搾精される狼獣人(短編Ver.)

その6

 

その6 仲間

 

「ちいっと待ちいや、喜三郎はん。こういうのは大勢でやるのも楽しいもんやで。あんさんのお仲間、紹介しとこ。

 あんさんの今日の『初夜』を、みんなで盛り上げるさかいな」

 

 豚田の計画と行動、その成熟具合はおそらくはこれまでに何度もこのような行為を繰り返してきたものによるのだろう。

 その精度と手順の『慣れ』は、すでに確立された『技術』として利用されはじめている。

 

「入ってこいや、皆。新人さんを、みんなで気持ちよくしてやろうや、なあ」

 

 どこかにマイクがセットしてあったのか、豚田の声からしばらく待てば、ドアの向こうに幾人かの気配が伝わってくる。。

 

 治療室に次々と、巨体の獣人達がその姿を現した。

 いずれも120キロは軽く越えている3人の雄性個体。

 越中褌のような一枚布だけを身に付けた、屈強な雄獣人達。その股間は部屋に漂う豚田の体臭に、すでに先走りが大きく染みを作っていた。

 

「虎、黒熊、犀。粒ぞろいの雄3人でっしゃろ? 喜三郎はん?

 豚のワシと狼のあんたと合わせて5人もおれば、えろう色んなことが楽しめるでっしゃろな」

 

 ソファの周りを取り囲む男達。

 犀獣人にあっては、その体重も200キロ近いのではあるまいか。いずれも鍛えられた筋肉の下地にたっぷりと脂肪の乗った、見事な肉体の持ち主逹。

 豚田の趣味を反映してか、年齢もおそらくは60代後半から70代の3人。

 その瞳の輝きは人生の叡智とともに、情欲の光を同時に放っていた。

 

 豚田の脇に、下腹部に、そして首筋に。

 3人の雄達が、それぞれの鼻を押し付けていく。

 

「ああ、やっぱり豚田さんの匂いはたまらん……」

「狼獣人さんよ。あんたがこの2日、拘束台を占用しとったから、誰もあそこに乗れてないんだ。この後は交代で、あれを使わせてもらうぞ」

「イヌ科のあんたの匂いが混じると、すごいな、これは……。もっともっと、楽しめそうだ……」

 

 雄達の手が、口が、鼻先が。そして勃ち上がった逸物が。

 喜三郎と豚田の全身をまさぐり、舐め、その匂いを堪能していく。

 とろとろと流れる先走りが新たな発生源となり、雄達の匂いが部屋中の空気を揺らめかせる。

 

「豚田さん……。

 私にとって、あんたにとって、そしてみんなに取って……。

 ここは地獄なのか?

 それとも天国なのか?」

 

 己の逸物、その先端からだらだらと先走りを流しながら、その優秀な臭覚器官で周囲の男達の獣毛をまさぐりながら、喜三郎が豚田へと問う。

 

「そんなもん、あんさんが勝手に決めればええこっちゃ。

 ここでは、ただただひたすらに、自分と目の前の雄との快楽を、悦楽を、快感を、求めていきゃええんやで、喜三郎はん……」

 

 理性と情欲。

 この2つが両立することを知る高齢な5人の雄獣人達。

 

 この夜の彼らの蠢きは、いったいどのようなものとなるのだろうか。