卒後3年目で仕方なく体育会系の会社に入ったら、とんでもないことになった話

その5

 

その5 ココロとカラダが『慣れる』こと

 

 事前研修4日目になって、初日に採寸したユニフォーム、レーサーパンツが上がってきた。

 さっそくみんなの前で着用させられて、ここでも全裸披露。配送出た人見てたから、ああそうなんだとは思ったけど、このユニフォーム(レーパンって呼ぶらしい)、うちの会社だけで無くってだいたいが下着を履かずに直接肌に着込むってのも教わることに。

 こういうのはバイトしてても知らなかったし、しかもこのレーパン、尻と股間にクッションというか、なにか入ってるのにも驚いた。

 

「なに、長距離漕ぐと尻が擦れるので、それ防止って意味もある。それとうちは、自転車メーカー、レーサー服の開発元、それに大学の医学部と連携して、長時間の自転車使用が男性の勃起機能や精子生産能力にどんな影響を与えるかの、サンプリング対象になってるからな」

 

 なんかこういう研究協力みたいなの、うち、よくやってるっぽい。

 

「どういうことなんですか?」

「これ、業界内で一時期『自転車のサドルの振動が前立腺や睾丸を過度に刺激することによって、精子生産能力や勃起力にマイナスに働くのでは?』ってのが流行ったことがあってな。

 慌てた自転車メーカーが、そこらへんホントに影響あるのか確かめようってなったんだな。俺たちの間では逆にサドルに刺激されて勃起がおさまらないことがある、なんて実体験もあったりして、けっこうごちゃごちゃしてたんだよ。

 そこでまあ大学の先生とかにも働きかけて、こういう取り組みが始まったってワケだ。

 あ、言ってなかったが、それの計測兼ねて、社員で配送に出てる奴には月に1回、依頼を受けたクリニックからの往診で、精液と尿の提出、あとはお医者さんの診断受けることになるからな。

 お前達も月末には提供あるので、そんときは言うからさ」

 

 お堅いのか柔らかいのか分かんないけど、こういう取り組みも積極的に関わってるってのには凄いなと思う。

 そういえば配送用のモバイル機材とアプリもベンチャーと共同での開発ってことで、ここらへんは高鍋さんもそれの担当してるって言ってた。

 

 若い会社(20代の方が多いし)だけに、そういう異業種間での協力協働に躊躇いが無いんだろうなとは思ったところ。

 お医者さんの検診の話、普通ならそれもびっくりすることなんだろうけどさ。ここでの日常が絶対それ以上のことになってるので、もうそんなに気にもしなかったかな。

 

 で、ユニフォーム来たその日に着替えさせられたのは、フィッティングもあるんだけど、五ヶ瀬さんが『ひとっ走り一緒に行くぞ』ってことで。

 身長と足の長さ(笑)から自転車選んで、貸与される機材身に付けて、取りあえず模擬ルートを諸塚君も一緒に3人で回る。

 俺はまあそれなりにこなしてたからそうでも無かったけど、運動歴あるにしても諸塚君はやっぱりキツかったんじゃないかな。

 ただ、このレーパンユニフォーム着ての初乗車で、配送に出た人達がいつもフル勃起して帰ってきてた理由が、やっと分かったんだ。

 

「これ、金玉の裏側が、すげえ刺激されますね、三股さん……」

「うん、正直、途中から勃ったままおさまんなくなってる」

「俺もっス……」

 

 おれと諸塚君、2人してレーパンの前がものすごく盛り上がってしまってる。

 

「お前らも、分かっただろ、マッサージの後のフェラが必要になるってこと。

 普通のレーパンだと尻の部分にだけ緩衝剤が入ってるんだが、この開発中の奴は、肛門から睾丸の付け根のとこ、会陰部って奴だな、そこに刺激を与えて、まあなんつうか、精力に効く、みたいな効果を狙ってるってわけだ。

 そこをお前らみたいな体力精力有り余ってるのが漕いだら、まさにこうなっておさまりつかなくなるってワケだな。

 つっても、うちでのマッサージ兼しゃぶり抜きは、まあ社長の趣味みたいなところも大きいんだが……」

 

 趣味ってそんな。

 といっても、会社の運営そのものが『社長の方針』で決まってってるワケだから、それもありなのか?

