その4 7号棒、そして僧侶へ
あの衝撃的だった仮僧侶資格取得と合同乱会で5号棒でのトコロテンをクリアした俺は、そっから先の金精修行はスムーズに行った方だと思う。
4号棒で少しだけ苦労したときと違って、8号棒近い長さの正成さんの魔羅や、10号棒と同じぐらいの太さの耕一さんの魔羅でずっとヤられてた訳で、それはそれで当然だったのかもだけど。
ただ、俺、ホントにそのときだけのことだったんだけど、これをクリアしたら挿入側にもなれるっていう7号棒を挿れてたとき、ある『失敗』をしちゃったんだ。
この寺で『相坊』となってるもの同士は『他者功利』の名の下に、たとえせんずりやトイレのことでも『相坊や誰か』にや『やってもらう』のが普通になってる。
そのために1人での『せんずり予防』ってのも含めて、夜に寝るときは相坊同士の聞き手を紐で結んで休みことになってるんだ。
あのときはもうけっこう山では寒さが来てたときかな。
夜中に俺、金精棒の刺激で魔羅がギンギンになって、ふっと目を覚ましたんだ。
「抜きたいな」
真っ先に思ったのは、それだった。
勤行のとき以外には『香』が焚かれることは無いんだけど、この頃はもう、自分の身体や畳に染みこんでるわずかな香の名残でも興奮出来るようになってたんだ。
いつもなら、こういうときや夜中に小便に行きたいときも正成さんを起こして頼んでたんだけど、どうもこのときだけは寒さもあって、なんかそこに躊躇いを感じてしまってたんだと思う。
紐といっても、寝返りなんかで起こさないように、かなりゆとりを持った長さになってる。
静かに扱けば気付かれないんじゃないかって、俺の中の何かが囁いた。
気持ちよかった。
自分で自分のを握る感触、ものすごく久しぶりだった。
左手で金精棒を出し入れしながら、右手で魔羅を扱く俺。
イく瞬間に、左手で汁を受けて、ぜんぶ飲んでしまえば、バレないんじゃないかって、勝手に想像してた。
「うっ、ううっ、ううっ、ううんっ……」
出来るだけ声を出さないように、動きも大きくならないように、イったつもりだった。
でも結局、耕一さんに見つかっちゃってた。
「なんだ、言ってくれれば、すぐにしゃぶってやったのに、1人でヤっちまったんか」
身体を起こした耕一さん。
すぐに継男さんと正成さんも目を覚まして。
「あちゃ、翔平……」
「我慢出来なかったの? 翔平君? いや、我慢しなくていいので、起こしてくれればよかったのに……」
俺、すげえビビってて、すげえ怒られるんじゃないかって。
「ああ、まあ、道円和尚に報告はしないといかんが、それも世が明けてからの話だ。さあ、みんな寝るぞ。それか翔平、もう一発ぐらい抜かんと寝れないか?」
「あ、いえ、そんなこと無いっス……。その、俺、ここを追い出されるとか、そんなとか、あるんでしょうか……?」
俺、おどおどしてた。
ここに来る前の俺だったら、せいぜいの虚勢を張ってるシーンだったろうけど。
「馬鹿、そんなことあるはず無いだろう。文字通りの説教と、なんかちょっとした罰ぐらいあるかもしれんが、『他者功利』と同じぐらいに『生と性を楽しむ、力にしていく』ってのもここにはあるんだ。心配せんで、ほら、寝ろ、翔平」
耕一さんが言ってくれて。
布団に横になると、そっと正成さんが俺の腹を抱いてくれて。
「ちょっと触れ合ってた方が眠れるかもだろう。うざったくなったら、払いのけていいから」
なんか、正成さんの優しさが俺、嬉しくて。そして自分が恥ずかしくて。
半分泣きながら、半分泣きながら、眠れるかなって思いながらも、うとうととした眠りに引き込まれていったんだ。
「夜中に、1人でせんずりしてイったそうだな、翔平」
康円さんと宗円さんに、早朝のお役目(畑仕事や寺の掃除とかをする時間)のときに呼び出された俺。
びくびくはしてたけど、耕一さんや正成さんから『怒られてこい』って言われたので逆に肝が据わってたように思う。
「はい、済みませんでした。禁を破ってしまったこと、すごく反省してます」
