その7 仕上げ
平七と清太にて始まった一廻り目は、喜八の尻責めから続けられていく。
「おお、たまらんっ! 平八の、新しき『朱』の尻の、締まりがたまらんぞっ!」
「ああっ、平八の口も初めてとは思えんぞっ! 熱うして、柔らこうして……。たまらんっ、たまらんっ!!」
「平七さんの尻もトロトロに熟してよかったが、弾力のある平八の尻も、これは堪えきれんっ……!」
「出すぞっ、イくぞっ! イくっ、イくっ! ああ、平八っ、俺のを飲んでくれっ! 全部っ、全部飲んでくれっ!!」
「ああ、締まるっ、平八の、新しい『朱』の尻が締まるっ……。もうっ、もうっ、出すぞっ、出るっ、出るっ、出るぅーーーー!!」
平八以外を数えれば、平七を入れて12人の馬曳きの男達。
熊六と玉吉を残し、それぞれがまずは5人ずつ、口と尻に己の汁を噴き上げるまでが一廻り目となる。
確かに『摩羅比べ』の逆順ではあったが、熊六と玉吉の2人のものに比べれば、他の馬曳き達の逸物にはそこまでの大きさの差があるわけでは無い。
2人ほどこなした後は、再びの指による尻穴の弄り。
二廻り目の最初は、清太が平八の尻を使い、実の親たる平七が息子の口中へとの噴き上げを行うのだ。
幾度もの吐精を呑み込み、尻肉の奥深くで受け止めていく平八。
馬曳き達からの全身への愛撫も留まることを知らず、朦朧とした意識が快感と悦楽の境地を漂っていく。
男達の汁が平八の肉体を白く塗りつぶしながら、ついには二廻り目も終わりに近づいてきた。
「ここまで来れば、だいぶ解れてきているとは思うが、熊六、どうじゃ? 我が息子の、新しき『朱』の、尻の具合は?」
平八の尻を、玉吉と並ぶ巨根の持ち主、熊六がぬるぬるといじっている。
残すは熊六と、村内一の逸物を持つ、玉吉の二人のみとなっていた。
「だいぶ柔くはなってきちょるが、もう少しと言うとこかいのう、平七さん。ワシのが大丈夫となれば、玉吉のもなんとかなろうしの」
熊六の太い3本の指が、平八の肉壷をじゅくじゅくと掻き回している。
これまで10人の男を受け入れてきた平八の尻は、むっくりとしたその弾力を失わぬままに熊六の指を迎え入れていた。
「ああ、熊六さんのぶっとい指が、俺の尻を……」
「よかつか、平七。ワシの指が、そぎゃん気持ちんよかつか?」
「熊六さん、たまらんよ……。熊六さんの太か指が、たまらんよ……」
幾人もの男達の精を受けた平八の窄まりは、何時間にもわたる肉竿の抽挿に熱を帯び、迎え入れた熊六の指先をその入口にて締め上げる。
「こちらも指だけでも、もうたまらんのう……。奧はもう皆の汁のぬめりもあってトロトロに熟しておる。しかもこれほどにヤられ続けておっても入口は緩みもせず、ワシの指を締め付けてくるわい……。
もう少し、あと少しといったところじゃな……」
すでに熊六の中指、人差し指、薬指を呑み込んでいる平八の尻。
それでもまだ熊六は『足りぬ』と判断しているらしい。
いくら農作業で荒く鍛えられた熊六の太ましい指ではあっても、その肉棒を受け入れるためにはまだまだ足りぬ太さであるのだ。
「もう1本、増やすぞ、平八」
中指と人差し指、薬指との3指だけでも、並みの男の逸物とそう変わらぬ、あるいはより強い圧迫を与えるだろうという熊六の指が、さらに本数を増やしたのだ。
添えただけとは言え、小指までも入り込むその肉壺が、さらにさらにと熟してゆく。
「あっ、あっ、挿入るっ……。く、熊六さんのっ、指がっ、指が挿入ってくるっ……」
「挿れただけではまだまだじゃぞ。ゆっくりと動かすので、痛みそうなら声を上げろ、平八」
「ああああっ、太いっ、熊六さんの指がっ、指が当たるっ……」
「心配せんでええ、平八。熊六さんも俺も、こういうのには『慣れ』ちょるんじゃ……」
頭上から優しげな玉吉の声がする。
月に三度の『八日講』ではもっぱら『朱』がその巨大な逸物の受け手となるわけではあるが、『講』以外の日常においては誰が誰をどのように責めようともなんの縛りも無い。
