その2 三好紀幸(みよしのりゆき)のオレ語り①
やべえ、やべえって。
ナニがやべえって、職場の上長、係長の徳永センパイから『相談あるから家に来てくれないか』って、オレ、言われちゃったんだよな。
徳さん、実は入社以来、オレの憧れの人。
ああいうなんつーか『昔は運動やってたけど会社員やってるうちに筋肉に脂肪乗っちゃいました』系の年上、オレのもろタイプ。顔もなんか見てるだけでこっちが和む、柔和系。
もう、最初っからずっと気になってたんだけど、2年前の異動で同じ課になって、しかも直属の上司とかなっちゃって、オレの内心、もうその時点でやばかった。
だって、まあ色々あって(ここはあえて突っ込まないでくれ)毎日ってわけじゃないんだけど、けっこう、ズリネタで先輩の裸妄想しながら、『ヤッてる』んだよな、オレ。
で、そんなセンパイから『相談あるから』とか言われて、舞い上がんない方がおかしいよな。
まあ、もちろん『俺、ホモなんだ。三好、お前のこと、前から好きだった。付き合ってくれ!』なんて告られるとかのご都合は考えないけどさ。それでもなんかプライベートの話っぽいし、居酒屋みたいなとこじゃ話にくいとか言われると、いったいなんなんだ! ってなっちまう。
女性同僚(つっても、ちょっとだけ上役)の石清水さんっていう人ともこっそり話してたんだけど、ありゃきっと惚れた腫れたのことだよねって結論になった。
そりゃ色気をどうにか出来るなんてのは微塵も思って無いけど、タイプの上司の色恋の話とか、興奮と嫉妬と入り交じって、オレ、正気保てるかが心配でさ。
あ、オレ?
れっきとしたずるずるホモなんだけど、会社の連中からはすげえ女好きってことになってる感じ。
ま、そのあたりはいっぱしのホモらしくけっこう遊んではいるんで、発展場でのお転婆とか、SNSでの引っかけとか、男女入れ替えて話してると、そりゃまあノンケさんからしたらものすごい受け取られ方するのも分からないではないかな。
174センチに85キロ、まあジムとかでさぼり気味ではあるけど結構ガタイ作ってたりはするんで、そこそこモテてるとは思ってる。少なくとも、テンバでお茶引く(古いな、オレ)ってのはほとんど無いかな。
で、やっぱり発展場で一晩で4人とヤッたとか、SNSで顔出さなくても何十人からいいねもらったとかさ、ノンケとホモの認識の違いってのはすっげえデカいんだと思う。
バーで普通に話題になってることとか、ノンケの感覚からするといわゆる『観光バー』とかのノリとはまた違うとこもあるんだろうし。
先週のことだったか、オレ、週末にかなり大きめのヤリ部屋行ってさ。
入って1時間もしないうちに、たぶん40代後半ぐらいのおっちゃんがいて。緩んでるんだけど、全体としては肉太がっちりの見た目けっこうイケる人。寝待ちじゃなくって壁立ちだったので、タチウケどっちかなっては思ったけど、腰に手を回したとき、乳首いじったときの反応からは『あ、ウケっぽいな』って判断出来た。
オレ、もちろんどっちも大丈夫ではあるけど、どっちかっていうとタチ側っていうか、いじりたいタイプかな。
で、そのおっちゃん、ミックスルームの端の方に引っ張ってって、横になってもらう。
バスタオルは外して、薄い布団だけ二人の上にふぁさって掛けて。こういうとこってキス嫌う人も多いんで、まず乳首に舌を這わす。微妙な苦さに『ボディソープ、きちんと流して無いじゃん』とかいらないこと考えながらも、びくびくって身体震わすおっちゃんが、すげえ可愛くて。
片手をオレの背中に回してくるので、ああ、密着したいタイプの人ねって思いながら足も絡めていくと、のけぞるようにして気持ちよさを伝えてきてくれる。
おっちゃんの空いてる方の腕、頭の上の方に回すようにして動かないようにすると、それも束縛感っぽいのを味わってくれてるみたい。そのまま右手を股間に伸ばす。もうガチガチに勃起してる肉棒、ずる剥けですげえ握り心地がいい。