「謝るのは俺達にでは無いぞ、翔平」
康円さんの言葉に、下げてた頭がピクっとなった俺。
「分かって無いようだな……。お前が夜中に1人で扱いて1人で抜いたこと、一番悲しんでるのは誰だと思う。一番『怒ってる』人、じゃないぞ。一番『悲しんでる』人のことだ」
せんずりで誰が悲しむんだろうって、一瞬思った俺。
でも、次の瞬間には康円さんの言ってる意味が、分かったんだ。
「あ……。それって、相坊の正成、さん……?」
俺、ぜんぜん、そんなこと考えてもみなかった。
康円さんに言われて、初めて気が付いた。
「そうだ。一番先にお前が謝んなきゃいけないのは、相坊である正成にだと、俺は思う。
次は同室の耕一や継男にだ。
あいつらからしたら、お前がやったのは『自分達を使ってくれなかった』っていう、無念や悲しみだと思うぞ、俺は」
宗円さんが話を継ぐ。
「翔平。
俺は、この寺で言う『他者功利』ってのは、互いの信用と信頼があってこそのものだと思ってる。
せんずりや食事、風呂、便所のときの尻拭きだって、みんなそうだ。人が一番無防備なそのときに、自分の目の前にいるこの人は危害を加える人では無い、自分を襲ってくる人では無い。
その信頼があって、信用をしてこそ、本心からそれらを『受け入れる』ことが出来るようになる。
夜中に目が覚めた。せんずりがしたい。射精がしたい。
そう思うのは誰しもある瞬間だと思う。
でもな、翔平。そのときにお前が『起こしたら悪い』『1人でやってしまえ』ってなっちまうと、残された『相坊』は、どう思うんだろうな……」
ああって、思った。
俺、せんずりがバレた瞬間、『怒られる』『叱られる』ってことしか頭に無かったんだ。
俺、あのときは、この寺に入る前の『俺』に、戻っちまってた。
人は人を傷付けるってのしか、頭に無かった『あのとき』と、同じになっちまってた。
「分かってくれたようだな、翔平。ならばもう、お前は部屋に戻って、あいつらに何か言ってやれ。
ただまあ、禁を破ったことはそれなりの罰を与えんといかんわけだが……。
うん、そうだな。今日から三日、お前の尻から金精棒を抜いて過ごせ。そしてその間は、射精禁止だ。
後はもう、いいぞ、翔平」
肩が震えてた俺を見て、俺の考えが分かったのかな、康円さん。
罰にしては、そんなもん? っては思ったけど、早く正成さん達にあやまんなきゃってことで、頭がいっぱいになってて、その意味があんまりよく分かってなかったんだよな、あのときは。
『失礼します。本当に済みませんでした』
康円さん、宗円さんに頭を下げて退室した俺は、一目散に皆が朝食の準備に入っているはずの食事会場に向かった。
「済みませんでした、正成さん、耕一さん、継男さん。俺、あのとき『怒られる』ってことばかり考えてて、正成さん達がどんな思いをしてたとか、ぜんぜん想像出来てませんでした。皆さんの信頼を裏切って、本当に済みませんでした」
ものすごい剣幕で頭を下げた俺を、3人と周りがびっくりしたような目で見てた。
俺、それも俺への『罰』なんだってのが、分かってた。
「ちょっと落ち着け、翔平。康円さん達に、なんか言われたんだとは思うけど……」
「俺、『他者功利』の意味が、もう何ヶ月もここにいるのに、ぜんぜん分かってませんでした。てっきり『人にやってあげる、やってもらう』ってことだとばかり、思ってました」
「ああ、そういう話になったのか、翔平君……。うん、それが分かるのに、僕もすごく時間がかかったよ。でも、早く気がつけたのは、僕はちょっとうらやましいけど」
耕一さんも、正成さんも、すごく優しいんだ。
そしてその優しさは『他者』を傷付けてきた人だから、俺自身も知らない間に『他者』を傷付けてきてしまってたからこそ、『分かる』もんなんだとも思った。
「どんなに寝てても、翔平が『イきたい』って言ってくれれば、俺達の誰だって喜んでお前のしゃぶるし、扱くし、気持ちよくイかせたいって思ってるんだぞ。
もう翔平だって、そうだろう?
