その11 最終章 快楽の渦
「あっ、あっ、気持ちいいですっ、それっ、それっ、凄い……」
俺、よがってた。
俺、感じてた。
「ひたすらに快楽を与える」
って、その言葉。
ぜんぜん嘘じゃ無くて、俺ホントにもう、頭が蕩けそうなぐらいに感じてた。
俺を快楽漬けにするための最初の配置?はもう決まってたみたいで、奈良屋さんが俺のちんぽと金玉に、周船寺さんが右側、柳河内さんが左側に添い寝する感じで上半身。
そのまま、周船寺さんのキスからがスタートだった。
周船寺さん、53才って、俺の親父より年上なんだよな。
固太りの出っ腹が俺の脇腹を圧迫してるけど、それはそれでその暖かさは冷房効かせた部屋の中では気持ちよくて。
それでも50過ぎの腹の出たおっさんとのキス、『練習』に入る前の俺なら、やっぱりダメだったかも知れない。
でも、実際に周船寺さんの唇が俺に触れて、その舌先がヌルッと口の中に入ってきたとき、俺、想像とぜんぜん違う、甘い痺れみたいな快感を感じちまったんだ。
がさつきの無い柔らかな唇が触れ合ったかと思うと、遠慮がちに、でもしっかりとした舌先が俺の唇を割ってくる。
その舌先が俺の舌を舐め上げたかと思うと、歯の表面や歯茎までもヌルヌルと這いずり回る。
粘膜同士の接触は、俺の人生でも初めてなんじゃないかって言うぐらいの、背中がビクビクするような快楽を送り込んでくる。
同好会の『練習』でやった百道先輩や中洲君とのザーキス。
確かに気持ちよかったけど、あれはあれで『男の汁を飲む』『口移しに精液を回し飲む』ことの背徳感が快感を増してたんじゃ無かろうか。
ここでの周船寺さんとのキスは、そういう複雑な思いの遥か手前で『純粋に男同士の肉体の接触によって生まれる快感』を、俺のカラダに染み込ませていく。
「キ、キスだけで、イきそうになります、周船寺さん……」
「はは、それは嬉しいな。ただ、まだまだイっちゃダメだぞ。
では、キスしながら、こういうのはどうかな?」
蕩けてきた俺のカラダ。
その乳首が周船寺さんの太い指先で摘ままれた。
「ふぐうっ、ああっ、あっ……」
「乳首も感じてくれるみたいだね……。これに柳河内君の愛撫を重ねていこうか」
俺の左側、そのガタイを寄せていた柳河内さんが、左の乳首を責め始める。
キスと両乳首。
三処責めだ。
「うがあっ、あっ、あっ、ああっ……」
「ほら、もっと感じるといい。次は耳だよ」
「ひがあっ、それっ、ダメっ、ダメッス! 耳っ、耳はっ!!!」
柳河内さんが乳首に伸ばした指先はそのままに、もう片方の手で俺の頭を抱えてきた。
そのまま、柳河内さんの腋から立ち昇る男臭い匂いに包まれていく。俺の頭を抱えたまま、その俺の耳たぶを、柳河内さんが唾液をたっぷり乗せた舌で舐め上げるんだ。
耳なんて、引っ張られる以外に他人にこんなことされるなんて、これもまた生まれて初めての経験。
全身、ガクガクと痙攣するかのように感じてる俺に、キスを中断した周船寺さんの唇が俺の耳元で囁く。
「上半身はだいぶ感じてきてくれてるみたいだね。さあ、やっと奈良屋先生の出番になるよ」
俺、正直、周船寺さんの最初のキスから、奈良屋先生の存在を忘れてた。
いや、あまりの気持ちよさに、そこまで頭が回ってなかったんだ。
「んんんーーーーっ、た、玉がっ、玉が、か、感じますっ! 玉がっ、玉が気持ちいいーーーーっ」
俺の金玉、毛深い百道先輩や中洲君と違って、あんまり毛が生えてない。
その金玉、ふぐりの表面を、奈良屋先生の温かい手のひらが包み込むようにして、さらさらと撫でてくる。
皮膚表面だけを刺激するそのやり方も、もうどこがどう感じてるのか分かんないぐらい、『スゲえ』刺激だった。
「そしてお待ちかね、上川端君のペニスを、奈良屋先生が、ゆっくり扱きながらしゃぶってくれるよ」
「ひっ、ひぎっ、いいいいっ……。
はあっ、あっ、あはあああっ、ああっ……。
んんっ、んぐっ、ぐううっ、んっ、んんんんっ……」
言葉にすることすら出来ない快楽って、味わったことある?
俺がそのとき喰らってたのは、まさにそんな奴だった。
やわく、ゆっくりと扱かれる俺のちんぽ。
左手で金玉が本当に柔らかく擦られながら、先生の右手が俺のちんぽの上、陰毛が生えてるあたりを爪先で軽く、ホントに軽く、刺激する。
両の乳首が、両の耳が、ちんぽが、金玉が、下腹部が。
もうどこでなにがされてるのか分からなくなるほどに、全身から脳へと伝わる『快』のみの刺激。
百道先輩や中洲君とのそれも、もちろん気持ちよかったし、感じてたと思う。
あの『練習』では、乳首にわざと爪や歯を立てたり、やわやわと揉んでる最中の金玉に、たまにゴリッと潰すような刺激を与えて、その痛みもまた快感になることを知った。
でも、ここでの『それ』には、快感と快楽以外の何物も介在しない、ひたすらに純粋な『快』だけが、3人の男の人から俺に与えられ続けていく。
「最後の仕上げだ。試合での射精からはけっこうな時間が経ってて、君ももう、イきたくて仕方が無いだろう?
上澄み一発、ここで奈良屋先生の口に出しておきなさい」
周船寺さんの囁きと同時に、奈良屋先生の手と口の動きが一気に加速する。
竿を握る手の握力が倍ほどに強まり、扱き上げのスピードが増す。
先生の頭の前後運動が力強くなり、硬さを増した舌先が裏筋をスゲえスピードで往復する。
唇での扱き上げと微妙にズレた手の動き。そのズレが、その差が、とてつもない快感を生み出していく。
「あっ、あっ、ああああっ!
こ、このままじゃっ、俺っ、俺っ、イっちまいますっ!
いいですかっ? 俺っ、イっていいんですかっ?」
「さあ、これも初めてのはず……。初めての快感に全身を侵されながら、イきなさい、上川端君」
周船寺さんと柳河内さんの唾液に濡れた、俺の耳。
そこから2人の舌先と唇が、じゅっくりと濡らされた耳から一瞬離れ、俺がいぶかしさに包まれたそのときーーーーーー。
「ああああっーーーー、イくっ、そんなっ、そんなっ、いくっ、イきますっ、それっ、ダメだっ、ダメっ!