こりゃあ当たりだなって、すっげえ上から目線で感動してると、おっちゃんのトロンとした目がこっち見てた。ああ、これキス待ちだって唇を寄せる。舌を絡ませながら左手は腕を拘束、右手ででっかい肉棒を扱き上げる。
腰が浮き上がりそうになるおっちゃんの身体、絡ませた足で押さえつけながら先走りにまみれた亀頭を責めていくと、おっちゃん、押し殺した声が段々と漏れてくる感じになって、こっちももう大興奮。
このままイかせていいのかなって思ってたら、すげえ切なさそうな声で『挿れてくれ』ってちっちゃい声で囁かれてさ。こりゃ、張り切んなきゃって、オレ、けっこう頑張ったよ。
おっちゃんの腰下に隣の布団の枕ぐいって差し込んで、ケツを上げさせる。
雰囲気的にもうほぐれてるよなって思ったんで、ローション付けた指で触ってみたら、ずるって入っちゃうし、ああ、慣れてるよなってケツがもう呼んでる感じ。
2本3本って増やしても、おっちゃんのよがり声上がり続けるので、こりゃもう仕上がってるなって思って、ポーチに常備してるスキンくるくるって巻き下ろす。このハコ、館内のあちこちに無料のスキン置いてあるんだけど、なんか自分に合ったの使わないと窮屈でさ。
あ、オレの、すっごくデカいとかじゃないけど、そりゃ平均よりはちょっと大きめかってのは思ってる。そこらへんもあって、愛用の奴、いつも持ち歩いてるワケ。
で、先端がずるって入ったら、おっちゃんの声も一段と派手になってさ。決して大声とか、嬌声ってわけじゃないんだけど、荒くなった息とおっ、おっ、って漏れる声がすげえやらしくて、あ、このおっちゃん、見た目だけでなくて肌も合うわーってなってた。
ガンガンいったり、ゆっくりした抜き差しで焦らしたり。オレの方も、おっちゃんの顔見てたら段々上がってきてさ。
なんとなくタイミング見て、一緒にイきたいなって思っておっちゃんのチンポ握ったら、ずっとガチガチにおっ勃ってて、もうすごいんだよな。で、腰ぶつけるのと同じタイミングでぐいぐい扱くと、おっちゃん、首反らして感じてくれて。
オレもそんな反応されると、感じちゃうじゃんか。
「ああっ、オレっ、もうっ、イくっ、イくッスよっ! いいスか? 中でイッていいスか?」
「イッてくれっ! 俺もっ、俺もっ、イきたいっ! ああ、そんな扱かれたらっ、イくっ、イくっ!」
おっちゃんのよがり声で、もう、オレ、ダメだった。
すんげえスピードと力で、腰、ガンガンぶつけて、おっちゃんの金玉がぎゅっと収縮したと思ったら、入り口がすげえ締め付け。
止めだったな、あれ。
「イくっ、オレっ、イッちまうっ!! 中でっ、中でイくっ! イくっ! イくーーーーっ!!!!」
「俺も出るっ、出るぞっ! あんたに掘られてっ、出るっ、出るっ、ああああっ、イくっ!!!!」
周りの奴らが引くくらい、オレ達二人、感極まってた。
びくびく震えるオレの腰。おっちゃんの深いところで、付けたスキン破れるんじゃ無いかってぐらいに、汁、出てる。
おっちゃんのチンポからも、それこそ頭飛び越して壁にべったり付くぐらいの勢いで、雄汁飛んでさ。年齢考えてもすごいよなって思いと、オレのチンポでこんなに感じてくれたんだって、なんか感動っていうかさ。
オレ、金玉空っぽになった感じ存分に味わった後、おっちゃんの肉厚の身体にどさっと上体を預けた。がっしり受け止めてくれるおっちゃん、好きだな、こういうの。
二人とも息が落ち着いてきてのキス。
前戯のときの舌と舌とを絡ませ合うような濃厚なそれと違って、唇と唇、頬と頬を軽く触れあわせるようなのが気持ちいい。
首元に顔を埋めて、おっちゃんの汗の匂いを堪能するオレ。
ずるりと抜けるチンポ、スキンを取ってるとおっちゃんが呟いた。
「付けてくれてたんだ、ありがとう」
あー、途中で外す奴とかいるんだよな。
今のご時世、ちゃんとして楽しもうぜって思うけど、考え方違う奴もいるんで、特にウケの側だったらそこらへん難しいのかも。オレ、なんかそう言ってくれたおっちゃん、なんか可愛く感じて、またぎゅっと抱きしめてしまう。