 いや、それにしてもって、やっぱり頭はぐるぐる回る。

 で、勃った3人分のチンポを、帰社した事務所で見逃されるはずもなく。

 

 何人から俺が俺がって手は上がったんだけど、社長と高千穂さんが申し出て、そういう意味では箕六さんが1人勝ち残った感じに。

 

 俺が社長に、五ヶ瀬さんが箕六さんに、諸塚君が高千穂さんにマッサージしてもらうことになった。

 マッサージの気持ちいいの、ああー乳酸排出されてますーって言ってたら、社長から最近はちょっと違ってきてるんだぞって。

 ええって思ったけど、血流よくするのは疲れとるにはいいことなんで、下半身中心は変わらずにやってくよってことだった。

 

 脚の裏表、足の裏、腰と尻。

 マッサージで全身が蕩けるような快感を味わってると、当然その次はおっ勃ったままのチンポに手と口が伸びてきて。

 

「あっ、社長イきますっ、イくっ、イきますっ!!」

「うおっ、箕六っ、いいぞっ!!

 もっとしゃぶってくれっ! ああっ、そうだっ、裏筋が効くっ!

 おおおおっ、イくぞっ、イくっ、イくぅーーーっ!!」

「高千穂さんっ、イイですっ、すごいっ、すごいっ、イキますよっ!

 俺っ、諸塚充典っ、イきますっ、イきますっ、イくっ、イくぅっ!!」

 

 ギャラリーも俺達もしゃぶる人達も、みんなお待ちかねとやらの凄いフェラ。

 3人とも、5分も経たずにイかされてしまう。

 俺、研修初日に高鍋さん達のイかされる姿を見て『我慢せずにイッてるんだ』って思ってたけど、あれ、半分しか当たって無かったなと、ちと反省。

 

 このすげえ快感、たぶん、二つのことから来てる。

 

 一つは物理的なサドルから受ける振動刺激から、思わず自分でも扱きたくなるぐらいにギンギンに勃起してしてしまってたこと。

 

 もう一つは『周囲にオープンな状態でイかされること』。

 これ、見られ好きとか露出癖があるとかってことじゃ無いとは思うんだけど、なんなんだろう。

 高千穂さんとかは箕六さんとかは自他共に認める『見られ好き』ってことらしいけど、俺とか別にそんなのは無かったはずなのに。

 それでもなんか『見られてるから押さえよう』ってなるんじゃ無しに、どっちかというと『堂々したところを見せつけてやれ』みたいな感じになっちまってるんだよな。

 後から諸塚君とも話したんだけど、彼も同じ感覚出てきたって言ってたし。

 

 そんなこんなでマッサージ後の抜きで皆がイくのは『我慢せずにあっと言う間にイく射精』というより、『我慢出来ずにあっと言う間にイかされた射精』ってのが、ホントだったんだと思う。

 

 しかもこの日、俺、社長に初めてねぶってもらって。

 社長、諸塚君のは試験のときに飲めてるワケで、俺のを早く飲みたかったって言ってくれて、なんかすげえ複雑な気持ちに。

 しかもその話するときも、ぜんぜん照れも無いし卑屈さも無いし、もちろん偉ぶっての『飲んでやる』って態度でも無いし。なんか夏の盛りに氷水や冷たい麦茶飲みたいよね、飲めて嬉しいよね、みたいな感じだったんだ。

 

 そんなことやりつつ事前研修の週を終えた俺達。

 迎えた本番の入社日には、また一応俺も諸塚君もスーツにしてさ。

 パツパツの俺はその点ではからかわれたけど、この一週間の事前研修期間に社員みんなの顔と名前も一致するようになってたのは、ホントありがたかったかな。

 

 

 正式入社の後も一ヶ月ぐらいは座学中心の研修が続いてた。

 一番心に残ってるのは、だんだん慣れて来た頃に聞いた社長の話だったかな。

 バイトのときももしかしたら聞いてた話なのかもしれないけど、俺にしても初耳っぽかったから、諸塚君からしたらちょっとした『凄み』も感じたんじゃないかと思う。

 

 社長、学生時代にこれからは自転車便が流行ると見込んで会社を設立したんだって。

 ちょうどそういうのが流行ってた時期ではあったんだろうけど、俺とかには絶対無理な芸当。

 で、最初はほとんど1人でバイトを雇う形にしてて、何年か経った頃に高千穂さんと五ヶ瀬さんが年は違うけど同期で入社して。

 その後は正社員もバイトも増やしながら、今では業界でも中堅処、割と勢いのある会社になってきてるみたい。

 

 そんな中の話でさ。

 社長、手紙や届け物って、ホントに大切なものだと思ってるんだって。俺なんか、宅急便とか大変だし大事な仕事だけど、そこまでの思いがあるなんて思ってもみて無くって。

 歴史のこととかはよく分かんないけど、なんでも昔は郵便局しか扱えなかった『信書』を民間が取り扱えるようになってからが、だいぶこの業界の世界が変わったそうな。

 

