拡大セラピー 山崎と宮内
いよいよ4人合同の拡大セラピーの日となった。
金曜日、午後の時間を充ててある野村クリニック独特の特別診療時間帯に、西田と山崎、村岡と宮内が顔を揃えた。
野村医師と田畑看護師は各々の治療の際にしばしば顔を合わせてはいるのだが、ペア同士に関してはあの温泉宿での深夜の露天風呂以来の再開であった。
お久しぶりです、お元気でしたかの応酬の後、田畑青年に促されて一堂が施術室へと移動する。
診察室からこの場所への移動は、4人にとってはすでにもう『服を脱ぎ去り全裸になる』ことが当たり前になっていたのだ。
素っ裸になった6人の男たち。
みなそれぞれに『いいカラダ』はしているのだが、あえて分類すれば3つのタイプに分かれようか。
野村医師、山崎、村岡の3人はたっぷりとした腹が丸く突き出た、典型的な中年太りと言えるタイプだろう。
背の高さもそう変わらぬ3人の違いと言えば、体毛と肌の質感か。
野村医師を見てみれば、白衣を着ていてもその胸元や手首からのぞく黒々とした体毛は全身を覆い、脱いでみれば日本人とは思えないほどの男くささを撒き散らす裸体となっている。
3人の中では一番年上となる村岡は、年齢に似ずの脂ぎった質感の肌が、秘められた精力の昂ぶりを表しているようだ。手足の体毛はそれなりに濃く、丸太のような毛深い太ももはパートナーの宮内が愛するパーツの1つでもある。
山崎は白い肌に薄い体毛という見た目ではあるが、そのしっとりと吸い付くような肌の質感と、柔らかな脂肪の内側に学生時代は登山部で鍛えたしっかりとした筋肉が残っており、田畑看護師などはその胸に顔を埋める喜びを見いだしていた。
宮内と西田の2人は、筋肉の上に良質の脂肪をまとったがっちり型と言えようか。
それぞれ指が回らぬほどの手首足首の太さ、首回りの頑強さは、男女問わずに『モテる』タイプのシルエットを形成している。
白いものの混じる宮内の短髪姿、冬でもゴルフ灼けの残る西田の浅黒い肌は、いずれも彼らの男としての魅力を最大限に引き出しているかのようだった。
一人30代である田畑看護師は、重量級の柔道部員と言っても遜色の無い、見事なガチムチ体型だ。
実際のスポーツ経験としてはラグビー三昧の青春を送っていたようではあるが、見た目としては道着をまとっての重量級格技タイプに思われている。
太い手足、顔の太さそのままの首、発達した胸筋に脂の乗った腹肉。
どれをとってもそのバランスは、見事と言うほか形容の仕様が無いほどだ。
「風呂だとそうも思わなかったんですが、改めてこういう場所でお互いの裸を見るのも新鮮なもんですな」
村岡の言葉は皆の気持ちを代弁するものだろう。
見慣れているはずの医師と田畑青年ですら、6人の中年男の裸体に興奮を隠せない。
「もうせんずりの見せ合いまでした者同士ではありますが、やはり最初は握手、ハグ、キスと進めていきたいと思います」
野村医師の言葉に少しばかり照れたように見えるのは、村岡と宮内の方だ。
これについてはもう一年近く通っている山崎や西田の方が、手慣れているように見える。
「村岡昭一と申します。よろしくですな」
「西田隆志です。こちらこそよろしくお願いします」
「宮内寛です。今日を楽しみにしてました」
「山崎登と言います。あのときは恥ずかしかったですが、すごく気持ちも良かったです」
しっかりと相手の目を見つめながら、握手をし、肩を抱き、両手を使って相手の身体を引き寄せる。
通院して3ヶ月ほどからは、そこに軽いキスを加えることすら了解事項となっていた。
医師と看護師も立ち交じってのそれは、すでに血流を集め始めた逸物の温もりを、互いにその股間で感じ取れるほどになっている。
「皆さん、互いの距離感を縮めるためのルーチンは上手くやれてきてると思います。その証拠に、皆さんのチンポ、もう勃起が凄くて、僕ももうたまらなくなってますよ」
「さすがに田畑君は若いだけあるよなあ。もう我慢汁まで垂れ始めてる」
西田の言葉に暖かく笑う男たち。