イくっ! イくっ! イくーーーーーっ!!!」
一発だった。
何が起こったか、俺、分かんなかった。
何度も俺の腰が浮き上がろうとする。
体重を乗せた奈良屋先生の頭がそれを許さず、そのたびに大量の汁が先生の喉奥を直撃するーーーー。
「あ、俺……?」
「大丈夫かい? 一瞬だけど、落ちてたみたいだな」
失神するほどの快楽。
そんなもん、ホントに生まれて初めてだった。
心配そうに覗き込む柳河内さんと、その横では奈良屋先生と周船寺さんが、旨そうな表情でザーメンキスをしてる。
俺の精液、分けて飲みたいって、確かに言ってたよな。
俺の無事を確認した柳河内さんも、周船寺さんとバトンタッチしての先生とのザーキス。
かなりの量、出したんだろうな、俺。
「周船寺さん……。最後、俺、どうされたんですか? 周船寺さんが、名前読んでくれた後、もう何が起こったか分かんなくなって」
「ああ、記憶が飛んじゃったかな、気持ちよすぎて。あれは効く人と効かない人、はっきり別れるんだが、君が効く方で良かったよ」
やっぱり何かされたんだよな、俺。
「あれ、って……?」
「うん、唾液で濡れた君の耳に、儂と柳河内君が同時に息を吹き入れたんだよ。やっぱり頭に近いとこだから、効く人にはものすごく効くんだよ、この耳責めは」
ああ、言われてみると、逃げられないように2人の額と手で固定されてた俺の頭。
その耳の両方に、2人が息を吹き込んだのか。
「ホントにあんなの、俺、生まれて始めてで……」
「まあ、あんまり経験者もいないと思うよ。逸物までしゃぶられながらとなると、対象者を入れての4Pが最低条件になるからね」
笑いながら言う奈良屋先生。
あれほどの射精をした俺のちんぽもだけど、扱きもしない先生達のちんぽも、ずっとビンビンのまま。
みんな勃起薬飲んできてるのはホントなんだろうけど、この部屋がそれ以上に凄いエロの空間になってたんだと思う。
「周船寺さんはキツくないですか?」
「いや、まだまだ大丈夫だよ。一度イッてから、交代させてもらおうかな」
この会話、たぶん俺は完全に外野になってた。
たぶん、このままずっと『俺』が、色んな意味でみんなの『真ん中』になるってのは、確定事項のよう。
「じゃ、1発目も飲ませてもらったし、俺はちょっと交代するかな」
奈良屋先生が、どっこいしょって感じで腰を上げる。
「あ、じゃあ俺が入ります。上川端君の後ろ、入れるのはダメだけど舐めるのはいいんですよね?」
「ああ、挿入さえしなければ問題ないよ。そこはまあ、学生同士で開発を楽しめって意味でもあるけど」
参加してくる板付さんの言葉に、俺、今度はどんな新しい快感を味わえるのかって、もう、ドキドキしてきてた。
「ここから先は儂等も出させてもらうから、そこはなるべく口でやってほしいけど、大丈夫かね、上川端君?」
「もちろんですよ。俺、精液を『旨い』って思えるぐらいには、もう『染まっちまって』ます」
周船寺さんが、にっこりと笑ってくれる。
「じゃあ、遠慮なくイかせてもらうことにしよう。
体位は……、そうだな。横たわった柳河内君に上川端君が上下逆に覆い被さるように四つん這いになってくれるかい。
そうそう、そんな感じだと、板付君もやりやすいだろう?」
ここは周船寺さんが仕切るのかな。
「OKです。これなら上川端君の尻、存分に舐っていけます。玉は俺の方でいじっていいですよね、柳河内さん?」
「ああ、そっちの方が俺は上川端君の摩羅に専念できるし。せいぜい感じてくれよな、上川端君」
どうやら板付さんが後ろから俺のケツ穴と金玉を、柳河内さんが俺の下からちんぽを責めてくれるらしい。
「上川端君は下になってる柳河内君と、目の前の儂の逸物を、好きなようにいじったりしゃぶったりしてくれたまえ。
イきそうになったら声をかけるから、そのときはよろしく頼むな」
「はい、了解です。俺も周船寺さんや柳河内さんの精液、飲ませてほしいです」
「上澄みは抜けたと思うけど、上川端君自体はまたすぐにイきたい感じなのかな?」
冷蔵庫のドリンクで喉を潤してた奈良屋先生が聞いてきた。
「うーん、今すぐにガンガン、ってほどじゃないですが、それでもせめて大学でもイッてた6回とかは、自分なりの最低クリア条件にしたいですかね……」
なぜか、ふふっと笑った奈良屋先生。
「あー、回数こなしたいってのもあるか……。それはそれで自分の自信になるからなあ……。じゃあ、こっからまずは、30分モードで行きましょうか、皆さん」
「了解!」
「分かりましたー!」
30分モード?
なんのこっちゃ?
「ああ、上川端君には説明してなかったね。これ、俺たちはまあ、年齢的なこともあって『イきたくなったときに、イかせてもらう』形になるんだけど、若い君については勢いに任せてると、後半、続かないかなって思ってね」
「???」
「まあこっち側のお遊びなんだけど、君に関してはみんなで協力して、30分に1回ずつ、イってもらうようにしようってこと」
奈良屋先生、なんかいたずら小僧みたいな顔してる。
ただ、さっきの俺とか、たぶん始まって10分もしないうちにイカされてるんだよな。
30分とか、保つのかなって、逆に思えるんだけど。
俺の頭の上に浮かんだハテナマークが見えたのか、やっぱり奈良屋先生が解説してくれる。
「心配しないでも、そこが男同士、同性同士のいいとこさ。イきそうになったとき、漏らしそうになったときの気配には俺達も気を付けるつもりだ。
イカさず萎えさせずに、イかず勃起30分の愛撫モード、存分に楽しんでくれよな」
こうしてその『モード』が開始されることになってった。
「おおう、いいよっ。上手だな、上川端君……」
「んっ、んふっ、ううっ……」
膝立ちになってる周船寺さんが、頭の上から褒めてくれる。
柳河内さんのデカいのを片手で扱きながら、周船寺さんの太短いちんぽをしゃぶってる俺。
周船寺さんは『上手』って言ってくれてるけど、そんときの俺、かなり焦ってた。
「だいぶ上川端君のココ、ヒクついてきてるよ。どうだい、最初の違和感通り越すと、かなり感じるようになってくるだろう?」
板付さんの言う通りだった。
尻の穴、挿れるのはダメだけど、舐めたりいじったりはいいみたいで、俺の『そこ』、板付さんがずっと刺激してきてるんだ。
最初に指が触れたり舐められたりしたときは、俺、つい、ビクッてなって。
その緊張が伝わったのか、下になってる柳河内さんがポンポンって俺の腰叩いてくれて、暗に『力、抜いとけよ』って教えてくれる。
そのうち、ゆるゆるぐちょぐちょに舐められてる『そこ』が、なんか熱くなってきて。
気が付いたら、板付さんの舌や指先の動きがちょっと変わるたびに、俺、腰が砕け落ちるような気持ちよさを感じ始めてた。
「尻穴、ケツの穴、肛門ってのは、部位として言えば粘膜なんで、亀頭や唇と同じくらいに感じていいもんなんだぜ。
最初はどうしても『汚い』とか『出すところ』って気持ちが強く出ちゃうけど、そこを通り越せば、ほら、今の上川端君みたいに感じてくるってのも、分かるだろ?」
板付さん、なんか得意げなのは、さっき『ウケ』って言ってたことと関係あるのかな?