 その中で、もちろん法律上の縛りは俺たちの会社にもあるわけだけと、直接の法律がある郵便局(『日本郵政株式会社法』ってマジにそのまんまの法律があるらしい)と違って、俺たちの業種は、それぞれの会社の倫理観が試されるものでもあるんじゃないかと、社長はずっとある信念持ってるって。

 それは一人一人の倫理観の積み重ねではあるんだけど、どうしても『守るべき指示』を強権的に受け取られても発動しなきゃならない、たとえば『配送さぼって自分が預かってた送付物を捨てる、隠す』なんてのは、その選択肢を個々人の中から極力減らすようにしなきゃならないってことらしい。

 それそのものは聞いてて当たり前のことだと思うんだけど、それをこの会社だと『上下関係』という意図的に作り上げた『制約と宣誓』にて構築していくようにしてるってことだった。

 

 俺が感じてた『同じ体育会系の上下ノリでも、高校時代、学生時代のそれとはなんか違う』って思いは、もしかして社長のこれ(いわゆる『シャチョーのホウシン』って奴だ)だったんかなって、一応の納得はした感じ。

 

 そして社長、講話の中で自分はゲイだって宣言されて。

 公私混同してるという意味では悪いが、それと社内で真っ裸になっての色々は、またベクトルが違うって話しもしてた。

 そこらへんはあまりよく分かんなかったけど、社長もゆっくり考えてくれって言ってたし、今の社員の人達にも時間をかけて理解していってもらったってことみたいではあったけど。

 なんか、人が人として行うあらゆる行為に『恥』って概念を持つことに、社長は個人として昔からずっと疑問があったんだって。

 

 そこらへんもあって、それこそ排泄や性的な興奮、射精とか含めて、オープンにしてみたらどうよって、自分の会社でやってみようって考えになったらしい。

 まあ、常識外れには違いないけど、本人の中では筋が通ってるんだろうなって、今の俺としてはそのくらいの理解だったかな。

 

 で、最後にさ、11月の連休にやるらしい慰安旅行について話があって。

 これ、そうとう社長と今のスタッフとの趣味全開になるんで、新人2人は覚悟しとけよってニヤッと笑われて。

 まあ、これ以上のどんなことって思って、俺『まさか、その『ケツ』ですか?』って、単刀直入に聞いちゃったよ。

 

「まあ、普通に考えればそうなるのは分かるんだが、うちはケツについては社としてはやらん方針でな。

 ケツ使うとなると、どれだけきちんと洗ってあっても、次にしゃぶるときに精神的にはためらう奴も出てくるだろう?

 俺自身が、とにかく誰かのをしゃぶっていられればご機嫌なんで、基本は手と口って奴だ。

 ああ、もちろんそれぞれがそれぞれの同意の下でやる分にはぜんぜん構わんので、それは夜中にでも楽しむことだな」

 

 って、社長の訓示でナニ話してるんだってなるのが『普通』の受け取りなんだろうけど、俺の中ではそのとき『まあ、こっちもある意味筋は通ってるんだな』とかになっちまってた。

 もうその頃には色んなことに『麻痺』してたんだろうなあと、振り返っては思うかねえ。

 

 入社からしばらくしてくると、だんだん配送とかトレーニングも先輩達(入社のな)に教わりながらやるようになっていく。

 するとなんか、バイク漕いでるときの股間から尻への刺激がだんだん強くなってくるような感じがして。

 諸塚君も同じみたいだったんで、2人して早出配送の前に、五ヶ瀬さんに相談してみることにした。

 実はこのとき、午前午後の配送フルでやると、俺、バイク乗ってるだけでイきそうになるぐらいになってたんだ。

 

「さすがに回ってるときの射精は困るし、なんといっても危ないしな。もうしばらくすると逆の『慣れ』でなんとか保つようになるんだが、今のお前らの時期が一番厳しいかも知れん……」

「その、どうするといいですかね? マジにちょっと車輪が跳ねたりすると、イきそうになる瞬間とかあって……」

「まあ、手っ取り早いのは配送出る前に一発抜いとくこったな。勃つのはもちろんだし、帰ってきてからもマッサージでイくのはぜんぜん変わらんが、少なくとも配送の間ぐらいはなんとか保つようになるぞ」

 

 これもそうなんじゃ、とは思ってはいたけども、なんとも身も蓋もない話なわけで。

 

「俺もそれしか無いかなとは思ってたんですけど、トイレで抜くとか、うちのトイレの作りだと、それでまた祭りになっちまうでしょう?」

 

