込まれて、おちんちんを扱かれて、自分で乳首いじってる変態です。男なのに、男のさぶろうさんに、恥ずかしいところを見られて、いじられて、興奮してる変態なんです」

 

 ああ、こういうノリ、いいよな。

 ケツの左手、チンポの右手。それに言葉責めも含めてこっちもノッてきちまう。

 

「ああっ、さぶろうさんのそれっ、いいですっ、いいっ、気持ちいいっ!」

 

 尻の中の指先をばたつかせる。

 トントンと軽いノックの後に、少しばかり力を入れた指先で上下に擦りあげる。

 ローションと先走りでぬるつく亀頭は、じゅるじゅるとした撫で上げを延々と繰り返す。

 

「あっ、ああっ、溶けるっ……。尻が、尻がとろけていきます……」

 

 もっともっと、蕩けさせてやるからな、作治さん。

 

「んん、ここが感じるんか? 作治さんよ? おら、感じるなら感じるって、ちゃんと声に出せ」

「ああああっ、尻がっ、さぶろうさんの指が尻に入れられてっ、前立腺いじられて感じてますっ。チンポもっ、おちんちんもっ、先っぽをさぶろうさんにっ、男にいじられて感じてる変態ですっ!!」

「作治はすげえ、変態だな。男の俺に、ケツとチンポいじられて、自分で乳首いじって、それが映った鏡見て興奮して、すげえ変態だな!」

「ああっ、変態ですっ! 作治は男にヤられても興奮する、変態なんですっ!!」

 

 半開きにした口の端から垂れ落ちる涎。

 天井の鏡を見ながら、いじりまくる乳首。

 半分出してる舌は、たぶん今、俺が唾液を垂らしたら旨そうに飲み上げちまうんだろうな。

 中年のおっさんが突き出た腹の下、おっ勃ったチンポをいじられて、ケツには指が突っ込まれた姿、もうエロすぎた。

 

 たぶんSM倶楽部だと先走り散々搾った後は、一気に射精に持って行ったはず。

 逸物扱かずにイかせるんだと、そのパターンになるよな。

 今日はそれとは違って、『前も後ろも責められながらイかさない』快感をたっぷりと味わってもらう。

 

「うわっ、なんですかっ、それっ! すごいっ、すごいっ……!!」

 

 ん、これは初めてだったのか。

 まあ俺の独自テクの一つじゃあるんだけど。

 普通は人差し指と中指あたりを使って、指の腹で前立腺にあたる部分を内側から撫でる刺激でイかせるはず。

 そこを俺、人差し指と中指をわずかに開いて、前立腺の膨らみを両側から挟み込むようにして揉み上げるんだ。

 実際には尿道を取り囲んでる器官な訳で、直腸側から『当たる』部分は球状の形態の一部にしかなんないんだけど、そこの膨らみを上手い具合に捉えられると、これすごく『効く』らしい。

 

 キャストのみきおやマルに伝えてもなかなか上手くやれるって感じでも無くて、俺自身は最初に勤めた店の店長から教わって、おお、これすげえ! ってなった技なんだけどな。

 藤岡さんには上手く『はまって』くれたみたいで、やり始めからすげえ感じてくれたみたい。

 

「ああああっ、それっ、そこっ、そこっ、感じますっ、感じますっ!」

「どんなふうに感じるんだ? 作治、ほら、言ってみろ」

「ああっ、すみませんっ、さぶろうさんっ! 感じるんですがっ、どう感じてるか分からないほどっ、きっ、気持ちがいいんですっ!!」

 

 ま、そうなるよな。

 俺はケツの中の指の動きはそのままに、亀頭責めのパターンも少しずつ変えていく。

 

「うわああああっ、ダメですっ! ダメっ! そんなヤられたらっ……!!」

 

 ぐちゅんぐちゅんと、亀頭だけを絞り上げる刺激は強烈ではあるが射精感を増す技じゃない。

 鈴口を潰すかのような責め。

 手の平で押し下げて、勃起圧を使ったテク。

 爪先で亀頭表面を何度も擦りあげると、啼き声のような藤岡さんのよがり声が響く。

 

 その声を聞けば、俺のテンションも上がる。

 亀頭を責め上げながら、少しずつ前立腺の当たり処を変えていく。

 

 最初のときより微妙にそのあたりが『硬く』なってくのが指先に伝わるのは、やっぱり前立腺そのものも刺激を受けて反応してるせいなんかね。

 硬くしこってきた『そこ』を集中的に責め上げれば、藤岡さんの声がいっそう昂ぶっていく。

 

「うあああああっ、ああああっ、ああっ、ああああああっ……!! ダメですっ、ダメっ、ダメっ、それっ……。ああっ、あっ、あっ、ああっ、ああああっ……」」

 

 亀頭を責める俺の手の平は一瞬も動きを止めない。

 射精感へは繋がらない純粋な『粘膜への快感刺激』と、前立腺への『吐精を促す刺激』。

 これ、いっぺんにヤられて悶えない奴はいないよな、ってくらいのテクのはず。

 

「んー、これじゃイかないだろう? 何がダメなんだ?」

 

 俺の意地悪な質問は、藤岡さんの興奮をますます増していく。

 

「ああああっ、ダメですっ、ダメなんですっ! そんなっ、そっ、それっ、ああっ、気持ちいいっ! 感じるっ! 感じますっ!!」

「んん、せめてどこか感じてんのか、自分で言ってみろ」

「ああっ、亀頭がっ、亀頭と尻がっ、どっちもっ、どっちもいいんですっ! さぶろうさんにヤられてっ、尻も亀頭もっ、どっちも気持ちいいんですっ!!」

 