実際に何かが『挿入って』きたらまた違うかもしんないんだけど、このときの俺、もうなんか『挿れて』くれるのが待ち遠しい、そんな気持ちになってた。
たぶん俺、この『後半戦』が終わって学校に帰ったら、百道先輩のを後ろにほしいって、言っちまうようにすら思うんだ。
「おおっ、後ろが感じると、こっちをしゃぶるのにも力が入るみたいだね。
新しく知った快感から、気を逸らそうとしてるのかな?
もう儂も、だんだんイきたくなってきたよ」
周船寺さんが優しく頭を撫でてくれるのが、なんか嬉しい俺。
実の親父より年上なんだけどな、周船寺さん。
そんな上の人が、俺の口でイってくれる。
それを『ありがたい』とか思い始めてるのが、もしかして奈良屋さんの言う『ズルさ』に染まってきてるせいなのかね。
俺、舐められてる自分のケツとちんぽ、握ってるデカいの、そしてしゃぶってる周船寺さんの太ちんぽ。
なんかどれもが切なくて、とにかく目の前の周船寺さんをイかせようってなってる。
たぶん、周船寺さんがイッても、すぐに誰かが入ってくるんだろうけど、なんか一つのことに集中しないと自分の身体が自分でコントロール出来なくなる感じがして、怖かったんだ。
「んっ、んっ、急に激しく……。これはたまらんな、もう、もうイくよ、上川端君。飲んでくれ、儂の精液が君の唇から垂れ落ちるところを見たいんだ」
返事の代わりによりいっそうの熱を込めてしゃぶる俺。
周船寺さんのぼってりとしてた金玉が、ぐぐっと上がる。
「イくよっ、イくっ。上川端君の口にっ、口にっ、イくっ、イくっ……!!」
この『後半戦』、一番最初に俺を『使って』くれたのは、周船寺さんだった。
奈良屋先生はああ言ってくれたけど、それでもなんか嬉しかったのは、俺が同好会所属とはいえ、どこか体育会的なノリが好きなせいなのかもな。
「おっと、1人で飲ませちゃもったいない。周船寺さんの雄汁、俺にも分けてくれよな」
すっと身を引いた周船寺さんと交代してきたのは、明友OBの長浜さん。
俺のあごをくいっと上げて、唇を寄せてくる。
もちろん全部飲んじゃダメなんだろうって、半分以上は残してた俺だったし、誰かがイく度に、ザーキス、一晩中やり続けるんだろうなって思ってたし。
「周船寺さんの精液、なんか『男』って感じするよな……」
「ははは、褒め言葉と受け取っておくよ、長浜君」
「次の会合んときは、直飲みさせてもらいますからね」
さっきから互いの人達の面識ある感じだなっては思ってたんだけど、やっぱりOBや有志の人達はそれなりに顔を合わせてるみたいだった。
学生の俺たちへの縛りと違って、社会人だし当然なのかな、そこらへんは。
「俺は、どうしようかな……。柳河内さんもそろそろイきたいだろうし、板付さんは上川端君の上下変わっても大丈夫スかね?」
後から、俺の部屋に来てくれた人では長浜さんが一番年下だったって聞いた。
「うん、ケツを持ち上げてからしゃぶるから、仰向けでも大丈夫だよ。俺は俺で、自分でせんずりかくから、最後に飲んでもらえるといい」
「柳河内さんのはデカいからな。仰向けで頭落とす奴でやってみますか、柳河内さん?」
「ああ、あの体位なら、上川端君でもイケるかもしれんな」
なに言ってんだ、って思ったら、すぐに長浜さんが指示してくれて。
俺が仰向けになって、ベッドの端から頭を下に落とす感じに。
ベッドを降りた柳河内さんが俺の頭をまたぐように近付いて、あのデッカいのを上向いた俺の口に近づけてくる。
「なんか、怖いです。この姿勢……」
「不安になるよな、これ。
でもな、上川端君。この仰向けで頭を後ろに落として顎を上げた姿勢だと、かなりの大きさの逸物も口にすることが出来るんだよ。
もちろん慣れてくると、この姿勢を取らなくても出来るようにはなるんだが、最初は喉を押し入っていく亀頭の圧を、この姿勢で楽しむといい」
柳河内さん、楽しむといいとか言ってるけど、俺、これ、かなり苦しそうな気がするんだけど。
「なるべくえずかないように、ゆっくり入れてくからな……。身体の力を緩めて、ほら、尻と魔羅をしゃぶられて、気持ちいいだろ?」
柳河内さんの言うとおりで、尻の穴を板付さんが、ちんぽを長浜さんがしゃぶり始める。
玉も揉まれながらだから、もう下半身が蕩けそうになってくる。
「あっ、あっ、き、気持ちいいです……」
「入れるよ、ほら、口を大きく開けて……」
柳河内さんのぶっといのが、俺の口を犯しはじめる。
俺の視界が、血管がまとわりつく太い竿と、でろんとした金玉に覆われる。
ずりゅっ、ずりゅっと入っていくちんぽ。
普通に前から咥えてたら絶対に無理、そんなとこまで、俺、飲み込んでいってる。
「おお、すごいな……。もう半分以上入ってるよ。少し喉を押さえるが、痛かったら手を上げてくれ」
柳河内さんの分厚い手のひらが、俺の喉を覆う。
たぶんこれ、上反りのちんぽの撥ねを押さえて、俺がなるべく楽になるようにってやってくれてる。
ただ、俺、口を開けたまんまにしとくのが、こういう感じになるのって、全然分かってなかった。
なんだか手足に力が入らないような、それでいて与えられる快感は、全身に波みたいに広がっていくんだ。
「口を開けてると、強制的に脱力した感じになるだろう? よく言う『歯を食いしばれ』の反対のことが起こるんだ。その状態でとろとろと性感帯を刺激されて、どんな感じだい?」
「んんっ、んふっ、お、おおおっ……」
「ごめん、答えられるわけ無いよな。ああ、でも、君が声を出そうとすると、亀頭がねっとりと刺激されて、こっちもすごく『いい』んだよ……」
柳河内さんのデカいの、もう8割ぐらいを飲み込んでるはずなんだけど、もう、自分にはなにがどうなってるのか、全然分かんなくなってた。
なんか喉を押し広げられる初めての感覚と、腰のあたりから全身に広がる快感と。
