金色の贄設定資料(6種族)
●獅子族
ライオン種と麝香猫(ジャコウネコ)種をベースとして、大規模軍の指揮官生体を目標に遺伝子設計・開発された。
肉体の各種分泌器官より発する各種生理活性物質(フェロモン)により、一体にて非常に広い戦場(テリトリー)の指揮が可能。
これは獅子族の能力のみならず、現生獣人類そのものが旧来の人・動物種、よりも臭感知に影響するヤコブソン器官能力を強化されていることも影響している。
指揮可能距離として通常は半径50㎞ほど、到達方向を限定すれば120㎞を越える集団を管理出来る能力を持つ。
具体的には、臭腺嚢袋(口と頬の両側、顎下、尾の付け根、下腹部外性器上側、肛門周辺等)からの独特なフェロモン発生をコントロールすることが出来、開けた土地であれば数十キロも届くという音声との併用で、テリトリー内の各種族の行動選択をかなり正確にコントロールすることが可能(人族以外)。
これらは獣人類作出時の遺伝子操作にて表出しているが、その後のフェロモン発生能の進化には現在のすべての獣人がその体内に持つ作出時のヒト、ケモノのどちらにも由来しない人工細胞の組み込みに依るものが大きく関わっている。
フェロモンの効能は戦意高揚・興奮作用はもとより、集団の集合・離散、統率、強制休息(催眠)、体力一時回復、性欲昂進など多岐に渡り、実戦闘が行われていた時代には獅子族1人の存在で戦況が大きく変化することもあった。
原動物であるライオンのテリトリー意識(縄張り意識)に対する本能個性を引き継ぎ、同一エリア内に複数の雄性個体がいる場合には、無意識下で同族への存在認識・警戒態勢が構築されるため、他種族への影響力は相対的に低下する。すなわち単位面積あたりの個体数が少ないほど、他種族支配の影響力は強く発揮される。
各種体液(唾液、雄性個体のカウパー氏腺液、精液等の腺生産液)にて、人族以外の種族の個別肉体ポテンシャルを高めることが可能(骨髄生産液である血液は含まず)。
また、雌雄共に他種族が性交の際の挿入側、獅子族が受容側となり性器結合・射精・もしくはそれらの疑似行為、または多種族が嗜虐側、獅子族が被虐側にての加虐行為が行われた場合、多種族側の被征服内圧が減少することにより個別精神ポテンシャルが大きく上昇する。
この2点により、平時における軍所属兵士との肉体交接は軍隊成員の肉体・精神ポテンシャル向上のために推奨されることとなる。
2点目の精神ポテンシャル向上については獅子族以外の種族同士の肉体的接触においても同様の数値変化は観測されるが獅子族との関係に比べると影響は非常に小さなものとなる。
それでも性的パートナー契約内における能受動の役割の固定化は平時戦力の変動へと繋がるため推奨されず、互いに能動側受動側共に行うことが推奨されている。
盤上シミュレーションでの戦闘(SOT)でのフェロモン発生は特殊なケージの中で四肢を固定した形 で行われ、観測機器の数値と空間シミュレーション上での地形・気温・気候・風向き等の変数・自軍他軍の個々の戦闘参加者の肉体・精神ポテンシャルの数値等を元に影響を判定される。
周囲へのその強すぎる影響力と発生個体数の少なさから、隔離養育されることも多い。
平均身長(成年)210cm
平均体重(成年)160kg
平均陰茎長(成年)32cm
●犬族
アラスカン・マラミュート種をベースとして設計。
長距離の移動走行に長けており群としての統率も取りやすいため、陸兵団中の歩兵・兵站責務兵としての任務を担った。
優れた嗅覚、聴覚を生かしての索敵能力も高いが、その場合は自らの浅速呼吸音を抑制するためのミュートカフの着用が必要となる。
摂取する食物の禁忌が多いため、義務教育期間には食物関連のプログラムが多く組み込まれている。
動体感知能力が高く飛来物、遮蔽物を避けうる、あるいは感知探索する能力が高い。
色の弁別能が他種族と比べ落ちるため、猿族と行動を共にすることが多い。
獅子族の戦闘興奮フェロモン受容時にも比較的温和な性格を保持する。
群のリーダーによる統率力が強い場合、種族的に受け付けない人族以外で唯一獅子族のフェロモン支配からの逸脱が可能な種族である。その場合でも一定の人数と強力なリーダーの双方が必要となる。
リーダーは集団における生活年齢が長く壮年の戦闘経験豊富なものが自然発生的に立志することにより成立し、特殊な例を除いて他集団からの異動配置ではうまく機能しないことが経験的に理解されている。そのため初期構成された兵団をそのまま踏襲することが多く、団内での異動はほぼ見られない。
6種族すべてにおいて唾液等による細胞修復能を持つが、とりわけ犬族の個体においては非常に優秀な回復能を持つものの発生頻度が高く、そのようなものは軍隊内における衛生兵としての役割を分担することも多い。
平均身長(成年)170cm
平均体重(成年)95kg
平均陰茎長(成年)24cm
●猿族
大型猿類のマウンテンゴリラ種と中型猿類のチンパンジー種をベースとして設計。
樹上移動を得意とし、手掛かりとなる物質の存在があれば垂直面での移動も可能となる。市街地及び森林地帯において建造物や樹木を利用した空中移動が唯一可能な種族であり、障害物の多い地形でその真価を発する。機動飛行ユニットを装着した人族よりも高速かつ正確、静謐な移動が可能である。
長距離間の音声通達手段を声及びドラミングにて獲得しており、無線通信が利用できない場合においても一定の距離までであれば同種族間での意志疎通が可能。