人のをしゃぶってる自分、扱いてる自分、汁を飲んでる自分を、楽しめてるだろ?」
継男さんの言うのも、ホントにその通りだった。
もし、もし3人の誰かが1人でせんずりしてイッちまったら『何で飲ませてくれなかったんですか』って、言っちまう『俺』に、もう『変わって』たんだ。
「さあさあ、もういいから。朝飯、喰え、翔平。あ、でも、他にはなんか、言われなかったか?」
場を切り替えてくれた耕一さん。
「あ、そうだ。俺、今日から三日間、金精棒、抜いておけって。そしてその間は、イっちゃダメだぞって……」
「あはは、そりゃキツい『罰』喰らったな、翔平。3日間の射精禁止は、キツいよな。
まあ、さすがに飯喰ってるときに尻を触るのもどうかと思うんで、この後の勤行のときから抜くことにすっかな。
さ、飯だ飯。腹一杯喰って、今日もまた頑張ろうや」
俺、そんときは分かんなかったけど、あれから三日間過ごして、耕一さんの言葉が身に染みることになる。
「これ、なんか、スースーするって言うか、いや、なんか違うな……。なんだろう、これ……?」
「金精棒のありがたみが、じわじわ分かってくると思うぜ、翔平」
勤行の最初に抜かれた金精棒。
金精修行が遅れちゃうなって気持ちはあったけど、まさかあんなふうに自分の尻が感じ始めてたってのは、その日の夜ぐらいから分かってきた。
「正成さん、耕一さん……。俺、その、尻が、その……」
「疼いて仕方ないんだろう、翔平。切なくて仕方ないんだろう、尻ん中が」
「……そうです。なんかこう、いじってほしい、ぶち込んでほしいってので、頭がぐるぐるして……」
「実は俺も、最初のとき、今のお前と同じ『罰』喰らったことがあるんだよ」
耕一さんのこの台詞、正成さんや継男さんも初めて聞く話のようだった。
「耕一さんもせんずり、1人でやっちゃったんですか?」
「ほら、俺、人よりけっこう回数多い方だろう? 入山してしばらくしたとき、どうにも物足りんでやっちまってな。そんときも三日間、金精棒抜いとけって言われてな」
「あー、だから康円さん。自分達で翔平の金精棒抜かずに、同室の俺達に任せたのか」
正成さん達の会話、俺は聞いてるだけだったけど、この尻の切なさが分かる人がいてくれるだけでもありがたかったかな。
「まあ、この時点であの切なさを知るってのも、10号棒への目標としてはかえって良かったのかもな。僧侶になりゃ、俺の太さや正成の長さを超えた道円和尚と『出来る』ようになるんだ。今のお前なら、これがどんなに待ち遠しく感じるか、分かるだろ?」
「和尚様のあのぶっといのが俺の尻ん中掻き回すなんて、考えただけで知るが漏れそうっスよ」
「はは、存分に期待しとけ。それだけ修行にも身が入るはずだからな」
耕一さんの言葉に、我慢汁が滲み始めた俺の魔羅。
正成さんがすぐに気が付いてくれて、しゃぶってくれる。
嬉しいし有難いんだけど、射精禁止を喰らってる今は、けっこうこれ、キツい。
俺、もう2日目午後ぐらいからは、射精したい、イきたいってことしか考えられなくなってきて。
尻も切ないし、摩羅はガチガチに勃ったまま、勤行の時間終わってもぜんぜん萎えないし。
3日目が終わるその日、俺、正成さん達にイかせてくださいって土下座する勢いだった。
「キツかったよね、翔平君。宗円さん達からも、今日はもうイかせてやれって言われてるし、3人でたっぷり出させてあげるからね」
「つってもまあ、罰は罰だし、就寝時間入っても日付変わるぐらいまでは、亀頭と尻責めで、延々イかず勃起にしてやるからな」
「そんなことされたら、俺、もう、おかしくなっちゃいますよ……」
「それが俺らを置いてきぼりにして、1人でせんずりかいた罰だってんだよ。せいぜいよがって、声上げてろ」
耕一さん、エロく笑いながら言うんだもんな。
継男さんも正成さんもニコニコしてて怒ってる訳じゃ無いってのは分かるんだけど、ホントにそのときの俺、寸止めされたら泣きわめきそうになってたと思う。
夜の勤行では尻を責め合う他の人達を見ながら、しゃぶるだけの俺だった。
自分がイけなくても、人のをしゃぶるのは気持ちいいというか、やりたくはなるんだよな。