それが混じり合って、小さな、連続したパニックがずっと続いてる感じ。
「そろそろ、30分、経つんじゃ無いか?」
「ああ、そうだな。それじゃ若者には気持ちよくイッてもらうかな」
俺、下半身から聞こえてきた会話に、えっ、えっ?! ってなってた。
このどうにもならない、頭は完全に柳河内さんのデカ魔羅に固定されての強制脱力、下半身は板付さんに尻を持ち上げられてケツ穴をゆるゆると舐め回されながら、ちんぽと金玉は顔を寄せた長浜さんの手と口で弄られながら。
これでイカされたら、俺、自分のちんぽすら見えない状態で最上の快感を味わうことになる。
そんなの、初めてだった。
これまでも『練習』や今日の午後の試合で何度も『イかされて』来たけど、そのときに自分の視界にちんぽが入ってなかったのは、快感で自分で仰け反ってたときだけったと思う。
こんなふうな『見ようと思っても視界にすら入らない状態での射精』って、俺、生まれて初めてだったんだ。
「んんーーーー、んんっ、んっ、んっ!!!」
「このままイくのが怖いんだろう? 俺も初めてこんなふうにイかされたときは、そうだった。でも心配しなくていい。脳が溶けるんじゃないかってくらいの快感を味わえるよ……」
優しい言葉で、俺の頬を撫でながら語りかける柳河内さん。
でも俺、かえってそれが怖いんだ。
じゅぱじゅぱと、長浜さんがしゃぶる俺のちんぽから、やらしい音が聞こえる。
亀頭とそのすぐ下までが口の中でぐちゃぐちゃに刺激され、根元から雁の手前までが強い力で扱かれていく。
金玉はローションをたっぷりとった手のひらで触れるか触れないかの繊細さで撫で回されて、ケツ穴を板付さんの舌がねぶり回す。
俺、もう限界だった。
このままイく怖さより、全身を襲う快感の方が、勝っちまった。
「んんんんっ、んんっ、んっ、んっ、んんんんっーーーーー!!!」
俺、自分の視界は柳河内さんの金玉に塞がれたまま、長浜さんの口ん中にイっちまった。
脳が溶ける、っていった柳河内さんの台詞、ホントだった。
身動き取れない状態での強制的な射精は、俺の全身を快楽漬けにしたんだ。
自分の意思ではまったくコントロール出来ずに、肉体のあちこちががくがくと震える。
その震えは、当然上半身にも及んで。
「うおっ、上川端君の喉が締まるっ!
噛むなよっ、噛むなよっ、上川端君っ!
おおっ、俺もイくっ、イくっ!
奥に出すからっ、そのまま飲み込めっ!
溜めようとするなよっ!
飲み込むんだっ!
イくっ、イくっ、イくっ!!!!」
「んんっ、んんっ、んっ、んっ、んんっ……」
一瞬だけど、百道先輩の汁を初めて飲もうとしたときの記憶が蘇った。
でも、柳河内さんによる今度のそれは、俺の意思なんかまったく無視して、俺の『体内』に、無理矢理に雄汁が注がれていく。
俺の喉から食道に、食堂から胃にまで、大量の、熱い汁が、力強く注がれていった。
俺、自分のちんぽから精液が出て行って、同時に、喉奥に精液がぶち込まれていた。
肉体が浮いてるような感覚、自分の肉体に何が起こっているのか分からない、そんな感覚だった。
「上川端君の尻も、イくとき、凄かったぜ。入れてないはずの俺の舌先が引き込まれるみたいな、そんな動きしてた」
「ごめん、全部飲んじゃったわ。若いせいか、溜めとくのが出来ないぐらい、勢いよくて……。まあ、分けて飲むのは2回目からでいいか。どうせ何回もイッてもらうからな」
板付さん、長浜さんは、射精はまだだ。
当然、俺の心と身体の状態とかおいといて、柳河内さんが交代する。
今度は残ってた青葉さんと、奈良屋先生が2人、ベッドに近付いてくる。
これまでは3人での責めが、4人になる。
そのことの意味が、だんだんと分かってきた俺。
「2回目の射精、良かったかい? ああ、試合のも入れると4回目になるのか」
「奈良屋先生、俺、俺……」
「怖かっただろう? でも、それ以上に、気持ちよかったんじゃないかな?」
こくこくと、頷くしかない俺。
痛みや辛さ、そんなものは一切無い、一切起こってないのに、なんか俺、怖かった。
この後も与え続けられるだろう『快感』に、このままじゃ、どこか暗くて深いところに墜ちていってしまいそうな『自分』が、怖かった。
「まだ、始まったばかりだよ。僕と青葉君、長浜君と板付君も、そろそろイかせてもらおうかな」
「俺、俺……」
「なにも考えなくていい、上川端君。君は快楽と快感に、ただただ、その身を委ねてていいんだよ」
俺、正直、奈良屋先生のその優しい言葉が、怖かったんだ。
さっきの射精の余韻がまだ残ってるのに、周りの人達が体勢を整えていく。
今度は長浜さんが俺の頭の方に回り込む。
青葉さんと奈良屋先生が俺の左右に寄りそう。
板付さんは相変わらず、俺の尻を少し持ち上げてのケツ舐め。
「ふふ、この体勢なら上川端君の性感帯、全部を一度に責められるよ」
長浜さんのを咥え込まされる口と喉、たぶん耳もいじってくるはず。青葉さんと奈良屋先生が乳首と脇、脇腹。そしてもちろん、ちんぽと金玉。
板付さんがケツの穴を舐め続けながら、奈良屋先生達と一緒になって金玉を責め合う。
耐えきれるのか、堪えきれるのか。
俺がこの年まで経験したありとあらゆる『快感』。
このホテルでの数時間で、俺、その総量を絶対に越えた量を、受け取っていた。感じ取っていた。
「んぐうっ、あはっ、あっ、あっ、それっ、それダメッスっ……!」
「普通の亀頭責めだよ。同好会の『練習』でも経験あるんじゃないのかい? もっとも、30分かけて、とかは初めてだろうけど……」
普通の、なんてもんじゃない。
顔中にちんぽと金玉を押し付けられながら、両手は万歳するように長浜さんの尻に回し、揉むように言われている。
ケツ穴を延々と舐られながら、玉を優しく揉まれる。