そこだけ切り取れば看護師の発言とは思えないような田畑青年の言葉ではあったが、『自分の興奮をきちんと言葉に出して相手に伝える』ことを大切にするこのクリニックでのセラピーでは、それこそが『当たり前』のことなのである。
「久しぶりの再開の緊張もほぐれたこととは思います。では、当院の野村先生から、本日のセラピーの趣旨を説明させてもらいます」
田畑看護師が、野村医師へと解説を促す。
勧められた医師もまた、すでに全裸であるのだが。
「それぞれ、お二人で来院していただいていた前回までにだいたいのことはお伝えしてきてはいますが、もう一度、今日と次回、2回にわたっての拡大セラピーの内容について説明させてもらいます。
皆さんの了解を得た上で、それぞれの性的な指向や好みのこと、これまでの治療経過もお伝えして来ていますよね」
ここまでの話しはそれぞれ前回までに聞いていたのだろう。
受け取る4人の方も、驚きも無く耳を傾けている。
「実は、今回のセラピーにおいては、ペア毎に違う獲得目標を設定させていただいています」
おや、という表情が男たちの顔に浮かぶ。
それぞれ、2人で受けていたセラピーでは自分達への目標設定は聞いていたものの、一緒にやることになるペアのそれについては、初めて聞くことになるのだ。
「まず、アナルを使った性交とその快感取得に関して未経験である西田さん山崎さんのお二人においては、『肛門、アナルを使った性交についての快感の与え方、受け取り方の習熟』が今回の目標となります。
次に村岡さん宮内さんの両名においては、お二人の性生活において充分にその域には達しておられるようです。
そこで今回に関しては『肛門性交未経験者の2人へのその持てるテクニックの伝授と、いわゆるノンケに対して肛門性交による快感を与えることで、各々の性体験における自信の蓄積と、能動受動性交の交換可能性の確立』を目指してもらいたいと考えているのです」
要はすでにアナルセックスの喜びを知っているゲイの2人と、これから体験する『ノンケ』2人では、同じ行為を進めていく中でも到達点が違う、ということを伝えたかったのだろう。
宮内と村岡にとっては『さもありなん』ということではあったのだが、ゲイとノンケの関係性にはまだピンと来ていない西田と山崎には、少しばかり不思議さが残る話しのようだった。
「それって、なんだか私達が『教わる』ばかりな感じがして、村岡さんや宮内さんにとっては、何かプラスになるんでしょうか?
先生には前回にも同じようなことを聞いたかとは思うんですが……」
山崎の言葉通り2度目の質問と言ってもいい問いかけではあったのだが、村岡達にこそ、この疑問に応対して欲しいとの思いがあったのか、野村医師が宮内へと視線を送った。
「ああ、それは私の方から話しときましょうかね……」
促されたと判断した宮内が語り出す。
「話には聞いておられると思いますが、私、宮内と昭一は、ホモの、そう、ゲイのカップルで、付き合ってもう30年といったところです。
野村先生の患者としては山崎さんや西田さんの方が先輩になるわけですが、こと男同士の肉体的な、性的な行為やそこから引き出される快感の獲得については、私達の方が一日の長はあるかと思っています」
真剣に話しを聞く西田と山崎。
「そんな私達ですが、その、西田さんや山崎さんのような、男女の付き合いが当たり前な人たち、これをホモ連中は『ノンケ』と呼んでますが、この『ノンケ』さんを、我々みたいなガチのゲイが『セックスの相手』としてやれるっていうのは、特別な意味を持つんですよ」
前回の診察で医師から少しは聞いていた話しではあった。
「例えが難しいんですが……、手が届かないと思ってた高嶺の花の人と、思わずも出来てしまったとか、後は……。うん、芸能人やアイドルと出来たといった、『期待感』や『特別感』が凄いんですね。
そのあたりが先生が仰った『自信を深める』という点に繋がってるんだと思います」
山崎と西田にとっては、どこか面映ゆい話しであった。
40代前半の、ある意味『普通』だと感じていた自分達が、アイドルと例えられるような存在だとは、とても思えないものだろう。
