山寺の一年 続・不良青年更生寺院顛末記

その1

 

その1 総身改め

 

 みんな俺のこと、覚えてるかな。

 前んときは、俺がこの寺に連れて来られた初日のことを聞いてもらったけど、その後の一年間のこと、知りたいって言ってくれた人がいて。

 俺自身、とにかくあの一日の印象が強すぎて頭がいっぱいになってたってことはあるんだけど、言われてみるとあれからの一年、色んなことが盛り沢山だったんだよな。

 今日はそのあたりのこと、ゆっくり話してみようと思うんで、よかったら聞いてってくれるとありがたい。

 

 俺は野間翔平(のましょうへい)、もう20才になっちまったけど、下界の成人式なんてのとは遠い世界で暮らしてる。

 ここは『剛健寺(ごうけんじ)』って、なんかその筋(どの筋かはおいおいな)では有名な寺で、坊さんとその見習いみたいな30人近くのガタイのいい男ばっかりで集団生活してるんだ。

 

 俺がこの寺に来て、もう一年以上が経つ。

 最初は親父と親父の兄貴(俺からしたらおじさん)にそれこそ拉致か誘拐かって感じで無理矢理連れてこられて、ここに放りこまれたんだ。

 俺自身、高校なんとか卒業させてもらった当時職にも就かず、というか入れた職場もすぐにばっくれて悪っぽい連中と連んでばかりいて、それに業を煮やした親父達が強硬手段に出たってわけ。

 まあ、今となっては親父とおじさんには感謝してるんだけど、それもこれも、この寺で俺が経験させられた、まあ、なんというか、色んなことのお陰なんだろうな。

 

 あの日からの俺、この寺のしきたりで『相坊(あいぼう)』となった『早野正成(はやのまさなり)』さんと、まさに24時間を生活(性活、もなんだけど)を共にして暮らしてる。

 この『相坊』って奴、寺の山門にも掲げてある『他者功利(たしゃこうり)』ってのがベースになってて、『他人の動きをひたすらにサポートすることに自分の喜びを見いだす』のが、この寺でのすべての行いの基本になってるんだ。

 

 それ、どんなことかって?

 

 食事を『食べさせる』、衣服を『着させる・脱がせる』、トイレで『摩羅を支える・尻を拭く』。

 挙げ句の果ては『相坊の性処理をすべて行う』ことまで、すべてがこのペア同士(もちろん自分以外の誰でも構わないんだけど)でやるってことになってるんだ。

 夜には勝手にせんずり掻かないよう、相坊同士の利き手を紐で繋げて休むんだけど、もう初日から何十回もイかされてたし、自分でやる必要もほとんど無かったりで。

 

 この『○○し合う他者との関係』って、最初はびっくりしたんだけど、あっと言う間に慣れたのは不思議だった。

 飯や便所はまあ慣れの部分が大きいんだろうけど、やっぱり魔羅や尻とかの性的な肉体接触についても、俺、入山初日でもう『染まっち』まってたんだよな。

 

 そこには超強力に俺達を『いやらしく』させるこの寺の『秘伝の香』ってのと、『金精修行』って言われる木の張り型使った尻穴の『慣らし』と、それらと組み合わさった『読経による快感と性的興奮の刷り込み』って奴の存在が大きいんだと思う。

 

 この『香』、もうホントに凄まじい効き目で、一嗅ぎしただけで、目の前にいるのが誰だとうと『したい、やりたい、出したい』ってので頭がいっぱいに、そして魔羅もびんびんになっちまう奴なんだ。

 門外不出って言われてるのはその通りで、こんなのが世に出たらえらいことになるんじゃレベル。

 

 そして俺の尻に今でも差し入れられてるのが『金精棒(こんせいぼう)』って言われてる、魔羅の形を忠実に再現した木製の張り型なんだ。

 