乳首には2人の舌が何度も往復し、ちんぽの先端がローションたっぷり使っての、ぬるぬると手のひら全体を使ってのストロークで刺激を受ける。
全身をとろ火で焙られるような、決して性急ではない、イかせることが目的ではない刺激で嬲られていく。
「イかせてほしいのかい? 言ってごらん?」
「あっ、あっ、そ、そんなっ、俺っ、俺っ……」
俺、自分自身でも、イかせてほしいのか、この凄まじいまでの快感をずっと味わっていたいのか、ぜんぜん分かんなくなってた。
今すぐにイきたい思いと、このまま、イく寸前の快楽を味わい尽くしたい。
そんな思いが頭の中をぐるぐると回る。
「言葉にならないかな、やっぱり。イきたくもあり、イきたくも無し。そんなところだろう」
優しく、あくまでも優しい奈良屋先生の声が聞こえる。
俺はもう、このまま朝までこんなふうにされ続けたら、俺自身が壊れてしまう。そんな恐怖とすら闘っていた。
「怖いかも知れない。快感も強すぎれば拷問だということも分かってる。でも俺達は、それほどの快感を君に味わってもらうことそのものが目的なんだよ。
ほら、もっと感じて、もっとよがっていいんだからね……」
そのときの俺、奈良屋先生の声が優しい悪魔みたいに聞こえてたんだと思う。
「ああ、上川端君のをケツのヒクつき、たまらんな。ああ、そろそろ俺もイきたくなってきた。長浜君、ちょっと替わってもらっていいですか?」
「オーライですっ! 上川端君も、そろそろ喉が渇いてきてるでしょうし、たっぷり飲ませてやってくださいよ!」
板付さん、俺の尻穴を舐めながら、ずっと自分のを扱き続けていたらしい。
長浜さんのが、ズボッと俺の喉から引き抜かれ、代わりに板付さんのが押し入ってくる。
「俺のは柳河内さんや青葉さんのみたいにデカくないから、ちょっとは楽だろう、上川端君。長浜君のとは、どっこいどっこいかな。
なるべく手前で出すから、口に溜めといてくれ。俺、自分が出したのを飲むのも好きなんだ」
板付さん、ちょっと変わったエロが好きそうな感じ。
俺、あまりの快感に霧がかかったみたいな頭で、ぼんやりそんなこと思ってた。
激しく出し入れされる板付さんのブツ。
その間も、全身への愛撫は止まることが無い。
「イくよっ、上川端君っ! 口にっ、口に出すよっ!」
俺、さっきのやられてた長浜さんのときみたいに、板付さんの尻に手を回し、肛門近くの尻たぶを揉み上げる。
「ああっ、それいいぞっ! あはっ、あっ、イくっ、イくっ、イくうううっ!!!」
宣言通り、喉奥の手前、俺の舌の上に何度も打ち付けられる板付さんの汁。
窒息しないようにと最小限の量は飲み込みながら、何度も噴き上がる汁を口の中に溜めていく俺。
「俺達にも分けてくれよ、板付君」
「もちろんですよ。飲める人は飲んでくれると、嬉しいですから」
板付さん、そう言いながらの俺とのザーメンキス。
何人かとも分け合うんだろうなと、一口分を受け渡す俺。
下から見上げることになる板付さんの喉仏が、ごくりごくりと上下する。
「ああ、上川端君の唾液と混ざった自分の汁、飲めるなんて感動だな」
青葉さんが俺の顔の向きを変え、唇を寄せてきた。
「奈良屋先生も飲みたいみたいだから、全部じゃなくていいからな」
青葉さんと奈良屋先生が俺の頭に手を添えてくれてる間だけは、あの苦しいまでにも思える亀頭責めが中断する。
「最後は俺でいいのかな。たっぷり唾液と混ぜてから、飲ませてくれよな」
奈良屋先生の優しいキス。
その優しいキスで俺達は、雄汁と唾液の混ざったドロドロとした汁を、何度もやり取りしていったんだ。
再開される全身への愛撫=責め。
責めで背中を仰け反らしたい、腰を引いて刺激を逃がしたい。
そんな俺の気持ちを知ってるかのように、デカいガタイの3人の雄が、俺の全身をびくとも動かないように押さえ込んでいる。
「動けない身体でひたすらに快感を与え続けられる。いいもんだろうね、これも」
いつの間にかベッドに上がっていた周船寺さん。
板付さんと交代したんだろうか。
「そろそろ、イきたいな……。俺も手前で出すから、皆に分けてやってくれるかい、上川端君?」
また俺の喉奥を犯していた長浜さんも、イきそうになってきたみたい。
「ああ、そろそろ俺も、イくとするかな。長浜君のを見ながらイくとしても上川端君の口は塞がってるし、どこでイくかな……?」
青葉さん、ちょっとずらしてくれれば、俺が飲むのに。
そう言いたかったけど、長浜さんのを咥えたままじゃ、伝えられない。
「儂の口でイくといい青葉君。長浜君の分と合わせてなら、6人皆で分けて飲めるじゃろう?」
「周船寺さん、いいんですか? じゃあ、上川端君のを刺激しながらイくので、お願いします」
発射の態勢に入る長浜さんと青葉さん。
ガタイのいい2人の全身に、力が入っていく。
「イくぞっ、上川端君っ! 出るぞっ、出るっ、口に出すぞぉーーーーっ!!」
「ああっ、長浜君がイってるっ! ああっ、俺もっ、俺もイくっ! 周船寺さんっ、済みませんっ、イきますっ、イくっ、イくっ!!!!」
震える尻。
天井に響く雄叫び。
舌の上に、次々と打ち込まれる熱い汁。
凄い射精だった。
凄いとしか言いようのない、2人の、凄い射精だった。
たっぷりと出された汁を、俺と周船寺さんが口の中で唾液とぐちょぐちょに混ぜていく。
「ちょっと身体を起こしてくれるかい、上川端君。
せっかく2人分の雄汁があるんだ。全員で分けて、回し飲みしよう」
奈良屋先生の声掛けで、イった後に休憩してた柳河内さんと板付さんも、ベッドに上がる。
俺の口からは、奈良屋先生と柳河内さん、青葉さんが。周船寺さんの口からは、長浜さんと板付さんが。
それぞれがそれぞれの口へと、汁と唾液を分け合っていく。
俺自身の口にも幾らか残し、さらにそれを人が入れ替わってのやり取りが続く。
もう誰の口に誰の汁が入っているのか。
2人の汁と全員の唾液が混じり合い、混ぜ合わされていく。