それゆえの玉吉の言葉であり、熊六や玉吉の巨根を他の馬曳き達もまた、己の肉体に馴染むものとしての鍛錬をしてきているのだ。
「あっ、あっ、あっ、ああっ……」
「痛むか? 平八?」
「い、痛みは無い、です……。でも、でも、圧迫感が……。俺、俺、なんだか、俺、怖くて……」
ゆるゆると指を動かしながらの熊六の問いに答える平八。
その不安ももっともなものだろう。
他の男達の優に2倍の太さともなりそうな熊六と玉吉のそれが、己の視野の中で嘶き、ぱっくりと縦に割れたその先端からは、とろとろとした透明な露を垂らし続けているのだ。
「大丈夫だ、平八。俺の亀頭を咥えておけば、自然と身体の力も抜ける。俺がお前を上から抱いて摩羅をしゃぶってやるから、怖かったら俺にしがみつけ」
「は、はい、玉吉さん……。あっ、熊録さんの、指がっ、ううっ、ぬ、抜ける……」
熊六が四本にもなっていた指を抜く。
「そろそろ良さそうじゃの。大丈夫じゃ、平八。たっぷりぬめりも付けておくからな。玉吉の太いのを咥えて、とにかく力を抜いておけ……」
「はい、熊六さん……」
玉吉が平八にその頭が互い違いになるようにと覆い被さり、己の村一番の巨砲を新しい『朱』の口へと差し入れる。
図太い身体の重みすら悦楽と感じ始めた平八に取り、己の逸物を再びしゃぶり始めた玉吉の肉の厚みはより深い快感を増すものでもあった。
周囲の者達が固唾を呑んで見守る中、ついに男達の中でもとりわけの大きさを誇る一人、熊六の逸物が平八の後口を捉えたのだ。
「うっ、ああっ、はあっ……」
ぬるぬると、先走りとローションをたっぷりと塗された平八の『入口』を、熊六の握り拳ほどもありそうな先端が這い回る。
平八の呼吸に合わせてかすかに蠢く尻穴。吐息の瞬間に緩んだその一瞬の解れを、熊六は見逃さなかった。
「んっ、はっ、入ってくる……。熊六さんのが、は、入って、く、る……」
がばりと開いた玉吉の尻肉の間から見上げる平八の視線を受け止めたまま、熊六がゆっくりと、まるで蝸牛か蛞蝓かが這うほどの速度にて、己の厚い腰肉を前へ前へと進めていく。
「おお、熊六の先が埋まったぞ」
「みかんみたいなデカさだからな。初日にあれを呑み込むとは、今度の『朱』は、ほんとにたいしたもんだ」
「若いとはいえ、平八はこれまでの経験が無いわけじゃからの。熊六さんの太いのに、よう応えておるわ」
周囲からは『経験』の無い平八への感嘆の声が上がる。
父でもある先代の『朱』、平七ですら、選ばれたその日から幾許かの『慣らし』を経ての熊六の逸物を受け入れとなったのだ。
50近い年まで後ろで男のそれを遊ばせることなくすごしてきた平八が、『朱』となった初日によくぞここまでと、馬曳きの男達の思いが一致する。
「あっ、ああっ、ひ、拡がるっ……。し、尻が……、俺の尻が拡がるのが、わ、分かる……」
平八にとっては、骨盤そのものがミシミシと音を立てているのでは無いかと思えるほどの圧迫感が下半身を埋め尽くす。
1ミリ1ミリと、蛞蝓が歩むほどの速度で進められるその前進の様は、ひたすらに尻の力を抜くことに専念している平八よりも、周囲の者達の方がその最終到達の時期を見通していた。
「ああ、熊六さんの太いのが、埋まっていく……」
「もうほとんど呑み込んだぞ。あと一突きで、全部入る」
熊六が、ニヤリとその唇を歪ませた。
「挿れるぞ、平八。全部だ」
「あっ、ああああっ、ああっ、ああっ、あっ、当たるっ、熊六さんのがっ、当たるうっ!!」
堪えられなくなったのか、平八が玉吉の極太のそれを口から外し、声を上げる。
「いいか? ワシのがいいか? いいところに当たっとるのか?」
「ああっ、嘘だっ、俺っ、出ちまうっ! また汁がっ、出ちまうっ!」
唐突な射精感が、平八を襲った。
尻肉の慄きで『朱』の吐精を察した玉吉が、己の逸物を再び平八の口中へと割り入れる。
これまでの馬曳き達との交わりでも穿たれながら幾度も汁を漏らしてきた平八ではあったが、それはいずれも本人もまたしゃぶりと穿ち、あるいは肉棒への扱き上げによる刺激に感極まってのものであった。