 初日は1号棒って、直径2センチ、長さ11センチの、まあ細め小さめの奴だった。

 あの日から、俺の尻は風呂とトイレのときに抜かれる以外、とにかくその太さ長さが少しずつ増していく魔羅そのままの張り型を咥え込んでいる。

 この尻で太い魔羅をなんなく咥え込めるようにするための毎日の鍛錬は、『金精修行』って言われてて、この寺ではもう完全に『当たり前』な生活の一環になってるんだ。

 今では最大の10号棒、直径6.5センチ、長さ24センチの片手では握り切れないほどのぶっといのを咥え込んでる俺の尻。

 

 こんなんと、たぶん『香』の効き目があるうちに耳にする『読経』の響きが、互いにその効力というか威力を増しながら、『エンドレスな快感』を俺の頭に送り込んでくることになってったって訳。

 

 1号棒を楽々クリアした俺の尻(このあたりのことは、前の話を思い出してくれると有難い)が3号棒を咥え込み始めた、入山して半月ぐらい経ったときのことだった。

 8月8日だったかな。寺で月2回催されている『総身改め』って儀式があったんだ。

 

 これは普段は摩羅と尻以外の快感を全員で追求する儀式になるんだけど、年に何回かは『特別な』儀式が行われることになってたんだ。

 俺達、この『剛健寺』で暮らす坊さんとその見習いって、そのレベル?みたいなもんで、幾つかのランク?に別れてるんだ。

 このあたりはゲームのレベルと職業みたいなもんだと思ってもらうと分かりやすいと思う。

 で、俺が入山した時点では、一番下の『研修者』ってのが俺ともう一人の『水内継男(みずうちつぐお)』さんの2人だったんだ。

 上のランクの人には『仮僧侶』『僧侶』『僧侶名を名乗れる上級僧侶』ってのがある。

 分かりやすく書くとこんな感じかな。

 

 

・研修者

 入山したばかりで尻での交情は不可。頭髪はバリカン刈り。

 

・仮僧侶

 5号棒でのトコロテンを体得した者。

 他の仮僧侶、僧侶以上の者から肛門を使った受けが可能に。頭髪は剃髪。

 *仮僧侶期間中、7号棒をクリアすると肛門交情の挿入も可能となる。

 

・僧侶

 10号棒でのトコロテンを体得した者。

 僧侶になり初めて道円阿闍梨の巨大な摩羅を受けることが可能となる。

 

・(上級)僧侶

 僧侶となり5年以上をこの寺で過ごした者には正式な『僧侶名』が与えられる。

 

 

 要は尻の鍛錬が進めば進むほど、本人が取れる色んな快感獲得の手段も広がっていくってことかな。

 このあたり、この寺の本尊が屈強な男の神様(お寺なんだけどね)2人(2神かな?)が尻を使って交わっている姿を表してる荼伽天(ダーカ天)ってのもあるんだと思う。

 なんでも『シャクティ(性力)信仰』ってことらしく、今では一宗一寺として、この寺だけで信仰が続けられてるってことだった。

 

 で、この日の『総身改め』では、俺の『相坊』である『早野正成(はやのまさなり)』さんが『仮僧侶』から『僧侶』へ、4人部屋の同室で『水内継男(みずうちつぐお)』さんが『研修者』から『仮僧侶』への昇格試練に臨むってことになったんだ。

 

 継男さんの入山5ヵ月での仮僧侶への昇格は平均的って話だったけど、正成さんの入山3年目にしての僧侶への昇格は、ほとんどの人が入山して一年以内に昇格するのに比べると、かなり時間がかかったとのこと。

 正成さん、10号棒の尻での受け入れそのものはわりと早くできてたけど、摩羅を刺激されずに後ろへの金精棒の出し入れだけの刺激で射精するトコロテンの習得に時間がかかったんだって。

 本人も悔しい思いはかなりあったみたいなんだけど、その分周りの応援も凄くて、僧侶になって初めて目合うことの出来る寺で一番偉い(そして一番の巨根の)『道円阿闍梨』も、心待ちにしているってことだった。

