その5 口と手で
精力勝負の後半は、互いの口と手によるしゃぶり上げ勝負。
こちらも時間内に3回の射精にてのクリアとなり、単独で見ればこの2人にとってはそう負担が大きなものでは無いはずだ。
「俺の尺八で、あっと言う間にイっちまいなよ、おっさん」
「ふん、そのおっさんのザーメン飲んで倒されるなんて結果はざまあねえよな」
互いに煽り合う2人。
赤司が前半戦で使ったコーナーポストの一つ隣を使うのは、リング全周を取り巻く観客へのサービスでもあるのだろう。
赤司の腰前で跪いた青井が、無精ひげには覆われたその顔をむくつけき中年の股間へと埋める。
「おっさんの玉裏から、スゲえ臭いがしやがるぜ……」
「丸々1ヵ月、射精禁止の禁欲と、風呂も入らずで溜め込んでんだ。せいぜい中年のおっさんの臭いを堪能しな!」
互いの体臭の強さは互角であったろうが、やはり目の前にその根源を置かれた青井の方が、より強く感じているようだ。
「へっ、お互い相手の臭え匂いにも昂奮しちまうぐらい溜め込んでんだ。
おら、俺様の尺八で、雄汁、飛ばしちまえ!」
青井の舌先が赤司の亀頭を捉えた。
じゅぶり、と唾液を溜め込んだ口中へと招かれた逸物が、舌と口蓋、歯をも使った愛撫を受ける。
「うう、堪んねえ……。こりゃまた、すぐにイっちまうぜ……」
ロープを握り締め、天を仰ぐ赤司。
1ヵ月に渡る禁欲は、3度の射精などものともせずに、中壮年の男の次なる吐精を今か今かと待ち構えているのだ。
労働に鍛えられた青井の手がぼってりとした赤司のふぐりを揉みしだき、肉棒の根元は細かな上下運動で吐精を促す。
じゅぶじゅぶと卑猥な音がドローンのマイクに拾われ、会場となった広場の観客達の、テレビやデバイスで見守る視聴者の、その耳をも犯していく。
「そろそろだな。金玉が上がってきやがったぜ」
唇の端から先走りと唾液の混ざった液体をドロドロと垂らしながら、青井が赤司の顔を見上げた。
「ううむっ、イくっ、お前の口にっ、1発目っ、イくぞっ、イくっ!!!」
ぶしゅぶしゅと喉奥に打ち付けられる雄汁を飲み込む青井の喉仏。
その上下運動を克明に映し出すドローンカメラ。
真下から赤司の門渡りの痙攣をもアップで映す映像とともに、会場の大スクリーンにはリングサイドからは厚みのある体躯に隠れて見えづらい、盛大な射精シーンが記録されていく。
「ああ、扱いてたら、赤司さんの射精と一緒にイっちまったよ……」
「今、出しちまうと、後からもったいなかったって後悔しそうで、俺はちと我慢してるぜ」
「どうせやってる間に3、4回は抜いちまうんだ。我慢するだけ損ってのもあるぜ」
観客達も己の肉棒を握り締め、あるいは隣の客の股間に顔を埋め、それぞれのタイミングでの吐精を楽しんでいる。
この町の男達に取り『遣られ者』を皆の視線を受けながら犯り倒し、その汁を逞しい男の顔面に噴き上げることは日常普段の行いである。
燦々と日の差す広場での射精など、当たり前とも言える行為であった。
赤司の3度の噴き上げにかかった時間は15分ほどであったか。
本来であれば手のみのそれよりも、それに加えて舌と唇、口蓋や歯での刺激が出来る方が快感の度合いとしての吐精への所要時間は短くなるはずである。
そこを前半を手のみ、後半を口唇での刺激をとの並びにすることで、観客が堪能できる『扱き上げ』『しゃぶり上げ』の時間を担保するという、主催者側の意図的なラウンド配置は見事なものだった。
「次はこっちがしゃぶらせてもらうぞ」
攻守交代した青井と赤司。
コーナーポストに寄りかかり、レフェリーによってその両腕をたわめたロープで拘束されるのは、その全身が強い剛毛に覆われた青井の身体。
その目の前にしゃがみ込むのは赤司の裸体。
すでに先走りで濡れそぼった褌から取り出された逸物は、21センチ越えという、とてつもない巨大さを誇っている。
上反り型の赤司のそれと比べれば、青井の巨大な逸物はズドンと天を突く大砲型とも言えるのか。
エラの張りようも見事な、赤司さえ一瞬見とれてしまうほどの逸物なのである。
「はん、俺様のはそうそう奥までは咥えられねえはずだ。せいぜい先っぽだけで、チロチロやってな」
「なんの、社員達全員に協力してもらって何百回もイかせてきた俺のテクで、昇天しな、若いの」