 諸塚君の言うことももっともなんだよな。

 講話であった『社長の方針』って奴で、うちの便所、スペースの中に仕切りが無くて、洗浄機能付きの大便器が2つずつ向き合って配置されてる。このトイレ、つまり4人まで同時に部屋に入れるタイプになってるんだ。

 しかも事務所との仕切りは透明なガラスなんで、全員から見えるってわけじゃ無いけど、せんずり掻いてたりしたら『俺が手伝ってやる』とかで、わらわら人が集まってくるのは確定事項だろうし。

 

「単純に『配送中、興奮してイっちまいそうなんで、誰か抜いてもらえませんか?』でいいと思うぞ。

 スタッフみんな経験者なんだ。それで怒る奴もいないし、時間取っちゃいかんってのは互いに分かってんので、さっくり抜いてくれるだろうよ。

 今だって俺がしゃぶってやりゃ、お前らだと2分もかからずイけるだろう?」

 

 ニヤッと笑う五ヶ瀬さんに、俺、これまで何度もしゃぶられたときの興奮思い出して、顔、赤くなってたんだと思う。

 

 それからしばらく、2ヶ月ぐらいだったかな。

 カラダの方がこの刺激に慣れるまでは、配送の前後に抜いてもらうようになってた俺達だった。

 

 そうこうしてるうちに、社長が言ってだ慰安旅行が近付いてきて。

 これ、毎年やってるけど、今年は2年ぶりに俺と諸塚君という新人採用があったもんで、その歓迎会を兼ねるってことらしく。

 しかもこれ、もちろんあくまでも個々人が賛同した上ではあるけれど、かなりえげつない内容になるらしい。

 で、その『賛同の内容』について、また五ヶ瀬さんから俺達2人に話があったんだ。

 

「ぶっちゃけ言うと、この『新歓』だけは、お前らが部活とかでやられた以上のことをやらされると思ってもらっていい。

 しかも、うちの社長の趣味と重なってりゃ、どんな感じになるかお前らでももう想像つくようになってんじゃ無いか?」

 

 顔を見合わせる諸塚君と、俺。

 

「その、せんずり何回もヤらされるとか、強制フェラで全員のを無理やり飲まされる、とかっスかね?」

 

 諸塚君、あっさりと凄いこと言う。

 

「まあ、そんな感じだな。つか、もっと酷いかも知れん。

 お前ら、貞操帯って知ってるか?」

 

 五ヶ瀬さん、マジにとんでもないこと言い出した。

 

「あれって、女の人が付けるもんじゃ……?」

 

 俺の疑問、合ってるよな?

 つか、これ話してんの、会社の会議用のテーブルでなんだけど。

 

「それがな、男用のもあるんだよ。ほれ、お前ら新人に、旅行一週間前に付けてもらうのがコレだ」

 

 って、五ヶ瀬さんがテーブルの上に金属と革っぽいので出来たグッズを取り出す。

 形状から、金玉と勃起したチンポを横に何本も通した金属の棒で檻みたいになったカップを被せて、直に触れないようにする感じっぽい。

 

「これ、付けなきゃイケないんですか、俺達?!」

 

 いくらなんでも、と思うよな。

 

「ああ、会社にいるうちは周りの監視もあるんで外してもらって構わないんだが、勤務時間外には付けてもらう形になる。

 お前ら新人に一週間禁欲してもらって、その分を旅行の間に噴き上げさせる、そんな目的だ」

「だいたい、ここにいて一週間も射精禁止とか禁欲とか、無理があるじゃないですか!」

 

 俺の反論、当たり前に言っちゃってるけど、当たり前じゃぜんぜん無いことだよな。

 

「そこは男同士、イきそうになる寸前で止める技はみんな持ってるわけだ。

 もちろん社内にいる間や配送の後のマッサージとしゃぶりはいつも通りだが、この間は30才以上のベテランがお前ら2人については担当することにして、絶対にイかせないようにする。

 そして帰社のときにこいつをみんなの前で付けてもらい、この一週間は監視の意味もあって俺のマンションで2人とも寝泊まりしてもらう」

 

「そんな、俺、この会社務めてて一週間も射精できなかったら、気が狂っちまいますよ……」

「諸塚、お前の言いたいことも分かるんだが、まあこれってのは『人間、そうそうおかしくならないし、我慢を重ねた上で目的が達成できたら、自分の自信にも繋がる』ってことで考えちゃくれないか?」

 

 俺も諸塚君と一緒でとんでも無い話だなとは思ったんだけど、五ヶ瀬さんとの一週間の暮らしってのには、ちょっと惹かれてる自分に驚いてた。

 

「まあ、一種の通過儀礼ってことで、この旅行を経てこそ俺たちも仲間って認められるようになるってことなんでしょ?