 

 継男さんが仮僧侶へと進むと寺の中では俺だけが研修者として1人残ることになるので、こっちも5号棒で早くトコロテン出来るようにならないとなっては思ってて。

 そういう意味では次の段階に進む同室の2人がいるってのは、なんだかこっちの闘争心的な部分も刺激されてたのかな、あの頃は。

 

 その総身改めの儀の当日、一日に4回ある『勤行(ごんぎょう』って、ずっとお経を唱えながら、互いの口や手、午後や夜の部では尻も使っての射精のさせ合いみたいなのがあるんだえど、その早朝と朝の部では、継男さんと正成さんだけが射精(ここではよく『吐精』って言ってる)禁止がかかって。

 儀式でのいわゆる『トコロテン』での吐精をしやすくするためなんだろうけど、いつも日に何度も出すのが当然になってると、半日出さないだけでもけっこう玉が重く感じてる2人のはずだった。

 

「本日の『総身改め』の儀にて、水内継男の仮僧侶への、早野正成の僧侶への、昇格の試しを行う」

 

 寺で一番偉い、というか、位の高い人は言うまでもなく道円阿闍梨なんだけど、その右腕って言われてる『良円(りょうえん)』さんが宣言した。

 良円さん、もう二十年近くこの寺で修行してるらしくって、正式な僧侶名を冠してる人。

 40才越してての鍛えた身体も凄くって、俺の入山初日には、色々世話もしてくれたんだ。

 道円阿闍梨、和尚は、みんなが腰を下ろしている段の一番上で、2人のすべてを見届けるようだった。

 

「まずは継男の試しより行う。水内継男、壇にて横になるように。他の者も、すべて僧着と褌を外し合うがよい」

 

 互いの相坊同士、あるいは近くになった者同士で、作務衣と褌を外し合う。すぐに堂内の全員が、むっちりとした肌を晒した全裸になる。

 俺も入山からすぐにここの食生活と身体を動かす毎日に慣れていき、何キロも体重が増えていた。

 継男さん自身も、入山から半年近くで10キロ以上増えたって言ってたと思う。

 

 その継男さん、端から見ててもちょっと緊張してたかな。

 年も近くて(学年イッコ違い)話しやすくて。年少にも入ってたって言ってたけど、今ではもうぜんぜんそんな感じも無くって。

 

 俺もそうだったけど、中途半端にグレちまってた奴って、この寺への馴染みが早い気がしてた。

 もちろん、修行してる人がみんながみんな俺達みたいな道を踏み外しそうになって放り込まれたって訳じゃ無いし、俺のおじさんみたいに自ら志願して寺に入った人もいるみたいだし。

 それでも、どこにも頼れなかった、心を許す本当の仲間を見つけきれなかった者に取って、『互いの存在を必須とする』この寺の『他者功利』ってのは、けっこう『響いた』感じがしてるんだ。

 

 継男さんが、用意された朱の敷物が惹かれた壇の上に仰向けに横たわる。

 そこに3人の正式な僧侶資格を持つ人達がすっと寄り添っていく。

 3人みんなが、90キロ以上100キロ近い、すげえガタイのいい人達。

 もちろんこの時点で素っ裸なわけで、みんなのおっ勃った魔羅がぶるんぶるんと震えてる。

 

「これより水内継男の『総身改め』を行う。『康円(こうえん)』僧侶による5号棒の尻への出し入れ、『宗円(そうえん)』、『日円(にちえん)』僧侶による吐精を促す全身への愛撫を行い、水内継男が己の魔羅に一切手を触れず、触れられずしての吐精を行いうるか、試されることとなる。

 他の僧侶、仮僧侶、研修者にては読経諷経を行い、継男の心地よき吐精を促すように」

 