「その、こんな中年のおっさん2人が、アイドルとか芸能人、高嶺の花とか言われてもなあ……。山崎はどう思う?」
「私もなんだか、恥ずかしいというか、なんというかだよ、西田」
「前に先生達にも言った通りで、それで宮内さんたちがいいといえば、まあ構わないことではあるけど……」
ゲイがノンケと『出来る』、この意味合いを西田も山崎も少しずつは理解してきているようではあるのだが、果たして彼らを『ノンケ』と呼んでいいのかは、先日の村岡と宮内の会話でも触れられた通りであったろう。
山崎、西田の両人の自意識では『異性だけだと思っていた自分の性指向が、同性へと広がった』という言い方が、一番近いものであるようだった。
「まあ、単純な話、ゲイである村岡さん宮内さんにとって、ノンケである西田さん山崎さんとセックスが出来る、性的な快感を共有出来るというのは、それだけでも追求し甲斐のあることだ、と受け止めてもらえるといいかと思います。
もちろんそれは、私や田畑君にとっても同じことなんですが」
顔を見合わせては苦笑いをする西田と山崎であった。
「さて、では実践に入っていきたいと思います。最初は山崎さんと宮内さんがペアになってもらい、山崎さんが宮内さんのアナルにペニスを挿入することで互いの快感を楽しむ形です」
「私が、宮内さんの尻に挿れる……」
「はい。前回の診療時にもお伝えしましたが、今日の拡大セラピーでは、山崎さんと西田さんが挿入する側としてのプレイを行っていきます」
いくらか戸惑いを見せる山崎ではあったが、事前の告知によりある程度の自分の中でのシミュレーションは行ってきているのだろう。
宮内とともに、大きなベッドへと近付いていく。
「私の方は、もう準備万端ですので、山崎さん、よろしくお願いします」
「あ、はい、頑張ります……」
「お2人はベッドの中央に。私達は周りでしっかり観察しましょう」
野村医師の指示で、大きなベッドの中央に陣取る2人。
医師と看護師、西田と村岡がその周りを取り囲むようにと胡座をかく。
個人宅ではおよそ見かけないような大きさのベッドは、このようなときのためなのだろう。
「洗浄は事前の指示通り皆さん済まされてきてると確認してますので、山崎さんは仰向けになった宮内さんのアナルをほぐすとこらからやりましょうか。
ローションは用意してますので、これまでのセラピーと同じように、まずは指3本までを一区切りとしてやってみてください」
「はい、分かりました。宮内さん、よろしくお願いします。痛かったり、違和感を感じられたらすぐに言ってください」
「こちらこそ、よろしくお願いします、山崎さん。まあ、痛がることは無いとは思うんですが……」
山崎も宮内もこのクリニックではルールの一つとなっている『相手の名前をはっきりと呼ぶ』実践は出来ているようだ。
仰向けに横たわった宮内の、大きく広げた足の間にその身体を差し入れた山崎が、ローションのボトルに手を伸ばす。
「まずは、その穴の周りを慣らしますね、宮内さん……」
山崎が自分の指先と宮内の窄まりにローションを垂らす。
肛門やアナルといった、直接の言葉を口に出すことには、わずかながらもまだ苦手意識があるようだった。
ぬるぬると窪みの周辺を指先で撫で回せば、宮内が悩ましげにその腰を揺らす。
そう毛深くも無い宮内ではあるが、下腹部から尻にかけてはそれなりの茂みが連なっており、とろりとした水分に触れた黒毛が艶やかに光を反射する。
どうやら頭部の白髪より、こちらの方が黒いものの割合は多いようだった。
「山崎さん、焦らされてたまりません。指、ズボッと挿れてください、大丈夫ですから……」
宮内が、頼み込む。
ノンケの山崎にいじられている、それだけでもう宮内の肉棒は最大限の膨らみを見せつけているのだ。
ぬぷり。
「あっ、あっ、もっと、もっと、山崎さん……」
人差し指、その指先をなんの抵抗も無く飲み込みはしたものの、宮内にとってはすぐにでもその本数を増やしてほしいところなのだろう。
「いいんですか、宮内さん? では、遠慮無く……」
半開きになった山崎の口からは、荒い吐息が漏れていた。
初めての相手のアナルをいじる。