エロかった。
いやらしかった。
このザーキス。
精液と唾液のやり取りだけで、俺、イきそうになってた。
「はは、青葉さんと長浜君の汁飲んでるだけで、興奮してくれてるみたいだな。唾液を混ぜた俺たちとしても、嬉しいよ、上川端君」
柳河内さんが、まだ匂いの残る唇で、目の横にキスをしてくれる。
それだけで幸せになる俺。
いや、地獄にも天国にも思えるこの快感の嵐の中で、多幸感はずっと感じてることだった。
「ああ、後はイって無いのは俺だけか。さすがに続けては上川端君もキツかろう。
俺は上川端君を責めながら自分でイくから、手に出した汁、舐めながらザーメンキスしよう」
「儂ももう、回復してきたぞ」
「一応、全員が一周するまで待ちましょうよ、周船寺さん。あ、俺がイくときは上川端君のちんぽ、代わりますから」
奈良屋先生と周船寺さん、柳河内さんが俺の周りを固めていく。
奈良屋先生と柳河内さんが左右に添い寝、周船寺さんが両脚の間に入り込んで、主に金玉を担当してくれるらしい。
面白いことに、スタートのときと同じ面子になってた。もっとも、イった順番って考えると、そうなるのも当然だったんだろうけど。
「そろそろ30分だ。上川端君となるべくタイミングは揃えるから、イきたいときにイっていいよ」
「奈良屋先生、キスと耳責めも、やりましょう」
柳河内さんの言葉、俺、さっきの壮絶な快感を思い出して身震いする。
「最大で最上の快感と快楽を、存分に味わうんだよ、上川端君」
それからの5分間。
俺はただもう、よがって、叫んで、よじりたくてもよじれない、押さえ付けられた自分の身体を憎んだ。
男が快感にのたうち回るとき、どう接すればその快感がさらに、強く、深くなるのか。
どう肉体を押さえれば、行き場の無い快楽がその全身を幾度も周回することになるのか。
同じ男だけに分かる、いや、同じ男にしか分からない、その絶妙な力加減が、よがり狂う俺の肉体と密着していく。
「あっ、あっ、イきそうですっ、いいっスかっ? イってっ、イってっ、いいっスかっ??」
何度も何度も、イきそうになる度に寸止めを喰らっていた俺のちんぽ。
その真っ赤に腫れ上がった亀頭が、今日最高の大きさにまで膨れ上がる。
充血したその先端が、やっとイケそうな、やっとの射精への期待に、ビクビクと跳ね上がる。
「イくといいっ、俺もっ、俺もイくからっ!
柳河内君っ、上川端君の摩羅をっ、チンポを頼むっ!」
「よーしっ、イけっ! おらっ、おらっ、手が変わって、新鮮だろっ? イけっ、イけっ!」
「玉が張り付いてきてるよ、上川端君。儂が最後はしゃぶってあげるから、気持ちよくイきなさい」
三人三様に責め立てられる俺。
その俺の耳元に、柳河内さんと奈良屋先生の唇が近づいてくる。
俺のちんぽ、柳河内さんのぶっとい手で扱かれながら、膨らみきった先端が、周船寺さんの口に吸い込まれていく。
ああ、でも、耳は、耳は。
そう思ったときには、2人の熱い吐息が俺の耳の中を襲っていた。
「あーーーーっ、イきますっ、イくっ、イくううううううううううっ!!!!」
ガクガクと震えそうになる俺にのしかかった柳河内さんと奈良屋先生の重みが、スゲえ気持ちがいい。
耳に、ちんぽに、金玉に。
全身のありとあらゆる皮膚と粘膜に与えられた快楽が、一気に俺の亀頭から噴き上がった。
「気持ちよく、イけたかい?」
こんなの、頷く以外の返事は無い。
「俺の手に出した分、舐めてくれ。周船寺さんに出した君のと合わせて、皆で回して、さすがにちょっと休憩にしようか」
奈良屋先生の汁、手のひらにべっとりと溜まってたのを、俺、一滴も残したらもったいないと舐めとっていく。
俺と周船寺さんがまた供給源になり、汁と唾液の混合物が全員の唇に渡っていった。
「ホテルに来て、これで上川端君は3回、俺達6人も1回ずつは出した形だな。
さすがに腹も減ったろう。ちょっと食事摘まんで、シャワーも交代で浴びようか」
椅子とソファー、ベッドにと、それぞれ腰掛けながら、深夜にオードブルにぱくつく男達。
プラ蓋のおかげか乾燥もしていないサンドイッチがすごく旨くて、幾つも手にしてしまう俺。
「炭水化物ばっかり食べてるな、上川端君。ローストビーフや照り焼き、海老とかも色々あるんだ。たんぱく質も摂るようにしろよ、若者は」
「まあまあ、長浜君。若いってのは、そういうもんだろうさ」
なんか俺、笑われてるみたいなんだけど。
でもなんだか自分が確実に一番の下っ端でいられるこの空間、居心地は悪くなかったかな。
時計を見ると、ちょうど日付が変わるぐらいだった。
「さて、腹にも入れたし、第2ラウンド開始とするかな。
周船寺さんは、まだ大丈夫ですか?」
「なんの、まだまだいけるぞ。そこまでの年寄り扱いはせんでくれ」
これは俺も、わははって笑えたんだけど。
「後はもう、眠くてダウンするまでノンストップって感じですかね。
みんな、薬は明日の夜までは確実に効いてるでしょうから、後は体力と精力、それぞれ行けるとこまでってことで」
「仮眠取って回復したら、また復活でも良いわけですしね」
「そうだな。まあ、体力的には上川端君が一番溢れてるのは年齢的にその通りだから、当然朝までコースだろう」
これ、俺、笑えない話だよね?
「ああ、そう言えば、明日、皆さん、チェックアウトはどうします?
上川端君がよければ、みんなで昼飯喰ってから、僕のマンションに移動、とかでもいいんですが……」
「あ、そのことも先輩から聞いてます。明日は夜まで用事、入れるなよって……」
なんかチップのこととかも言ってたな、先輩。
いや、こんなに感じさせてもらって、風俗だったらこっちがスゲえ大金払わないといけない感じなんだけど。
「だったら、レイトチェックアウト頼んで、昼はまたなんかルームサービスでも取ったらどうです?