 まあ、尻と前立腺を金精棒で刺激してもらって、乳首や脇腹、それにキスをされながらの『トコロテン』を目指すってこと。

 良円さんの言う『諷経(ふうぎん)』ってのは、お経を集団でリズム合わせて唱えることで、俺もこの寺に来て初めて知った言葉だった。

 この寺に伝わる『香』ってのが、凄まじいまでの催淫効果を持っていて、それを聞き(嗅ぐってことね)ながら、この全員によるお経の『諷経』を体験すると、たとえ『香』の効果が切れてたとしても、この『経を聞く(唱える)』だけで、自分の魔羅がおっ勃つようになるんだ。

 

 金精棒そのものも、これは1号棒から『そう』なんだけど、見た目が魔羅そっくりに竿の血管や膨らみ、亀頭と鰓の段差もリアルに再現してある。

 さらには竿の途中にゴツゴツした瘤の盛り上がりが幾つもあって、たとえ1号棒でもゆっくり動かされるだけでケツの中のあちこちがえぐられるような刺激を受けるものなんだ。

 ましてや継男さんが入れている5号棒ともなると、直径で4センチ、長さ15センチっていう、おそらく日本人の平均サイズより少しばかりデッカい『逸物』になってる訳。

 それを男の感じる部分を知り抜いている熟練の僧侶に扱われる中、集団での『諷経』を耳にしたら、それだけで『イきそうになる』のは当たり前かもしんないんだよな。

 

 なむからたんのう とーらーやーやー なむあーりーやー ぼーりょーきーてー

 しーふーらーやー ふじさとぼーやー もーこーきゃーるにきゃーやー

 おーん さーはらはーえい しゅーたんのうとんしゃー なむしきりーとーいーもー

 おりやーぼーりょーきーちい しふらーりんとーぼー……

 

 この頃にはもう俺もたいがい覚えてた読経が始まる。

 低音の、重い響きを持った全員による『諷経』、これを聞きながらの愛撫は、相当に『効く』んだ。

 

「香を聞かせよ。同時に3人は継男の実りある吐精に努めよ」

 

 良円さんの声と同時に、聞き慣れた(嗅ぎ慣れた)甘く重い匂いの香が堂の中で一斉に焚かれ始めた。

 いつもなら勤行の始まる前から香ってくるその匂いは、今日は特別な日ゆえに、その始まりをはっきりとさせたかったのかな。

 

「ああっ、ふうっ……」

 

 乳首を舐められ、脇を爪先でゆっくりと掻き上げられはじめた継男さんから声が漏れる。

 ここからいよいよ、尻に挿れられた金精棒が出し入れされるんだ。

 

「あっ、あっ、当たりますっ! 康円様っ! 俺の尻にっ、尻にっ、金精棒がっ、当たりますっ、当たりますっ……」

「もはやお前の身体は5号棒にも充分に馴染んでおるはず。この悦楽を楽しみ、感じ、己の溜まった汁を心地よく噴き上げるがよい」

 

 継男さん、実際にはもう一月ぐらい前から5号棒にへ変更してて、俺が入山したときにもすでにそれを楽しめるところまで来てたんだ。

 たぶん、相坊の『陣内耕一(じんないこういち)』僧侶とも、何度もトコロテンの練習もしてきてるはず。

 同室なだけに、俺も何回かそれ、見させてもらってて、毛深いガッチビの耕一さんがスケベそうな顔しながら継男さんの後ろを金精棒で責め立てる姿見て、何度も正成さんにイかせてもらったこともある。

 

「ああっ、気持ちいいですっ! 乳首もっ、脇もっ、ケツもっ! 全部っ、全部気持ちいいですっ!!」

「イけそうか、継男。このままで、金精棒の出し入れだけで、イけそうか?」

「このままだとっ、俺っ、俺っ、イッてしまいますっ! ケツやられて、乳首舐められてるだけでっ、イッてしまいますっ!」

 

「皆、諷経を強めよ! 継男の吐精を、より心地よきものとするために!」

 

 なーむーのーらーきんじー きーりーもーこーぼーどーしゃーみー

 さーぼーおーとうじょーしゅうべん

 あーしゅーいん さーぼーさーとーのーちーぼーぎゃー 

 もーはーてーちょー とーじーとー……

 

