卒後3年目で仕方なく体育会系の会社に入ったら、とんでもないことになった話

その4

 

その4 研修初日に

 

「……さて、当座にやっとかんといかん書類関係はこんなものかな。

 おお、もう昼か。遅出組の出立準備と早出組が帰ってくるから、そこらへんの動き見てもらって、その後、昼飯喰いに出るぞ」

 

 守秘義務や機材関係は俺はバイト始めたときにやり取りしてたけど、諸塚君はその細かさにちょっとびっくりしてたかな。

 ここ、信書も扱えるタイプの軽運送業ってことで、関連する法律も凄く多いって話だった。

 一つ一つ解説してくれて、こちらの理解を確認してくれるのは、丁寧だと感じたところ。

 雑談してたら早出配送に出てた社員の中に、俺がこの前シャワー室で一緒になった高鍋さんと椎葉さんもいるとのこと。

 朝から見なかったのはそれだったんだと納得。

 

「お疲れさんしたー」

「お帰り、お疲れ様でした」

「髙鍋、戻りました!」

「お疲れ様でした。マッサージ台、3人分用意してますので」

「ありがとうございます、さっそくお願いします」

 

 そう言えばマッサージがどうのこうの言ってたなと思ったら、シャワーの前にやるんだなって。

 で、マッサージ台並べてあるのが、あの更衣室とか言う完全なるオープンスペース。

 オフィスの全員から見える場所なんだよな、ここ。

 

 蛍光色っぽい明るいオレンジ色のユニフォームで帰ってきたのは3人の社員。

 高鍋さんと箕六さん(社長と同じ『椎葉』なんで、下の名前で呼ばれてる人)はこの前会ってたけど、もう一人の人は『延岡学(のべおかまなぶ)』さんって、俺と同い年とのこと。

 こちらはふっくら太めって感じだけど、やっぱり太股の筋肉は凄いなって感じで。

 

 で、その3人、なぜかユニフォームの股間が凄いことになってて。

 高鍋さんとか、臍越えてるんじゃ無いかってほどのボリュームがくっきりとオレンジの生地を押し上げている。

 竿の血管がその筋を露わにし、亀頭冠のくっきりとした段差がより一層の卑猥さをもって浮き出ている。

 自転車を漕いでいるときには前掲姿勢で目立たなかったかもしれないが、降りてからは職質受けるレベル。

 椎葉さんは俺と同じぐらい?

 延岡さんのはちょこんと突き出る感じで、かえって目立ってたんじゃないか、あれ。

 

「今日もみんな盛大におっ勃ててるな、みな。さあ、さっさと脱いだ脱いだ。

 

 高千穂さんが嬉しそうに、囃し立てる。

 どうやら社長と高千穂さん、五ヶ瀬さんがマッサージをするようで、配送終了者が相互にとかも聞いてたけど、どうやら今日は俺と諸塚君へのデモンストレーションも兼ねてるようだった。

 そして想像してた通り、3人がなんの躊躇いも無く脱ぎ始めたんだ。

 

「新人さん2人も、こっちきてよく見ておけよ。社内で一番古い3人の同時マッサージってなかなか無いぞ」

 

 高千穂さんの促しですぐ側に行くことになったけど、けっこう他の社員の人達もぞろぞろと。

 

「やっぱ、高鍋のはデカいなあ……。あれだけデカけりゃ、うつ伏せだとゴロゴロしちまうよな」

「ああ、俺、マッサージ、立候補すりゃよかったな。延岡君の、まだやって無いんだよな」

「やってないって、上がりにしゃぶってないだけだろう?」

 

 どっとみんなの笑いが出るんだけど、さすがに諸塚君と俺はついて行けてない。

 

「飯や休憩もあるし、そう時間かける訳にもいかんからな。研修で教わるとは思うが、主に下半身に集中してやっていくんだ」

 

 社長と高千穂さん、五ヶ瀬さんが一斉にマッサージを開始。

 社長が延岡さん、高千穂さんが高鍋さん、五ヶ瀬さんが椎葉箕六さんを担当。

 基本は膝下膝上の筋肉を細かく揉みほぐしながら、ぶるぶる震わせていく感じみたい。リンパの流れを上半身の方に向けてさすっていくような手の平の動きも。

 尻肉と腰をかなり力入れて圧迫していくのも共通の施術のようだった。

 

「ああ、楽になります……」

 

 箕六さんが感極まったように呟いてる。

 

「おーし、お待ちかねの仰向けだ」

 

 高千穂さんのパチンと毛だらけの尻を叩いての声掛けに、高鍋さんが上を向く。途端に周囲から上がる歓声。

 確かにあのデカさだったら、エロさよりなにより、驚きの方が先に来るよな。

 

「高鍋さんって人の、ホント、デカいっスよね……」

 