先走りダラダラ流してなんとか勤行の時間を終えて部屋に戻る俺達。
そっからがもう、地獄というか天国というか。
亀頭を延々と責められながら、この3日間抜かれてた金精棒がゆっくりと出し入れされて。
尻と摩羅が同時に責められて、しかもイきそうになるたびに寸止めを喰らう俺。
これ、寺中に聞こえてるよなってぐらいに喚き散らし、よがり声を上げ続けてた。
部屋に時計があるわけで無し、スマホや携帯は無いしで、継男さんと耕一さんが小便行ったときに廊下の時計見てきたみたい。
「そろそろイかせてやるかな」
って。
俺、もう、首が千切れるんじゃ無いかってぐらいにコクコク頷いて。
「イかせてください! もう堪えきれないッス! イかせてくださいっ!」
「その代わり、3発ぐらいは連続だね」
って、正成さんもけっこう意地悪な感じで。
その正成さんが金精棒を出し入れしながら俺の摩羅をしゃぶり始める。
耕一さんと継男さんが乳首を舐めてくれて。
このパターン、試しの儀のときにもそうだし、この寺では3対1のときの定番なんだ。
「ああっ、イきますっ! イくっ、イくぅぅぅっ!!!」
1発目は、それこそあっと言う間だった。
「ああっ、正成さんっ! イって、イッてすぐはっ!!」
そのまましゃぶり続ける正成さん。
耕一さんも継男さんも、射精したのは分かってるはずなのに、ぜんぜん休みくれないで乳首を責め続けてくる。
結局、5回連続でイかされて、俺の3日間の『罰』がやっと終わったんだ。
翌朝、近い部屋の人達から背中叩かれながら、何回イッた? って聞かれたのが、ちょっと恥ずかしかったかな。
そうこうして、この三日間もなんとかクリアした俺は、7号棒でのトコロテンも無事に済ませ、同室の皆、寺の皆とも、魔羅の出し入れ、尻での受け攻めを堪能出来るようになってったんだ。
正成さんの締まりのいい尻、尻肉の弾力が気持ちいい耕一さん、中も外も、すごい締め付けの継男さん。
皆の尻を堪能し、堪能させられながら、8号棒、9号棒、そして10号棒を咥え込んで、その異物感、充実感を楽しめるようになっていった俺。
11月には継男さんが正式な僧侶に認められて、皆の目の前で道円和尚のあのデカブツ挿れられて悶えきってた。
部屋では3人でおめでとうの意味で、真ん中になって楽しんでもらったな。
そしてその年の年末の『総身改め』の日。
ついに俺が『僧侶』への試しを受ける日がやってきたんだ。
「これより、仮僧侶『野間翔平』の僧侶への試しの儀を行う。翔平、壇へとその身体を横たえよ」
いつもの良円さんの進行。
もう何度目か目にする光景と儀式ではあるけども、やっぱり少しの緊張と不安と、そして快感への期待と。
この『試しの儀』万が一のことがあったらいけないと、僧侶の中でもベテランの4人が回していく流れではあるんだけど、康円さんがこの前、ぼそって言ったんだよな。
「耕一も、僧侶名受けてくれたら、すぐにでも試しの儀に回すんだけどな」
そういえば、耕一さん、この寺に来て、もう8年目のはずだった。
僧侶になって5年立つと正式な『僧侶名』(康円さんとか、宗円さんのそれ)を名乗れるはずなんだけど。
「あいつ、まだ自分はその域には達してませんって、名乗ろうとしなくてな。
そこらへん、あいつなりの考えなんだろうから、阿闍梨もそれならそれでいいってされてるし、まあ、どうしたもんかとは思うんだが……」
このあたりは1人1人の考えもあるんだろうし、それを認める寺のシステムもすげえなあとは思ったことだった。
「金精棒を康円が、上半身を宗円と日円にて担当し、翔平の愉悦を最大限に引き出すように努めよ」
なむからたんのう とーらーやーやー なむあーりーやー ぼーりょーきーてー
しーふーらーやー ふじさとぼーやー もーこーきゃーるにきゃーやー……
良円さんの言葉で、一斉に始まる責め。
皆の読経諷経と、燻らせてある『香』が、俺の官能を最大限に刺激していく。
これを乗り越えれば、道円和尚のあの『魔羅』を楽しむことが出来る。
もちろんそれだけが目的目標と言うわけでは無いんだけど、でも、やっぱり、それはそれで凄い『ご褒美』って感覚は持ってったよな、あのときの俺。