 継男さんに取って、四方八方から聞こえるような諷経読経。

 それが己1人のために唱えられているということそのものが、すげえ興奮材料にもなっるよなってのが、こっちにも伝わってくる。

 もちろん、唱えてる、経を読んでいるこちらもまた、全員がガチガチに勃起して、先端からは先走りが流れ出してるんだけど。

 康円さんの手元、継男さんの尻穴に出入りする金精棒がちらちらと見え隠れする。

 エグいまでの瘤の連なりが、ローションをたっぷりとまぶされながら、何度何度も継男さんの尻穴をえぐっていく。

 

「ああっ、ああああっ、イきますっ、俺っ、俺っ……。このままじゃっ、イッちまいますっ! 尻だけでっ、ああっ、尻で俺っ、イかされちまいますっ!!」

「イけっ、継男っ! みんなが見てる前で、尻をくじられてっ、イっちまえっ!!」

 

 俺達の読経が、宗円さん日円さんの乳首責めが、康円さんの金精棒を出し入れする手の動きが、一斉に激しさを増した。

 

「ああああっ、イくっ、イくっ、イきますっ、イくっ!

 イくっ、イきますっ! あっ、ああああああっ!

 イくっ、イっ、イくぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーーっ!!!」

 

 見事に、継男さんがイッた。

 普段は読経と互いに魔羅をしゃぶり合う卑猥な水音しかしない本堂に、自然に拍手が沸き起こる。

 

「見事なり、水内継男。何時を『仮僧侶』と認め、続いての剃髪の儀を行う」

 

 康円さん達にばんばん背中叩かれながら、頭を丸めるための椅子に腰を下ろす継男さん。

 あ、もちろん、盛大に噴き上げた雄汁は、宗円さんや日円さん、康円さんがきれいに舐め上げ、しゃぶり上げては飲み干してた。

 見てる俺達が、早くもう扱いてほしくて、しゃぶってほしくてたまんないんだけど、雰囲気的にはこれ、正成さんの儀式終わってからのことになりそうだったんだ。

 

「よろしくお願いします!」

「ああ、お前もつるつるの頭になると思うと、感慨深いな、継男……」

 

 継男さん、俺と同じ研修者だったので、今日まではバリカンで頭整えるだけの坊主頭だったんだ。

 それが仮僧侶として認められた今日からは、いわゆる剃毛剃髪ってことで、剃刀を使ってしっかりと剃られることになる。

 椅子の横で石鹸を泡立ててるのは、継男さんの相坊である耕一さん。

 たぶん、相坊になったときから、ずっとこのときを待ってたんだと思う。

 

「くしゃみや咳が出そうなときは前もって言えよ。剃刀、危ないからな」

「了解です、耕一さん。お願いします!」

 

 石鹸液が塗られた継男さんの頭に剃刀が当てられる。

 俺にとってもその濡れて光る頭皮がいやらしく見えるのは、そんな頭に囲まれて、もう何十回、何百回って雄汁を噴き上げてるせいなのかな。

 

 しゃりしゃり、じょりじょり。

 かすかな剃り音と、2人の吐息だけが聞こえる本堂。

 見てる俺達の手が自然と相坊の魔羅を扱き上げてしまうのは、仕方の無いことだろう。

 

「みなもイきたいだろうが、今日だけは2人の儀式を見届けてからにするぞ」

 

 良円さん、みんなの気持ちが分かるがゆえの指示だよな。

 俺、準備しようとしてる正成さんの魔羅をぎゅっと握って、こっそり『応援してます』ってメッセージ伝えたつもりになってたんだ、そのとき。

 

「剃髪も完了した。これにて、水内継男の仮僧侶への試しを終了する。続いて、早野正成、前に出よ」

 

 いよいよ、俺の相坊、正成さんの正式な『僧侶』になるための儀式開始となったんだ。