 諸塚君、呟きながら股間をもぞもぞしてるのは、もらい勃ちか。

 3人とも仰向けになって、やっぱり大きさとしては高鍋さん、箕六さん、延岡さんって並び。延岡さん、その、かなり小さめじゃあるんだけど、全然隠そうとか、恥ずかしそうな感じがしないのが、なんかいいなっては思ったところ。

 後ろ側と同じく前側の両脚の筋肉を解しては、リンパに沿ってのさすり上げ。

 そして、股関節の部分を解しながら、金玉を揉みだし始める3人。

 

「ああ、いつものそれ、気持ちいいです……」

「金玉優しく揉まれると、エロの快感と心地よい快感と、どっちにも感じるからな」

「今日はギャラリーも新鮮なので、エロよりに感じてますよ、俺」

 

 高鍋さんの呟きに、笑うスタッフ達。

 たまんないのか、自分の股間を揉み上げる手を隠そうともしない人、多数。

 

「よし、いよいよだな。気持ちよくイけよ、高鍋」

「延岡君も、存分に感じてからイきなさい。我慢しなくてイきたいときにイっていいからな」

「箕六、お前もすぐにイけそうだな。ずっと話してて、喉、乾いてきてたんだ。たっぷり飲ませろ」

 

 なんとなく、なんとなくは想像してたけど、古参の3人がそれぞれの担当のチンポをしゃぶりだす。

 ああ、こういう結末ね、とは分かってはいても、ここで今やることか? って思いも同時にあったり。

 しゃぶられる本人も、しゃぶってる3人も、周りの人達も、ぜんぜんそれが『普通』の感覚なんだろうと思うしかないけども、まだ慣れてない俺にとっては、ぜんぜん『普通』じゃ無い光景なわけで。

 

「イきますっ、社長っ、イきますっ!!」

「イくっ、イくっ、イくっ!!!」

「高千穂さんっ、すごいっ! 出ちまいますっ! イくっ、イくっ、イくっ!!」

 

 あっと言う間。

 たぶん3人とも、我慢とか、快楽をより長く楽しむってことをすっ飛ばして、純粋に生理反応としての『射精』を楽しんでいたんだと思う。

 そう、俺が普段、『小便を我慢すること』が無いのと同じように。

 というか、ここの人達に取って、射精そのものが小便やくしゃみと同じような『当たり前の生理現象』なのかもしれなかった。

 

「旨かったぞ。ほれ、シャワー浴びて来い」

「ありがとうございました。すっきりしました」

「俺もです。じゃあ、流してきます」

「延岡君のは量もたっぷりあって、いつもながらに美味しかったよ」

「社長、ありがとうございました」

 

 あっさりと、そう呆気なく思えるぐらいのノリで、フェラチオと射精が終わった。

 

「マッサージんときには時間無いのですぐにイかせるが、そうで無いときはたっぷり楽しませるから心配しなくていいぞ」

 

 五ヶ瀬さん、なに言ってるんだと思うけど、きっとそうなんだろうなって思いもあって。

 ここにいると自分の『常識』が揺らいでいくんだけど、それはそれでどこか懐かしくもあったりで、それが俺、なんとなく怖くなってたんだと思う。

 

「よし、飯喰い行くか」

 

 五ヶ瀬さんに引っ張られていった天ぷら屋で、俺(たぶん諸塚君もだろう)、ようやく意識が現実に戻って来た感じ。

 

「はは、面食らってたな、2人とも。まあ、昼と夕方は、うちはいつもあんな感じだぞ。シャワーの後、素っ裸でしばらく彷徨く奴も多いしな」

「その、もしお客さんとか来てたらどうするんですか?」

 

 きっと俺もここに『染まる』。質問はそのときへの『備え』でもあった。

 

「んー、たいがい、うちに顔出すような人はもう分かってるしな。シャワー一緒に使うような人もいるし、あまり気にしないこった」

「凄いですよね、うちの会社……。五ヶ瀬さん、俺、さっき3人の人が五ヶ瀬さん達にしゃぶられてるとき、正直言うと勃ってました」

「諸塚君は正直だな。……、三股君はどうだったんだ? 実際のところは?」

「あ……、その……。俺も、その、勃ってました……」

「2人とも正直でよろしい。俺が見込んだ通りの2人だ」

 

 五ヶ瀬さん、料理を前にしてニコッと笑う。

 この笑顔に、俺、騙されてるのか、それとも……。

 

 天ぷら屋と言っても、高級店じゃぜんぜん無くって、漬物と塩辛が食べ放題、定食セットでも1000円ぐらいの安いとこ。

 それでも揚げ立てでスゲえ旨くって、2人とも3杯目のご飯、食べてた。

 