これらの特徴より陸兵団において斥候兵として優秀な資質を持つ。また人族同様に手指の器用さも持ち合わせているため、各種機材の精密操作も得意とする。
獣人族の中では視力がよく通常視力は人族と同等かそれ以上、遠方視力は人族より大きく優れている。そのため視覚による遠空間認識力の落ちる犬族、猪族と行動を共にすることが多い。
体内細菌、酵素の組成により多繊維質の植物食しか摂取出来ないときでも体内におけるタンパク合成能を高く保つことが出来、長期間におよぶ屋外活動にも適応する。
戦闘行動時には立体的な地形であれば後方上空からの攻撃に弱い熊族に優位性を持つが、その場合も多数での戦闘情報撹乱を前提とする。
平均身長(成年)170cm
平均体重(成年)110kg
平均陰茎長(成年)24cm
●猪族
猪及び豚との交雑種である猪豚をベースに設計。
犬族とともに兵団の中核を成し、その膂力により装甲歩兵として活躍する。
遠方視覚には多少難があるが嗅覚と聴覚に優れ、走力についても瞬間的には犬族をも上回る速度での走行が可能であり、その重量を生かした突進力、制動力も高い。
体重あたりの可搬性能、格闘圧も高く、熊族に次いでの優秀な戦士として作出された。
猪単独ベースの個体も当初は作出されたが、発情期とそれ以外の時期の行動統率に大きな差が出たため、本能制約の少ない交配種である猪豚とMIXされることとなった。
元来、雄は幼少期以降の集団行動は苦手な種族であったが馴致訓練により集団での行動統率能も獲得。
戦士として万能性に長けた非常に優秀な種族であるが、格闘圧及び推進力の差の大きい熊族には1対1対応での戦闘はほぼ敗走必至なため、何らかの作戦対応が必要となる。
また獅子族生理活性物質(フェロモン)の感受性が各種族の中で一番高いため、味方に獅子族リーダーがいれば戦闘興奮状態が強烈に発動することで強固な軍団として活躍出来るが、敵集団中の獅子族との距離が近づくにつれ、行動抑制も発生しやすくなる。
獅子族に対しての心理面での被征服圧が高いため、逆に挿入側にて獅子族との体分泌液交換、性的結合を果たした場合の肉体的精神的ポテンシャルの増加幅が他種族よりも大きくなっている。
平均身長(成年)200cm
平均体重(成年)180kg
平均陰茎長(成年)34cm
●熊族
蝦夷羆(エゾヒグマ)種、及び近隣種の灰色熊(ハイイログマ)種をベースに設計。
開発当初は重装甲歩兵として獅子族に追従するため少数の生産目標とされていたが、装甲無しの場合でもその生体ポテンシャルの高さより導入当初よりは種族としての発現確率が大幅に上げられている。
高速走行、各種地形踏破能力、水中での行動能力も高く、様々な地形においての機動力を誇る。
低温そのものには強いがベース種族に冬眠性の生態本能があり、季節性(低温期)にて行動能力の差が生じる。
そのため数千年前より熊族の主生育エリア(睡眠テリトリー)においては自然光類似灯にての体感日照時間の調整が行われている。
戦闘においてはその圧倒的な生体ポテンシャルのため、獅子族の生理活性物質(フェロモン)による制圧が無ければ(同一エリア内に獅子族が複数存在する場合、もしくは獅子族が意図的にフェロモン放出を停止している場合など)1対1戦闘において獅子族に勝利することが可能。
その格闘圧の高さからSOTの戦闘要員としては全参加個体の8%を超える配置は許されていない。
後方及び上方視覚確認のための必要体動が多種族に比べて大きいため、主に猿族からの上方攻撃には対応出来ないことも多いがその場合でも単数撃破はほぼ不可能である。
人族の遊撃機動歩兵に対してはその駆動音および風圧により早期の感知が可能なため、同じ上空からの攻撃にも対応されてしまう。
個体により体色は褐色から黒色まで変化に富む。
雄性個体においては雌雄別の生育環境の影響及び、種族平均の陰茎長を受け入れることが他種族の雌性個体には一定の困難を伴うため、生活及び性的パートナーには同種族他種族関わらず同性を選択する比率が高い。
平均身長(成年)240cm
平均体重(成年)220kg
平均陰茎長(成年)38cm
●人族
獣人族の台頭により軍事戦力としての動態価値は低下。
しかし獣人族作出当時においては比較して小柄な体格のため一定空間あたりの労働効率に優れ、農工業生産の担い手としては非常に優秀とされた。
その後、遺伝子交雑のため人族の体格も次第に大型化し、現在では犬族の標準体格とはその大小において作出当初の状態より逆転している。
そのため獣人族開発当初は戦争闘争や治安維持を獣人族、生産ラインへの従事が人族と別れていたが、大きな戦闘行為が減少した2000年ほど前からは各種生産過程への獣人族の進出も普通となった。
軍隊においては獅子族の生理活性物質(フェロモン)支配から6種族の中で唯一影響を受けないという特徴を持ちうるが、これは獣人作出当時は「人の替わりとなる従軍個体としての獣人」という選民意識があったため、種族特性からの被影響力の排除が働いたためではないかと推測されている。
軍兵団に従事する場合には、他種族との生体ポテンシャルの差及び獅子族の生理活性物質(フェロモン)に影響されないという観点から、他集団の獅子族をも個別攻撃出来る性能を持つ機械装甲による飛行ユニットを搭載した遊撃機動歩兵のみに参加しうる。
その場合も他種族による情報攪乱を同時に行う必要があることは各集団における戦闘シーケンスにおいても当然のこととなっていた。
平均身長(成年)175cm
平均体重(成年)115kg
平均陰茎長(成年)24cm