「すげっ、すげっ、乳首もケツもっ、すごく感じますっ!! ああっ、ケツっ、ケツがいいっ、気持ちいいっ!!」
「感じていいぞっ、翔平っ!! 全部感じて、全部よがって、全部悶えろっ! 尻と、乳首と、全身感じて、気持ちよくイけっ!!」
「イきますっ、イくっ、イくっ、イくぅぅぅっ……!!!」
正直言って、5号棒での仮僧侶資格のときや、7号棒でのトコロテンが認められたときより、俺、早くイけた気がしてる。
それだけ金精修行の成果があったってことだろうし、俺自体の尻の感度がぶち上がってきてたんだろうし。
「見事な射精だったな、修平。それではこれより、道円阿闍梨による釜割りを開始する」
「よい射精だったな。儂の摩羅を受けても、心地良き射精が出来るよう願うぞ」
俺、正成さんや継男さんのときと同じように、尻の下に座布団を入れ、両脚を高く持ち上げる。
道円和尚からは、俺の尻穴がぱっくり見えてるはずだ。
見上げる和尚の髭に覆われた顔が、すげえ男らしい。
全身を覆う黒々とした体毛は還暦を超してる和尚の年を、かなり若く見せてるんだと思う。
和尚様の発する熱気が、正面からそれを受け止める俺の顔をも赤く染める。
『儂の摩羅が、怖くないか、翔平……?』
細くなった和尚様の目が、俺に優しく尋ねてきた。
『俺、大丈夫です。俺の尻が、和尚様のデカいのを挿れて欲しくて、疼いてます』
『ゆっくり挿れるからな……』
正成さんや継男さんのときとはわずかに違う和尚の雰囲気は、俺の『絶対的な尻割りの経験の少なさ』によるものなんだと思う。
早いと言われた継男さんでも、後半少しブレーキがかかったようでの10ヶ月。正成さんに取っては足掛け3年かかったのが、『僧侶資格への試し』だった。
それを俺は、入山から半年もせずに駆け上がってきた。
仮僧侶になってからの時間を考えても、継男さんだけと比べても、圧倒的に俺がこなしてきた尻受けの『回数と時間』は、少ない方だろう。
それゆえの、道円和尚の気遣いなんだろうと、俺、勝手に思ってた。
「あっ、当たるっ……」
「口を開けよっ! 力を抜けっ、翔平っ!」
握り拳ほどの太さになる道円和尚の亀頭が、俺の尻を割る。
その瞬間、身体を硬くした俺の変化を見逃さない道円和尚。
怖いとは、思ってなかったはずの俺。
それでもその物理的な大きさに、俺の肉体が示した一瞬の拒否反応。
「読経を強めよ! 香を持て! 良円っ、翔平の摩羅をしゃぶってやってくれっ!」
「御意っ!」
おーん さーはらはーえい しゅーたんのうとんしゃー なむしきりーとーいーもー
おりやーぼーりょーきーちい しふらーりんとーぼー……
香炉が近くに寄せられ、漂う白い煙が俺の顔の上で渦を巻く。
諷経の低く太いリズムが俺の耳を打つ。
良円さんが優しく俺の頬を撫で、剃り上げた頭が俺の股間に沈む。
「ああっ、気持ちいいっ……、頭の中が、全部、やらしいことで埋まってく……」
「それでよい、翔平。香を聞きながら、儂の摩羅とお前の尻と摩羅と、すべてがお前の快感となるように」
その通りだった。
焚かれた香と、皆の読経と。
摩羅をしゃぶる良円さんと、そして尻を穿つ道円和尚の太い摩羅と。
そのどれもが俺の身体に『快楽』だけを送り込んでくる。
太すぎる摩羅を受け止めた俺の尻も、感じていたのは『途方もない圧迫感』だけで、そこにあるのは決して『痛み』では無かったんだ。
「凄いっ、凄いですっ……。太いのがっ、和尚様の太いのがっ……」
「半分は呑み込んだぞ、翔平。もう少しだ」
もう半分なのか、まだ半分なのか。
あまりの太さに腰から下が全部和尚の摩羅で埋め尽くされてるようにすら感じてしまう。
ずりずりと、ほんの少しずつ奥へと進む、丸太のような肉棒。
「後少しだ、堪えよ、翔平」
「ああっ、ひ、拡がるっ……! 俺の尻がっ、すげえ拡がっていくっ……。汁がっ、汁が上がってきますっ! 和尚様っ!」
ガクガクと身体を揺らす俺。
その痙攣のような動きは、和尚様の摩羅を締め付けているに違いない。
「おおっ、良いぞっ、お主の肉がっ、儂の摩羅にまといつくっ!