 キツいとは思うけど、クリアしないことには先に進めないわけだ」

「三股の言う通りでもあるな。こればっかりはホントに済まんとしか言いようが無いんだが……」

 

 珍しく五ヶ瀬さんの済まなさそうな態度。

 いつもは『それが当然だろう』の面持ちの人なので、これは新鮮だった。

 

「諸塚君、やるしかないみたいだな、これ」

「俺もやらない、やれないって言ってるワケじゃ無いっスよ。ただ、高校んときなら分かんないでもないんスが、この年になって、ってのはあるかもです」

「逆に言うと、この年でこういうのを体験出来るってのは、レアなことかもな」

 

 こうして、一応の『賛同』を得た企画が、前にと進むことになっていったんだ。

 

 11月の連休、一週間前。

 朝、今日からの一週間は俺と諸塚君には射精禁止の命が下ったことが、五ヶ瀬さんから発表される。しかも、なんかしらん『勃起薬』とかも飲まされるらしい。

 俺も、諸塚君も『お手柔らかに、よろしくお願いします』としか言えなくて。

 

「まあ、寸止めで絶対にイかせないようにしてやるから、お前らもせいぜいイく寸前の快感を、延々と楽しめよ」

 

 33才の『高原道雄(たかはるみちお)』さん。

 高鍋さんほどではないけど、胸毛腹毛が毛深くて、脂が乗った体型に似合ってる。

 この一週間、俺らを『楽しませてくれる』30代の1人なんだろう。

 

 俺と諸塚君、この間に2回の配送があったかな。

 マッサージはもちろんやるのは疲労を残さないためには当たり前なんだけど、イかない前提なら最後のしゃぶり上げや扱きもしなけりゃいいのにって思うよな。

 でも、これ、配送でおっ勃っちまうのはあくまでも『振動』によるものであって、これ、なんか妙な具合であるのには違いないんだよな。

 

 五ヶ瀬さん『黙ってしゃぶられとけ、違いが分かる』とか、言ってて。

 

 実際にやられてみて、なるほどなって思ったのが、たぶんこの『振動』でおっ勃つ、イきたくなるってのは、普段の『しゃぶられる』『扱かれる』とはぜんぜん違う奴なんだってこと。

 振動で勃っちまうと、なんかホントおさまらないまんま、不完全燃焼って感じになっちまう。

 ところがこれがしゃぶられて扱かれて、イきたい、イく寸前っ!! ってなると、イくことをたとえ止められても『しゃぶられたこと』『扱かれたこと』そのものは堪能出来ちまうって言うのか。

 

 まあ、その後のその『妙な満足感』に浸れにしたにしても、うちの職場にいる限り『完全に萎える』なんてのはあんまり無いのは自明の理。

 だいたいが『完全勃起じゃないけど、おっ勃ってるほどでは無い』で過ごすことになる。

 

 しかも配送とかに関わらず、ことある毎に誰かに呼び出されて仕事の指示受けてるときに、尻を撫で回されたりチンポ揉まれたり。

 あの勃起薬とやらもたぶん効いてる訳で(正直、社内のエロさが『普通』なんで、どこまで『効いて』んのかは、分かんなかったり)こっちがそれでおっ勃つと、ちょっとだけなって、またしゃぶられちまう。

 あれでよくイかずに過ごせたよなって、後からも思ったけど、やはりそれはしゃぶり扱く側のスタッフの『イかせるまでの刺激をしない』力量もあったんだろうな。

 

 昼間はそんな感じで過ごして、会社出るときにはやっぱりみんなの前で、あの『貞操帯』とやらを付けられて。

 その後は五ヶ瀬さんのマンションに俺と諸塚君で世話になるわけだけど、こっちの方が俺にはかえってキツかった気がしてる。

 

 なんと言っても男臭さムンムンの五ヶ瀬さんと、若い諸塚君と、帰宅後は貞操帯だけのほぼ素っ裸で過ごしながらの毎日だった訳で。

 五ヶ瀬さんも旅行当日の訓練だって、俺と諸塚君に『キスしながら互いの乳首、責め合ってみろ』とか言ってくるし。

 もともとかなり余裕のあるサイズなんだろうけど、勃起した諸塚君のチンポや俺も金玉が貞操帯の金属に圧がかかるように刺激されて、それはそれで気持ちよかったりもして。 

 

 それでも3日目ぐらいから、俺も諸塚君もチンポと射精のことが四六時中頭から離れない状態になってたと思う。

 射精を懇願したりまではしないけど、萎えてる時間がほとんど無くなる、そんなふうにして過ごした一週間だった。