いわば助走期間とも言える昂ぶりを感じながら、己の尻に感じる逸物としゃぶられ扱き抜かれる逸物との相乗効果による吐精であり、穿ちの一番手であった父平七とのトコロテンでも、それはある意味双方が予測可能なタイミングだったと言えよう。
玉吉の念入りな口接の技巧の助けはあるにせよ、ここでの熊六との交わりでのそれは、本来の『トコロテン』と呼ばれる現象の真髄を極めたものであったのだ。
「んぐっ、イッ、イくっううううっ……」
「むぐっ、うむっ、ごはっ……」
平八の先端から放たれる突然の噴き上げに、玉吉の喉が鳴る。
射精のための尿道周辺の筋緊張は当然肛門の括約筋をも締め上げていく。玉吉の肉棒を直前まで咥えていた平八であっても、その筋肉の強張りと収縮を阻止することは叶わない。
「うむっ、締まるぞっ! 平八の尻が締まるっ! これはっ、ワシもっ、ワシもイくっ、イくぞっ、イくっーーっ!!」
これまで一番の圧で平七の尻肉を押し付け、びくびくとその腰を震わせた熊六。
最期に2度ほど大きなその尻を蠢かした熊六が、平八の上でその肉体を覆っていた玉吉の上に倒れ込んだ。
肉厚の裸が3人重なれば、最下層に横たわる平八に取って、その重量はたいがいのものであったろう。
「トコロテンでイッたな、平八……」
「熊六さんのが全部挿入ったかと思うと、急にこみ上げてきて……。なんか、すみませんでした」
「何を誤る。ワシのがそれほど『良かった』っちゅうことじゃろうて」
ゴロリと身体を投げ出した熊六が優しく平八の顔を撫でた。
己の顔を平八の汁まみれにした玉吉も身体の向きを変え、熊六と平八の顔にその唇を寄せていく。
「ああ、3人が平八の、新しい『朱』の汁を飲み合ってるの、すげえな……」
「何人か、見てるだけでまた出しちまったもんもいるな」
「後はいよいよ玉吉だけか」
「最後の『朱』の『受け』だ。皆で楽しませてもらおう」
男達の言う通り、平七の初穿ちを残すのは村一番の逸物を誇る玉吉のみとなった。
平八の汁を味わった玉吉のそれは、臍をも叩かんほどにいきり勃ち、まるで小便を漏らしたかのように先走りの汁を大量に垂らしている。
「俺で最後だな、平八。このまますぐに、いいか?」
「熊六さんので拡がってるうちに、お願いします。玉吉さんので掘られて、最後にまたイきたい……」
見上げる平八の顔は、己に与えられた快感にもはや蕩けるほどの様相を示し、玉吉に向けた視線には情欲と悦楽の炎が燃え盛っている。
「ああ、ええ顔しちょるな、新しい『朱』は……。俺もまた、いい『気』をやらしてもらうぞ。熊六さんので慣らしてあれば、俺のももう大丈夫だろう。
また皆に『朱』を昂ぶらせてもらって、どうせなら皆で共にイこう」
玉吉もまた、己の肉棒を受け入れる新しい『朱』に、限りない情欲を昂ぶらせている。
「平七さん、最後の口飲ませは、平七さんがやってくれ。先代の『朱』の汁を飲みながら、新しい『朱』をイかせてやろう。皆で、新しい『朱』を、快感で蕩けさせてやろう」
「ああ、そうさせてもらおうかの。皆も最後の飲ませが、儂でいいか?」
「異議無し!」
「親子で飲ませるなんて、見とる方もたまらんぞ!」
馬曳き達、その全員が、平八と玉吉、さらには平七の身体へと群がっていく。
平七が膝立ちとなり己の逸物を息子の口へと差し入れれば、その口と尻肉にもまた逸物が差し入れられる。
玉吉の胸を揉みしゃぶる者がいれば、その大きな尻には別の馬曳きの逸物が穿たれていく。
残った男達の舌が、手が、指が、仰向けになった平八の肉体を這い回り、絡み合う。唾液が、潤滑油が平八のすべてを覆い、ぬるぬるとした液体が糸を引く。
一向に硬さを減じぬ新しい『朱』の逸物は、熊六がしゃぶり上げる。
13人の男達が、その身体をどこかで繋げながら、一つの巨大な肉塊と化していく。
「動かすぞ、平八っ!
俺の摩羅と、皆の逸物と、全部で『朱』を蕩かしてやるっ!