その相手の逸物が、山崎の目の前でガチガチに勃ち上がっている。
生まれて初めて味わうそのシチュエーションに、山崎の股間もまたその隆々とした太さを誇っていた。
「あっ、あっ、挿入って来るっ! 山崎さんの指がっ、どんどん挿入って来るっ!!」
「もう3本、挿入ってますよ、宮内さん。広げて、刺激していきますね」
野村医師や田畑看護師に習った通り、横に広げ、縦に広げ、さらには上向きに返した手首の動きから、中指の先端を前立腺とおぼしき辺りに当てていく。
汗をかいてはいるものの、その目は真剣に宮内のアナルと自らの指先に集中していた。
同性である宮内の肛門、そこへの初めての挿入は、一定の性経験を積んだ人生の中、妻との初めての夜以上の緊張感をもたらしているのかもしれない。
「ああっ、そこっ、いいっ、感じますっ、山崎さんっ、感じるっ、ケツが感じるっ!!」
「宮内さんっ、ここですか? ここがいいんですか?」
「いいっ、気持ちいいっ! ケツがっ、入口もっ、中も気持ちいいっ!!」
医療者2人から、解剖学的な見地も含め丁寧な指導を受けてきた山崎である。
ある意味、前立腺の刺激という点に限って言えば、いわば『プロ』の域に達しているのかもしれなかった。
「すごい、宮内さん……。先走りがこんなに……」
「だって、山崎さん、すげえ上手い……」
「山崎さんがホモの宮内さんを楽しませてる……。すごいなあ、村岡さん……」
「ああ、西田さん。見てるこっちも、たまりませんわ、こりゃ……」
自らのものに手を伸ばし、ゆっくりと扱き上げる西田と村岡。
「山崎さんのテクニックもかなり上達してるようですね。
西田さん、村岡さん。射精さえしなければ、お互いに扱き合ったり、互いに気持ちいい刺激をしてもらって構いませんよ。
山崎さんと宮内さんの後は、お2人にもやっていただくことになりますから、どんどんスキンシップを重ねてください。
そして、山崎さんは、いよいよです。御自身の逸物で、宮内さんを喜ばせてあげてください」
「はい、では、宮内さん……」
「山崎さん、嬉しいです……」
指を抜き、外側に幾分か開いたように見える宮内のアナルを確かめる山崎。
己の逸物の根元を握り、ずいと腰を進めていく。
突き出た腹の下、いななく逸物が宮内の尻に狙いを定める。
「挿れますよ、宮内さん……」
「お願いします、山崎さん」
「亀頭が入るまでは少しだけゆっくりですよ、山崎さん。そこだけが女性器とは違います」
「はい、野村先生……」
医師達との実践で指摘されていたことなのか、慎重に腰を進める山崎。
括約筋の締め上げる力によって、肛門入口が内側に巻き込まれることを避けるテクニックの一つだ。
「あっ、あっ、挿入った……!」
「太いっ、太いよっ、山崎さんっ。ああっ、いいっ、気持ちいいっ!」
「すごいっ、宮内さんの尻っ、根元を締め付けて、中がぐちょぐちょでっ! すごいっ、すごいですっ!!」
「ほらっ、山崎さんっ! これはっ、こういうのはっ?」
「ああああっ、締まるっ、すごい締まるっ!!」
山崎の太ましい肉棒が幾度も宮内の尻を出入りする。
その突き上げは激しいものではあったが、どうやら主導権は宮内の方へと移っているようだ。
「ああっ、山崎さんっ、もっと、もっと激しくっ!」
「こうですか? こうですか、宮内さんっ!」
「あっ、そこですっ、そこっ! 当たるっ、山崎さんの太いのがっ、当たるっ、当たるっ!!」
「ここですか、ここがいいんですか? 宮内さんっ!」
「そこですっ、そこっ! あっ、あっ、ダメだっ、太いのでっ、山崎さんの太いのでやられるとっ、もうっ、もうっ!!」
山崎の亀頭とエラが、宮内の前立腺を捉え始めていた。
宮内の喘ぎ声が響いてはいるが、そこまで山崎の当たり処を導いたのも宮内の絶妙な誘導によるものだ。
「ああっ、先生っ……。すごいですね、山崎さんの初掘り……」
「見てるこちらもたまらんな……。田畑君、私のものをしゃぶってくれるか? 先走りが出過ぎて、シーツが濡れてしまいそうだ」
医師の依頼に素直にその頭を股間へと沈める青年。