オレはごろっと横になって、おっちゃんは自分の腕で頭支えて。
「よく来るの、ここ?」
あ、これって返しがパターン分かれる奴だ。『外で会おうか』パターンだと嬉しいんだけど、明らかに年上だとちょっとヤな感じになるときあるんだよな。
「あー、たまにですけどねー。ここ、ほら年齢とかけっこう幅広いので、オレ、けっこう合ってるなって」
「まだ若いんだから、こんなとこ来ちゃダメだよ」
あ、こうなっちゃうか。
この手のおじさん、親切心なのかもだけど、オレ、ちょっと苦手なんだよな。見た目も相性も良かったのに。
「そうっすよねー、リアルで相手見つけるようにします」
「そうだよ。まだ若いんだから、遊んでばっかりじゃね」
「シャワー浴びて、帰ります。今日はありがとうございました」
「こちらこそ。気持ちよかったよ。じゃあ、ありがとう」
その、外で会うっていうか、肌の合い方からして何度かやって仲良くなりたいなって思ってたんだけど、なんか大人な別れ方でその場を離れるオレ。
うん? 考え方合わなかったからって、別に大声出して騒ぐわけじゃなし、そこらへんは場数踏んでくると色々さ。
それでもなんかちょっと悲しかったりはするけどな。
で、そんなこんなの話をさ、会社の同期近い連中には『この前タイプと出来たけど、ヤッた後の会話でなんか合わないって思ってそれっきり』って話すと、勝手に女とのアレって思い込んでの噂になるし。
慣れっこだけど積極的にきちんと話そうってしないのはオレがずるいだけなんだけど。
あ、女性社員とか上の先輩にはさすがに武勇伝としては言わないけどさ。それでもなんか勝手に噂は一人歩きするもんだし、別にまあ、そういう『キャラ』って思われてればそっちの方が色々楽だったりするし。
その分、ソープやデリの話題で盛り上がってる連中の会話もこっちとしてはめんどくさいと思っちまうんだけど、アレもなんでかって考えるとやっぱり金が絡んでるせいなんかなあ。といっても、俺もこっち系の売り専(年齢層、高いとこね)やマッサージって『プロにやってもらってる』感じが好きで、けっこう使ってるんだけど。
あ、ちょっと思いついたのが、ノンケのそういうところでの自慢話って、プロとしてテクニック売ってる人に対しての『初心さ感』とかを求めてるとこかなって。
そういうの、客側なのにワーカーに対しての『上下意識』を無意識に押し付けてるんじゃないかねえ。オレが利用するとこって相手が年上ってのもあって、そこらへんは考えないことが多いけど、もしかしてこっちの売り専でも、若い子メインのとこだとそういうのがあってんのかもしんないな。
なんか、話が横に行っちゃったけど、とにかく徳さんちに行って二人っきりで『相談』受けるって、もう、オレ、舞い上がって変なこと言っちゃいそうで。
酒って感じじゃないのかもしれんけど、こっちがアルコール入れとかないと変に思われそうで、つまみとか色々買っていこうかなって思ってるとこ。『酒のせい』しちゃいけないってことも分かっちゃいるけど、万が一のことあってもちょっとだけそこに責任押しつけちゃおうって、これはオレの方のずるいとこだよな。
まあ、徳さん、徳センパイ。センパイにはバラしたいっていうか、もしオレが男好き&センパイがタイプって知ったらどんな反応するかなって妙な期待はあるんだけど、結局自分からは怖くて出来ない、言い出せない、そんなオレ。自分でも情けないってのは分かってるんだけどさ。
こればっかりはノンケに惚れるって、そういうことなんだと思うしか無いってのも分かってるし。
そんなオレの思いなんて、センパイ分かるはずもなく、なんかお悩み相談の相手に選んでくれてるってのは、どうしていいんかね。
とにかくオレの邪心とか思いとか関係なく、徳さんの部屋に行くことになっちまってる。
さて『バレないように』、オレ、出来るんかな?