快楽の極みで、イけっ!
俺達も、皆も、新しい『朱』と合わせてイくぞっ!!」
「おおっ!!!!」
ぐちゅり、ぐちゅりと玉吉の腰が動き出す。
熊六のものを受け入れていた平八の尻穴はもはや中を責める肉棒が火傷するほどに熱く、とろけるほどに柔らかく、熟れに熟れた肉壷と化し、入口の締め付けと、中程の擦り上げ、奥での締め付けと、玉吉の肉竿を責め立てていく。
「うぐうううっ、ぐはあっ、うぐっ、ぐううううっ……」
平七の逸物が喉を塞ぐも、唇の端から漏れ出る平七のよがり声が途切れることは無い。
苦痛とは明らかに違うその嗚咽は、男達の昂ぶりに焼べるあたらしい薪となり、宿の中の熱気をさらにさらにと上昇させていく。
「玉吉の尻も、よお締まる……」
「熊六さんの、ぶっといのもすげえ……」
「ああ、平八の脇も、すげえ旨えぞ」
「平七さんの尻も、とろとろじゃな……」
交わる男達は、もはや誰が誰のものを咥え、しゃぶり、嗅ぎ、舐め上げているのか。扱き、撫で、掻き上げているのか。
互いに分からぬほどの交雑が、起きていた。
「んっ、んんっ、ぐはっ、うっ、ううううっ……」
男達に囲まれ、覆われ、傍目にはもはや平八の顔を覗くことさえ叶わない。
それでも、その尻を掘り上げる玉吉にだけは、新しい『朱』の肉体の慄きが存分に伝わっていく。
「平八の尻がどんどん締まってくるぞっ。
出し入れのたびに、これはたまらんっ!
金玉も上がってきちょる。
そろそろ『朱』がイくぞっ!!」
「皆で合わせてイくぞ。朱の身体を、儂等の汁で満たしてやろうぞっ!」
玉吉と、喜八の檄が飛ぶ。
男達の塊が、ずしりと揺れる。
「まずは儂からじゃっ!
平八っ、儂の汁を飲めっ!
先代の『朱』の汁を飲んで、お前も良い『気』をやれっ!
うむっ、イくっ、イくっ、イくぞっ、イくっ! イくうううっ!!!」
実の息子の吐精の気配にたまらなくなったのは、父の平七であった。
新しい『朱』の喉奥に、その重ねた年齢からは想像できぬほどの量の汁が放たれた。
「んんっ、イくっ、イきますっ、俺もイくっ! 親父の汁飲んでっ、玉吉さんに掘られてっ、みんなにしゃぶられてっ、イくっ、イくっ、イきますっ、『朱』になった俺がっ、俺がイきますっ、イくーーーーーっ!!!」
新しき『朱』の、凄まじいまでの放埒。
「俺もイくっ、『朱』の尻にっ、出すぞっ、出るっ、ああっ、いくっ、イくっ!!!」
「出るっ、出ちまうっ、せんずりで出ちまうっ!」
平八の肉体に群がりながら、互いに扱き合い、しゃぶり合っていた男達。
その堰が、一斉に切れていく。
「新しい『朱』にぶっかけろっ! 平八の、新しい『朱』の顔も身体もっ、尻も金玉もっ、俺達の汁まみれにしろっ!!!」
「イくっ、イくっ、イくっ!!」
「俺もっ、俺もイくっーーーーー!!」
平七と平八。
2代にわたる『朱』。
その吐精に促された男達が次々とその精汁を噴き上げ、新しい『朱』の顔を、胸を、腹を、そして逸物と双玉を、白濁した粘り汁で覆っていったのだった。
こうして、摩籠の、いや、摩羅籠の祭りの夜は更けていった。
先代の平七は『朱』として、『馬曳き』としては本日にて引退するも、実の息子との盛り合いの日々が待っている。
新しく生まれた『朱』である平八は、これよりの『八日講』では男達すべての肉欲をその身に引き受け、また、新しい『馬曳き』としてもこれからの祭りと村の存続をはかっていくこととなる。
ときには『講』以外の日にもまた、それぞれの屋敷で、あるいは裏小屋で、秘やかな行いがなされていくのやも知れなかった。
そこでは『講』ゆえの縛りを放たれた、平七と平八親子の姿を見ることも出来るだろう。
この村での『朱』とは、古来よりそうして受け継がれてきたのであった。
新しき『朱』である平八にも、ここから先、果たしてこの摩籠の、魔羅籠の村がどのような形で続いていくのかまでは、見通すことは出来ないことであったのだが。
了