好きなときにイくが良い!
儂の摩羅も、お主の『良さ』に、いなないておるっ!
最後じゃ、翔平っ! 奧を突かれる喜びをっ、とくと味わえっ!!」
ずん!
最後の一突きだった。
極太のそれに押し広げられ、突き上げられた『そこ』は、これまで俺がこなしてきた情交でも、まさに『未踏』の場所だった。
「ああああっ、イきますっ、道円和尚様っ、俺っ、イきますっ、イくっ、イきますっ!」
「うむ、儂もイくぞっ! 出し入れもせずにっ、お主の尻の締め付けだけでっ、儂もイくぞっ!!」
俺、道円和尚の摩羅が奧に届いただけで、汁が上がってきてた。
和尚様も、俺の奧を突いただけで、イきそうになってた。
「イくっ、イくっ、漏れるっ、漏れちまうっ! ああああっ、イくーーーーーーっ!!!」
「儂も出すぞっ、翔平っ、お前の尻にっ、出すぞっ!
うむっ、イくっ、イくっ、イくっ!!!」
俺も道円和尚も、出し入れに依らない、ただただ、奥までの一方向の侵入だけでの射精だった。
俺みたいな、あっと言う間のトコロテンは、和尚に初めて挿れられた人はたいがい経験してるんだろう。
ただ、挿れる側の道円和尚までが、そのタイミングで埒を上げたというのは、すごく珍しいことだったらしい。
「すごいな、阿闍梨様も翔平と一緒にイっちまった……」
「それほど、あいつの尻の締まりが良かったのか……」
「道円様の太さ長さがあってのものだとは思うが、見てるだけでイきそうになる交わりだったな」
周りの声が聞こえる中、和尚様が優しく俺を抱いてくれる。
「良き射精であったな、2人とも……。互いにまだまだ、出し足りぬ、イき足りぬであろう。このまま、次を始めても良いかな、翔平よ」
「和尚様、和尚様の汁で、俺の腹ん中を埋め尽くしてください。和尚様の熱い汁を尻で感じて、俺もまたイきたいッス……」
「よう言うた、翔平。このまま抜かずに、始めるぞ」
ゆっくりと動き出す道円和尚の摩羅。
腹の中身が、内臓全部が引きずり出されるようなその『引き』に、俺は鳥肌が立つような快感を感じてしまう。
「これは、どうじゃ?」
ギリギリまで抜かれた摩羅が、今度は先ほどまでとは比べものにならないほどのスピードで奥へと差し込まれていく。
尻穴そのものが奧へ奧へと巻き込まれていくような感触と、肉壁をずるずると擦り上げられるかのような『中』の感触が混ぜ合わされて、頭の中が『快』で埋め尽くされていく。
「両脚で儂の尻を抱け。儂の腰を引きつけて、『奧』の快感を堪能せよ!」
言われたとおりに両脚を抱えきれないほどの胴体に回す。
両腕と両脚で、厚みのありすぎる道円和尚の肉体を引き寄せる。
俺の腰が持ち上がり、さらに奥へと肉棒が『届いて』いく。
「うがあああっ、また来ますっ、汁がっ、汁が上がってくるっ、また来るっ、イくうううっ!!!」
阿闍梨様は俺の中で抜かずに3回の精を放ち、俺はその間に5回も汁を漏らし続けていた。
こうして俺の僧侶資格取得の試しの儀は、相坊の正成さんに3回、道円阿闍梨様に5回イかされて、ようやくの解放となった。
半分失神したようになった俺を、何人かで部屋に運んでくれたそうだったけど、そこらへんはあんまり覚えて無い。
それでも俺は、ものすごい快感と心地よさを味合わせて貰ったあの日のことは、ずっと忘れられないでいるんだろうな、きっと。