煽り合う青井と赤司。
だが二人の内心は、言葉の強さとは裏腹に、かなりの『揺らぎ』を見せていた。
若くして体格体力、そしておそらくはその精力をも赤司に優るはずの青井は、己の逸物の『鍛錬不足』に不安があった。
(このおっさん、さっきの手コキもスゲえ巧かった。
俺のはデカすぎて、組員にヤらせてもあんまり堪える練習が出来てねえ。こればっかりは、おっさんの方に分があるな……。
となると、ここはあっと言う間にイかされちまうだろうが、次の殴り合いで決着つかねえと、かなりヤバいことになる……)
青井の逸物は、その巨大さゆえに組員達を練習台にしたしゃぶりしゃぶられにおいて、『万全のテクニックを味わう』経験が不足していた。
亀頭だけでも子どもの握りこぶしほどもある青井のそれは、かろうじて先端を咥えることが出来ても、しゃぶる側で意図的な技量を発揮することが非常に困難なものなのだ。
その点、常人の平均よりはかなりの巨大さを誇る赤司の逸物ではあっても、その物理的な直径の差は『しゃぶられ慣れた』モノとしては、青井のそれよりは遙かな経験を積んできていたのだ。
組事務所に毎年毎回の『遣られ者』を預かっており、その口をも自由に使える組員達。その『若頭』として何百回も『遣られ者』の口内での射精を繰り返してきた青井真伍。
そのような立場であっても青井のそれの物理的な『大きさ』ゆえに、この『バトル』においての勝敗に大きな影響を与える『経験』の差が生まれてしまっている。
(殴り合いには絶体の自信がある。ここはとにかくなんとかやり過ごし、次のラウンドでKO狙いでいく!)
ある意味、悲壮な決意をもって雄力比べに挑む青井であった。
対する赤司。
こちらはもう、目の前で嘶く青井の逸物に果たして己の技量が通用するのか、その疑心をなんとか押さえ込もうと懸命な努力をしていた。
(こんなデカいのを持ってるのは、うちにはいなかった。これだけデカいと、亀頭を口にするだけでいっぱいになっちまうだろう。
尺八は亀頭の舐りと竿への刺激、両方が相まってイかせることが出来る。
果たして俺のテクは、こいつに通用するのか?
いや、気後れなんぞしておられん。練習台になってくれた社員達のためにも、ここは死に物狂いでこいつを一気に追い込む!)
赤司もまた自分に気合いを入れ直したのか、その目の焦点を巨大な青井の逸物へと合わせた。
「ああっ、スゲっ、スゲえっ……!」
すぐさまに上がる青井のよがり声。
(巧すぎる!
玉の揉み上げ、手コキ、鈴口とエラの責め方が、このおっさん、巧すぎる!)
奥までの咥え込みと喉尺のテクニック披露を断念した赤司が、鈴口と裏八字に滑らせた舌を振るわせ、亀頭の円周、その見事なカブトを歯茎と歯の内側すら使って舐り回す。
小刻みに、だが力強く上下する右手と、絶妙の力加減でふぐりを揉み上げる左手。
青井の本日4度目の吐精はあっと言う間だった。
「イくっ、イくっ、おっさんの口にイっちまうっ!
ああっ、ダメだっ、イってるときにっ、、ああっ、ああああーーーっ!!!」
喉奥に打ち付けられる熱い飛沫を飲み込みながら、赤司の責めは止まることを知らない。
社員達の協力で何百回にも及ぶ『練習』を繰り返してきた赤司は、射精中の刺激をさらに強めることにより、幾度もの連続した吐精を果たさせるテクニックすら身に付けていたのだ。
吐精をいったんの区切りとしない赤司の責め。
それを受ける青井の逸物もまた、連続した射精へと導かれていくその必然。
「うおっ、またイくっ、イっちまうっ!!
あがああああっ、連続してっ、連続で出ちまうっ!
おっさんの口でっ、俺がっ、この俺様がっ、イかされちまうっ!!」
5回目、6回目の射精を一切その口を離さずに飲み上げていく赤司。
ぶはっという荒い吐息とともに吐き出した青井の巨根は、湯気さえ上げそうなほどに火照ったままの状態であった。
互いに6度の吐精を済ませた中年の2人の男達。
その肩は激しく上下し、体力とはまた違う精力の消耗度合いを表している。
腹筋、背筋、腰を支える筋肉。
その蓄積された疲労が、果たしてこの後の勝負にいかなる影響を表してくるのか、当人達にもまだ予測出来ないことでもあったのだ。