奈良屋先生のマンションでもいいけど、正直俺は、1分でも長く、上川端君と、皆さんと、絡んでいたい」
「同感!」
「賛成!」
「俺もです!」
奈良屋先生が、レイトチェックアウトのことでフロントに電話を入れる。
ついでにタオルとかを、2セットずつ追加で持ってきてくれるようにも頼んでた。
こんなわけで、明日は夕方4時までを、同じこの部屋で過ごすことになった俺達7人。
俺、それまでに何回イかせられてしまうんだろう。
何発、みんなの汁を、飲まされるんだろう。
身震いするような、怖くなるような考えでもあったけど、俺のちんぽは、より大きな快感への期待に、ぶるんぶるんと揺れてたんだ。
……………………。
………………。
…………。
そこからの俺。
もう、どう表現していいか分からないくらいの快感に、快楽に、ずっと溺れてたんだと思う。
この部屋で最初にイかされたとき、生まれて初めての『耳責め』に、一瞬落とされた俺だったけど、それから先はその『落ちる』ことさえ許されなかった。
全身のどこを責められ、嬲られているのかすら分からなくなるほどの、何本もの手で、指で、爪先で、舌で、同時に行われていく愛撫。
とろとろとしたその責めは、30分や1時間といった頃合いで、一瞬にして最高値にまで引き上げられる。
イく。
出る。
出す。
漏れる。
射精後の余韻を味わう間もなく、いや、射精中にすら止まらない愛撫=責めが、唾液と先走りと雄汁でドロドロになった俺の身体を、さらにさらにと嬲り倒していく。
途中で数えることすら出来なくなった俺の射精は、後から聞いたら朝までで16回、翌日夕方までのトータルで、21回になってたらしい。
飲まされた精液も日が昇るまでに1人頭では3、4回ずつの20回ほど。2日目だけでも10回近くは飲まされてた。
もちろん一方的な『精飲』じゃなくって、出しては飲み合い、出されては飲み合う、ザーキスの嵐だったけど。
中洲君もだったけど、射精に直接向かわない亀頭責めが俺にもかなり『効く』ことが分かってからは、射精と射精の間、ずっと誰かの手のひらが、俺の亀頭を嬲り続けてた。
俺の意識は、もう他の人が何をやってんのか、俺自身が何をやらされてるのかすら飛んじまって、もうこの『亀頭から全身に広がる快感の波』に、ただただ揺さぶられるだけの肉体になってた気がするんだよな。
もちろん、その波に揺られる俺の『肉体』は、脇腹に爪先が這うだけで、乳首の先端に舌先が触れるだけで、耳に優しく指を入れられるだけで、仰け反るほどの快感を増幅させていく。
それはどれほどの刺激を、愛撫を受け続けていっても決してそれに『慣れる』こと無く、快楽の量と質をさらに蓄積し、増大させていく。
誰かが俺の肉体にほんの少し触れるだけで、吐息を吹きかけるだけで、不随意筋が痙攣するようなビクビクとした震えが、俺の全身を襲っていくんだ。
「さすがに2時間、亀頭と全身責めでのイかず勃起は、キツそうだな」
「目は開いてるけど、見えてはいない、そんな感じか」
「もう思考も飛んでるだろうから、そろそろイかせましょうか」
明け方近く、こんな会話がされてたらしい。
誰かの言葉通り、俺の思考も記憶もぶっ飛んでて、それでも気を失うことすら出来ずに、ただただ、ひたすらな快感に溺れる俺。
「さすがにこの時間だ。イくときの声も、外に漏れるかも知れない。ちょっとタオル、こっちにくれないか」
「口、俺ので塞いどきましょうか」
「いや、思考も濁ってきてるから、万が一歯を立てられたりしたら、えらいことになるし」
「ああ、そっか、そうですよね。くわばらくわばら」
明け方近く、周船寺さんはさすがにソファーで仮眠してたらしい。
それでも他の5人は一睡もせずに、もちろん一睡すらさせてもらえない俺の肉体に、ずっと群がってたんだって。
「ああ、イく瞬間の上川端君のカラダ、ギュッと抱いてると、この痙攣が気持ちいいぞ」
「奈良屋さん、一人でズルいですよ、それ」
「はは、夜明けまで、まだ何回かはイってくれるだろうし、やりたい人は順場にな」
「だったらこっからは、連続でイかせましょうか。ぶっ飛んじまったアヘ顔にキスしながら、イくときの震えを抱き締めて感じたいな、俺」
「それいいな。じゃ、亀頭責めメインから、扱きメインにモードチェンジだな」
なんか朝方5時ぐらいからの俺、7回連続でイッたらしい。
そんなに出るもんが残ってたのかとも思うけど、量は減っても毎回ちゃんと、匂いするのが出てたって聞いた。
「若いだけあって、10分もあれば、金玉が精液作っちゃうんだろうな。さすがに30越すと、そこまでは無理になってきてるなあ、俺達は」
後から、青葉さんに聞いた話。
30代の4人の中では、一番年上が青葉さん。
「ほとんど一晩中、俺、上川端君のケツ穴舐めてたけど、もう触られての忌避感とか無くなってるだろ?