ゆっくりとしたそのしゃぶり上げは、射精までを促すほどでは無く、持続した快感を与えるためのものだ。
「ああっ、む、村岡さん……。俺も、村岡さんの、この太っといのを、しゃぶっていいですか……?」
「いいんですか、西田さん。儂としたら、そりゃ、ありがたいけど……」
「イかないように、ゆっくりしゃぶりますから……」
自分達のすぐ側で繰り広げられる男たちの饗宴に、中心にいる山崎と宮内が触発されない訳が無い。
「山崎さんっ、私のを、私のをしごいてもらっていいですか?」
「こうですかっ、宮内さんっ? これでいいですか? イケますか、宮内さんっ?」
「ああっ、気持ちいいですっ! 山崎さんっ、いいっ、山崎さんにしごかれてっ、気持ちいいですっ!」
広いベッドの上で3組の男たちがもつれ合う。
それでも野村医師は冷静に中央の2人の様子を覗っていたようだ。
「どうですか、山崎さんっ。宮内さんの中で、イケそうですか?」
「あっ、もうっ、もうっ、出そうですっ! 宮内さんのっ、すごい締まりがよくてっ、あっ、あっ、いいですか、宮内さん? このままだとっ、もうっ、もうっ、イってしまいますっ!」
「出して、出してくださいっ、山崎さんっ! 私もイきそうだっ! 中にっ、私の中にっ、山崎さんっ!」
2人の喘ぎ声が重なった。
山崎が挿入して、まだ幾許の時間も経ってはいない。
それでもほぼ同時に、男としての、放埒の声がこだまする。
「あっ、イくっ、イくっ、宮内さんの中にっ、イくっ、イきますよっ、イくっ!!」
「ああっ、出るっ! 山崎さんの受けてっ、出ちゃうっ、出るっ、出るっ、イくぅっ!!!」
がくがくと山崎の腰が震え、宮内の逸物からは突き上げられる腹の揺れに自らの精液が撒き散らされる。
挿入して数分の出来事ではあったが、互いにそのクライマックスは充分に堪能出来たようだった。
汗ばんだ宮内の上半身に、どさりと倒れ込む山崎。
「ああ、山崎さん……。男の尻は私が初めてで、そしてその私の尻の中にイってくれたんですよね、山崎さん……」
山崎の重みを抱きしめながら、宮内が感動したかのように呟く。
「宮内さん……。私は、男の尻がこんなに気持ちいいものというのを初めて知りました……。あっと言う間にイってしまって、ごめんなさい……」
「ふふ、男同士だと早くイくのは相手に喜ばれることも多いんですよ」
「えっ、そうなんですか?!」
「たぶんですが、山崎さんも西田さんや野村先生、田畑看護師さんとやられるときには何回もイきたくなるんじゃないですか? もちろんゆっくり一発の深み重みを好む人やカップルも多いですけど、早くて何回も、っていうもの楽しいものですし」
「確かにそうですね……。ここにお世話になるようになってから、1回で終わるとなにかもったいない気になってました」
キスを交わしながらのピロートークではあったのだが、山崎の言葉に西田や村岡、野村医師に田畑看護師も笑いを堪えきれなかったようだ。
「お2人とも気持ちよくイけたようですね。山崎さん、第一段階クリアですよ。抜くときに少しだけ気を付けて。精液がボコッと零れることもあります」
「あ、はい……。ティッシュで押さえますね……」
慎重に逸物を引き抜いた山崎が、ティッシュで自分の逸物を拭き上げ、宮内の尻穴をしばらく押さえている。
2人がもう一度抱き合った。
「ああ、ありがとうございました、山崎さん。ホントに、すごくよかったです」
「こちらこそ、ありがとうございました、宮内さん……。最後にもう一度キスしてもいいですか?」
「そんな最後って。これから何度もヤれるんですよね、野村先生?」
「もちろんですよ。合同セラピーもそうですが、うちのマンションでみんな集まって、というのもまた楽しそうですし」
医師の言葉に嬉しそうにキスを交わす2人。
その姿を嬉しそうに、いや、うらやましそうに見つめる西田と村岡に、田畑看護師が声をかける。
「さあ、次は村岡さんと西田さんですよ。もうお2人とも存分に高まってるようですけど」
村岡がどこか恥ずかしげに、西田の方は意気揚々と、ベッドの真ん中にいた山崎と宮内の2人と、その場所を交代したのだった。