 50過ぎのおっちゃんが、ここまで自分をさらけ出せるって、相当『鍛えられてる』んだよな。

 誰もが最初に持つ『羞恥心』って奴を乗り越えさせてるS嬢さん、調教の腕、すげえわ、これ。

 

「作治の亀頭、先っぽからションベンみたいに先走りが出てるぞ。すげえいやらしいんだな、作治は」

「ああっ、変態ですっ! 作治は男にヤられても先走りがどんどん出る、変態なんですっ!!」

 

 ほとんどの前立腺責めのときには顕著になる先走り、マジですごい量が垂れちまってる。

 ローション要らねえんじゃないかってぐらい、ホントにまるでションベン漏らしたんじゃないかってぐらいに、もう藤岡さんの股間、ぐちょぐちょになってるんだ。

 

 俺はそろそろクライマックスかなと、責めの手は緩めずに、藤岡さんに声をかけた。

 

「作治さんよお。最後はどうやってイきたいんだ? おら、自分の口から言ってみろよ」

 

 最初の話で前立腺いじられたままでイきたいってのはもちろん聞いてるんだけど、この状況で自分で言わせるってのが、本人さんの興奮もよりいっそう誘うはず。

 

「さぶろうさんにっ、さぶろうさんに前立腺揉まれながらっ、チンポを扱いてほしいですっ! じ、自分はっ、自分は乳首をいじって、鏡に映った自分の姿を見ながらイきたいですっ!!」

「俺みたいな男にケツいじられて、チンポ扱かれて、自分で乳首いじってイきたいなんて、作治はすげえ変態だな!」

「ああああっ、変態ですっ! 私は男にケツをいじられて、チンポを扱かれて感じてる、変態ですっ!!」

「変態だなっ、作治はすげえ、変態だなっ!!」

「ああっ、変態ですっ! 作治は変態ですっ! 男にヤられて感じてる、変態ですっ!!」

 

 ここまで来たら、もう遠慮は要らない。

 左手は前立腺を挟んだ指先を交互に前後に動かして、揉み上げの刺激を強めていく。

 右手は亀頭だけを責め上げてこれまでほとんどやっていなかった上下運動を、いきなりやりはじめる。

 これ、もう、藤岡さんとしたら一直線コースのはず。

 

「ああああっ、イきますっ、変態作治がっ、イきますっ! 精液が出ますっ、作治のっ、変態の精液が出ますっ!!」

「イっちまえっ、出しちまえっ! 作治のイくところ、俺が見てるぞっ! 盛大にぶっ放せっ! イけっ、イけっ、イっちまえっ!!!!」

 

 藤岡さんの最期は、絶叫になった。

 

「ああああっ、イきますっ、イきますっ!!

 ケツをいじられてっ、チンポを扱かれてっ、イきますっ、イくっ、出るっ、出ますっ、イくっ、イくっーーーーーーーー!!!」

 

 びくびくと震える藤岡さんの全身。

 天井の鏡を見つめたまま、大声を上げる藤岡さん。

 痙攣するようなその中年太りの肉体は、ローションと先走りと、汗にまみれている。

 

 高さはそうなかったものの、どろどろと噴き上がった汁は藤岡さんの腹を汚していく。

 幾度もの吐精の度に、わずかずつその硬度を落としていく肉棒は、その太さは変わらぬままにゆったりと腹に横たわった。

 

 俺は最後の一滴を絞り出すように、汁にまみれた先端をぐじゅんと握り潰す。

 

「ああっ、さぶろうさんっ、イった後は……。あ、でも、気持ちいいです……」

 

 うん、これが聞きたかったんだよな、俺。

 全身の力が抜けた藤岡さんの身体を雄汁が零れない程度にはウエットティッシュで拭う俺。

 

「気持ちよくイってもらえたようで、よかったです。そちらでシャワー使われてください。水分補給用の飲み物を用意しておきますので」

「はい、ありがとうございました。シャワー使わせてもらいます」

 

 憑き物が落ちたように、と言うと失礼に当たるのだけども、こういう『プレイから素に戻る瞬間』が見られるってのも、この仕事しててよかったと思うことの一つだったり。

 普段とエロと、どっちも見ることって、付き合ってる間柄とかでなかったら、そうそう目にするものでもないしね。

 

 シャワー終えて服も着た藤岡さんとのティータイム。

 こういうほっこり感、初めてだったみたいで喜んでくれたよ。

 

 少し話してみて、ああ、やっぱりS嬢に対しても『女性(異性)』としてでなく『行為をやってくれる人』として見ておられたんだなという思いを強くした俺。

 そういう意味もあって、うちを選んでくれたんだろうけど、もし次回があるなら乳首責めなども出来ますよ、ってことは伝えておいた。

 もちろん『同性から口や舌を使われる』ってところに抵抗が生じるのは分かってるんだけど、藤岡さんレベルだとそこはもうクリア出来るんじゃないかとも思ったりで。

 なにより嬉しかったのは『SM倶楽部でだと刺激が強くてちょっと痛かったりしたこともあったんですが、あ、いえ、それが嫌って訳じゃ無くてそれはそれで気持ちよかったんですけど、ここでは

 

 帰るとき、最後に『また利用します』って言ってくれて、まあお世辞の一つかもしれないけど、やっぱり嬉しかったし、もっと頑張んなきゃなって思った俺だったんだ。