後は大学の先輩やOBと、目一杯楽しんでくれよな」
板付さんが、最後に言った言葉がこれ。
確かに俺、ケツが疼いてる。
何かを挿れたくて、挿れられたくて、仕方がなくなってる。
「うちの連中もどんなことされたのか、今度の『持ち帰り』で聞いてみっかな。まあ、俺らもだったが話したくないって言うか、どう言っていいか分からんってのもあるんだろうが」
明友OBの長浜さん、なんかすっげえ分かる、それって、俺、思いながら聞いてた。
俺もこのホテルでのこと、『何度もイかされました』って言うぐらいしか、どう言っていいか分かんなくなってるんだ。
「久しぶりに若い人の肌に触れて、汁も飲ませてくれて、ありがとう、上川端君。出来れば、君の卒業後にまたこんなことが出来ることを、心から願ってるよ」
周船寺さん、俺もあなたのお腹、触ってるだけでスゲえ気持ち良かったです。
その、また、あの太短いちんぽ、しゃぶりたいです。
「さっそく、同好会に次に顔出すときのこと、百道の奴と打ち合わせておくからな。
出来れば3人一遍に『持ち帰り』したいもんだが、こればっかりは他のOB連中と擦り合わせんといかんだろうなあ……」
うちのOBの柳河内さん。柳河内さんのあのとんでもない巨根でも、教わったあの姿勢でならなんとか呑み込むことが出来た俺。
ベッド限定の技じゃあるけど、中洲君や百道先輩が知らなかったら、教えとかないと。
「君には、いや、君達には本当に悪いことをしてるんだろうとは思ってる。
でも、男好きになってほしい。君達と、また抱き合いたい、そう思ってる僕たちみたいな者がいることだけは、頭の隅に置いておいてくれ。
そしてもし、卒業後もまたこの会に来てくれるなら、そのときはもっと自由に、もっと色んな快感を、一緒に楽しんでいこう」
奈良屋先生、いつの間にか『僕』に戻ってた。
いや本当は『こっち』が、本来の先生なのかも。
俺、最後に奈良屋先生が握手してきたとき、なんだか、そう思ったんだ。
こうして俺の、2日間にわたった『裏興行』は終わりになった。
最後にみんなとハグして、握手して別れるとき、なんでか俺、涙が出てた。
日曜の夕方、何も考えなかったのに、自然と身体は練習場に向かってる。
たぶん、中洲君も百道先輩も、同じぐらいの時間にお開きになってるはず。
案の定、練習場にほぼ同じくらいに帰り着いた俺達。
3人とも、休憩室の畳に倒れ込むようにしてバタンとひっくり返る。
「お互い、詳しい話は明日にしようぜ。どうせ3人とも、ぜんぜん寝てないんだろ、昨日から?」
「同じッス、俺も……」
「俺もです、百道先輩。今日はここでこのまま、休ませてもらっていいスか?」
「ああ、俺も部屋に帰る気力がねえよ。3人とも、ここでごろごろして、休もうぜ」
天井を向いたまま、俺達3人、話してた。
「で、先輩、俺、先輩にお願いしたいこと、あるんスけど……」
「なんだ、上川端。力仕事とか、今日はちょっと、さすがの俺でも無理だぞ……。あ、でも、もしかして、お前が一昨年の俺と同じだとすると……」
先輩、なんか、ピンと来たのかな。
「いや、もちろん、今日で無くてぜんぜんいいんスけど。つか、今日は先輩に頼むのはちょっと、無理かも、の話なんで」
「あの、俺も、実は先輩にやってほしいことが……」
「中洲もかよ。じゃあ、上川端、お前から言ってみろ。たぶん、俺、きっと、驚かねえから」
あー、つーことは、先輩も一昨年、同じこと、上の先輩に頼んだんだろうな。
ただやっぱ、口に、言葉にするのは、ちと恥ずかしかったり。
「あ、えと、その、あー、もう恥ずかしいとか、いいや!
百道先輩っ、今度、俺のケツ、先輩のデカいので、掘ってくれませんか!」
「あ、俺もそれですっ! それ頼もうと、思ってたんです!」
先輩、さっきの言葉の通りに驚きもせず、ゆっくりと身体を起こす。
「やっぱりそうか……。何をどうされたかは聞かねえけど、少なくとも2人とも、昨日から今日の『後半戦』で、尻が疼くように、何かケツに挿れたくてたまんない状態に、なっちまってるってことだよな?」
中洲君と顔を見合わせる俺。
そして一緒に頷く2人。
「はい、その通りです。
俺、その、昨日のチェックインからずっと、部屋で一緒になった人から俺の尻の穴、いじられてて、舐められてて。
もうなんでもいいから、ケツになんか挿れてほしくて、たまんなくなってるッス!」
「俺も、俺もちょっと違うけど、上川端君と同じで……。自分でなんか突っ込もうかって考えてたら、その、部屋の人達が、同好会の先輩に頼んでみろ、どうせ経験者だって……」
苦笑いする、百道先輩。
「実は……。ああ、もう、俺も言っちまうか。
俺はな、昨日からさっきまで、俺のケツに、部屋の人達のちんぽ、ずっと挿れられてたんだ。
それこそこっちが便所行くときだけ抜かれて、飯の間も、誰かの膝の上で、俺、飯、喰わされてたんだぜ……」
驚きで顔を見合わせる俺と中洲君。
「そんな長時間『されてた』んなら、その、尻が、傷んでるんじゃ無いんですか?
その、ローション使ってても、摩擦され続けてたらヤバいんじゃ……?」
「これもなんて言っていいか分かんないんだが、全員が全員、俺の中に挿れたちんぽ、全然動かしてくれないんだ。
ただただ、ケツにちんぽを挿れられてるだけで、俺、何十回もイかされちまったんだよ……」
信じられなかった。
ずっと挿れられ続けてた先輩も、挿れるだけでぜんぜん出し入れしなかった人達のことも。
「耳元で『ほら、挿れられてるだけで、切なくなってくるだろう? 口を開けるのと同じで、痛みが出ないようにケツの力を抜いておくだけで、どんどん全身が敏感になってくるはずだ。そんなときに、ケツ以外の性感帯を責められると、人間誰しもよがっちまうんだよ』って言われてな。
まさにその通りで、俺、挿れられたまま、乳首で、金玉で、もちろんちんぽで、全身のありとあらゆるところ責められて、何度も何度もイっちまったんだ」
俺と状況は違うけど、先輩も、あの毛深くてやらしい身体全部を、快楽漬けにされてたんだ。
たぶん、おそらく、きっと、中洲君も同じように『されてた』に違いなかった。
「そして俺も、お前らも、薬もまだまだ効いてるし、色々やられたこと、やらされたこと思い出して、おっ勃ててるんだよな?」
俺も、百道先輩も、中洲君も。
その股間は、端から見てもすぐ分かるぐらいに、太く、デッカく、盛り上がってた。
俺は、少なくとも俺は、自分のちんぽの先端から、また先走りがトロトロと出てるのを、感じてた。
「俺、脱ぎます」
「俺も」
「キツいけど、眠いけど、後輩の頼みなんだから、しゃーねえか。お前ら、ケツ洗うやり方、分かってるのか?」
「浣腸とシャワー使うぐらいは知ってるッスけど、先輩、ちゃんと教えてくれなかったじゃ無いですか」
「あーもう、面倒くせえが、最初から教えるぞ。2人とも一緒に来い」
シャワー室にゾロゾロと向かう俺達。
眠いのに、寝たくない。
キツいのに、このまま先輩とやりたい。中洲君とやりたい。
薬と、睡眠不足と、あまりも凄まじいエロ体験と。
その全部が一緒になって、俺達全員を、スゲえ『ハイ』な状態に持ってきてる。
そしてこれは、少なくとも俺と中洲君のケツの疼きをどうにかするまでは、決しておさまることが無いのも分かってる。
百道先輩もまた、俺達とは別の『疼き』を持って帰ってるはずだった。
2年に一度の『裏興行』。
それが俺達にもたらしたありとあらゆる変化は、そのすべてが、快感と快楽の記憶へと結び付けられていく。
活動費のため、と思っていたことは、終わってみればなんてことは無い、俺達の『肉体』を、俺たちの『精神』を、『快楽の渦』へと巻き込むための『リング』だった。
明友の連中と、ホテルでの人達と、その、それぞれとで巻き起こったこの『渦』は、俺達、雄志社大学プロレス同好会、そこに所属する雄達全員を、新たな『快楽の渦』へと引き込んでいったのだった。
了