■登場人物・用語等
●馬渡平七(まわたりへいひち)
今年喜寿を迎える、摩籠祭の本来の主役である『朱(しゅ)』。
年齢を考えた形で、今年が代替わりの年となる。
短躯太り肉のたっぷりとした肉体。鍛えられた胸筋、太鼓腹、太い首と手足を持ち、七十代後半とは思えない膂力精力を身にまとっている。
『朱』として馬曳きの男達の中では一番小さい逸物の所持者とされているが、他の地域の男達からすれば巨根と言われるほどの大きさであり、平均的な日本人の勃起時寸法は遥かに上回っている。
名前の読みは正式には『へいひち』であるのだが、周囲は皆『へいしち』と呼んでいる。
76(数えで77)才。
なおこの集落では六割の家が馬渡姓、二割が馬渕姓、馬柄姓と馬尾姓が数軒ずつのため、互いに下の名で呼び合うことがほとんどである。
●馬渡平八(まわたりへいはち)
平七の一人息子。
父ともよく似た体格をしており、若さのためかさらに精力絶倫に見える48才。
集落ではこの年でも一番の若手となっている。
日に数度のせんずりは当たり前のこととし、集落のどこそこで見かける男同士の秘め事も、女のいないここでは当然のことかと黙認していた。
父と同じく、一般的に言えば巨根と分類されるはずの逸物ではあるが、直会での摩羅比べでは(若干の忖度もあり)『朱』としての判定を受ける。
●玉吉
集落一の巨根と言われる男。
片手では3分の2ほどしか握れきれない太さ、30センチ近いその逸物は、根本と雁下の上向きの『曲がり』と大人の親指以上にも太く固くなる尿道海綿体の膨らみが、挿入したものに尻奧の刺激だけでイかせるほどの快感を与える。
52才。馬曳きの中(同時に集落内でも)では平八の次に若い男となる。
●熊六
玉吉と並ぶ集落を代表する巨根の持ち主。
長さだけであれば玉吉のそれをも凌駕し、くっきりと張った鰓と膨れ上がった亀頭が見るものを圧倒する。
玉吉のような『曲がり』が無い分、その真っ直ぐに天を突く逸物は、出し入れ、抽挿の度に、受ける者の尻を刺激し続けていく。
65才。温厚だが、欲望の発散にも正直な男。
●喜八
摩籠村の馬曳きの中では平八に次ぐ年長者であり、まとめ役の一人。
66才。
●清太
馬曳きの一人。毎回の『摩羅比べ』では、平七、喜八との3人で(形式上の)『勝ち』を争っていた。
がっちりとしていて、尻の大きさが目立つ偉丈夫。
54才。
●馬曳き(まびき)の男達
平八を除く上記の男達を含め、総勢12人。
摩籠の祭り(摩羅籠の祭り)の時に馬を曳いて集落内を練り歩く男達。祭りの祭には『朱』とその年に初めて馬曳きに参加した男は赤い六尺褌を、その他の男達は白い褌を締める。
一家にたとえ複数の男がいても、馬曳きとして祭りに参加できるのは各家から一人のみ。ある意味では集落での『一人前』としての認められるための通過儀礼でもあった。
平七は今回の祭りで引退となるため、来月からの『八日講』の参加者は現馬曳きの中では11人となるが、新たに平八が加わるために、結果として総数の変化は無い。
毎月3回の8の付く日に行われる『八日講』では、夜通し『朱』の全身を使って何度でも射精を繰り返していく男達である。
●社(やしろ、おやしろさん)
集落内にある鳥居と小さな社のみが残る神社。
由来は古いようだが来歴には勧請の由縁は見られず、かつては一人神、もしくは孤立神を祀る縁起があった模様。
稀人(来訪神)に対する信仰の証としての建立かと見られている。来訪神としては水平より垂直来訪神の形を取る。
近隣の者達からは『おやしろさん』と呼ばれる。
●朱(しゅ)
本来の摩羅籠祭の主役。
祭りの参加者である『馬曳き』の男達の中で、性器が一番『小さい』ものが選ばれる。
年の途中で新しく馬曳きが入った場合は、近い『八日講』にて、『朱』の交代時期に当代の『朱』よりの推挙があれば祭りの『直会』の際に、『摩羅比べ』の儀式で選ばれることとなる。
『主』→『朱』への言い換えが為された(もしくは逆か?)経緯と理由はすでに分からなくなっているが、失われた社(やしろ)の縁起によれば、赤ん坊、朱肌、などに通ずるか。
●摩羅比べ
摩籠祭の主役『朱』を決めるために、新しい馬曳きが加わった場合に行われる選定儀式。
新人は竿と玉の根元をきつく縛られ、馬曳きの男達全員との摩羅比べを行う。
一人一人は比べで判定が出たあとに、射精するまで2本取りで扱き上げるため、途中で射精をすることで萎えることが無いよう、細紐で縛ることが儀式化されている。
ここでの判定は、より小さい者が『勝ち』となり、最後まで勝ち残った者が、新たな『朱』となる。
●八日講(はちのひこう)
毎月の8日、18日、28日に、村内の公民館(かつての若衆宿)に馬曳きの任に当たる男達が集まり、『朱』の男の口と尻に男達がひたすらにその溢れる精汁を注ぎ込んでいく。
精力の強い男達の集まりであることもあり、一晩に放たれる精汁の打ち上げは50回近くを数えることとなる(一人あたり4、5回の射精数)。
そのすべてが『朱』の口と尻に注がれることとなるが、途中での扱き合い、しゃぶり合い等は『朱』以外の馬曳き同士でも盛んに行われ、最後の放埒は『朱』の身体へ、という形が徹底されている。
『摩羅比べ』で選ばれた『朱』は、自らの逸物を扱くことは出来ないが、その代わりに周囲の馬曳き達が、口や手を使い、やはり幾度も一夜のうちに吐精をさせることとなる。
以上