「寝る子は育つとは言うが、食べる子は育つだな。ってか、当たり前か、それは」

 

 ガハハって笑う五ヶ瀬さん。なんかその顔が眩しかったり。

 なんだろうな、俺のこの感情は。

 

「さて、ちょっと休憩しといてくれ。2時からは高千穂さんと一緒にユニフォームの採寸するからな」

 

 うん、ここだと絶対、これ、全裸案件だよな。

 あのぴっちりしたユニフォーム、体型も股間もモロ分かりになるのが、まあ分かってみればここらしいというか。

 

 休憩と言っても仮眠室とかがあるわけでは無いので、さっきの大きなテーブル横に。何人かの社員の人と一緒になって、自己紹介とか雑談とか。

 

「高鍋さん、あんなにデカいんだけど、うちでは2番目なんだよな」

「ええっ、一等賞は誰なんスか?」

「ん、高千穂さん。もう、馬鹿でかいのにも程があるっていうのか、いや、無いのか。あれ、先端咥えるだけで精一杯だよな。太さだと高鍋さんが勝つんだろうけど」

「高千穂さんと高鍋さんのは、しゃぶるにしてもケツ受けにしても、社長と五ヶ瀬さんぐらいだよなあ」

「凄いですね、高鍋さんのでもケツとかで受けれるんですか?!」

 

 諸塚君、馴染みすぎ。つか、適応能力高すぎ。

 俺、年上なんだけど、そこは遅れを取ってた。

 

「あ、採寸みたいだぜ。俺たちもサイズ変更のときにはやられるけど、まあ、楽しみなよ」

 

 楽しむ、ね。

 たぶん、その、平常時と勃起時、両方計るんだろうな、今から。

 

「おし、計るぞ。2人とも、全部脱げ」

 

 脱ぐのは構わないんだけど、やっぱり全員の視線が集まるここでなんだよな。

 

「おお、諸塚君のはもうビン勃ちだな。勇ましくていいぞ。だが、平常時も計らんといかんからな……」

「2、3発抜くと、戻るかと思うんですが、なんか、その、期待しちゃってて済みません」

「半日でだいぶ慣れてきたみたいだな、諸塚君は。三股君は、大丈夫か?」

「あ、はい、なんとか着いて行ってます」

 

 2人とも素っ裸に。ギャラリーもそこそこ集まり始め、諸塚君はピン勃ちでもう先走りまで垂れ始めてる。

 首回りから肩、腕、胸部腹部、腰と尻、太股、脛、それぞれの長さ太さ、けっこう繊細な感じで計ってくれるのは、慣れてるせいもあるんだろうな。

 

「さて、皆さんお待ちかねのチンポ周りだ。なんせ、太さ大きさが一番変化するところだからな。平常時と勃起時、両方計測するぞ」

 

 まあそうなるよな、ここだと。

 

「三股君は平常時を計って勃起時、諸塚君は逆だな。なに、やることは変わらんから、おとなしく計られといてくれ」

 

 これまでのよりも細い巻き尺が用意されてて、俺は高千穂さん、諸塚君は五ヶ瀬さんが計測係に。

 長さはもちろん、竿周りを根元、中程、雁下と3カ所。亀頭も周囲と先端までの長さ、金玉も根元や一個一個の玉周りや全体をぐるっと計っての円周、手に乗せた形での高さやら色々計られていく。

 

「さすがに三股君のも膨らんできたな。どれ、しゃぶらせてもらうから、遠慮無く勃たせろよ。ただ、太い分、テクはあんまり披露出来そうにないかもな……」

「三股君の、玉、すげえな、あれ……」

「つか、竿も太さがえげつなくないか? あれ、勃ったら高鍋さん、抜くぞ」

「竿太くて玉デカって、ユニフォーム着たらすげえことになるじゃん」

 

 高千穂さん、そのままの流れで俺のを口にしていく。

 周りの人達も、からかう口調ではまったくなくて、純粋な興味と驚きなのが、なんか不思議。その分、腹も立たないし恥ずかしさとかも無いんだけど、なんか、ホントに不思議で。

 諸塚君は分かんないけど、俺、人にチンポしゃぶられるなんて、この前の五ヶ瀬さんが初めてだったんだからな。

 

「おう、これ、すげえな、太さ……。おい、これ、直径8センチはあるぞ……」

 

 ぷはって感じで口から出した高千穂さんがすぐにメジャーを当てる。

 

「勃起時、長さが亀頭含めて13センチ、直径8センチ、竿周りの円周、25センチ……」

「やっぱり、太さではうちで一番だな。高鍋さんより太いのがいるとは、思ってもみなかったが……」

「三股君、これ、長さもぜんぜん普通なんだが、金玉がデカい分、部活とかじゃからかわれてきたろう……?」

 

