七日籠もりシリーズ中、「白山下ろし」にて、信治が浩平に語った自らの過去の下ろし儀式。実の父親である信造と、その友人の良作を助の役として幾度もの射精を行った儀式から一週間後のお話しです。
下ろし儀式で父親ともう1人の助の役に、己の肉棒をしゃぶられ、扱かれ、何度もイかされた信治が、その後どのような関係を実の父親と持つにいたったのか。
シリーズ内の時系列としては一番古い話を現在の信治が語るという形になり、最新の年代から見ると20年近く前のことを信治の目を通して浩平(実際には小説内では間接的な描写があるのみで登場はしません)が知る、という体をなしています。
父子相姦という特異な行為が当たり前のように行われているこの地域の話を、信治が浩平に語り聞かせていく内容です。
親子による性行為が描写のほとんどを占めますので、苦手な方はお気をつけて。
会話文はもとより、信治の一人称で語られる地の文まで、文章すべてをかなり濃いめの方言(熊本弁)を使って書いてみました。
おそらく熊本~北部九州あたり出身の方で無いと読み取りも難しいとは思いますが、作者として一度やってみたかった手法であり、かなり自己満足度は高い作品です。
内容を理解していただくために、標準語バージョンも同時に公開しています。
文末表現が標準語に無理に訳そうとするとかなりくどくなってしまうため、逐語訳というわけではありません。
「~たい」「~ばい」「~な」などの「詠嘆」を含む語句、「し」「す」に表される軽い尊敬の意などは省略したり、標準語の文章として極力違和感が無いようにはしたつもりですが、それでも「訳」だと思わないと変な日本語になってしまってます。
特に年齢差のある3人の互いの熊本弁における敬語表現は、標準語バージョンだと書き切れなかった点を反省。
それにつけくわえて、自分で翻訳しながらも「エロの度合いがちと薄れるなあ」と思ってしまいました。
たとえネイティブであり、慣れ親しんだ言葉であっても、方言の持つエロさってある気がするんですよね……。
熊本弁になじみの無い方、七日籠もりシリーズをあまり読まれたことが無い方は、先に「登場人物」「熊本弁の解説」「標準語バージョン」に一度目を通された後に、方言バージョンを読んでいただけると、少しはニュアンスが伝わるのかなあと。
元の題名は「信治のとはずがたり」としていたんですが、国文の学生さんなどが検索して引っかかってしまうと悪いので、改題しました(笑)。
読みづらい、分からんなど、お叱りの言葉も多い作品となるかもですが、「自分が抜けるものを書く」ということには正面から向き合った作品となった気がしています。
感想など聞かせていただけると嬉しいです(^^)/