 心配そうに尋ねてきてくれたのは高鍋さんだった。

 確かに高鍋さんの、玉も竿も、すげえバランスが良くて、デッカいチンポの見本みたいなんだよな。

 

「そうですね、どうしても、裸になると周りがはしゃぐというか、からかうと言うか……」

「そういうの、気にしないようにしててもけっこうキツいもんな。俺とかも普通のときからデカくてずろんとしてたんで、女子の前とかでも『デカちん』とか呼ばれてて、笑って済ませてはいたけど内心は嫌だったもんな……」

 

 あれだけ堂々と裸も勃起も晒してる高鍋さん。その高鍋さんがそういうこと言うっていうのが、これもまた不思議だった。

 

「うちには、そういうので笑う奴は誰もおらんぞ。デカいの小さいの、細いの太いの、被ってる奴剥けてる奴、色々いるが、それぞれがそれぞれ感じたら大声上げてイけばいい。そんな連中ばっかしだ」

 

 いや、すげえ『いいハナシ』聞かせてもらってんだけど、俺、今、しゃぶられてんですけど

 

「あっ、いいっスっ! 五ヶ瀬さんっ、イきますよっ、イくっ、俺っ、イくっ!」

 

 俺の隣では『平常時を計測するために』に、諸塚君がイかされてる。でもまあ、たぶん、1回で萎えるわけないよな、俺たちの年で。

 

「あっ、俺もイきますっ!! 高千穂さんっ、済みませんっ! 出ますっ、出るっ、イくっ、イきますっ!!!」

 

「おお、2人ともほとんど同時にイッたな。今度の新人は同期の同志愛あって、いいこった」

「にしても2人とも全然萎えないよな。こりゃ、3回コースかな?」

「たっぷり飲めて、高千穂さんも五ヶ瀬さんもご満悦コースだろ、これ」

 

 まったくもって周りの皆さんの仰る通りで、結局俺も諸塚君も、連続3回、搾り取られることになったんだ。

 

 コンプレックスっぽく思われるのが嫌で、さも気にしてないふうに装ってきた俺のデカ玉。

 物心ついたときにはもう相当デカかったんだろう。林間学校や修学旅行、中高の部活でもずっと笑い者になってきた。

 自分自身でもへらへら笑ってやり過ごしてはいたけど、嫌じゃ無かったわけじゃない。さすがにこの年になると露骨な言葉掛けをする関係性のある奴はいなくなったけど、それでもスパ銭なんかじゃ微妙な視線を感じることもある。

 それが、この会社に入った途端、あくまでも『それもありじゃん、普通じゃん』って周りが見てるのは、なぜなんだろう。

 そういう訓練なんて、普通はなかなか出来るもんじゃないだろうに。

 

「おーし、三股君は終了! 諸塚君の、五ヶ瀬、はよ計ってやれよ。彼の若さだと、すぐに回復するぞ」

「おしおし、今のうちに……。平常時で長さ9センチ、直径4.5センチか。勃起時が16センチ、直径6センチに胴回り19センチだったんで、諸塚君、君は膨張率がいいんだろうな。うちのスタッフの中でも、けっこうデカい方じゃあるな」

「ええ、そうなんスか。自分ではあんまり分かんなくて……。つか、勃ったときとか比べたこと無いッスよ、俺……」

 

 五ヶ瀬さんと諸塚君のやり取りで、ちょっとだけピンと来たかもしんない。

 五ヶ瀬さんの口調で気付いたけど、ここの人達、たとえチンポや玉がデカくても、それが『他者への優越』とならないような言い方をしてるんだ。

 言葉の中の『デカい』って表現が、なんか淡々としてるって言うか、さらっと流されていくって言うか。

 それに釣られてか、諸塚君も優越感を感じる形では無く、単なる『事実』として五ヶ瀬さんの言葉を受け取ってる。その繰り返しが、俺が感じてた『不思議』の正体なのかもしれなかった。

 

「おっしゃ、そろそろいい時間だな。2人とも、服、着たかったら着ていいぞ。もちろんそのままぶらぶらさせといても誰も気にはせんがな。

 後は今日一日の研修報告書いてもらうと上がりになる。

 あ、遅出の連中が帰ってきたときのマッサージとか見たけりゃ、サビ残になるが見てやってくれると連中も喜ぶんじゃないかな」

 

 時間としては小一時間残ってたんだけど、なんでか2人とも自由記述欄、びっしり書いてた。

 質問に今日やったこと、やられたことについての感想みたいなの書くスピースがけっこう取ってあって、例として『嫌だと思った』とかも書いてあったから、書きやすかったのかもしれない。

 結局、遅番配送に出てた3人の勃起と口内射精もしっかり見学させてもらっての、研修初日の終了となったんだ。